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ゴヤの名画と優しい泥棒のtottsunのレビュー・感想・評価

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)
3.9
「ゴヤの名画と優しい泥棒」🎬12
1961年、イギリス・ロンドンにある美術館ナショナル・ギャラリーで、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵画「ウェリントン公爵」の盗難事件が起きる。犯人である60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)は、絵画を人質に政府に対して身代金を要求する。テレビが娯楽の大半を占めていた当時、彼は絵画の身代金を寄付して公共放送BBCの受信料を無料にし、孤独な高齢者たちの生活を救おうと犯行に及んだのだった。
予告を初めて見たのが「ダヴィンチは誰に微笑む」を鑑賞した時だったから、「あれ?この予告の方が面白そう」と思った。
しかも主演のふたりがジム・ブロードベントとヘレン・ミレンだったから個人的には間違いない予感がしてた。
この話の元になった事件は正直知らなかったけど、だれることなく最後まで普通に楽しめから監督は誰?って思ったら「ノッティングヒルの恋人」の監督で、今作が遺作だなんて。
いかにもイギリスらしいジョークを交えながら、ジャズの音色を背景にお洒落なカット割りを見せたりして粋だった。
映画を見るだけではケンプトンがなかなかお茶目で憎めない感じが何ともいえない。
1961年の話ということで作中で「ウエスト・サイド物語」観に行かないか?と誘うシーンもあってまさかの登場にニヤニヤしちゃった。
BBCの受信料のくだりはNHKと変わらない気がするから、将来どーなるのやら。
制作総指揮を本当のケンプトンのお孫さんが担当してるあたり日本じゃ考えられないかも。
私的には☆☆☆.9かな
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