BATI

ボイリング・ポイント/沸騰のBATIのレビュー・感想・評価

4.6
「衛生管理員もバイトの新人もサボるスタッフも昔の仲間もアホみたいな客も何もかもがクソだ!この店もこの世界もクソだ!嫌いだ!何よりも俺は俺自身に耐えられないんだ!」ギスギス120%のストレスフルな95分に心地よく魅了された!最高っっっっっ!!

「ディナーラッシュ」を想像しつつも全く違う映画なのが開幕5分でわかる。キレッキレの編集もカットもなく長回しで繰り広げられる意味があった。止まれないことのストレス。様々な情報がハイコンテクストになって処理できなくなった男。店≒自分の操縦をするにはやる事が多すぎて手に負えない。

そもそも自分一人ではマネージ出来ないものを放置して店はおろか家庭もコントロールができない。しかし優しい女性たちが何人か出てくるも男たちはセルフイッシユな奴ばっかりだからこれはきっと「有害な男性性」の話。

タイトルの意味は「堪忍袋」と捉えているのだけど、別の捉え方も出来る。これはソダーバーグの感想を聞きたい映画。システムは更新され続けなければならない。アプデができなくなったら終わる。>「ボイリング・ポイント」

「ボイリング・ポイント」はギャスパー・ノエ「CLIMAX」とダーレン・アレフノスキー「レクイエム・フォー・ドリーム」が好きならハマると思うので、ピンときた方は是非ご覧になって下さい。
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