半兵衛さんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

半兵衛

半兵衛

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突然の恐怖(1952年製作の映画)

3.6

何なんだろう、この傑作とも駄目な作品ともどっちにもとれそうな変な作風は。

若さを失いつつある売れっ子の女性脚本家が仕事で知り合った年下の俳優と知り合い結婚するも、実は…という前半はかつての二時間ドラ
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プロデューサーズ(1968年製作の映画)

3.8

最低のミュージカルを作ろうとするプロデューサーたちの右往左往ぶりや変人スタッフとの絡みが馬鹿馬鹿しすぎてひたすら笑えるけれど、集団による物づくりというのは端から見れば変な人間たちの会合にしか見えないと>>続きを読む

闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)

3.3

溢れる性への欲求とその妄想が爆発する男子の性典ものとは違う、生々しい性への成長と異性と交流することへのストレートな欲求とその妄想がファンタスティックかつシュールに描かれる少女の性をめぐるドラマ。そして>>続きを読む

ガス燈(1944年製作の映画)

3.5

予想以上に『レベッカ』の影響を強く感じたが、それでも心のいやな部分を突かれる心理的ホラーとしても陰影の効いたゴシック・ノワールとしても適度な格調もあって良く出来ていたし、何より夫に翻弄され精神を追い詰>>続きを読む

サムシング・ワイルド(1986年製作の映画)

3.9

フリーダムなヒロインに翻弄される会社員がいつの間にか恋に落ちるというラブコメのようで実は『赤ちゃん教育』などホークスが監督したスクリューボール・コメディを現代的に仕上げたような作品。個性的なキャラとの>>続きを読む

写楽(1995年製作の映画)

2.0

この作品を監督するはずだった川島雄三、彼の夢を引き継いで本作を製作したフランキー堺、監督を担当した篠田正浩それぞれの想いが交錯しすぎて肝心のドラマにプレッシャーのようにのし掛かり、歴史ドラマとしてもア>>続きを読む

この声なき叫び(1965年製作の映画)

3.3

聴覚障害者が殺人を疑われ逮捕され、不利な証拠や警察による思い込みで追い詰められていく内容は社会派ものとしてもよく出来ていたし、そんな冤罪で追い詰められていく耳の聞こえない青年という弱者を若き日の田村正>>続きを読む

AI(アイ)高感度センサー搭載 メイドロイド(2008年製作の映画)

2.5

これを監督趣味丸出しの変態映画ととるか、カルトなポルノとして笑いながら鑑賞するかで大分印象が違うはず。残念ながら私は前者だったけれど、メイド型アンドロイドが夜のテクニックも駆使しながら活躍していくドラ>>続きを読む

都会の叫び(1948年製作の映画)

3.5

主人公の刑事と犯罪者が幼馴染みという設定があまり生かされていないし、刑事メインとなる前半は真面目すぎて精彩を欠いているけれど、その不敵な面構えからか悪人キャラクターがよく似合うリチャード・コンテがメイ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

ジブリ作品のオマージュシーンで形成されたまるで宮崎駿監督が二馬力社から続いてきたジブリの歴史に一つのピリオドを打ったような作品に。少年が冒険を経て成長していくという宮崎監督らしいストーリーにはなってい>>続きを読む

アタメ(1989年製作の映画)

3.0

ストーカー紛いの男性に監禁され一方的な愛で責められるポルノ出身の女優の受難というサスペンスっぽい題材なのに、緊迫感など微塵も存在せずカラッと陽気に描写されているのは時代のせいなのか、お国柄なのか。監禁>>続きを読む

コクリコ坂から(2011年製作の映画)

2.0

ノスタルジックな青春を謳った作品が苦手なのに、それに加えて実写をメインとした俳優たちによる変な抑揚の台詞回しが更に居心地を悪くさせて終始むず痒い気分で鑑賞してしまった。特に香川照之の声はあまりにもわざ>>続きを読む

知らなすぎた男(1998年製作の映画)

3.0

ビル・マーレイによる諜報戦をお芝居だと勘違いしたコントのような演技は笑えるけれど、そればかりメインでやっているので段々飽きてくることに。後半事態が深刻になっているのにずっと目の前の出来事を役者が演じて>>続きを読む

紳士同盟(1986年製作の映画)

1.9

当時のアイドル映画はこのくらいのレベルだと覚悟して見ても首をかしげてしまうような作品、詐欺師ものとしてもコンゲームのノリが薄いのでワクワクしないし肝心のターゲットが浮世離れした金持ちのボンボンって…。>>続きを読む

無法松の一生(1958年製作の映画)

3.5

リメイクものとしてはかなり出来がよく、これを先に鑑賞しても感動できる作品に。でも1943年バージョンが作品の完成度はもとよりモノクロの映像が醸し出すノスタルジーが心を打つ名作に昇華していたのに対して、>>続きを読む

狂恋/狂恋・魔人ゴーゴル博士(1935年製作の映画)

4.0

好きになった女優に執拗なまでに一途で、彼女の旦那への嫉妬や彼から引き離して独占しようとするよこしまな愛情が暴走して狂気と化していくピーター・ローレのこじらせファンぶりが80年前とは思えないくらい現代的>>続きを読む

石中先生行状記 青春無銭旅行(1954年製作の映画)

3.0

戦前の学生たちの無銭での珍道中という他愛のない内容ながら、和田孝をはじめとする学生側のキャスティングが良かったし、彼らと絡む千秋実や東野英治郎、高橋とよ、十朱久雄のサポートや飄々とした中川信夫監督の演>>続きを読む

ショッカー(1989年製作の映画)

4.1

主人公の青年が家族を殺される予知夢を見てから殺人鬼との対決を様々なシチュエーションで手を変え品を変えノンストップで畳み込む語り口があまりにも素晴らしすぎて、肝心の何故主人公は特殊能力を持っているのかと>>続きを読む

幻しの合唱(1935年製作の映画)

3.0

『クリスマス・キャロル』などで知られるチャールズ・ディケンズの遺作『エドウィン・ドルードの謎』を映像化したミステリー仕立てのドラマ、ちなみに原作は執筆途中で作者が死去して未完になっており犯人やオチは製>>続きを読む

世界残酷物語(1962年製作の映画)

3.3

世界の奇習を映像におさめたドキュメンタリーまがいのモンド映画(もっともやらせのないドキュメンタリーがあるのかどうかは疑問ではあるが)ではあるが、開き直ったかのような俗悪さに満ちた風習の描写は結構好きだ>>続きを読む

あの愛をふたたび(1970年製作の映画)

3.8

どちらも家族を抱えている男女が、仕事で訪れたアメリカで短い時間の付き合いと知りつつ燃えていく大人のアバンチュール。そんな割りきりの恋愛をドライに、さらっと嫌味泣く泣く描くのがさすがフランス。

でも不
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モガンボ(1953年製作の映画)

3.8

クラーク・ゲイブルの無茶が出来ない年齢ならではの責任を回避するお付き合いや遊びかたは若い人には無責任にも思えるかもしれないが、年齢を重ねるとやっぱそういうやり方が心地よいよなと理解できてくるはず。でも>>続きを読む

フライングハイ(1980年製作の映画)

3.8

飛行機を題材にした作品を下敷きにしつつそれらのパターンをひたすら茶化してアホなギャグを連発していくスタイルは時折毒が強すぎてポカーンとしてしまうけれど、それでもギャグの足し算や掛け算が決まり笑いのツボ>>続きを読む

傷だらけの天使(1997年製作の映画)

3.2

『傷だらけの天使』と銘打っているくせに主役二人のキャラはそのままなのに名前は変えているという小賢しいことをしているのが気に入らないし、トヨエツがショーケンのキャラを無理して演じるあまり自分の個性を押し>>続きを読む

白いドレスの女(1981年製作の映画)

3.6

原題の『body heat』が示すように夏の湿気による蒸し暑い空気が画面から伝わる演出や音楽は見ごたえがあったけれど、主人公が知り合った女性と逢瀬を重ねていくうちに犯罪に巻き込まれるというノワールらし>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

3.5

子供の頃から何回も鑑賞している作品ながら、大人になってから見直すとヒロインの性格があるときはおしとやかであるときはじゃじゃ馬、またあるときは怒りにまかせて兵士数人を容赦なく殺害と情緒不安定なヤバい奴で>>続きを読む

白い酋長(1951年製作の映画)

3.5

新婚旅行の最中にも関わらず憧れのテレビドラマの撮影を追っかける妻とそれに翻弄される夫というストーリーはベタなコメディだけれど、夢とその現実とのギャップやそれでもなお夢を見ることの大切さを高らかに謳って>>続きを読む

おんぼろフィルム(1985年製作の映画)

3.8

サイレント時代の映画への郷愁や愛情を、ボロボロになったフィルムの状態まで表現しつつそれをメタ演出でコミカルに処理しているのがいかにも手塚治虫らしい短編アニメーション。ただ古い映画へのノスタルジーが強す>>続きを読む

歓びの喘ぎ 処女を襲う(1981年製作の映画)

3.5

かつて学生運動に参加していた経験のある高橋伴明監督の思いが、本編の学生運動に挫折して怠惰な人生を過ごす下元史朗のキャラクターに込められているように丁寧に描写され過ぎてややドラマが重くなっている印象があ>>続きを読む

夕陽特急(1936年製作の映画)

3.3

前作のバカンスでの事件解決後、ようやく家に帰って来た主人公夫婦が再び事件に巻き込まれるさまを軽快に描いたミステリー。そしてやはり本作も伏線やら本格的な推理要素よりも勢いとノリと役者のフットワークの軽い>>続きを読む

影なき男(1934年製作の映画)

3.4

元探偵で今は裕福な生活を送っている男性と新婚の妻がある依頼をされたことをきっかけに連続殺人事件に巻き込まれる推理ドラマ。ハメットが原作ではあるがハードボイルドなテイストはほとんどなくて夫婦が口喧嘩した>>続きを読む

緋ぢりめん博徒(1972年製作の映画)

3.0

藤純子引退後に彼女の後継者となるやくざ映画の女性スターを登場させようと製作された任侠映画、主役となる中村英子をはじめとして当時の新人女優が複数出演してさらに『大江戸捜査網』などで人気を得ていた土田早苗>>続きを読む

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

4.0

人生どんなに前向きに生きていてもこのドラマの出来事のように突発的に死を迎えたり、突然トラブルに巻き込まれたりするけれどそれでも歌や人の絆を大事にして朗らかに生きていこうじゃないかという監督のいつもの、>>続きを読む

どですかでん(1970年製作の映画)

3.8

『季節のない街』がディズニープラスにてドラマ化されると聞いて久々に鑑賞、ちなみにドラマ版の監督と脚本を手掛けるクドカンは本作のファンだとか。

低予算のためか黒澤明監督作品としては珍しくセットが狭苦し
>>続きを読む

奇妙な扉(1951年製作の映画)

3.5

悪党領主チャールズ・ロートンが復讐の対象者である兄やその娘に嫉妬する理由があまりにもくだらなさすぎてひいてしまうが、そんな悪人を嬉々として演じるロートンの『おんな極悪帖』の岸田森や石井輝男の異常性愛シ>>続きを読む

座頭市血笑旅(1964年製作の映画)

4.3

目が見えない座頭市と赤子のやりとりに笑わされて泣かされて、そんな二人と旅をする女スリとの交流も胸が温かくなるけれど時折所詮自分たちは家庭を持てないアウトローであると自覚せざるをえない状況になり切なくな>>続きを読む