半兵衛さんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

半兵衛

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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.0

平成ガメラ三部作の中では個人的にこれがベスト、一般人と自衛隊、ガメラ三つの視点がバランスよく書かれているし未知の敵レギオンに対して三者が最終的に一致団結して挑むのがグッと来る。ガメラをあくまで中立の怪>>続きを読む

非情の標的(1972年製作の映画)

4.0

謎の組織に妻を誘拐されてある囚人の脱獄を強制させられた刑務所の副所長オリヴァー・リードとその囚人であるファビオ・テスティ、どう見ても最悪な組み合わせな二人なのにそれに加えて自分達がどんな状況に巻き込ま>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

4.0

アイドル的な人気を誇っていた時代の高峰秀子の明朗な魅力と島耕二監督のモダニズムで軽快な演出が見事に合わさり、他愛のない内容なのに見ていて明るい気分になれる元気の出る作品に。テクニックやテーマなど小難し>>続きを読む

幸福(1934年製作の映画)

3.5

どんなに頑張っても国などから税金や収穫物を取られ、ひたすら貧しい生活を送る農民がコルホーズに参加して真面目に働いた結果幸福を見出だすという一種の共産主義礼賛映画。でもそんな貧苦の様子をコミカルに描いて>>続きを読む

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

3.5

津軽漆の職人である父親とそんな彼を支える娘、二人のお互いに気に掛けているけれど何も言い出せず淡々と過ごしている不器用なドラマをじっくりと(時にはじっくりとしすぎて長く感じたけれど)撮っていて結構見ごた>>続きを読む

アンネの日記(1959年製作の映画)

4.0

見つかれば死の可能性が高い過酷な屋根裏部屋での隠れての生活でも、年頃だったら色々多感だし何なら男の子にも興味を持っちゃうよねでもそんな青春も過酷な状況では癒しにもならないしむしろ一緒に住む大人たちのギ>>続きを読む

火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

3.0

ゆるゆるでぐだぐだなストーリーやトラブルに対処できないおじさん達を通して権力者をおちょくる戯作的なスタイルは理解できたけれど、肝心の面白さが今一つ伝わってこなかったので…。これも作った当時は斬新な刺激>>続きを読む

素晴らしき放浪者(1932年製作の映画)

4.6

世間の常識を一切知らないフリーダムで無垢な浮浪者を演じるミシェル・シモンの怪演の素晴らしさもさることながら、そんな男を家に居候させたことから中産階級の家庭の虚構が剥がれ落ちてしっちゃかめっちゃかになっ>>続きを読む

ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

3.0

ブレッソンの作品にしては普通のメロドラマだけれど、好きだった男と惰性で別れた女性が壮絶な復讐方法で報復しようとする点が他のドラマにはない面白さがあった。

ブレッソン監督の演出はまだ手探りの状態という
>>続きを読む

カバーガール(1944年製作の映画)

4.0

これぞクラシックなミュージカル映画、ある踊り子が雑誌の表紙に選ばれ出世していく一方振り付け師で踊り子の恋人でもある男が取り残されていく様子をダンスと歌で楽しくも悲しく初期のカラーで彩られた映像はまさに>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.0

リアルタイムで鑑賞したときは結構面白かった印象があるが、改めて見直すとメインの役者の演技下手だなーということや特撮が割とチープだったり編集にキレが無かったりとマイナスなことばかり目がいってこれが大人に>>続きを読む

犯人は21番に住む(1943年製作の映画)

3.0

殺した死体に「デュラン」という名が書かれた名刺を置く連続殺人犯を追う探偵(刑事?)を描いたミステリー、語り口がスローなため何度か睡魔に襲われたけれど犯人に意外性があってなかなか楽しめたし探偵の恋人があ>>続きを読む

大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス(1967年製作の映画)

4.0

自分より格上で凶暴な怪獣ギャオスに対して必死に食らいついて戦おうとするガメラの献身的な姿は大人になっても感動する。様々な攻撃能力を持つギャオスと甲羅という防御能力を駆使して応戦するガメラの戦闘も見ごた>>続きを読む

快楽(1952年製作の映画)

4.5

オフュルス監督ならではの流麗なカメラワークがフランス流大人の男女のドラマに艶をもたらし、うっとりしてしまうような眩い世界となっていく奇跡。ストーリーも一話で年をとることの残酷さをつきつけて、お客のテン>>続きを読む

ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

3.9

60年前の作品ゆえ古さは否めないが、それでも自分が少数派として孤立しているという集団で活動して進化してきた人間にとって最悪の恐怖が日常の中から小さな違和感が拡大してじわじわと責めてくる巧妙な語り口とシ>>続きを読む

「粘土のお面」より かあちゃん(1961年製作の映画)

3.9

『三丁目の夕日』なんて作り物に思えるほど不幸と貧乏が立て続けに襲うリアルでしんどすぎる状況のなかでも前向きに生きる主人公家族の健気さにしんみり。そしてそんな家族を陰から見守って彼らが夜逃げしても黙認す>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.1

退廃に満ちた製作当時のベルリンの世界に対して積極的な飲酒による泥酔スピリッツで立ち向かう主人公の格好よさに痺れる。でも小人やら文明を象徴した登場人物など監督のイメージを表した物体があまりにも解りやすす>>続きを読む

エドワールとキャロリーヌ(1951年製作の映画)

4.0

些細なことからのすれ違いによる夫婦喧嘩の顛末を、コミカルさと仄かなエスプリを交えて飽きることなく楽しませてくれるジャック・ベッケル監督による演出の素晴らしさに感動。個性的な登場人物たちが集まる演奏会の>>続きを読む

OL日記 濡れた札束(1974年製作の映画)

3.8

実際に起こった横領事件を単に再現するのではなく、事件の加害者となった銀行員女性の生きざまを時系列をモザイクのようにバラバラにすることで主人公の心情が画面から浮かび上がる演出が圧巻。そしてそこからは戦後>>続きを読む

狼の王子(1963年製作の映画)

3.3

主題である石原慎太郎原作らしい観念的なやくざの堅気と暴力の狭間で苦悩するドラマは正直どうでもよくて、随所に登場する鮮烈な暴力シーンの数々の迫力が素晴らしいのでそっちに興奮しながら見てしまった。高橋英樹>>続きを読む

白い馬(1952年製作の映画)

4.0

誇り高き野生の白い馬と子供との交流を野生の動物たちをドキュメンタリーチックで捉えた映像と、台詞を極力減らして主人公や動物たちの日々を詩情豊かに描いた演出によって幻想的でありながら生物と息づかいに溢れた>>続きを読む

恐怖の報酬(1953年製作の映画)

4.1

二時間半という長い尺なのにダレ場が一切ないというのが凄いし、娯楽作品を期待していたのに前半の日雇い労働者がたむろするうらぶれた街並みでの生活を容赦なく描写した展開に圧倒されるがこうした世界を真正面から>>続きを読む

希望の降る街(1942年製作の映画)

3.9

殺人犯の濡れ衣を着せられ脱獄した男が幼馴染みの娘の家族が所持する家に隠れようとするが、そこに運悪く優秀な検事が暮らすことになり…。こんな三人が色々あって一つ屋根の下同居生活を送るのもさることながら、い>>続きを読む

大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年製作の映画)

3.0

つねに目の焦点があっておらず気味の悪いバルゴンの存在感よ、南方生まれなのに冷凍能力を持っていたり虹の光線という変に美しい武器も含めて他のメジャー怪獣にはない不思議な魅力を放つ。スーツアクターの苦闘ぶり>>続きを読む

Summer of 85(2020年製作の映画)

3.0

同性との愛に揺らめく青年アレックスを通して描かれる、フランソワ・オゾン流男の成長ドラマ。恋する男性との関係性や女性を美しく撮らずあくまで男の美を追及するところにファスビンダーの影響を感じる。

でも純
>>続きを読む

河口(1961年製作の映画)

4.4

やっていることは妾稼業に入ったことをきっかけに通常の男女の関係を手に入れることが出来なくなった女性のメロドラマなのに、出演する名優たちのやりすぎない絶妙な塩梅の喜劇的演技によって哀しくてどこか可笑しい>>続きを読む

わるい仲間(1963年製作の映画)

3.8

ナンパしてきた男二人と女のどうでもいい会話が延々と交わされるといういかにもヌーヴェル・バーグらしい作品だけれど、映像の切り取り方や舞台となるフランスの街並みを魅力的にとらえた映像など随所にユスターシュ>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

4.2

バイトで使用しているサンタクロースの服を着て女性にモテようとしたりなどしょうもない青春を描いた映画だけれど、舞台となるフランスの夜景の美しく捉えた映像とお金がないくせに女とやりたいことばかり考えてハチ>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.4

パリで暮らす仲良し少女の二人が巻き込まれるエピソードの数々はどれも他愛のないものばかりなのに、いずれも豊穣な味わいがあり見終えたあとの満足感が半端ないとはどういうことなんだ。そのうえオチの付け方も完璧>>続きを読む

温泉こんにゃく芸者(1970年製作の映画)

3.0

鈴木則文監督による馬鹿を徹底的にやって笑いを取りまくる温泉芸者作品に比べると変に真面目すぎてエロとしてもお笑いとしても全く弾けていないが、それでも中島貞夫監督特有の自分の生きざまを自問自答しながら突き>>続きを読む

群衆の中の一つの顔(1957年製作の映画)

3.7

『オール・ザ・キングス・メン』などの前例があるとはいえ、そこにテレビというメディアを絡めてより現代的な成り上がりの成功と破滅のドラマに仕上げているのは見事だし70年近くたっても古びていないのが凄い。何>>続きを読む

無頼平野(1995年製作の映画)

3.3

任侠映画のスタイルを取りつつも実際は懐かしき昭和の東京へ想いを込めた石井輝男流ノスタルジー映画、ただ新東宝時代に逆行したかのようなモダンさやつげ忠男原作ならではの社会の底辺で暮らす人たちへの共感といっ>>続きを読む

性家族(1971年製作の映画)

2.3

同じ年に製作された大島渚監督の『儀式』を意識しまくった内容に、更に若松孝二監督特有の「偉いやつはぶっ倒せ」論理が加わって頭でっかちな観念と単純な攻撃性が混沌となり渦巻く変なドラマと化して辟易してくる。>>続きを読む

歌へ!太陽(1945年製作の映画)

2.8

あるレビュー劇場で繰り広げられる人間模様を描いたドラマ。戦後すぐに製作された邦画の一作で、GHQに配慮しているためか戦争だの戦後の生活など一切触れられず出演する俳優たちの歌やショーを楽しむのがメインの>>続きを読む

アッシャー家の崩壊(1948年製作の映画)

3.0

ポーの映像化というよりおどろおどろしさ先行の呪われた家系による怪談映画みたいな内容になっているしアクション演出がもたついていて中弛みしているけれど、終盤の大雨のなかで繰り広げられる惨劇は憔悴する登場人>>続きを読む

パニック・マーケット3D(2012年製作の映画)

3.5

人喰いサメ×津波×津波により水没したスーパーマーケットにて生還した人たちの脱出劇というあまりにも欲張りすぎた内容とショボいソフトのパッケージから際ものっぽいイメージが漂うが、映画の方はパニックものとモ>>続きを読む