Monsieurおむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.7

SFとキッチュに満ちた異空間の工場内と子ども嫌いでひねくれてるウォンカの造詣。
ダニー・エルフマンの劇伴の愉快さ。
キモいウンパ・ルンパ。
どこをとってもバートンの世界。
ウォンカに至ってはバートン本
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.9

戦争の意味
幸せを願い生きる大切さ
純潔の女子高生が問う、あの夏の日本。

国の為、名誉の為、愛する人の為、戦うことを、生き延びることを選んだ真っ直ぐな若者たちがいたこと。
そんな人たちの想いを受けて
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

トットちゃんこと黒柳徹子さんの幼少期を綴った小説のアニメ化。
好奇心旺盛で落ち着きがないことから、変な子として見られ、遂には学校を退学させられてしまうトットちゃんが、自由を重んじるトモエ学園入学をきっ
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MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)

3.7

三者三様の悩みを抱える女性たちの1夜限りのデートが、人生を変えるきっかけとなる群像劇。

甘ったるい恋愛ものかと思った予告から得た印象を見事に裏切っていくだけでなく、人間ドラマとしての奥深さも兼ね備え
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.8

世界中から選ばれた5人の子どもたちが秘密のチョコレート工場を見学に行く。
ただそれだけなのに魅惑的。

スチームパンク一歩手前の夢のガジェット。
カラフルなお菓子の雨あられ。
ウンパ・ルンパのいる世界
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アダミアニ 祈りの谷(2021年製作の映画)

4.1

adamianis(アダミアニ)ジョージア語で人間を意味する言葉。

ジョージアの東、パンキシ渓谷。
鳥がさせずる美しい自然の大地には、かつてチェチェンから移住してきた人々の末裔 キスト人が暮らしてい
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

4.0

「巨人」から森の護るため、相反する2つの国からやってきたエージェント クラエとブルーオは、巨人を止める力を宿す謎の光ペルリンプスを求め、共闘していく…。

カラフルでポップな映像と音楽が誘うイマジネー
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.7

相変わらずカーテンはぶら下がっているけれど、カーテンレールが歪んでしまった。

仕事を辞めた事を親に言えない。
仕送りの野菜は手付かずのまま。
コンビニバイトで嫌な客に当たる。
馴染めない飲み会。
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.9

フランス革命の混乱を収め、皇帝へと駆け上がった英雄や侵略者としての偉人感を保ちながら、ジョゼフィーヌへの愛に溺れる凡夫への新たな切り口をみせる再構築。

「ナポレオン&ジョゼフィーヌ」あるいはジョゼフ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.3

ギラギラのマッチョが蔓延る開拓時代の歴史に残らない最も純朴で愛すべきアメリカンドリーム。
「西部劇」を解体&再構築した資本主義の甘くはない冷徹な寓意と、ロジック無視の優美な友愛。
出逢ったばかりのクッ
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最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.9

荒れた地域で落ちこぼれのレッテルを貼られる子どもたちが、自身を反映した映画制作を通し垣間見る誰も知らない自分。
映画の功罪と不完全な大人、そして躍動する子役たちが生む温かな混沌が、虚実を綯い交ぜにした
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.1

ベル・エポックを象徴するように料理を芸術へと昇華させた美食家と料理人の繊細で複雑な愛の刻。
信念を共有しながらも互いの心には不可侵な2人を繋ぐ豊潤な食の言語。
味や香りが伝わらないのが恨めしい優美なト
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ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

4.0

人工子宮ポッドで胎児を育てられる近未来。妊娠によりキャリアを断念したり、男性が妊娠期の子育てに参入できたり性差の不均衡改善に一役買うも、母性の所在や自分の身体で受胎しないことへの後ろめたさなど、論理で>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.9

初夏に訪れた眩しい初恋の記憶は、男らしさを盲従し、同性愛への偏見と嘲笑が蔓延る保守的な町の悲劇へと。
80年代シチリアの溢れる陽光、匂い、手触りまでも切り取った美しい景観は、実際の事件の悲惨さと共に少
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デシベル(2022年製作の映画)

3.7

「もし、あの時に戻れたら、同じ選択をしますか?」
騒音反応型爆弾によるテロ事件に翻弄され、常に理不尽な選択を強いられる海軍将校の奮闘劇。
ただのパニック・アクションじゃ済まさない韓国エンタメ映画が突き
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.2

個展のため作品制作に没頭したいのに様々なアクシデントで思うようにいかないリジー。

自身も個展を控えるアーティストながらやりたい事しかしない奔放な隣人ジョー。

対照的に見えて共通する自分ファーストな
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イン・セイフ・ハンズ(2018年製作の映画)

3.8

匿名出産の後、福祉の手に託された新生児テオが一時的な里親を経て、養親と出逢う数ヶ月を描いたドラマ。

映画としての面白さを優先するならば、養子縁組を結ぶ為に様々な困難を克服するアリスの物語に注視するべ
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怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.3

バイオレンス&サイコパス特化の三池崇史とは思えないぬるさ。

更にミステリーや人間の変容を描いたドラマとしても手札の開示が早すぎて、菜々緒演じるプロファイラーと答え合わせをしてる気分に。

サイコパス
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

4.1

泣けない女優とドラマ監督志望のバラエティADがつくる地元密着ドキュメンタリー。

スキャンダルで干された女優の復権とドラマ班へのステップ。
噛み合わない思惑そのままに、言い訳ばかり、上辺だらけの2人の
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隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

3.9

人間に擬態する地球外からやってきた難民Xが日本にもいるかも知れない。
そんな突飛なSF設定が暴く、日常に隠れた病巣。

人種や職業に対する差別。
排斥へ流れ出す人の暴力性。

マスコミやSNSの怖さを
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花腐し(2023年製作の映画)

3.8

酒と煙草と性愛で自らを燻らせ、色褪せていくピンク映画への惜別を刻む2人の男と1人の女。

腐り朽ちていった夢追い人たちへの鎮魂歌はレトロスペクティヴでありながら、どこか未来への光明を示すような印象を残
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.1

夢も未来もわからない。
社会も大人たちもわからない。
なのにどうしたらいいかもわからない。
胸に走るこのイライラもチクチクもどこからくるのか、いっそバラバラになってしまいたいのに、幽霊のように居場所の
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車軸(2023年製作の映画)

3.7

地方資産家の実家と、お嬢様として育った自分への違和感を抱えたまま、進学の為に上京した真奈美。
ゲイであることをオープンにし自由と愛に生きる資産家の潤。
ノンケだが潤と枕営業もする、柔和な姿勢で自他の喜
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(2023年製作の映画)

3.6

浅草フランス座からお笑い界はおろか世界のキタノに成り上がった平民 北野武ならではの、戦国武将や侍の再構築と「本能寺の変」の珍解釈。

大島渚「御法度」からインスピレーションを受けたのだろうか、衆道描写
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.8

航空パニックに始まりサバイバルアクション、人質奪還劇を経由して再び飛行機へと帰結する1本で何通りも味変できるお得感。

もちろんそれぞれの出来はほどほどだし、登場人物もジェラルド・バトラー以外は記号な
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リアリティ(2023年製作の映画)

3.7

自国の現実を白日の下に晒すことは正義か?

民主主義を脅かす疑惑についてリークしたことで、情報漏洩の罪で逮捕されたリアリティ・ウィナー。
FBIによる尋問記録を一言一句書き起こし再現された心理ドラマ。
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.8

危険なのは街か?異物か?
赤い月とネオンサインが輝くニューオーリンズへやってきたモナ・リザとの関わり方で、正義にも悪にもコロコロと反転していくそれぞれの立ち位置が面白い。

いたってアナログなスーパー
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毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)

3.8

前作の寂寥感を湛えた美しいラストへと導く空白を描いた続編は、主要キャストの変更がかなり痛く、芳醇な余白を埋められてしまった不粋さもあるが私は結構好き。

ウォノチーム長、ラク、ブライアン、ビックナイフ
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

4.0

韓国の暗く悲しい歴史の一片を描いた熱い映画だ。
日本統治下の京城を舞台に抗日テロ組織のスパイ探しは、限られた時間と空間で繰り広げられる容疑者4人と警備隊のジリジリとした心理戦。
静かな諜報戦はいつしか
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

莫大な権力を誇る一族の跡目争いと戦後も続く富国強兵の呪い。
「本当に怖いのは人間」という水木先生の魂を反映し攻めに攻めた記念碑的作品。にしてもなんてエグい脚本なんだ。

醜いなんてもんじゃない人間の業
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.8

犬映画にするとレイティングが甘くなるのだろうか?この中学生男子が書いたみたいな下ネタ全開な映画がPG12なことに驚いている。
でも、復讐ロードムービーをオーバーキル気味にやり切ったのは凄く良かった。
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コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.8

それぞれがのらりくらりと肩肘張らずに生きてるようで、どこか負のエネルギーを引き摺っている安アパートが似合う住人たち。

豊かではないが自由で、上手じゃないから受けれ入れられる。他人や人生とのいい距離感
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.5

坂元裕二にラブコメを書かせようというのは良かったと思うのだけど、日常系から離れた豪華客船での殺人ミステリーがミスマッチな印象。
とはいえ、既存の1クールドラマから2時間映画へ、スタイルの過渡期という見
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ライト・ライト・ライト(2023年製作の映画)

3.6

私たちの人生が冴えないのはきっと被曝してしまったから。
そう思い込むことで飲み込んできた辛い現実。
チェルノブイリ原発が爆発した1986年に出会った15歳マリーアと転校生ミミの光に満ちた夏の初恋と忘れ
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4人の小さな大人たち(2023年製作の映画)

3.8

互いが合意の上で複数の恋愛関係を結ぶ「ポリアモニー」を描いた大人の恋愛と成長物語。
夫の不倫発覚をきっかけに、嫉妬と憧憬も作用して、自らも別のパートナーと関係を作る妻ユーリア。

関係性として受け入れ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.8

ドラマ2作品は一応鑑賞済みながら、予習のつもりではなかったので特に覚えていない状態。
最強だけど無機質にも思えるキャプテン・マーベルの人間らしい弱さや恥じらいが垣間見える対面で、推し愛ダダ漏れのミズ・
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