Monsieurおむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

  • List view
  • Grid view

キャラメル(2007年製作の映画)

4.0

#キャラメル
イスラーム映画祭8
イスラム教とキリスト教が共生するレバノンに暮らす世代の違う女性達の転換と前進。
マチズモ社会でもパワフルで自由な女性像を活写し、互いの苦味ある愛すら彼女らは優しく包
>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

3.9

#Till #ティル
アメリカ建国前の奴隷貿易から始まり、南北戦争の争点になり、解放宣言や公民権運動により法制度化されても無くならない人種差別の犠牲者エメット・ティル。
豊かな家庭に育ち、人の悪意
>>続きを読む

アース・ママ(2023年製作の映画)

4.2

#アース・ママ
2児のシングルマザーで妊婦のジア、薬物依存からの更生プログラム中により2人の子供は養護施設へ。
週に1度、1時間だけしか面会できない状況を打破しようにも、妊婦である為に仕事は限られ、
>>続きを読む

ブルーバック あの海を見ていた(2022年製作の映画)

3.6

#ブルーバック あの海を見ていた
生まれ育った海を守る為に残った母と、より広い海を守るため旅立った娘。
隔たった2人の海洋保全家の人生、母が脳卒中になり故郷に戻った娘が、母との記憶を呼び覚ますことで再
>>続きを読む

ミス・シャンプー(2023年製作の映画)

3.8

#ミス・シャンプー
ギャグ、ロマンス、任侠と、天井知らずのはちゃめちゃっぷりも、通底するピュアがジャンルや文化を超えて融合し笑いと感動を呼び込む。
阿呆な漢たちのわちゃわちゃ感は男子中学生の昼休みの
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

#カラオケ行こ
変声期に悩む合唱部男子とカラオケ上手くなりたいヤクザの Boy meets boyコメディ。

年代も界層も異なる2人の唯一の繋がり「歌」をきっかけに、ブロマンスが深まっていく過程が
>>続きを読む

赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

4.1

#赤い糸輪廻のひみつ
ミュージカル以外の全てのジャンル要素が入ってるのではないだろうか?
それくらいボリューム満載なのにテンポよく、軸になるラブコメから純正ロマンスへの不意の転調からは涙なくしては見
>>続きを読む

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

3.8

未知のウィルスに感染したテロリストが乗り込んだヨーロッパ大陸横断鉄道を舞台に、ウィルスを極秘開発し、列車ごと証拠隠滅を謀るアメリカ諜報部と居合わせた乗客たちの攻防戦。

CGなどがなく、特殊効果が限ら
>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

#saltburn
「太陽がいっぱい」✖️「パラサイト半地下の家族」のようだけど、もっと悍ましくも人間的なエメラルド・フェネスの純変態性。

自身は天才(秀才)であるにもかかわらず、バックボーンはいた
>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.7

#トーク・トゥ・ミー
私と話してくれて、心の隙間を埋めてくれるなら例え死者でも…。
90秒憑依チャレンジなる奇抜アイデアに固執せず、孤独な女子高生ミアの内省を軸にした葛藤と慟哭を描いている点がサスペ
>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.9

#サン・セバスチャンへようこそ

いつものインテリでナルシストで臆病な古典映画大好きおじさん。映画祭で急接近する新鋭監督と妻の浮気に疑心暗鬼で、妙な夢に溺れていくコメディ。
ゴダールにもベルイマンに
>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

4.0

#宝くじの不時着
歴史と政治のセンシティブな問題をコメディに落とし込みつつ、出オチで終わらないツイストに笑いが絶えない。
それこそ時代錯誤だと言わんばかりに、南北統一への想いに満ちた本作を両国が一緒
>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.0

#コンクリート・ユートピア
豊かさと安寧の象徴の崩壊が抉る、欲望と執着のパニックスリラー。
指導者選びと狂気の果て、人類が何度も間違えてきた理想と呼ばれる悪夢の顛末を、圧巻の韓国エンタメ力で魅せきる
>>続きを読む

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

3.6

#ファミリー・ディナー
閉鎖コミニティー「家族」のマイクロアグレッションによる子供の受難。
叔母からの強制断食に耐えながら自分の身体の決定権を手放さないシミーはボディ・ポジティブの旗手として文字通り
>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.8

#ウィッシュ 字幕版
夢や願いはあなた自身のもの、そして誰とでも共有できるもの。
成就するか否かではなく、人々の「願い」そのものが持つ輝きや原動力。ディズニー・アニメーションが体現し続ける本懐を、改め
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

#枯れ葉
貧しくて孤独な男女のもどかしいすれ違い、世界一幸せな国の片隅から届く不変のスタイルが、時代を問わず社会の実相を写す。

隣国ロシアの蛮行に胸を痛め、不安にかられ、名前も知らない2人の愛を求め
>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.9

停滞から再起へと続く、少女とイマジナリーの成長と自立。
一概には言えないけど、想像とは持たざる者の処世術だと思っている。そういう意味では自分もイマジナリーに救われてきた子どもだったし、大人になって、こ
>>続きを読む

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

3.8

多様性という無限の選択肢が生まれる、文化の坩堝ロンドンで描く、愛とは関係のないあれやこれや。
出自、宗教、因習、年代、性別…。
幼馴染として育っても価値観の違いは大陸間。ゾーイもカズも自分らしくいるよ
>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

3.9

慎ましい夫婦が不況のあおりでリストラされたことから始まる七転八倒。
でも、嘆かず、喚かず、腐らず、表情と感情を消して悲喜こもごもを受け流す姿に、悲哀と表裏一体の人生の美しさの一片をみる。

尊厳も財産
>>続きを読む

画家と泥棒(2020年製作の映画)

4.0

#画家と泥棒
「あなたを描かせてくれる?」
自分の絵を盗んだ泥棒への、画家からのお願いで始まる奇妙な繋がりを追うドキュメンタリー。
好奇心旺盛な画家のバルボラがキャンバスに描くのは魅了された心の闇。
>>続きを読む

Winter boy(2022年製作の映画)

3.5

父親の急逝にひび割れた魂。
家族と新たな出逢いを漂流し、危うさと脆さを納めていく17歳リュカの心象が溶け込むパリの街並み。
監督の半自伝らしい抒情的な青春のポートレートを主演のポール・キルシュが繊細に
>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.0

#市子

生きたい
戻りたい
助けたい
会いたい

なぜ、市子は失踪したのか?
理想や夢など遥か彼方、このミステリーの渦のど真ん中で求心力を放ち続ける淡い希望が、それぞれの断片的な〝市子〟の記憶と結
>>続きを読む

スイッチ 人生最高の贈り物(2023年製作の映画)

3.9

#スイッチ人生最高の贈り物
「いま、幸せですか?」
共に過ごした無名俳優時代に受けたオーディションで運命が分かれたガンとユンは、その後、傍若無人なスター俳優と平凡な家庭を築きマネージャーへ。

あの
>>続きを読む

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

3.7

#REBELMOON
辺境の農村を悪から救う反逆者たちのリベンジ・スペースオペラ。
「七人の侍」をS.Wのスケールで実現させるZ.スナイダーの映像作家としての集大成。秘めたドラマの熱さと重厚かつキレ
>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.8

自虐と自嘲の効いたアメリカ発アメリカの倒し方スリラー。

目的も首謀者もわからない怪現象と陰謀論を始めとした人々の疑心暗鬼の怖さ。
豪華キャストで資金を投入して捻りとユーモアの効いたこういう映画を作れ
>>続きを読む

ジョージタウン(2018年製作の映画)

3.4

野心家で自信家で妄想家の移民が、コネも金もないアメリカでのし上がる為に、嘘に嘘を重ね、驚異的な幸運も重なり、いつしか自分をも騙していく事実ベースのクライム・サスペンス。
全てが事実でないにしてもとんで
>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.1

木漏れ日の下、背中を合わせる2人。
湛え合い、支え合い、たまに反目し合う普通の偉大な夫婦の物語。

天才指揮者レナード・バーンスタインの輝かしい経歴の傍ら、愛となり贄となったフェリシアや家族にフォーカ
>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.9

過激派ギャスパー・ノエが「静」を湛え描く老いと死。まるであの家の住人になったかのように心臓病の夫と認知症の妻の淡々とした日常に侵食されていくような感覚。
この目撃者、なんなら当事者としての視点と共感が
>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

弱者や貧者は夢も見れないビターな社会の固定概念を変えていくスイートなチョコとホットなハート。

マーマレードをチョコに
パディントンをウィリーに変えて、またもポール・キングが映画の魔法で、私たちをちょ
>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.7

SFとキッチュに満ちた異空間の工場内と子ども嫌いでひねくれてるウォンカの造詣。
ダニー・エルフマンの劇伴の愉快さ。
キモいウンパ・ルンパ。
どこをとってもバートンの世界。
ウォンカに至ってはバートン本
>>続きを読む

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.9

戦争の意味
幸せを願い生きる大切さ
純潔の女子高生が問う、あの夏の日本。

国の為、名誉の為、愛する人の為、戦うことを、生き延びることを選んだ真っ直ぐな若者たちがいたこと。
そんな人たちの想いを受けて
>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

トットちゃんこと黒柳徹子さんの幼少期を綴った小説のアニメ化。
好奇心旺盛で落ち着きがないことから、変な子として見られ、遂には学校を退学させられてしまうトットちゃんが、自由を重んじるトモエ学園入学をきっ
>>続きを読む

MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)

3.7

三者三様の悩みを抱える女性たちの1夜限りのデートが、人生を変えるきっかけとなる群像劇。

甘ったるい恋愛ものかと思った予告から得た印象を見事に裏切っていくだけでなく、人間ドラマとしての奥深さも兼ね備え
>>続きを読む

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.8

世界中から選ばれた5人の子どもたちが秘密のチョコレート工場を見学に行く。
ただそれだけなのに魅惑的。

スチームパンク一歩手前の夢のガジェット。
カラフルなお菓子の雨あられ。
ウンパ・ルンパのいる世界
>>続きを読む

アダミアニ 祈りの谷(2021年製作の映画)

4.1

adamianis(アダミアニ)ジョージア語で人間を意味する言葉。

ジョージアの東、パンキシ渓谷。
鳥がさせずる美しい自然の大地には、かつてチェチェンから移住してきた人々の末裔 キスト人が暮らしてい
>>続きを読む

ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

4.0

「巨人」から森の護るため、相反する2つの国からやってきたエージェント クラエとブルーオは、巨人を止める力を宿す謎の光ペルリンプスを求め、共闘していく…。

カラフルでポップな映像と音楽が誘うイマジネー
>>続きを読む