明石ですさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

羅生門(1950年製作の映画)

4.4

芥川の有名な『羅生門』と『藪の中』をリミックスした黒沢明オリジナルの作品。大学生の頃何かの講義で見て以来、記憶をなくしての鑑賞でした。藪の中で起こった殺人事件、関係者全員が異なる証言をしていて、しかも>>続きを読む

わたしの魔境(2022年製作の映画)

4.8

「人生の意味とか、どういう心を持つことが大事だとか、そういうことを教えてくれる、先生とお兄さんとお父さんをかけ合わせたような人と出会いたかった」

就活に失敗。ブラック企業に就職し、勤め先の先輩に強姦
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炎の少女チャーリー(1984年製作の映画)

4.5

精神エネルギーを火炎放射器のように放出するパイロキネシスを持ち生まれてしまった少女を襲う苦悩の物語。

治験が失敗した結果、超能力者を生んでしまい、その超能力者の子供がパイロキネシスに目覚めてしまう、
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光の雨(2001年製作の映画)

4.8

「自己批判と相互批判による総括。この方法は僕らを真の革命戦士にしてくれる、はずだった」

革命の名の下で山の上につどい、総括の名を借りたリンチで12人の「革命戦士」を死に至らしめ、結果、60年代のいわ
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ほんとうに映った!監死カメラ16(2016年製作の映画)

4.7

「これから見ていただくのは、ある殺人者が撮影した映像である」何その奇抜な視点…!笑。他にも、撮り鉄がカメラに収めた、ホームに立つ女性の霊(このシリーズで一番怖かったかも)や、部屋で1人でコックリさんを>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ14(2015年製作の映画)

4.0

「霊アレルギー」なるものにかかり、生まれてこのかた一度も家の外に出たことがなく、常時身体中にパンストを巻いて生活しなければならないというシリーズ6作目で登場した男の人。彼と瓜二つな人物が見つかり、ドッ>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ15(2016年製作の映画)

4.9

今作から晴れて監死カメラチームのレギュラーに昇格した廃墟マニア菅野くんが、森の中を散策中に遭難し、運よく女性の首吊り死体を発見してしまう。背後に霊の存在を感じ続け、なんと振り返るたびに視界に、、という>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ13(2015年製作の映画)

4.8

東京鶯谷のホテル街で客引きをしているアシスタント、キンタさんを映した監視カメラの映像が「元キンタさんのファン」だという視聴者から憤慨の言葉とともに届けられ、製作陣が彼女を問い詰めると、キンタさん曰く「>>続きを読む

1922(2017年製作の映画)

4.3

「妻は夫の裁量でどうにでもなった時代」を舞台に、幼い息子の手を借りて妻を殺害した男に襲いかかる恐怖。人怖なのかオカルトなのか(あるちはネズ怖なのか)、スティーヴン·キング原作、という事実以外何ひとつ知>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ12(2015年製作の映画)

4.2

テレクラで出会った自称霊媒師の女性に「呪われている」と言われ、除霊セットを買い続けてきた(2リットルで1万円の水を週1回飲まないといけない等)どことなく哀れを誘う男から送られてきた心霊映像(捏造)の真>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ11(2015年製作の映画)

4.3

今作は静かな回かなあ、と思っていたら、中盤から怒涛の変態ラッシュ。手紙に忍び込ませた陰毛によってファンに呪いをかけられたアイドルの女性が、「呪い返し」のためにそのファンの陰毛を五寸釘に入れて打ち込もう>>続きを読む

黒い乙女A(2019年製作の映画)

4.8

同じ里親に引き取られた同い年の2人の少女。毒親に翻弄される彼女たちの悲劇を扱った社会派の作品(少なくとも表面上は)。『Q』と『A』のセットでひとつの映画になっていて、2作合わせてみることで初めて作品の>>続きを読む

黒い乙女Q(2019年製作の映画)

4.1

元孤児の少女2人が父母を謀殺する、双子版エスター。民間伝承らしきものを下敷きにしていて興味をそそられ鑑賞。サイコなのか超常現象なのか、一切の前知識なしに観進め、だんだん面白くなってきて驚く。マムシの毒>>続きを読む

ほんとうに映した!妖怪カメラ(2015年製作の映画)

4.0

寺内監督の妖怪シリーズ第1弾。河童が出ると噂の場所にきゅりを仕掛けて撮影を試みるも出てこず、仕方なくホームセンターでそれらしい器具を集めて河童になりきり捏造映像を作ろうとしていたら、まさかの本物が、、>>続きを読む

帰って来た! 監死カメラ3(2019年製作の映画)

4.7

シリーズ最終回。「監死カメラシリーズ最大の感動を呼ぶ回」とのこと。恐怖映像をダシに、クスクス笑いを誘うゆるいネタ方面に舵を切っていて、その試みが(私の感じる限り)成功しつつあったので、この3作目で唐突>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ10(2014年製作の映画)

4.4

日夜町中をパトロールし、歩きタバコをする若者や、ゴミ捨て場を漁る「ババア(投稿者本人曰く)」に憤り、「社会の秩序を守らない奴ら」に制裁を加えるべく、夜な夜な上裸で包丁を振り回して「訓練」をするオジサン>>続きを読む

帰ってきた! 監死カメラ2(2019年製作の映画)

4.8

前作から加わった「カトールの怖い話」という名物(?)コーナー。「最も多くの人間が死ぬ場所とされる病院が舞台ではあるものの、予算の関係で病院を使うことができなかったため、皆さんの想像力で補ってください、>>続きを読む

帰ってきた!監死カメラ(2019年製作の映画)

4.0

3年越しに帰ってきた!監死カメラの新シリーズ。今作から再現映像という謎のスタイル(監視カメラどこいった!)が導入されていて、これがいろんな意味で素晴らしく見応えがある。「朝ドラのヒロインになれる素質を>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ17(2016年製作の映画)

4.6

監死カメラの「名物アシスタント」キンタののんべんだらりとした廃墟レポートを生配信、、のはずが、まさかの怪奇現象が起き行方不明になってしまう。チーム総出で廃墟に向かうも、、という回。集大成にふさわしい破>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ2(2012年製作の映画)

4.8

孤独な老人の老衰死を淡々と映したカメラがけっこう本気で怖かった。「人の死の前後では体重の変化があるのだそう。それは魂が抜けるからだという。とすれば、この映像は、それを実地で検証するまたとない機会ではな>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ9(2014年製作の映画)

4.0

実は霊感があったという設定が明らかになったキンタさん、だんだん好きになってきたぞ。作品全体としては地味でしたが。でもこういうモキュメンタリーシリーズは、演者さん(あ、スタッフか)を好きになれるかが最大>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ8(2014年製作の映画)

4.1

監視カメラに一瞬ノイズが走り、元に戻ると、映ってる映像がパラレルワールドのそれと入れ替わっているという、アイデア次第でいくらでも(それこそ編集なんてなくとも)面白くできる好例のような素晴らしい設定に感>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ7(2013年製作の映画)

4.3

念写能力を持つ投稿者に能力をデモンストレーションしてもらうと、女性スタッフの裸が映る回で爆笑してしまった。「どうせ映るなら、もうちょっと良い体で念写してほしかった(女性スタッフの台詞)」でダメ押し。前>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ6(2013年製作の映画)

4.1

急激な方向転換!と思ったら新たな監督を迎えられていたのですね。凄いよこのシリーズ。もはや監死カメラほぼ関係なくなってるけど笑、この出てくる人出てくる人みんなちょっとズレてる感じ、癖になる。まともな人は>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ5(2013年製作の映画)

3.8

やや失速な感。視聴者に安易に訴えかけちゃいけない。物語は作り手の側で完結させなきゃ物語じゃない(あっ実話か)。「あなたがもし霊に魅入られていると感じたなら、それは本当に取り憑かれている証なのかもしれな>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ3(2013年製作の映画)

4.8

高校時代に事故死した友人の霊がステージに現れるという地下アイドルの話が素晴らしく名作(あっ実話か)でした。スタッフが謎を追ううちに、実は、その友人は今も普通に生きていることが判明し、、というお話。最近>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ4(2013年製作の映画)

4.3

オタク風の男が女性の部屋を盗撮していたら偶然映った首吊り映像とか、シリーズ3作目以降、だんだんと人コワ方面に舵を切っているのが面白い。神社でネタの練習をしていたら、神様らしきものにビンタされ、首筋のホ>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ(2012年製作の映画)

4.0

子供の頃にTVでよくやってた(今もやってるのかもだけど)AHA体験を思い出す。怪奇現象への取り組み方は真面目で誠実で、真面目で誠実だからこそさりげない。もっと直接的にいうと超分かりづらい笑。まあ、いや>>続きを読む

226(1989年製作の映画)

4.0

有名な二二六事件の顛末を題材に描かれる、「昭和維新」を目指した男達の物語。ふむふむ、、昭和維新!と自分たちでは言っているものの、結局は「事変」に終わってしまったことが悲しい。彼らなりに国を憂い、テンノ>>続きを読む

突入せよ!「あさま山荘」事件(2002年製作の映画)

4.5

あさま山荘事件に突入した警官隊の舞台裏。

自分たちの行動で日本を根底から変えられると本気で信じ、武器を手に山荘へ立て籠もったたいわゆる「連合赤軍」と、世紀の特ダネに飛びつこうと目を血走らせる報道陣に
>>続きを読む

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

5.0

チェゲバラに憧れ、毛沢東を理想とし、美辞麗句と集団リンチを「革命」だと勘違いし、組織を統制するために山の中で仲間を惨殺しつづける異常集団と化してしまったいわゆる「革命戦士」たちの行く末を190分という>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.6

人体実験によって生み出された悪性腫瘍(マリグナント)が、20年の月日を経て、研究に関わった人間を惨殺して回る新感覚ホラー。元被験者の主人公が、殺人犯を追ううちに、彼女にしか解けないかたちで謎が解明され>>続きを読む

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

『マーターズ』パスカル·ロジェ監督の最新作。タイトルとジャケットから死霊館シリーズのような近年の王道ホラーを想像し、なんとなく敬遠してましたが、これは観れてよかった。むしろテキサスチェーンソー風の猟奇>>続きを読む

憂国(1966年製作の映画)

4.7

HARAKIRIの映画。三島由紀夫が監督&主演し、海外向けに作った一作で、実際のシーンの臨場感は凄まじく、特殊効果だと分かっていても目を背けてしまう。この人は切腹という様式そのものに美学を感じていたの>>続きを読む

遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011年製作の映画)

4.0

ジョン·カーペンター監督の歴史的名作ホラー『物体X』の前日譚の体をとったリメイク作品。そこそこの脚本、なかなかに気合の入ったCG、行き過ぎた音響、予定調和的に生還するセクシーなヒロイン(もちろん博士)>>続きを読む

少年と犬(1975年製作の映画)

4.0

ディストピア作品を筆頭に、のちの様々なSF映画に影響を与えたとされる記念碑的SFのリバイバル上映とのことで、いきおい最終日に観に行った。これは、、縮小版マッドマックスですね笑。当時としては画期的だった>>続きを読む