千利休さんの映画レビュー・感想・評価 - 45ページ目

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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本作で描かれている日本人像は自分にはちょっと気持ちの悪すぎるものであったが、その分対比的に描かれている静の部分は、ゆっくりと波を起こしていくように紡がれていて自分好みのものであった(サントラのシューゲ>>続きを読む

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

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"10年代らしい"という形容詞をそこまで濫用したくはないが、まさしく本作は新世代の感覚であろう。嘘から出た実というのは創作の本質のある一面であり、その意味でも本作にはカルチャーへの愛に満ちていて好きだ>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

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"恋愛じゃない"恋愛映画とはなんとも21世紀らしい。リレーションシップアナーキーやポリアモリーに興味を持ち始めた自分にとってはタイムリーな内容で興味深かった。本作はもはや正解のない道徳の教科書のような>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.2

ヒップホップ時代を通過した本作。しかし、コラージュ先はマカロニ・ウェスタン。会話以外の演出にタランティーノらしさが詰まっていたという点で本作は自分好みだった気がする。

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

4.1

ピーチフィズの透明なソーダの部分のような淡さ。FOXサーチライト作品には見た目に依らない芯の強さがある。また観たい。

奇跡のシンフォニー(2007年製作の映画)

4.0

あまりにも出来すぎている感じは否めなかったのだが、それでも二時間充分に楽しんで観れた。とにかく音楽が素晴らしいがゆえに、すんなりと受け入れられるものがあったのだろう。

光州5・18(2007年製作の映画)

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光州事件を題材にした映画には心動かされざるを得ないようだ。

コンドル(1939年製作の映画)

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とにかく80年も前とは思えない撮影技術の高さ。飛行シーンには圧倒されてしまった。内容も面白いもので、ナチスの比喩を匂わせる点は興味深い。後続の飛行機映画への影響は大きいと思われる。

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.4

この映画を観て一番に思い浮かんだのは輪廻転生だ。本作の物語は死こそ媒介しないものの、愛という六道をひたすらに繰り返しているだけなのではないだろうか。運命とは違う必然を、意識すればするほど逃れられない。>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.0

本シリーズが地上波で放送されるのはとても感慨深いことだ。さて、それを無視して鑑賞してしまったわけだが、本作も本当に素晴らしいものだった。ただ取って付けたような前日譚に終わらず(本作が描いているのはもち>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

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奇を衒わずにここまで世界観に入り浸させるのは凄い。"普通"の映画だからこそ好きになるものがある。"なんか得した気分"になれる160分。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー(1998年製作の映画)

4.0

ロビン・ウィリアムズの総て。彼の笑顔の前には無力になってしまう。だからこそ自殺未遂のシーンにはより一層の説得力がある。過度の幸福感を与えられた二時間だった。

運び屋(2018年製作の映画)

4.4

88歳とは思えない俳優イーストウッドの素晴らしい演技だったり、相変わらずの低予算ハイクオリティだったりと色々特筆すべきことはあるのだが、とにかく作品としての"面白さ"が凄い。近頃のイーストウッド監督の>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.2

まさしくお洒落な落語とでも言えるか。完璧主義が香る彼の作品はどのシーンを切り取ってもフォトジェニックである。そんなフランス絵画のような本作だが、役者が活き活きとしているように見えるのがなによりの魅力で>>続きを読む

チチを撮りに(2012年製作の映画)

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中野量太監督によって描かれる架空の人生では、性と死と不条理という人生の本質が生々しいほどに描かれている。だからこそ愛に嘘がないのであり、嘘には愛があるのである。それをドラマと見るか否かは別として、確か>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

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恐ろしいほどのリアル、弱さ。限界から生まれる愛。とにかく全員の演技が素晴らしかった。ただのお涙頂戴モノとは一線を画す強度がこの作品にはあった。

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)

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会話劇があまり得意でない自分にはテリー・ギリアムは合わないか。長いお笑い、投げるのは常に変化球なのだが、最後はビシッと決まってしまう。そんな彼の作品の魅力からは目は話せない。

グリーンマイル(1999年製作の映画)

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トム・ハンクス主演の古典的名作。神秘的な要素を含みつつもヒューマンドラマとして成立する絶妙な立ち位置が心地よい。まさしく言語化し難い魅力がある。同じくスティーブン・キング原作の「ショーシャンクの空に」>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.0

大御所たちが惜しみなく起用されていて感動した。ストーリーが明快で気持ちよい。

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

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少年の探検物語の類はそこまで好きじゃないのだが、本作が名作と言われている理由は十分に感じとれた。ロブ・ライナーらしさが光る。

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.0

果てしのない怒りの連鎖。実の被害者は連関の全ての人間なのかもしれない。

恋人たちの予感(1989年製作の映画)

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メグ・ライアン主演作品はどうもすべて同じに思えてしまうのだが、言わばその金太郎飴のようなところに魅力があるのかもしれない。サッチモが流れ結局幸せになる二人、たしかに好きになる理由は十分に分かってしまう>>続きを読む

ピンポン(2002年製作の映画)

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挫折からのパワーアップ、そして勝利という典型的な青春スポーツものながら、本作には一筋縄ではいかない魅力があった。なにより勝ち負けの予測がつかない独特の展開が面白い。卓球経験者の興味をそそる専門知識が散>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

「ブロークバック・マウンテン」を炭酸水で薄めたような本作は、10年代クィアムービーを象徴するような作品となった。本作の魅力はどうしてもティモシー・シャラメの存在のみで語られてしまいがちではあるものの、>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

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たしかに評価がそこまで高くないことには頷けてしまう。しかし、本作は紛れもなく巨匠イーストウッド監督の実験であり(公開当時は御年87歳!)、映画史が通過しなければならない壁を彼は突き破ったのである。自分>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

映画において銃撃シーンは幾度も観てきたが、本作のそれは説得力が段違いである。コメディな要素もありながらも、終始この実際に起こった惨劇を伝えることに徹する姿勢が素晴らしい。韓国という一国で起こった事件で>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

他律的で損得を考えずに生き、幸運にも成功を手にしていくフォレスト・ガンプと、利己的に思うがままに生きるも運がなく惨めな人生を送ることになるジェニーの対比が示唆的で胸に刺さる。結局最後には両者の人生は交>>続きを読む