千利休さんの映画レビュー・感想・評価 - 44ページ目

ハイスクール・ミュージカル(2006年製作の映画)

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〈Z世代の洋楽観とHSM〉
本作は2006年に公開、つまりは私が6歳の時に公開された映画なのだが、当時鑑賞しなかったにも関わらず何故か記憶に残っている作品である。何故なのだろうか。それはズバリ、私がち
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.1

"これがオークランド流だ!"
ヒップホップ世代のUS版トレイン・スポッティング。されどアンセムはTower Of Power。しかしそこに映し出されるのはファンキーなだけの日常ではない。あくまでも現
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

4.2

1時間ちょっとしか知り合っていない黒人青年の死にどうしてここまで心揺さぶられるのだろうか。BLM関連の映画作品は複数あるものの、そのなかでも説得力が段違いである。そしてこれは現実の話なのだ。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

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ここまで気持ちが安らぐドキュメンタリー映画は他にあるだろうか。元々から中南米音楽ファンであった私にとって本作は必見の一作であるが、予想以上に楽しめた。いかにも我々がキューバの人らと同じ感性で彼らの素敵>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

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とにかく音楽が素晴らしかったということに尽きる。内容は王道な感動モノだが、所々現れるイーストウッド・イズムには驚かされた。そんな本作だが、肝心のレディ・ガガの圧倒的な感情表現をカメラワークが活かしきれ>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

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良くも悪くも優等生すぎる映画。もっと過激な黒人差別の映画を観てきた自分にとって本作はは少々物足りなさを感じたが、作品全体に漂う明るさというかとっつきやすさは確かに評価される点なのかもしれない。

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

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公開から半世紀後の感性で本作を十分に楽しめるかどうかはなんともいえないが、60年代カルチャーを知るためにも必見の作品であることに変わりはない。しかし、ジャック・ニコルソン殺害直前の"自由"についての語>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.1

憎しみと憎しみの狭間から生まれた愛。これといったカタルシスが得られるわけでもないし、正直観てて辛くなってしまうところもあるのだが、自分にとってはたまた映画史において重要作品であることに変わりはない。正>>続きを読む

ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)

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例に漏れず自分も本作をBLMの流れで鑑賞したのだが、まさしく自分の求める黒人差別の映画は本作のようなものであった。スパイク・リー作品のような皮肉な芸術性によってではなく、ただひたすらに現実を伝えている>>続きを読む

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

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内容としてはお涙頂戴モノの範疇であるが、本作がそこに留まらない良さを秘めているのには分かりやすく理由がある。それはイーストウッド作品に共通する"素朴さ"だ。盛大なオーケストラの劇伴も無ければ、子役によ>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

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差別というと肌の色によるものを想起しがちであるが、なんとも本作は遺伝子による差別である(本質はどちらも同じなのだが...)。かなり強度の高いカタルシスを味わさせてもらえたが、どうもそこまで作品の世界に>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

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(特に音楽に対しては)アンチ・テックな姿勢を極力保ちたいと思っている自分に対して、本作のようなスパルタ精神の塊は半ば拒否反応を示すものであるが、それだけではない興味深い視点を幾つか見出すこともできた。>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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私の批評にしばしば登場する、"本作はまさしく10年代らしい映画である"という決まり文句から感想を始めよう。個人的には"カーチェイス版ラ・ラ・ランド"という売り文句にはあまり共感できなかったのだが、たし>>続きを読む

天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)

4.2

こちらも素晴らしい二作目。色々な角度から多様性の賛美が行われていて清々しい。青春モノとしても、軽く観れるコメディとしても、はたまた黒人文化の勉強の為に観る作品としても楽しめる強度が本作にはある。何度で>>続きを読む

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.2

内容も文句無く面白いのだが、とにかく音楽が素晴らしい。本作は黒人文化の称揚をテーマにした映画ではないが、劇中歌からはもろにそれが伝わってきてその熱量に感激してしまった。色々な意味で人生の早いうちに観て>>続きを読む

いまを生きる(1989年製作の映画)

4.2

ロビン・ウィリアムズで義務教育を終えたと自負しているが、数ある彼主演の名作のなかでも本作は恩師レベルである。ハッピーエンドじゃない点も、すんなりと"教育"として心に入ってくる。本作を鼻高々と推奨するの>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

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キューブリックの手にかかると戦争さえも皮肉になってしまう。ここまでくるといっそ幼児退行して"一部"になってしまいたいとすら思う。そして今日もまた彼に騙されるのだ。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.3

ミュージカル映画を観る度にしてきた、「自分はミュージカルが苦手なのだが...」という書き出しが恥ずかしくなるほどの素晴らしさ。夢と現実の乖離を描いた作品はそう少なくないものの、ここまで儚くそれを表現す>>続きを読む

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.1

ロックが壊したものをロックで取り戻す、なんとも素敵ではないか。とにかく70年代音楽が素晴らしい。ヒッピーの残り香とともに掻き鳴らされるコードが、誰もをただ気持ちよくさせる。キャストの演技も絶妙なもので>>続きを読む

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

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三作目。いわばシリーズのなかで最も大人しいと言える作品ではあるが、前作と比べて見劣りするということは全くなかった。武闘シーン以外でも存分にイップ・マンの"柔"の魅力が散りばめられていて、あたかも一人の>>続きを読む

イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

4.1

日本軍との闘いを描いた一作目も十分傑作なのだが、個人的に大好きな二作目。ここには羅列しきれないほど様々に素敵な要素が本作には詰まっており、色んな角度から楽しめることができる。「ロッキー」、「ミリオンダ>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.3

イーストウッド監督の冷徹な目=カメラが捉えるリアル。ポスト911の"偉大な国"も、彼の前では素裸にならざるを得ないようだ。本当に、10年代の彼の作品には駄作が無くてビックリする。ひたすらに尊敬の念を禁>>続きを読む

クラッシュ(2004年製作の映画)

4.4

人種差別というラディカルな問題をこうも繊細なストーリーへと紡ぎあげる監督の手法には美しさを感じる。肌の色による直接的な差別を受けたことがないために、人種差別モノに対して共感をしながらも、どこかそれを他>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

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いかにも様式美としてのミュージカルを強く感じさせるが、そこが自分には良かったのかもしれない。内容の薄さは確かに感じたもののテンポが非常によく、気が付いたらエンドロールが流れていたサマだ。本作が圧倒的支>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

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これは面白い。一切無駄がなく洗練されていて、殺陣には圧倒的な迫力がある。それこそ日本的な静の美しさとダイナミックさが有機的に絡み合っているようで見ていて気持ち良い。次回作へも期待大である。

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

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ミュージカルが苦手な自分にも本作の凄さはひしひしと伝わってきた。本作を機にミュージカルへの造詣を深めたい。

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

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黒人差別を描いた他の作品と比べて本作には過激なシーンがほとんどないが、逆にそこが本作の魅力なのかもしれない。とはいえ、純粋にイイ話としてのカタルシスで幕を閉じないあたりに何らかの信念を感じる。それにし>>続きを読む

ターミナル(2004年製作の映画)

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スピルバーグ監督×トム・ハンクスという素晴らしいタッグによる本作。そこまでインパクトは強くないものの、ユーモアと優しさに溢れた作品に変わりはない。非現実的でありながらも何かありえてしまいそうなシナリオ>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.4

実は個人的にスターウォーズ作品の中で一番好きかもしれない本作。とにかく、無駄がなく洗練されまくっている。常に緊迫した戦況を見ていると、あたかも実話ベースの戦争映画を観ているような気分になる。またスター>>続きを読む

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

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本当にパッとしない。なんなら何故本作がそこまで評価されていないのかという理由すらパッとしない。いかにも一応本作もスターウォーズ作品ですが...というような印象の薄さ。スピンオフ作品としてはローグワンが>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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結局後期三部作は駄作だったと言わざるを得ないラスト。パルパティーンを無理やり登場させるという荒業を決めておきながらも、エピソード6のような圧倒的スケールの結末は生み出せていない。もちろん本作は監督にと>>続きを読む

レナードの朝(1990年製作の映画)

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レナードとポーラのダンスシーンが恐ろしいほどに美しい。"ふつう"の日常生活がどれほど愛おしいかを痛感させられた。映画として着飾ろうとはしない姿勢が素晴らしかった。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

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そこまで駄作だとは思わなかった。流れがあまりパッとしないあたりは違う意味で戦争映画らしい。しかし、実際そこまでワクワクしなかったし、キャスト陣にもあまり心惹かれなかった(敵役であるアダム・ドライバーの>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

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10年代スターウォーズの萌芽。及第点を超えるだけでも合格点な状況でのこのクオリティは流石。本作は続編ではあるが、ルーツリスペクトの神髄を感じさせられた。

ファイナル・カット(2012年製作の映画)

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アヴァランチーズのコラージュ感覚と、レディプレイヤー1のオタク愛。俗ではあるが、パルプ・フィクションの例のダンスシーンがDisco Infernoに合わせて登場してきたのにはニヤリとしてしまった。