千利休さんの映画レビュー・感想・評価 - 43ページ目

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)

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そこまで感銘を受けなかった。たしかに黒人差別の歴史をちゃんと黒人目線で描いているのだが、どうもグリーンブックで感じたような白人への忖度を本作でも感じてしまった。あとはキャストにそこまで魅力を感じられな>>続きを読む

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

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たしかに本作には色々と問題点はあるのだが、それを超える良さを見い出せてしまった。個人的には冗長と言われる結婚に至るまでの前半部がそのほとんどだ。本作はイタリア映画を知るきっかけとして最適な作品ではない>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

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これはただのサスペンス映画ではない。バタフライ効果的にズレていく生活、そこにイフは無い。しかしこれこそが人生であり、イーストウッドの描く完璧な世界なのである。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、そ>>続きを読む

50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

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やっぱり自分が同じ立場になったら考えて観るのが面白いだろう。必要なのは家族なのか友達なのか恋人なのか。定番のテーマではあるけれど、どことなく10年代風にアップグレードされていて興味深かった。

ほしのこえ(2002年製作の映画)

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新海誠監督が苦手な理由は他の作品のレビューで書くとして、本作は彼の手癖というよりもアニオタのそれが強く感じられてむしろ清々しかった。10年間でこんなにも映像の質が変わるかと考えると技術の進歩には平伏す>>続きを読む

ANIMA(2019年製作の映画)

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自省と諦念で大衆を冷笑する少年Aは大人になっても何も変わらなかったのだ。

7番房の奇跡(2013年製作の映画)

4.0

確かに設定がB級すぎたりするところはあるのだが、本作にはそれを気にさせないほどよく出来ている。本作はお涙頂戴モノでも胸糞モノでもはたまたカタルシスを望めるモノでもないのだが、主演者たちの演技が素晴らし>>続きを読む

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

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個人的にはすごい好きな映画。たしかに昭和の加齢臭を感じすぎるところもあるが、そんなことがどうでもよくなるほどに高倉健の演技が素晴らしい。文句無しの名作だと思う。

かもめ食堂(2005年製作の映画)

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〈ある意味邪道な映画なのかも〉
欲もなければ悩みもない。なにも無いけどなにかある。明らかに人生としては破錠しているのだが、それがうまく映画になっている。そしてそれはとても安らかで心地のよいものであるの
>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

4.1

BLM関連の映画の中でも最高傑作である。アカデミー賞最有力候補にも関わらず結局無冠で終わったのはなんとも作中の不条理さにリンクしてしまうところがあるが、文句無しのクオリティだ。ただ凄惨な事実を描くだけ>>続きを読む

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

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ある意味本作は最も90年代らしい映画なのかもしれない。

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

4.2

奇しくも自分のコーエン兄弟初鑑賞作となった本作。西部劇があまり得意でない自分にもすんなりと受け入れられる作品であったと思う。装飾なしに淡々と進む展開がとても気持ちよく、あっという間に時が過ぎていった。>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

4.1

ずっと観ていたくなる心地良さ。90年代の名監督としてタランティーノと比較されがちなPTAであるが、どちらにも知的な(オタク趣味な)魅力がある。そういう意味で本作はPTA版レザボア・ドッグスと言えよう。>>続きを読む

SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

4.1

コテコテなほどのスピルバーグリスペクト。そこには彼への愛だけでなく映画愛も詰まっている。エイリアンなんてこのくらい不合理なものでいいのだ。好き嫌いはあるだろうが、本作はJ・J・エイブラムスのオタクらし>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.0

アクション映画としては10年代トップクラスなのではないだろうか。シリーズ通して駄作は無く全作品非常に高水準を保ってきたが、その締めくくりとなるような迫力をもつ本作であった。シナリオがどうこうよりも後半>>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

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今回も素晴らしい出来だった。それにしても本シリーズの絶妙なSF具合はとても気持ち良い。年を追うごとに深化するトム・クルーズの渋さと落ち着いた展開が相まってシビれる一作となっていた。

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

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10年代M.I.シリーズの幕開け。とはいえ前作までと精神性は変えず、そして小手先に頼ることなくここまで面白い作品を作り出しているのは素晴らしい。やはり特筆すべきはドバイの高層ビルをよじ登るシーン。次作>>続きを読む

ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

4.0

一作目の正当後継者とも言えよう本作。無駄が無く常に緊迫した展開で時間が速く過ぎていく。J・J・エイブラムス作品の中ではスターウォーズ二作よりも本作のほうが上手いこと続篇としての映画を作れている気がする>>続きを読む

ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

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〈M.I.シリーズでも鳩が飛ぶ!〉
とにかくクドいほどのジョン・ウー節。インテリジェントなイメージの一作目から打って変わって体育会系に。それをどう受け取るかは人それぞれだとは思うが、終盤のダイナミック
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

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10年代らしさが裏目に出た作品。SNS時代の多様性をアカデミックかつ真面目に取り入れようとしているのは分かるのだが、その分三部作のダイナミックな面白さをどこかに置いてきてしまったようだ。本作は所謂海外>>続きを読む

オーシャンズ13(2007年製作の映画)

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〈ヤツらがベガスに戻ってきた!〉
前作の失敗を活かしてグレードアップした本作。十分に面白いのだが、最大瞬間風速は一作目には敵わないだろう。またアル・パチーノの小物感が本作のネタ路線化へ特に寄与してしま
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オーシャンズ12(2004年製作の映画)

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駄作とまでは言わないが、11の良かった点を全て打ち消してしまった本作。この冗長さは流石に耐え難いものがある。次回作に期待。

オーシャンズ11(2001年製作の映画)

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これでもかとの豪華なキャストにネオン光るラスベガスの街並みとどう考えてもウケない要素がないのだが、自分はそこまで特別な感想を抱くことはなかった。もう少し敵の黒幕感があれば緊迫した面白い展開になった気は>>続きを読む

生きてこそ(1993年製作の映画)

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ひたすらに報われないからこそ清々しいほどまでのラスト。実話に基づいている分重さがあった。

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

4.1

これは面白い。結局ルックスが大事だということを教える作品だと巷では思われているようだが、決してそれだけではないだろう。むしろ強調されていないところに潜む皮肉の数々が監督からのメッセージだと思わざるを得>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

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発想の勝利!ではあるのだが、発想だけに身を任せた感じはある。しかしこの世界観は唯一無二だと思うし、もっと早くに観ていれば自分の倫理観を形作っていたであろう作品だ。また公開されたのが1998年なのも皮肉>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

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何故か本作は古典的名作である印象があったゆえ、2004年公開であることを知って驚いた。いわゆるロックの死後にこのような映画が製作されたのは実に興味深い。とにかくラクに楽しんで観れるのがいい。斜に構えた>>続きを読む

さあ帰ろう、ペダルをこいで(2008年製作の映画)

4.2

事故による記憶喪失からの復活劇という筋の作品はあまり得意では無いのだが、本作には他にはない独特の魅力がある。全編比較的スローペースに軽いタッチで物語が進んでいき、でも終わりはドラマティックに締めてみせ>>続きを読む

ニール・ヤング/ハート・オブ・ゴールド 〜孤独の旅路〜(2006年製作の映画)

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〈HEART OF GOLD〉
ジョナサン・デミ監督による、カントリーの聖地ナッシュビルでのライブドキュメンタリー。特に凝られているところなどないが、そこから寧ろロックのレジェンドへの愛を感じる。多幸
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スティング(1973年製作の映画)

4.1

〈ジ・エンターテイナーの旋律と共に〉
どんでん返しモノの元祖であるということを超えた面白さ。この手の作品はシリアスで重めなのが多い印象があったが、あくまで本作は軽快に笑って終わる。そこに至るまでのテン
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

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思ったよりも王道なラブ・ストーリーであったが、安楽死について考えさせられるという点で10年代らしさがある。

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

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トム・ハンクスの役作りに対する努力(アカデミー賞主演男優賞受賞)以外全く評価できなかった作品。シリアスな内容を描いているのにも関わらず悲壮感とは全く異なるものが漂ってしまっている。十八番はコメディであ>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.4

ただの同性愛の話に留まらないスケールの大きさ。結局残ったのは広大な自然と実らない愛情だけなのだが、そこには美しさがある。特に欠けている点などないのだが、強いて挙げるとしたら二人が互いの愛に気づくまでの>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.3

本作が日本映画の最高峰と言われていることに何ら疑問はない。是枝監督入門作とはちょっと違うとは思うが、本作にも惜しみないほどの是枝イズムが詰まっている。些か海外ウケを狙ったのだろうな感は拭えないが、むし>>続きを読む

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

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青のベタ塗り。だがそこにケバさはない。薄味のほうがいいときもあるよね、と。個人的には雰囲気を楽しむ映画の域を出ていないけれども、たしかに本作には青い魔法がある。