mareさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

舞台は森から海へ、美麗な水の表現を極めたキャメロン渾身の13年ぶりアバター続編。ストーリー的には対立する構図も、相手の目的も略奪から復讐へと変わっただけで大した変化はないんだけど、3Dメガネを付けたこ>>続きを読む

アバター(2009年製作の映画)

3.5

当時中1でリアルタイムで家族で観に行ったけど「青いな...」以外の記憶が吹き飛んでいたので再鑑賞。久々に観たがキャメロンが長年やりたかったことが詰め込まれてるなという重厚感で、CGの技術からナヴィ語ま>>続きを読む

ドラブル(1974年製作の映画)

4.0

諜報員の息子が誘拐され、手掛かりを追うもそこにさまざまな陰謀が張り巡らされて、一筋縄ではいかないサスペンスアクションで超面白い。ハメたりハメられたり、複数の思惑が常に切羽詰まった状況を演出し、何度も危>>続きを読む

ナッシュビル(1975年製作の映画)

3.5

25人もの登場人物が交錯するからやっぱり頭が混乱する。俯瞰して観てみると一見アメリカン・ドリームを掴み取ろうと一直線な人物たちが、終盤に向かうにつれて政治性に絡め取られていく。自分はそもそも国が違うし>>続きを読む

ギャンブラー(1971年製作の映画)

3.0

ヴィジュアル的にはウエスタン、タイトルからは賭け事に興じるスリリングな物語を想像していたが、見事にセオリーから外れた展開にアルトマンらしさを垣間見る。この映画の終盤のコントラストも凄くて、まるでコルブ>>続きを読む

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

3.5

ブラックユーモア満載の戦争映画という情報だけで観てみたが、想像の何倍も終始バカをやってるだけの映画だったから、これはバカを賛美する映画なのかもしれない。恐らく朝鮮戦争という背景も重要なのかもしれないが>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

3.0

ジャケットにもなっている大樹の前で男女が向かい合うカットは一級品で見惚れそうになる。セリフが語られることもなく、不器用そうな物音だけでコミュニケーションが成立していく不思議な映画で、笑いに傾倒した茶目>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

3.0

さまざまな種類の花がクローズアップしていく様は前衛的な芸術性を目の当たりにしているようで多幸感を覚える。老人はページをめくりながら思い思いに花を貼りつけて時間の概念から疎外された一種の永遠をそこから感>>続きを読む

水彩画(1958年製作の映画)

2.5

家族のヒリヒリした空気感の中、他愛もない口喧嘩から突然舞台は美術館へ。タイトルの水彩画の意味することが、意外な形で回収される。最後に計画的に用意されている結末はこれまであった流れを一気に破壊する。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.5

寝台列車のロードムービーが大半を占めていて、電車のシーンって他の映画だと繋ぎになったり一瞬でしかないが、このシチュエーションで密室ヒューマンドラマとしても普遍的に機能していてこういう描き方もあるのかと>>続きを読む

スウィート・スウィートバック(1971年製作の映画)

2.0

あまりに歪で粗の見えるリズム感の映画だから、こっちが乗れるか乗れないかで評価が分かれると思う。ちなみに自分は後者。娼婦館の男と警察の逃亡劇なんだけど、やってることがかなり過激で生々しい。冒頭で女性と少>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ある日、身に覚えがないまま急に友人が口をきいてくれなくなる。喧嘩をしたわけでもなく、わかりやすい悪態をついたわけでもない、と完璧な掴み。これ以上話しかけると自分の指を切り落とすと友人だった男は告げる。>>続きを読む

マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.0

キューバ危機の現実に直面し、恐怖に怯えながらも、みんなで楽しくB級ホラー映画を鑑賞する。「ザ・フライ」ではなく蟻人間。恐怖が別の形で交互に映し出されながらも終始ハッピーなムードを纏っていて楽しい。それ>>続きを読む

キングダム(1994年製作の映画)

3.5

この頃のトリアーかなりふざけてるしめっちゃ遊んでるな。登場人物の心理が道徳心を捨てて好奇心にのみ特化している近寄りたくないキングダム。こんなぶっ飛んだドラマがデンマークでは視聴率50%超えってのがなに>>続きを読む

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

4.0

どんな手を使ってでも追いかけ回す刑事と絶対に逃げたい麻薬組織、追うことに執着したひたすらにアクションのみで語る映画。序盤は手がかりを掴むために捜査をしているが、何でもありなアクションムービーに切り替わ>>続きを読む

にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)

3.5

片田舎をふと訪れ、ちょっぴり変な人々と出会い、当然目的もなくひたすら飲み飲み遊ぶ。知らない土地に足を踏み入れて、自分の知らなかった扉が開く感覚。不安を感じつつも心のどこかは満たされている。ヴィレッジよ>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.0

何か歪、何か気持ち悪い、何か信用しきれない、不明瞭なレイヤーの積み重ね。一見すると他愛もない女性同士の仕事、生活、コミュニティにノイズが流れていて落ち着かない。主演がシェリー・デュヴァルとシシー・スペ>>続きを読む

健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

ただでさえ短編が面白すぎるのにそれらを贅沢に4本も詰め込んだご褒美でしかないオムニバス。寝る前にヴァンパイアを思い描く「不眠症」、映画館の喧騒から摩訶不思議なテレビショッピングのCMへと誘われる「シネ>>続きを読む

絶好調(1965年製作の映画)

4.0

絶好調どころか絶不調。元々は「健康でさえあれば」の一部だったが独立した短編になったみたい。ソロキャンから気づけば強制収容所へ。笑いと不条理の隙間から滲み出る社会的皮肉。ヨーヨーから連なるエッセンスも確>>続きを読む

マッキラー(1972年製作の映画)

3.0

スプラッターホラーのイメージが強いルチオ・フルチのいつもと毛色の違うミステリー。街の少年たちが次々に謎の死を遂げていく。二転三転するストーリーで主に犯人探し、ちょっと長くちょっとダレるとこもある。しか>>続きを読む

ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.0

喜劇であり優しさであり、激動の時代の流れの中で家族の愛が温かく包み込むヨーヨーの人生。エテックス二作目にして前作よりも濃密にドラマチックになっている。サーカスが題材だから何気ない仕掛けの切り取り、チャ>>続きを読む

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

2.5

自伝的なホームドラマで厳しい父親とその家族の思い出を回想するような作りだが、登場人物のほとんどが歌ってるシーンがとても多くシリアスな中に謎のミュージカル感がある。期待してたけどいまいちハマらなかった。>>続きを読む

大恋愛(1969年製作の映画)

3.5

やっぱりお国柄的には女性に対して人一倍敏感で、結婚し身を固めたとしてもちょっとしたきっかけですぐに妄想が頭を埋め尽くす。そりゃあんなに可愛い秘書が突然現れたらああなるのも無理はないというか、同情。他人>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.5

幸福な結婚記念日とはなんとも皮肉なタイトルでフランス人の意地悪な感性がよく効いているし、実際起こることは約束されたはずの祝福が笑える不条理によってどんどん邪魔が入るっていうズッコケっぷりが面白い。車の>>続きを読む

4番目の男(1979年製作の映画)

3.0

ヴァーホーヴェンの初期作でこのドップリサスペンス、時折やって来るエログロがこれ以降の作風を匂わせる。小説家の主人公の一人語りがメインのいかにも胡散臭い引っ張り方、徐々に露わになる不可解な死、襲いかかる>>続きを読む

狼男アメリカン(1981年製作の映画)

3.0

所々スリラーっぽいななんて思ってたら監督が一緒だったので腑に落ちた。この狼男もMJも目つきが尖っていて印象的。80年代らしく特殊メイクの映画で、全身毛むくじゃらになり、手や足や鼻が発達して獣の体型に変>>続きを読む

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

3.5

目的もわからずに車で走り続ける男のアメリカンニューシネマ。ゴールなく広がる道のりを目の前に、止まることを知らない生き様は本能としか言いようがなく、孤独の爆走はいつしか脚光を浴びる逃亡劇へと変わっていく>>続きを読む

女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

4.0

女性に話しかけるきっかけを掴もうとするが何もかもが予定通りにいかず、そんなことを続けるうちにひょんなことから酔っ払った面倒くさい女に絡まれ、最後にはスター歌手を偶像化して私生活が見事に狂いだすめでたい>>続きを読む

破局(1961年製作の映画)

4.0

短編なだけあってこれでもかとドタバタコメディを詰め込んでいて、こういうサイレントコメディはやはり小道具や効果音がいい仕事をするなと感じる。手紙を書こうとすればするほど部屋が乱雑に散らかっていく不条理。>>続きを読む

ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ(2015年製作の映画)

2.5

好きなだけ酒飲んでタバコ吸ってなんとなくポエミーなこと言ってみたりして、仕事や法という概念のない世界で好き勝手にぶらつく。大半は酔っ払いの映画だがノイズが亀裂になりあの世からの接触が始まったり。面白い>>続きを読む

ザ・ドライバー(1978年製作の映画)

4.0

激しく轍を刻みつける音だけが耳に張り付き、逃げる者と追う者を切り取った夜の街をどこまでも鮮やかに駆け巡るカーチェイス・ハードボイルド映画。ドライブテクニックだけは超一流で金も仕事も恋人もいない孤高の男>>続きを読む

川の流れに草は青々(1982年製作の映画)

4.0

ホウ・シャオシェンの覚醒はここから始まったように思える。牧歌的な風景に子どもたちが戯れるシーンだけで田舎町に対しての郷愁がこれでもかと掻き立てられるし、大人に向かうにつれて触れ合うことが少なくなってい>>続きを読む

風が踊る(1981年製作の映画)

3.0

ラブコメ色の強い初期ホウ・シャオシェンの中では比較的凡作。彼が撮るべき特別性みたいなものも特にこの頃には見えてこない。ストーリーはいつになくご都合主義なラブコメでまあそれはともかくとして、やはり彼の映>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

4.0

閉塞感のある設定が現代とあまりにリンクしていてゾワっとしたが、これは逃げ場のない現実から音楽が世界を救う大それた解放の映画である。パンデミックが蔓延る世の中、好きなようにノイズミュージックに興じる暴力>>続きを読む

愛されちゃって、マフィア(1988年製作の映画)

4.0

スリル、コメディ、ラブロマンスと綺麗に三拍子揃っていてこんなの面白いに決まってる。マフィアの華麗な手口からオープニングへ、そこにNew OrderのBizarre Love Triangleが流れてき>>続きを読む

メルビンとハワード(1980年製作の映画)

3.5

ジョナサン・デミがストレートにアメリカ映画してる作品は初めて観たが、エピソード展開が速すぎて、きっかけをうつすシーンの次には結果に移り変わるくらいのスピード感。バサバサと切るようなリズムはアメリカ映画>>続きを読む