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ナッシュビルのmareのレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
3.5
25人もの登場人物が交錯するからやっぱり頭が混乱する。俯瞰して観てみると一見アメリカン・ドリームを掴み取ろうと一直線な人物たちが、終盤に向かうにつれて政治性に絡め取られていく。自分はそもそも国が違うし、時代の空気感も文字でしか理解できないわけだが、能天気さの中に潜在的に仕込まれたブラックなエッセンスが胸をざわつかせる感覚はある。第一に群衆、そして第二に音楽が主役の映画で大半の場面で流れているが、歌の力を確信させるのは全てが重なり合うクライマックス。やはり点と点が繋がるこの話運びが群像劇の醍醐味。でもアルトマンの「ショート・カッツ」の方が終始ふざけていてそちらの方が好み。
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