ブラックユーモアホフマンさんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

ブラックユーモアホフマン

ブラックユーモアホフマン

赤ひげ(1965年製作の映画)

4.9

新年一発目の劇場鑑賞は黒澤明。
2020を小津で収めて2021を黒澤で始めました。

『隠し砦の三悪人』で大いに寝させていただいたのでしっかり観られたこちら。最高。最高の正月になりました。

若大将が
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

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やっとこさ初めて観られるぞ、と思ってたんだけど朝から活動してたばかりに眠くて眠くて。黒澤明だろうがなんだろうが眠いときは寝る。

というわけでマトモに観られなかったのでまた改めて。

ただ『スター・ウ
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.7

男らしさの呪縛。

新年一発目は初クロエ・ジャオ。
ずっと観たいと思っていながらようやく。『ノマドランド』の予習。

『ダラス・バイヤーズクラブ』を思い出した。もしくは『ミリオンダラー・ベイビー』の後
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.8

こばやかわ、じゃなくて、こはやがわ。

小津なのに東宝製作なんですね。
そして、大阪・京都の話。

原節子が主人公だと思うじゃないですか。中村鴈治郎でした。

最高でした。とにかく中村鴈治郎の愛嬌が。
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.7

岩下志麻が美しい!!!

若者の時代に交代していく日本、老害となりつつあるジジイが寂しがる。

ほぼ晩春。原節子が岩下志麻なだけ。

今の映画ならジジイどもに男をあてがわれ無理やり嫁にいかせられる岩下
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

実写版戦争ゲームRTA動画。

面白かった!
公開当時、小忙しくて観られず、そのままコロナ禍に突入……という感じで映画館で結局観ることができなかった本作。悔しいけどAmazon Prime Video
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.9

21/07/29 @[シアター]イメージ・フォーラム ★4.9
「悲しみは使い古した喜びだ」って、なんて示唆に富んだ素晴らしい言葉なんだろう。

前に観てからちょうど7ヶ月経ったのか。早いなー。
前回
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風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.8

狂ってる!!!

『下女』を連想する激しい階段落ち!!

セリフの節回しや画角、カット割りは紛れもない小津節だが、内容は今まで観た中で一番激しくて狂っていた。

これもまた”小津らしく“ない一品。
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非常線の女(1933年製作の映画)

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小津がノワールを撮ってたとは!

いわゆる”小津らしさ”は全く感じられない。オーソドックスなノワール、だったと思う。

というのも、サイレント映画を全くの無音で観るとやはり睡魔に勝てず、半分以上寝てし
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.7

女と犬のシスターフッド。

どういうわけか知らないけど愛犬のルーシーと共にオンボロ車で放浪しているウェンディが、ついに旅の限界を迎える瞬間を描く。

お金がなくなり、車がなくなり、ルーシーとはぐれ、社
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

4.1

悲しい話。

二本立ての一本目で観た『ペイン・アンド・グローリー』の「愛だけでは愛する人を救えない」という言葉が反響する。

今年観た中では『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』も思い出し
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.3

ドラッグムービー。

アルモドバルの自伝的な映画で、主人公の映画監督サルバドール役をアルモドバル組常連俳優のアントニオ・バンデラスが演じ、彼が思い返す記憶の中の母役をこれまた常連俳優のペネロペ・クルス
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マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

4.8

エドワード・ノートン監督作は初。劇場で見逃してしまっていたのでNetflixの配信で鑑賞。大好き。

チック症の探偵がボスの殺された裏を探るうちに、とある黒人女性とニューヨークの都市開発に関わる陰謀に
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.7

法廷劇の最新傑作。

脚本作は観たことあったけど監督作は初めて観たアーロン・ソーキン。さすが、素晴らしい脚本だった。

本人も認めている通り、画作りに関してはごくオーソドックスという感じで面白くないが
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スモーク(1995年製作の映画)

3.7

ウェイン・ワンは5年くらい前に『女が眠る時』を観たので初じゃない。

煙草屋と小説家のおじさん2人が若者と関わってちょっと若返る話。

いい話だけど、基本的に会話劇で撮り方にそんなに工夫があるようにも
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

4.4

おかえりボラット!!今こそお前が必要だった!!

相変わらずの不謹慎ドス黒ブラックユーモア。これは本当に頭のいい人じゃないと作れない。笑った笑った。

まずアメリカ以前にカザフスタンをなんだと思ってる
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.7

「木の遠くにリンゴは落ちない」
って表現、素敵。元からある言葉?この映画オリジナル?

詩的なセリフと無駄のない無駄。
これが長編デビューかよ、センスしか感じねぇ。天才じゃねぇか!!

主人公2人はも
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.4

初ケリー・ライカート。

あ、ここで終わるんだ、と驚いた。

荒野を歩く一行の昼夜をひたすら繰り返し描く。やがて水不足になった頃、一人の先住民の男を捕らえて……。

男たちがイニシアチブを握る集団の中
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.4

84年の渋谷にガストはあったか問題。

1作目に続いてまた泣かされた。
相変わらずパティ・ジェンキンス監督がワンダーウーマンを通して伝えようとしているメッセージが感動的で素晴らしい。

スーパーヒーロ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.8

笑った笑った。泣いた泣いた。

アメリカの青春映画ってほぼハズレないなあ〜。なーんでこんなに面白いんだろう。

この映画で描かれている学校世界はある種ちょっとした理想的世界で、絶妙にファンタジーで、現
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

4.3

実は初ソフィア・コッポラ。

セレブニューヨーカーの贅沢な悩みで、最後まで別に壊滅的な事態には陥らないのでまあどうでもいい話っちゃどうでもいい話なんだけど、こういうのもいいよね。

ラシダ・ジョーンズ
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フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年製作の映画)

3.7

バラゴンは未見。

他の人の感想を見ると、幼少期のトラウマと言っている人が多くて、でも大人になってから見てしまったので全然怖さとかはなく、子供の頃に観られた人は幸福だなあと思った。

脚本とか結構色々
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無頼(2020年製作の映画)

4.0

実録ヤクザ一代記

終始笑って時々泣いた。
知ってる俳優さんたちほど出番が少なくて、知らない俳優の顔がすごく良かった。

中村達也さんカッコよかったなぁ。

こういう、長い期間を描く映画って尺に対して
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.6

幻のカルト映画という触れ込みにちょっと期待しすぎたかなー。

このジャンルなら『ヘンリー』の方が好き。まあこれはこれでヤバさはあったけど。

ナレーションで主人公が考えてること全部言っちゃうのはどうな
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ポゼッション(1981年製作の映画)

4.1

なんじゃこりゃ!!

『クレイマー、クレイマー』×『サスペリア』×『ローズマリーの赤ちゃん』

要素多すぎて理解が追いつかない。もう一回観たい。

幼い息子がいる夫婦の離婚危機を描いた人間ドラマな部分
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つげ義春ワールド ゲンセンカン主人(1993年製作の映画)

4.4

佐野史郎の声、誰かに似てると思ったんだけどサンキュータツオだ。

なんとなく、森見登美彦原作・湯浅政明監督作品に漂う情緒と似たものを感じた。
わざとらしい、文学的なセリフまわしとナンセンスな世界観、原
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ねじ式(1998年製作の映画)

3.6

初・石井輝男。

ずっと画面が赤い。
浅野さんはやっぱりこの頃から浅野さんで、かっこいい。

つげ義春に関しても名前くらいしか知らなかったのでどんな映画か全く検討もつかない状態で観たけど、幾つかの原作
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ざわめき(2019年製作の映画)

3.5

ラストカット良かった。
やたら広い田舎のコートダジュールも良い。

TOURISM(2018年製作の映画)

4.0

急によくなった。

オールナイト最後。
ここまでの作品が酷かったので全く期待していなかったが、始まった途端、全然今までと違うと感じた。

相変わらず初速は遅い。物語が物語らしい展開を見せるまでに大体3
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大和(カリフォルニア)(2016年製作の映画)

1.5

なんじゃこりゃ……PART2

見逃していて、評判も良かったように思うので、期待していたのだけど、長編デビュー作を先に観て、そのあまりの酷さに度肝を抜かれ、一抹の不安がよぎったが、まあデビュー作だけだ
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夜が終わる場所(2011年製作の映画)

1.3

なんじゃこりゃ……

玉子焼き食べてる奥にばあちゃんがいるカットの異様さだけは良かった。

二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

3.7

元は2015年に瀬尾夏美さんが書いたテキストである「二重のまち」。

そこから端を発して、いくつかの映画とかインスタレーション作品とかワークショップに繋がっているとのこと。

なので、この一作品だけで
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.8

難しかった。
テネットよりよっぽど頭使う。

シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷/有楽町での上映がそれぞれに良くないという噂をツイッターで目にしたので一応避けて、立川シネマシティまでわざわざ
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オフィシャル・シークレット(2018年製作の映画)

4.2

こちらもビジュアルとかがイマイチなんでスルーしてたけど、新文芸坐さんがラインナップしてるんだからきっと面白いんだろうと思って観てみたら、面白かった。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で描かれ
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

3.9

面白かった!
最近観た『マリアンヌ』同様、「ナチスと映画」案件だった。

この爺さん誰だったっけなー絶対見たことあるわーと思ってたら、フランコ・ネロじゃん!!めちゃくちゃ普通にフランコ・ネロじゃん!ク
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