ハリウッドは『ゴーストインザシェル』をリメイクする必要なんてなかった。こんなに見事なポスト・グーグル時代のAIを描いた映画がすでにあったんじゃないか。『攻殻機動隊』と『ジュラシック・パーク』の正当な後>>続きを読む
無害なエンタメとしての音楽コメディ。人生において観る必要の無い映画だが、観て損はまったくしない良作。ジャック・ブラックが男色ディーノにしか見えなかった。
なぜ草薙素子をスカーレット・ヨハンソンが演じるのか、ハリウッドによるホワイトウォッシュではないのか? という批判があった。主なものとして以下の記事であるが、
'Ghost in the Shell'>>続きを読む
夏の暑さに発狂するティーンエイジャーたちの抗争。すれ違うロミオとジュリエット。人々を魅了する若きカリスマとその刹那。プレスリーと帝国の影。個人の人生を規定する大きな歴史。蘇る性的衝動。神の創った世界が>>続きを読む
冒頭に流れるのはボリス・ガーディナー「Every Nigger is a Star」。そこからカメラは一人の売人へとフォーカスする。つまり、ケンドリック・ラマー『To Pimp a Butterfly>>続きを読む
ヌーベル・ヴァーグがやりたいなら、それに見合ったテーマでやるべき。
今の時代にジャクリーン・ケネディをポートマンにやらせるのであれば、もっと違う撮り方があっただろう。
映画史上最高に「ゴールデン・スランバー」の使い方が上手い。マシュー・マコノヒーとスカーレット・ヨハンソンの声優もお見事。
イルミネーション・エンターテイメントは、『ミニオンズ』とシングでディズニーと>>続きを読む
ハングルは読めないが、エンドクレジットで表記される英題は『The Handmaiden』。つまりこれは、パクチャヌク版『侍女の物語』、朝鮮版『キャロル』。
『キャロル』ではマッカーシズムという時代設>>続きを読む
構成はめちゃくちゃシンプルで、主張はクリアで、その政治性も明快。それでいてずっしりと残る。なんと媚びのない映画だろうか。素晴らしい。
「マイシャローナ」でご機嫌に踊らせ、ラストを「ラッパーズディライト」で饒舌に締める。大学野球なんてのはどうでもいい舞台装置もいいところで、やりたかったのは『6歳の僕』のラスト10分のみを二時間かけて撮>>続きを読む
ジェネレーションXを代表する90年代USインディーの記念碑的作品。
在野のオズワルド研究家が自分の本のタイトルを「コンシピラシー ア ゴーゴー(陰謀し放題!)」にしようと思うってところでクソ笑い、パ>>続きを読む
ボーダーシャツに肩幅のないジャケット。中学生男子のような髪型に、退屈と苛立ちを併せ持つ視線。くわえタバコも完璧。「ボーイッシュ」って形容詞はウィノナ・ライダーのためにあるのか…!
アンジーとウーピー>>続きを読む
ニューヨークで待つ男と、アイルランドで振り回される男に感情移入してしまったクソ男性こと僕には、正直全然この女性心は分かりません…
『ホット・ファズ』を観る。オフ・ビートなバディ物コメディかと思い気を抜いてヘラヘラしていたら、田舎町がいかに排他的で閉鎖性溢れるコミュニティなのかを暴露する超展開に開いた口が塞がらない。ゲラゲラ笑えて>>続きを読む
アメリカ史上最初の黒人部隊の一つ、マサチューセッツ第54部隊の映画。『ローグ・ワン』や『インディペンデンス・デイ』を観て、僕みたいな日本人はそこに神風特攻を真っ先に想起してしまうんだけど、なるほど、元>>続きを読む
デヴィッド・ボウイのファンであるかどうかで、この映画への評価はガラッと変わると思う。もしボウイファンであったとしても、『レッツ・ダンス』以降を評価するかどうかによって。
僕はこの映画の結末部は残念な>>続きを読む
「一人一人が幸せになることが目的だ、自分が幸せになることが人生の目的だ──という考えにどうも俺は納得できないんですよ。僕は自分の幸せのために生きていない。むしろ俺は映画を撮るたびに不幸になっている。で>>続きを読む
予告編にあるように、WW2での二重スパイをめぐるもの。だが、映画が主題に接近するのは実は後半に差し掛かってから。これが抜群に上手い。映画の原題は連合国を示す『Allied』。『ザ・ウォーク』の次にこれ>>続きを読む
上映直後に目を疑った。松木(俺の最高のソウルブラザー)が主役を演じている!いやもちろん、主演俳優が松木にそっくり、というだけである。しかし顔から背格好から年齢まで松木そのものなのだ!俺はずっと「松木!>>続きを読む
ホロコーストのゴースト、跋扈する優生思想、難民化する子供たち。過去から切り離された永遠の現在と、その先にはない未来。問われるのはサヴァイバルのセンス──だけど、もうそれだけじゃ足りないんだ。ティム・バ>>続きを読む
(未来を花束にして、という謎邦題がついているが)タイトルどおり女性参政権を求める100年前の英国。不当な抑圧に抗議の声をあげよ、正義の歪みを矯正せよ、無知蒙昧と理性で戦え、負け続けても立ち止まるな、そ>>続きを読む
1870年代の南部を舞台にしながら、自由黒人たるデンゼルへの罵詈雑言や差別がきかれない。イ・ビョンホンも颯爽たるもので、きわめつけはインディアンまでが仲間になる。
こういうのをつまらないPC配慮とい>>続きを読む
ベックとナイジェル・ゴドリッチ、いい仕事するなぁ。展開早いコメディなのにオフビート。うまい。
決して短くはない原作小説を90分で見事にまとめてきた。そうなんだよ、すげーシンプルな話なんだよ。そう考えると、あらためて小説は見事な細部を持っているなぁ。墓地労働者ストライキとかメアリーの延命とか。い>>続きを読む
マトリックスとインセプション以降のハリウッドSFXのノウハウがつまった素晴らしい映像。インセプションでの都市空間の磁場を曲げるCGをもっと見たい!と思った人は溜飲が下がる出来。
劇中に『知覚の扉』も>>続きを読む
ラストの額十字の曲、まんまボウイだし、というか全編通じてボウイの影響が色濃かった。トミー役の子もボウイの子たるアーケードファイアのウィンバトラーそっくりだし、なんなん!好き!
12年前、上智大学での講義「キリスト教と文学」で、片山はるひ先生は「『沈黙』はベストセラーとなった。しかし、その9割の読者は、巻末におかれた「切支丹屋敷役人日記」を(漢語で書かれているがゆえに)読ま(>>続きを読む
@シネマシティ極音。チェット・ベイカーの『ブルーに生まれついて』では、ストイシズムの権化のように描かれていたマイルスだが、本作ではベイカーの比ではないジャンキーで女好きのどうしようも帝王だった。
と>>続きを読む
力強く美しい革命を描いた2005年のこの想像力は、アラブの春以後の中東、全世界を覆うヘイト、分断から生じる強力なナショナリズムによってポスト・トルゥースへと変容した2016年の終わりが直面している現実>>続きを読む
@シネマシティ極爆。戦争のリアリティと人が死ぬことのシリアスさを徹底的に追求した最もヘビーなスターウォーズサーガ。「観終わったあとにエピソード4が観直したくならなかったら失敗作だ」と出演者は語っていた>>続きを読む
この映画については『ジェンダーにおける承認と再分配』収録の中井亜佐子「表象=代表(representation)、知識人、教育──マララ・ユスフザイの国連スピーチを読む」を読んでほしい。マララが代表し>>続きを読む
『スーパーサイズミー』を観た。ずっと観たかったドキュメンタリー。マクドナルドを食べると太る!に終わらず、アメリカ社会が抱え込んでいる構造的な問題にちゃんとメスを入れていて、それでいてちゃんと楽しい。栄>>続きを読む
ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』。『恋する惑星』でも思ったけど、部屋の内装のビビッドな色、完璧。今作はその鮮やかな色遣いと対照的なブエノスアイレスのくすんだスカイブルーとイグアスの滝の濁った灰色>>続きを読む
今年のベスト(劇場だけでなくすべて含む) は『レッドタートル』『リリーのすべて』『サウルの息子』『シングストリート』『愛と哀しみのボレロ(復刻版)』のどれかで決め切れないなー、って迷ってた。だってどれ>>続きを読む