[セネガル、宗教三つ巴抗争と囚われの姫] 50点
センベーヌ・ウスマン長編五作目。キャリア初の時代劇。舞台は18世紀くらいだが明言はされず、センベーヌとしては現代まで続く、そしてアフリカ全土で行われ>>続きを読む
[セネガル、不能の呪いは"西欧への羨望"?] 80点
センベーヌ・ウスマン長編四作目。最高傑作と呼ばれる同名自著の映画化作品。冒頭でラフな服装の黒人たちが中央官庁に押し入り、そこにいたスーツの白人た>>続きを読む
[狂気の完全屋内型ユリシーズ的放浪] 90点
大傑作。ガイ・マディン長編十作目。ジョンソン兄弟と共作を始める前の最後の長編。2006年の短編『Glorious』と設定や幾つかのシーンが重なるので、こ>>続きを読む
[] 70点
良き。強権的な父親からの解放を描いた大傑作『10クローバーフィールド・レーン』のダン・トラクテンバーグが6年ぶりに戻ってきたということで。プレデターシリーズは『プレデターズ』も好きなの>>続きを読む
[セネガル、ディオラにとって米は神聖なもの] 70点
傑作。センベーヌ・ウスマン長編三作目。日本で初めて公開されたセンベーヌ作品(R.I.P.岩波ホール)。二次大戦期のセネガル南部カザマンス地方、宗>>続きを読む
[セネガル、絶望的なたらい回しと無限湧き金せびり] 70点
センベーヌ・ウスマン長編二作目。監督本人の同名小説の映画化作品で、母国語であるウォロフ語での初監督作。西アフリカ初のアフリカ言語による長編>>続きを読む
[セネガル、私にとってのフランスは台所とリビング] 80点
傑作。センベーヌ・ウスマン初長編であり、サブサハラアフリカで初めて国際的な注目を集めた作品。白人一家の下で働く黒人少女ディアウナの生活を、>>続きを読む
[幻滅の時を経て、内なる力を見出す全ての人々へ] 40点
2021年ヴェネツィア映画祭コンペ部門出品作品。オノレ・ド・バルザック『幻滅 メディア戦記』の映画化作品。1820年代フランス。20歳の詩人>>続きを読む
[] 70+10点
1975年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。実在の毒舌スタンダップコメディアンのレニー・ブルースを描いた一作。元妻やマネージャーへのインタビュー、彼女の回想、ダスティン・ホフマン演>>続きを読む
[] 60+10点
ロマン・ポランスキー初長編作品。ポーランド時代唯一の長編作品。尊大な中年男、今日日ルクレシア・マルテルくらいしか持ってなさそうな魔女眼鏡な若妻、チャラいヒッチハイク青年の三人は成>>続きを読む
[ロリー・キニアがいっぱい] 10点
アレックス・ガーランド長編三作目。目の前で精神虐待的な夫を亡くしたハーパーは田舎の村で休暇を過ごすことにした。屋敷の管理人ジェフリーは若干挙動が変だが親切な人で>>続きを読む
[ヴァンサン・ランドンの仕事と家庭の板挟み闘争記] 50点
2021年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ヴァンサン・ランドンを主演とした『ティエリー・トグルドーの憂鬱』『At War』に連なる労>>続きを読む
[自分自身でないこと、自分自身であること] 80点
初ラリユー兄弟。48歳のホームレス歌手トラララが聖母を幻視してルルドまで会いに行く話。序盤はロードムービーなのかってくらい常に移動し続けているが、>>続きを読む
[] 80点
ハーク・ハーヴェイ唯一の長編作品。あの一番怪しい白い顔のおじさんがハーヴェイ本人だそうで(楽しそうで何よりです)。カーレースをしていたら橋から転落して一人生き延びた女性が、別の街に移動>>続きを読む
[] 60点
バンリュー映画っぽいのでフランス映画だと思ってたが、イギリス映画だった。主人公ロックスは移民二世の高校生で、小学生の弟エマニュエルがいる。母親は不安定で頻繁に失踪しており、今回も数日で>>続きを読む
[] 90点
大傑作。初成瀬巳喜男。戦中戦後に掛けて焼けた店を元通りにした未亡人とその義弟の物語。日本家屋ってなんて映画向きなんだろう。障子を閉めて空間や距離を狭めたり、部屋ごとに陰影を出すのだって>>続きを読む
[メキシコ、奇妙に交わる三人の女性の物語] 50点
2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。カルロス・レイガダスやアマト・エスカランテといった同時代のメキシコ人監督の作品で編集を務め、夫レイガダ>>続きを読む
[] 60点
短い間に狂信者宇野祥平を二度も見かけるとは思わなかったけど、確かに頑固な狂人ぽさはある。物語は教義に従って夢と現実を混ぜるように描いていて、意図的にぼかされている部分もあり、それらの糊>>続きを読む
[ノスタルジーに浸って地元をかき乱すおじさん] 15点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。長年ヴェネツィアに出品していたマルトーネは、1995年の『愛に戸惑って』以来27年ぶりのカンヌ入りと>>続きを読む
[運命の女神が導く血脈と復讐のサーガ] 90点
大傑作。ニューイングランドの森と孤島の灯台で、数少ない人間を自然が追い詰めていく作品を二つ撮ったエガースが、それらを何本も撮れるだろう予算を注ぎ込んで>>続きを読む
[] 20点
人生ワースト映画某兎の監督ということで観るつもりはなかったのだが、ヴァルキリーとキャラが被るということでなかったことにされたらしいソーの元カノのシフが登場すると知って、マイナーキャラ好>>続きを読む
[] 60点
昨年末の新作追い込み時に、ちょうどジャパングリッシュいじりがキツイという記事を見かけて放置していたんだが、まぁPTA新作ということで流石に。舞台は1973年、オイルショックあたりのロサ>>続きを読む
[男たちが身を呈して守る母性神話] 30点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。大雨が河のように流れる坂道の上に教会がある。ガッツリ『パラサイト』を意識しているわけだが、勝負できてるのはこの冒>>続きを読む
[心より先に脳が壊れていく人たちへ]
傑作。ギャスパー・ノエ最新作である本作品では、御年81歳のダリオ・アルジェントと御年77歳のフランソワーズ・ルブランが夫婦を演じている。ある朝、ルブランとアルジ>>続きを読む
[手術はセックス、セックスは手術] 50点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。近未来、人類の身体は進化した。冒頭で登場するのはそんな新人類の一人、少年は母親に隠れてプラ製ゴミ箱を食べていた。>>続きを読む
[恋について語るとき彼らの語ること] 80点
中々面白かったけど納得はしてない。そういうもんかとするにはサンプル数が多いし、北代に光が見えないことへの結論を出すにはサンプル数が少ないので、色々イライ>>続きを読む
[ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジを演じるニコラス・ケイジ映画] 80点
ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジを演じるニコラス・ケイジ映画。大作映画出演への憧れ、思春期の娘との関係性の拗れなど問題を>>続きを読む
[ミゲル・ゴメス版『メメント』]
ミゲル・ゴメスがパートナーのモーレン・ファゼンデイロと組んだ初の作品。22日目(という中間字幕)。クリスタ、カルロト、ジョアンの三人が部屋の中で踊り狂っている。開け>>続きを読む
[] 40点
アメリカ人のジュリアは夫フランシスの実家のあるブカレストに移り住む。フランシスと違ってルーマニア語が全く分からないジュリアは慣れない街を一人で漂いながら、必死に慣れようとする。夫の友人>>続きを読む
[] 60点
恋人とセックスしながら"外国人とセックスするなよ!約束だぞ!"とか言うテノッチ篇と、恋人の両親がいる上階で彼らを待たせながら超速セックスを展開するフリオ篇の冒頭部分のスピード感は良い。>>続きを読む
[] 70点
アレクサンドル・アストリュック監督二作目。ナポレオン戦争中のフランス。田舎の駐屯地に配属された青年将校が、間借りする屋敷の老夫婦の超絶美少女娘アヌーク・エーメにガチ惚れする話。アヌーク>>続きを読む
[元ナチの侵入者vs"臆病者"の父親] 60点
フランチシェク・ヴラーチル長編九作目。1981年に日本公開されたらしい。1947年の夏の終わり、主人公オンドジェイ・バランは若い妻テレツカ、12歳の息>>続きを読む
[戦間期ドイツを文化的側面から観察してみた] 60点
2021年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。エーリッヒ・ケストナー唯一の大人向け小説の映画化作品。現代の地下鉄駅から長回しで地上に出ると1931>>続きを読む
[マケドニア版"異端の鳥"]
嫌いじゃないんだが...19世紀のマケドニア。生まれたばかりの赤ん坊が魔女に見つかってしまい、母親はとっさに16歳になったら引き取っていいと言ってしまう。母親は子供を神>>続きを読む
[生きろとは言わん、死なんでくれ] 90点
大傑作。2000年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。"ユリイカ"とは何かを発見した喜びと共に発せられる"分かった!"という意味のギリシャ語の感嘆詞らしいが、>>続きを読む
[] 60点
カナダの低予算パンデミック映画。地下にあるラジオ局の放送ブースだけのワンシチュエーションもの。立て籠もるのが偶々ラジオ局でした、というわけではなく、キチンとラジオ局としてのドラマがある>>続きを読む