[ベナンから来た偽装姉弟の日々] 60点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ダルデンヌ兄弟劇長編12作目。今回はベナンからやって来た偽装姉弟ロキタとトリの物語である。冒頭、ロキタはトリとの出>>続きを読む
[] 70点
前作を観てから10年近く経ってると思うが(もう10年も経つんだ…)、冒頭の結婚式とかソニーが銃撃されるとことか孫と戯れてる最中にヴィトーが死ぬとことかを断片的に覚えているので、そのまま>>続きを読む
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奇しくもサクマ式ドロップス製造元会社が廃業になった2023年1月にこれを観ている。もうなんか、とにかく辛い映画という鑑賞前の印象通りの作品。戦争孤児の話ということで、パッと思い出したのが「はだ>>続きを読む
[] 60点
マウゴジャタ・シュモフスカ長編十作目。ニューハンプシャー州のワシントン山、捜索救助ボランティアとして麓の山小屋で暮らすパム・ベイルズは、ある目的を持って冬の山へ入っていく。天気も崩れそ>>続きを読む
["愛する者は決して病まない"] 80点
2015年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マウゴジャタ・シュモフスカ長編六作目。順番は逆だが『もう雪は降らない』の兄弟みたいな作品。母が亡くなって6年も経>>続きを読む
[] 70点
ド田舎の平原を通る列車に合わせて、誰もいない踏切にゲートを下ろし続けて33年。主人公モハマドとその妻の暮らしは静けさに包まれている。会話は最小限に抑えられ、代わりにゲートを上げる、寝る>>続きを読む
[] 80点
マイク・ニコルズ長編二作目。サイモン&ガーファンクルのサントラは死ぬほど聴いていたので開始時点から妙な親近感がある。冒頭から妖艶人妻ロビンソン夫人から誘惑されるのをオロオロと実況する主>>続きを読む
[マックスとヌードルスの50年片恋慕] 90点
大傑作。セルジオ・レオーネ遺作、"ワンス・アポン・ア・タイム"三部作の終章。次作はレニングラード包囲戦の話を描こうとしていたが、市内のスナイパーが撃っ>>続きを読む
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毎回ソ連に行く遥か手前で寝落ちし、二枚組のDVDの1枚目(104分が切れ目)がいつの間にか終わってるというのを数回繰り返したので、今回はゴリ押しで。一次大戦からロシア革命に至るまでのア>>続きを読む
[] 60点
2013年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マウゴジャタ・シュモフスカ長編五作目。今回の主人公は田舎司祭である。ずっと信心深かったわけではなく、21歳のときに突然亡き父を感じたことで目>>続きを読む
[] 100点
人生ベスト。アンドレイ・タルコフスキー長編二作目。いいかげんタルコフスキーくらい全部観よう企画。タルコフスキーで200分はキツイなとか思ってここまで放置してきたが、ようやく重い腰を上>>続きを読む
[パロンディ家の五人兄弟] 60点
ルキノ・ヴィスコンティ長編六作目。父親が死に、長兄を頼ってミラノまでやって来た母親と四人の弟の物語。ネオリアリズモと後年の叙事詩的な作品群との丁度中間みたいな作品>>続きを読む
[ルーマニア、堕胎までの24時間] 60点
2007年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。クリスティアン・ムンジウ長編二作目。1966年、それまでヨーロッパで最もリベラルとも呼ばれた>>続きを読む
[] 80点
長尺歴史絵巻担当という印象のあるデヴィッド・リーンだが、実はそこまで長尺歴史絵巻を撮ってない説あり。いきなり赤軍将校になったアレック・ギネスが登場するので笑ってしまう。彼が英国人以外を>>続きを読む
[リトアニア、夏の終り、浜辺の記憶] 70点
『デルス・ウザーラ』の共同脚本として知られるユーリー・ナギービンの短編小説を元にしたアルーナス・ジェブリウーナスの長編二作目。今回も『The Beaut>>続きを読む
[] 70点
年明け早々、ミハイル・ドローニン『The Second Wife』という凄まじいサイレント映画を観てしまってからというもの、ウズベキスタン映画史に取り憑かれてしまった。ということで、ウ>>続きを読む
[孤独なゾハラの精神旅行] 70点
『Magdalena Viraga』『Queen of Diamonds』『The Bloody Child』へと続く緩い四部作の第一篇。本作品はエルサレムの正統>>続きを読む
書いたのだいぶ前なので今と形式が違いますがお許しください。
[アンチ・ラスベガス映画、それは馬のいない西部劇] 100点
人生ベスト。あまりにも素晴らしい。いきなり回転するダイヤのクイーン(トラン>>続きを読む
[] 70点
スコセッシの長い映画シリーズ。長い映画ばかり作ってるイメージあるが、流石に『アイリッシュマン』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に次いで三番目の長さらしい。今回はロバート・デ・ニーロ>>続きを読む
[] 70点
小津遺作。いきなり赤白の工場煙突と赤白のドラム缶が並んでいて意識が飛びかける。え、ヴィットリオ・デ・セータ観てたっけ?というくらい綺麗な工場のショット(『浮草』評参照)。設定が1962>>続きを読む
[砂漠で働く気なんかサラサラねえぞ!というイスラエルの『キャラメル』] 99点
大好きすぎる。兵役義務によって徴兵され、砂漠のなんもない基地に配属された上で、事務作業を押し付けられているやる気ゼロの>>続きを読む
[共産主義時代の家父長的世界への郷愁] 80点
傑作。2006年以降の時代は、ルーマニア映画にとって重要な時期となった。一つは国立映画センターに関し、その政策が見直されたことだろう。2006年12月>>続きを読む
[] 60点
マウゴジャタ・シュモフスカ長編四作目。ベテラン監督から新人監督まで神出鬼没なジュリエット・ビノシュを主演に迎え、当時まだ無名だったヨアンナ・クーリグと子役イメージから脱却しつつあったア>>続きを読む
[愛の反対は無関心] 80点
『情事』から『太陽はひとりぼっち』へと連なる"愛の不毛"三部作の第二部。金も時間もあるために刺激がなく、チヤホヤされてても筆が止まっている作家と、資産家の娘ということで>>続きを読む
[] 80点
そういえば日本史っていつから習ってないっけ?と考えてみると、センターは強制地理選択で中三からは世界史だったので、最後に習ったのは10年以上前だったかと驚愕している。当時は戦国時代には全>>続きを読む
[] 70点
コルネリュ・ポルンボユ長編五作目。一般公開されてかつ日本でも手に入りやすいという珍しいルーマニア映画の一つ。隣人に"曽祖父が田舎に埋めた財宝を掘り当てて稼ごう"と持ちかけられ、デカい庭>>続きを読む
[ハイウェイキラー的食人ロードムービー] 40点
2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。1980年代のヴァージニア州で、18歳のマレンはお泊まり会で友達の指を噛みちぎってしまい、父親から捨>>続きを読む
[] 60点
どうやらベルリン映画祭でお披露目された『Rimini』の主人公と本作品の主人公が兄弟らしく、元々は一本の映画として企画していたものを途中で分けたらしい。しかも撮影してからコロナ禍に突入>>続きを読む
[幸福でも不幸でもない退屈さ] 60点
アンドレア・シュタカ長編三作目。今回の主人公マーレは夫ドゥロと三人の子供たちと共に、ドゥブロヴニク空港の直ぐ側にある借家で暮らしている。夫の稼ぎは多くないが、>>続きを読む
[ベクシンスキーとその家族について] 80点
ヤン・P・マトゥシンスキ初長編作品。1977年から始まるズジスワフ・ベクシンスキー家の28年に及ぶサーガ。終焉の画家と言われながらもお喋り好きだったズジ>>続きを読む
[肥大したエゴを少しずつ剥がして残るものは?] 80点
傑作。2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。トッド・フィールド長編三作目で16年振りの新作。主人公リディア・タールは当代随一のオーケ>>続きを読む
[] 70点
1984年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。オタール・イオセリアーニ特集上映配給のビターズ・エンド様よりご厚意で試写を観せていただく。オタール・イオセリアーニ長編六作目。ダルメシア>>続きを読む
[] 60点
1961年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ルイス・ブニュエル長編20作目で、最後の英語作品。赤狩りでハリウッドを追われたヒューゴ・バトラーが脚本家として参加しているのもあってか、黒人差>>続きを読む
[ジョージアと木、アフリカと木について] 80点
傑作。1989年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。オタール・イオセリアーニ特集上映配給のビターズ・エンド様よりご厚意で試写を観せていただく。オタ>>続きを読む
[] 70点
ジョセフ・ロージーの遺作。存続の危機に瀕している市営の女性用サウナ施設に集った様々な階級の女性たちの連帯を描く。下高井戸シネマの暖房が心地よすぎて彼女たちの激突部分はほとんど寝ていたの>>続きを読む
[ソ連を崩壊させたあの"出来事"] 100点
人生ベスト、ロズニツァベスト。1991年8月19日、ソ連でクーデターが発生する。何も分からずに通りに出てきてラジオに群がる民衆たちの顔には様々な感情が入>>続きを読む