まりりんクインさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

まりりんクイン

まりりんクイン

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

犯罪にまで義理や動機が無くなってしまった国への無常感。

しかしそれを体現する男はあまりにもポップ。
まさにコーエン兄弟的なバランスです。
非常に重たく、深いテーマを
シガーという男のキャラ造形一つで
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ナインスゲート(1999年製作の映画)

2.3

途中までは素晴らしいです。
おそらくヒロインが空中を飛びだしたシーンで大多数の観客がずっこけたはず。
ゴーストライターでは徹底して「見せない」ことでその裏で蠢く「巨大な何か」の存在を表現していましたが
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

「うそつけwww」
「トラたんかわいいwww」
「はいはいw美しい美しいww」

と思っていた五分前までの自分を殴り殺したくなるラスト。
全てはアンリー監督の手のひらの上だったのであった…

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.0

最低のクズ共の最高の半生。
「いとしのレイラ」のピアノパートのみを使うスコセッシ監督のセンスに脱帽。
ラストのしょんぼりしつつ音楽は盛り上がるバランスが流石です。

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

非常に特殊な作品なので、いつか劇場上映に参加してみたいと思っていたのですが、
一昨年ついに本作を、カナザワ映画祭にて劇場での鑑賞を体験をすることができました。

他の何物にも代え難い最高の映画体験がで
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カサブランカ(1942年製作の映画)

3.0

普通に考えたら臭すぎてダサいような台詞や仕草も、作品内の空気の中でなら成立するのが映画の面白い所ですね。
今の映画の形態に慣れていると、この頃の優雅で煌びやかな雰囲気が逆に新鮮です。

王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年製作の映画)

5.0

見れば必ず勇気が出る。

エヴァなどで有名なアニメ制作会社、ガイナックス(正確にはまだ会社は設立してませんが)の記念すべき初作品。
大学生の頃から同人活動をしていた面々が、卒業後劇場アニメを作るために
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

4.2

全力でてんこ盛りな続編。

どのシーンも一工夫も二工夫もされていて観ていて全くあきません。
特に序盤のドロまみれ乱闘シーンは圧巻、信じられないような長回し演出です。

キャラクターたちも非常にたってお
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ザ・レイド(2011年製作の映画)

4.0

ブルースリーの映画を始めて観た時のような、

マッハ!!を始めて観た時のような、
アクション映画でしか味わえない興奮を観客に叩きつけてくれます。
この映画がきっかけでキャストの皆さんは、スターウォーズ
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ユキとニナ(2009年製作の映画)

3.1

高校の頃友人と二人で観に行き、
「これは監督の純粋なロリに対するフェティシズムのみで撮られた映画だ!それ以外に何もねえ!すげえ!最高だ!」と興奮して劇場を後にしたんですが、
後々になって
「いやいや、
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BOY A(2007年製作の映画)

3.0

自分の中で、アンドリューガーフィールドという役者には、本作のイメージが強過ぎで、
どれだけスパイディとして青春とヒーロー家業をエンジョイしてても、何処か悲しげに見えてしまいます…
彼が時々みせる捨てら
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.4

出ましたクリストフヴァルツ劇場。
これ程喋り出した瞬間場を支配する説得力がある俳優は中々いないと思います。
「喋る」「やな奴」この二つがあればヴァルツは無敵!

本作に出てくるウォルターは確かに最低野
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.3

「韓国映画って後味悪いよね」という話になったとき皆さん真っ先に連想するのが本作じゃないでしょうか?

韓国ではテレビでの規制が非常に厳しいため(だから韓流ドラマはラブコメ系が多いようです).
その分国
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.2

韓国映画の名作スリラーと聞いて、先ず初めに名前が挙がる本作。
成る程凄まじい。

これまた犯人役のハジョンウが素晴らしい。同監督の次作である「哀しき獣」では全く真逆の無骨な男の役ですが、
本作のなよ
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.2

アメリカンニューシネマと呼ばれるこの時期の作品群の中では、
全編通して非常に陽気なトーンで進んでいくのが特徴でしょうか。
無常感や悲哀を湛えつつも、同時にサムペキンパー監督のワイルドバンチのような、漢
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テロ、ライブ(2013年製作の映画)

4.0

ラジオパーソナリティの主人公の元に「自分は橋に爆弾を仕掛けたテロリストだ」という男から電話が。
主人公は元々その局でテレビのニュースキャスターをしていた人気アナウンサーでしたが、先日あるミスをしてラジ
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レスラー(2008年製作の映画)

4.0

なんであそこで寝坊したんだ畜生ぉぉおおおお!!!!!

ロボコップ(2014年製作の映画)

2.9

この話が持つ魅力を最大限引き出せている、ジョゼパリージャ監督による丁寧に作られたリメイクです。
マーフィーとその家族の関係を際立たせるため、オリジナルとは逆に残した「腕」を象徴的に使っていて上手いと思
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テッド(2012年製作の映画)

-

町山智広さんが字幕監修ということで見に行きましたが心底不快なシーンもけっこうあって辛かったです。
有吉さんの吹き替えは、とてもナイスな芸能人キャスティングでしたね。

ネタは分かりづらくなりますが、有
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ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

4.1

前2作に比べると確かに
話は地味でやや難解、
キャスティングも今ひとつ、
前2作とは別物、
という人がいるもごもっともなんでしょうが、
本作には「全てを失った一人の男の人生が完結する瞬間」が描かれてい
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

-

この映画のピークは、誰が何度みてもキルゴア中佐のシークエンスで終わってると思うでしょう。
というか、あのシーンだけでこの映画が表現しようとしていたことが全て出来てしまっているように思います。

終盤に
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

3.9

撮影現場という地獄の黙示録。

是非DVD化して本編とセット販売して欲しい。

処刑人(1999年製作の映画)

3.0

石井克人監督作に非常に似たテイストを感じる。
石井監督の良いところのバランスが奇跡的にまとまっていたのが「鮫肌男と桃尻女」なら、トロイダフィー監督の奇跡バランスが成立したのが本作なのでしょう。それ以外
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ミスト(2007年製作の映画)

3.6

オチは知らないけど、「最高に鬱」になると聞いて観るのを躊躇っている人!
是非観てください!

映画を観て「最高に鬱」になれるんですよ?
最高じゃないですか!

母なる証明(2009年製作の映画)

5.0

映画は良い悪い、正しい間違ってる、面白い面白くないじゃない。そんなことはどうでも良い。

打ちのめされるかされないか、それだけ。

シュガーマン 奇跡に愛された男(2012年製作の映画)

3.8

創った本人さえ気付かない所で、思いもよらなかったタイミングで大きな影響を与えているかもしれない。
創作物が持つ力を心底実感できる作品。

ルーカスの改変問題など、
作品の価値や権利は創った本人だけのも
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

この作品に出てくる家族はとにかく馬鹿。
いい人過ぎて残念なかんじの父、頭の足りない兄と、プー太郎の弟、頭より体が先な脳筋妹。
こんな奴らに助けられなきゃならない娘が本当に可哀相。
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裏窓(1954年製作の映画)

4.1

設定と話だけをとれば物凄く動きのないシチュエーションスリラー。
なのにこの映画はとてつもなく躍動しています。
「これが映画の面白さか!」
と心底実感できる作品。

間違えられた男(1956年製作の映画)

3.0


この作品の恐ろしいところは「大多数が頷けばそれが真実になってしまう恐怖」をジワジワ描いているところ。しかもそれが何かの陰謀などではなく、本当に唯の偶然。誰も責めることがどきません。主人公の取るべき道
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

4.3

作品をしっかりと
現代基準のエンターテイメントとして復活させています。
中々ないバランスで成立したリメイクだと思います。

山口貴士先生の「シグルイ」の世界からそのまま飛び出してきたような、稲垣さんの
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神さまの言うとおり(2014年製作の映画)

2.7

日本のビッグバジェット作品で、スタッフクレジットにその名を見ただけで見に行きたくなる監督、三池崇史。

何故なら映画全体はとんだ駄作だったとしても、一定の割合で必ず観て損がないと思わせるところがあるか
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

5.0

去年のアメコミ映画は本当に豊作でしたが、おそらく本作がぶっち切りのダークホースだったと思います。

「宇宙」、「落ちこぼれ」、「団結」、「勝利」と、
もう盛り上がるしかない要素で出来てます。
そしてな
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

5.0

去年のアメコミ映画界は、結果的にガーディアンズオブギャラクシー
一色となってしまいましたが、こちらも正反対のトーンながら全く引けを取らない傑作だったと思います!

本作を観るまではキャップのよさがよく
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マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013年製作の映画)

3.6

映画自体は可もなく不可もなくといった感じでしたが、
もうこのシリーズは、現キャストのソーニキとロキ様が一緒に出てれば、今後も安定して面白いでしょうね。それくらいキャラクターに揺るぎない魅力があります。
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.5

ジョンファブロー監督の再奮起の記録としても楽しめる本作。

先日打ち切りが決まってしまった、
アメイジングスパイダーマンのマークウェブ監督にも、是非また小品体制での作品を作って欲しいですね。