天豆てんまめさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

映画史上、こんなに憎たらしい判事、初めて見た……。

この映画はベトナム戦争への抗議吹き荒れる60年代の映画として終わらない。たった今の世界に訴えかける熱い映画だ。

「ソーシャル・ネットワーク」でア
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近松物語(1954年製作の映画)

4.2

しみじみ傑作だと思う。

監督は『西鶴一代女』『雨月物語』『山椒大夫』と3年連続でヴェネツィア映画祭にて銀師子賞を受賞した溝口健二監督が身分が違う男女の道ならぬ恋を描いた。

時は江戸時代。

京都で
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.0

群像人間ドラマの果てにアレが降ってくる。

トムクルーズの振り切った演技が見もの❗️

たまになぜか観たくなるポールトーマスアンダーソンの奇才感溢れた映画だと思う。

劔岳 点の記(2008年製作の映画)

3.7

山の上でひたすらに耐える話。

山頂付近の神々しい映像美は
木村大作監督の執念の末に撮影された。

日本地図完成のため未開の地・劔岳を命懸けで目指した測量師たちの姿を描いたドラマで、雪崩や暴風雨など想
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フォー・ウェディング(1994年製作の映画)

4.1

ヒュー・グラント作品で1番好き。

4つの結婚式と一つの葬式を通して、フラフラ男が恋に右往左往する姿をコミカルに描いたラヴ・ストーリー。

脚本は「アバウトタイム」のリチャード・カーティスで流石にセリ
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ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)

3.9

ジョージが人生に悩む作品。

「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督×ジョージ・クルーニーを主演。

これもまた中年の危機もの。

祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮ら
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マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

4.0

ジョージが人生に悩む作品。

「JUNO/ジュノ」のジェイソン・ライトマン監督×ジョージ・クルーニー主演。

飛行機で全米を飛び回り、リストラ対象者に次々クビを言い渡すリストラ請負い人。

マイル貯め
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

4.1

森田芳光監督が向田邦子の味わい深い小説世界を具現化していて、非常に面白い。

大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子の4姉妹の会話を聴いているだけでなんとも心地よく、でも毒がある。

しかも桃井かおり
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火宅の人(1986年製作の映画)

4.2

檀一雄の自伝的小説を深作欣二が映画化。

愛人との逢瀬をひたすら繰り返す、父としても夫としても失格の破滅型作家を緒形拳が嬉々として演じている。

その愛人の1人は原田美枝子、もう1人は松坂慶子、当時の
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DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

4.2

スクリーンで観た漫画原作の実写化では存分に楽しめた作品。

特に後編の本作のラストに至るまでのスリリングなまとめ上げと、藤原竜也の(毎回ではあるが見たくなってしまう)鬼気迫る叫びと、松山ケンイチ(実は
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DEATH NOTE デスノート(2006年製作の映画)

3.9

先日、長男の漫画「デスノート」を一気読みしたが映画も面白い。

藤原竜也も、松山ケンイチも、主題歌のレッチリもいい。クッキリとした世界観を創り上げている。特に、松山の「L」の登場はインパクトありました
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.2

映画冒頭に流れるコトリンゴの「悲しくてやりきれない」と思い浮かべながら、このレビューを書いている。

♪かなしくて かなしくて とてもやりきれない

このやるせない もやもやを だれかにつげようか♪
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

4.3

日本映画史剣劇アクション最先端にして最高峰のアクション全振り切り映画。

大友啓史監督の映像美学を漏れなく味わい尽くすべくIMAXで鑑賞。美味しいところをギュッと詰めた‘るろうアクション’のてんこ盛り
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.3

夏が近づいてくるにつれ、観たくなる。

初めてこの作品スクリーンで観た時、細田守監督は天才だと思った。

時かけも然りだが、こちらも夏が近づくと観たくなる。暑い夏!ってゆう気分と、洪水のようなビジュア
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おくりびと(2008年製作の映画)

4.2

Hollywood meets Japanese Beauty✨
アカデミー賞外国語映画賞受賞。

遺体を棺に納める納棺師。この作品でフォーカスされるまで意識したことはなかった。主演の本木雅弘さんがこ
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ラスト サムライ(2003年製作の映画)

4.0

Hollywood meets Japanese Spirit✨

ハリウッド作品で日米が組んだ作品としてはかなり好きかも。

史実や美術に?は置いておいて、アメリカが感じる日本の大和魂と情景の美しさ
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.9

中田敦彦のYouTube大学で原作漫画の解説を聴いて世界観をぼんやり理解した上で再見。

奴がアキラか?!
いや奴は金田。

奴がアキラか?!
いや奴は鉄雄。

で、いったいアキラは誰だ?

と思いな
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.2

私の中ではアル・パチーノの最高傑作で、この作品の彼の演技は終生忘れられないだろう。

アル・パチーノは盲目の退役軍人。毒舌で攻撃的だが鬱っぽくもあり、周囲からは疎まれ、自分の人生をも愛しきれない孤独な
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火口のふたり(2019年製作の映画)

4.1

「裏アカ」でも主演した瀧内公美 の魅力に溢れている。

2019年キネマ旬報ベストテン第1位はなんとR18指定のこの作品。

それにしても、この映画を観て、人間の3大欲求に素直に生きることは素晴らしい
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.2

面白い映画っていつ観ても面白い✨

たまに観たくなるのだけど、軽快なお仕事ものの映画でNo.1によくできた映画だと思う。

瞬時に主題歌が脳内に流れて、テンション上がる冒頭からのスピード感もgood!
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.2

あなたの心の奥底の静かな場所に降りて、人生を感じることができる映画だ。

彼女たちのノマドライフを眺めながら段々と感覚が研ぎ澄まされ、最後には浄化されるような感覚になった。

「ファーゴ」「スリー・ビ
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ジェクシー! スマホを変えただけなのに(2019年製作の映画)

3.6

「王様のブランチ」で紹介されてて、面白そうで見てみた。

何も考えずにそこそこ楽しめるB級コメディ。

監督、脚本は「ハングオーバー!」の脚本家。

スマホ依存症の男が手にした新しいスマホに搭載された
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華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.1

100年前のパリピ大集合✨
この万華鏡的な映像世界観大好き!

絢爛豪華で目がスパークする🤩

Bluray &ヘッドフォン爆音で度々見直すエンドレスパーティタイム✨

フィッツジェラルドの伝説的名作
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

4.0

不謹慎の極みだけど目が離せない。

それは深作欣二だからこそだと思う。

冒頭のインパクトからもっていかれる。

柴咲コウと栗山千明の鮮烈デビュー感。

藤原竜也の十八番叫び芸の原点。

安藤忠信と山
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マルティナは海(2001年製作の映画)

3.7

性愛に身を委ねてゆくラブストーリー。

死んだと思った愛する彼が生きていた。

今は暴力的な富豪の夫に囲われているが、
あの時の想いがが再燃する。

「トーク・トゥ・ハー」のレオノール・ワトリングの豊
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.6

最高に面白かった。
IMAXでも、MX4Dでも、存分に堪能した。

エヴァって何?

25年間抱き続けた問い。

庵野秀明監督のアンサーは、愛。

旧劇の突き放され感。
Qの置いてけぼり感。

それを
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(1997年製作の映画)

3.6

アニメシリーズから旧劇場版への橋渡し。

本作は、TVシリーズ1-24の再構成に25話リメイクの前半の2部構成だけど、詩的に編集した総集編の趣きでせわしなく、ゆったりアニメシリーズで描かれていた学校生
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.9

14年経っていた新世界を庵野監督は見せてくれたが、当時は置いてけぼり。
シン・エヴァを観てから見ると、安心して映像美とアクション、ドラマを楽しめる。
冒頭のマリとアスカの宇宙連携バトルからラストバトル
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

3.7

観客をここまで突き放すラストに絶句した記憶がある。

こんなやり場の無い気持ち、どこにぶつければいいの?

からの24年。

シン・エヴァができて本当に良かった。

改めて、その対称性を噛み締める。
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るろうに剣心 伝説の最期編(2014年製作の映画)

4.0

3部作目も楽しめる。

剣心を再び鍛え上げる師匠の清十郎役が福山雅治。「龍馬伝」の以蔵と龍馬の関係とも重なりり、良かった。

剣心と宗次郎の2度目の対決。宗次郎扮する神木隆之介のピョンピョン飛びからの
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るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)

4.0

続編として存分に楽しめた作品。
次々に出てくるキャラクターの魅力が色濃く描かれていて劇場で童心に帰ったワクワク感を味わえたのを覚えている。

志々雄演ずる藤原竜也は伝説の最期編の前触れ的な感じで、四乃
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ビッグ(1988年製作の映画)

4.3

童心がふわぁ~っと溢れ出るような、優しくて素敵な映画。

35歳の大人になってしまった中身12歳の少年を演じたトム・ハンクスが絶妙で違和感が全くない。この頃のトム・ハンクスもまた今とは違う軽やかな良さ
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世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)

4.3

何度見ても楽しめるウディ・アレン作品の中では大好きな作品で、陽気な恋愛賛歌的なミュージカル映画✨

この映画を想うとニヤニヤとして、情景を思い浮かべるとハッピーな気分になる。

ウディ・アレン監督初の
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東京物語(1953年製作の映画)

4.2

「東京物語」を10代の頃に観た時、良さが全く分からなかった。
20代になって観直した時、両親への想いが少し心に滲んだ。
30代になって観直した時、身につまされ、落ち込んだ。
40代の今はこの映画と共に
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.0

第65回アカデミー作品賞受賞。

私が1番苦手なジャンルがホラーで、縁遠いのが西部劇だが、この作品はイーストウッドが従来の西部劇のアンチテーゼとして、単純な善悪では割り切れないアウトローな老ガンマンの
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るろうに剣心(2012年製作の映画)

4.1

漫画「るろうに剣心」は読んでいなかったけど映画は公開当時3部作を楽しんだ。

伝説の「人斬り抜刀斎」と名高い緋村剣心が明治維新以後、殺さずの誓いをたて、決して人を斬ることのできない「逆刃刀」を携えて町
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