みんな過剰でだいたいそうはならないだろというふざっけぷりに絶えず笑える。こんなの背景が詳しく描かれないほうがいいに決まっている。黒沢清の撮る食卓は常に幸福の色とはほど遠いけれど、それがとうとう倉庫みた>>続きを読む
すごく緻密に作られていた。幸福な時間の幸福な感じがすごかった。スーツケースを引いて砂浜を歩くところの背景の移り変わりがほんとに綺麗だった。熱海っていう地名が赤と青だと思った。スマホを落としかけて掴むの>>続きを読む
とにかく長く感じた、なんとなく1時間半くらいだろうと思って観にいったら実際は2時間20分ほどあった。邦画の描きがちな奔放な女、というのではない、社会性に縛られた存在だった、病院とかちゃんと行くんだ、い>>続きを読む
画面の内にどのように人間を置き、動かすのかが考えぬかれたさきに、しかも遊びの余白がある。川面に映る影、川水の綾、石にはねた水飛沫、日暮れに向かう空気、そのひとつひとつに感動できる。子どもたちのサッカー>>続きを読む
最高だったけどあと二段階ぐらい怖くてあと二段階ぐらい長かったら耐えられなかったと思う
異国ゆえのやりづらさみたいな演出もあるけど全然日本でも「欧米」をやっててすごいというかなんというか
薬物、虐待、性被害、自死、等のキーワードに当事者として不安を抱く方は、いま無理に観なくていいと思う。観るなら結構の覚悟をしたうえで、できれば安心していられるひとと一緒に観るのがよいと思う。それぐらいに>>続きを読む
ようやく観られてほんとにうれしい、人間を徹底的に排した画には異界のような不穏さと安らぎがあった、そこに吹いて草木を揺らす不在としての風が絶えず胸を打つ、商店街から勾配のある住宅地へと漂っていくカメラも>>続きを読む
あんなに素敵なホームビデオが残されているのがすごい、当事者らにサイードの名前は知られていたりいなかったりしてましてやその著作などはぜんぜん読まれていなかったりもするけれどそうした市井のひとびとの生活の>>続きを読む
観おえてから時間の経るほどに、誇りをもって生きるひとびとの逞しさが切実さを伴ってよみがえってくる。確かにこのひとたちの生は阿賀野川にある、と思わされた。そしてそれが水銀に汚染されるということは、(作中>>続きを読む
すごい、すごい、だるまさんが転んだのところはホラーかと思った、説明会とかミーティングとか好きすぎる、どんなに言葉を交わしあってもそれぞれのひとはその状況のなかに配置された役割でしかないんだなあ
物語の細部を突くと全然ボロが出るけどそんなことを置き去りにするエネルギーみたいなものが充溢していた、弾き語りさすがにすごすぎるし、バトミントン中の「嘘はやめて」がよかった
画も良いしたのしいけど蛇の道を引き継いでいる(うえに個人的に立て続けに見た)となるとこれはなんだろうという気持ちが常にどこかにあり、それに常に北野武のことも考えてしまうし、そしてなにより(いまだに小学>>続きを読む
題材自体はきつい。嘘しかなくてすごい。大槻の監禁一日目、宮下に別れを告げた新島が(それまで乗りこなしていた車ではなく)自転車にまたがるのが扉越しに見え、そうして商店街の一角に自転車を駐め、鍵をかける姿>>続きを読む
あまりにもツッコミどころの多い脚本だった、映像の力をもっと引き出すというか信じるというか、兎にも角にもリリーフランキーが自転車を漕いでゆくところをもっと見たかった
のっぺりとした違和感、不穏さが常にある。それは団地という舞台、登場人物の振る舞い、ショット、全てに充溢している。たとえば知珠の言動には一貫してこの世のものと思えないようなところがあるし、今日はいい天気>>続きを読む
映画としてはものすごい満足度。渋川清彦の涙とその予兆、はげしくはない揺れと停電の静けさ、社員たちがスクリーンを見つめる様子を窓外からとらえたショット、長い合掌ののちに訪れる静寂とそれに続くプラネタリウ>>続きを読む
背後のなにかが明かされるのかと思ってそればかりが気になり、全然画面を丁寧に追えていなかったので、あらためて観なおしたい気もする
ぼくはそんなにサウナに行くわけではないがサウナ好きなひとが撮ったことがひしひしと伝わってきてよかった、とても。
ものすごい熱量、とそれに隠された緻密さ。演劇の演劇性を保ったまま映画に持ちこむときの手法としてワンカット撮影を採ったのに痺れる、同時に演劇の側にも現実の時間・空間という映画性がなだれこんでくる、そして>>続きを読む
鑑賞中に地震が来た。あまりにも清潔な公衆便所ばかりでなんなんだと思ったが、調べたらユニクロの偉いひとがきれいな便所を作らせたその一環として制作された映画らしく、まあそういうプロモーションムービー的な位>>続きを読む
80分という洗練された尺のなかで、小さな恋愛物語を描きながら、その背後に潜む問題を世界的な惨状にもリンクさせ、画、色づかい、会話、余白、音楽のすべてを美しく緻密に築きあげる手腕にただただ圧倒された。カ>>続きを読む
ぼくも中学生の時分に仲のいい友人としょっちゅう一緒にいたときはああいうからかわれ方をしたりし、誰が悪いということはなく結局のところ社会が悪いのだとしか言いようのないような思春期のあやまちがあるというの>>続きを読む
タイムループものだけどその原因とかオチとかはどうでもよくてこの狭い舞台と設定のなかでというよりむしろそれらを最大限に活かしてなにができるか、いかに展開を面白くするかということをとにかく綿密に考えぬいた>>続きを読む
ビリヤードみたいな人間どうしのかかわりあい。光も影も画も動きも最高だけれど、特にミンとフォンがクラブの塀をまたいださきの細い路地、その奥に大通りの車道がのぞいたところはほんとにうっとりした、そうしてふ>>続きを読む
主人公がはじめてパンダと接するところ、パンダが着ぐるみの頭をはずした状態で登場するのがなによりもいいと思った、この感覚はすごいしうらやましい、「夢見るペトロ」にあった現実と幻想の境をあいまいにするわざ>>続きを読む
マスコミや警察はもちろん、様ざまの一般人や教団のひとびと、なにもかもこんなに滑稽に映し出していいのか、宗教という虚構に対する向き合い方がそれでいいのか、わからない。
北野武のなかでも人気の高い青春もの、という情報だけを得て、なんとなく菊次郎のような感覚を想像して観たところ、かなりしんどい話だったので驚いた、ラストが希望であるようなのも絶望だし、久石譲の音楽がいっそ>>続きを読む
いままで観てきた北野武に比べて銃撃以外による出血が多くてきつかった、様ざまの遊びがいい
映画単体として観ることが難しい、ああいうひとがこういうタイミングでああいう内容の映画を作り、それに「君たちはどう生きるか」の名をあたえたのだということを噛みしめた、焚きつけられたといってもよい、まさに>>続きを読む