えすさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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恐怖省(1944年製作の映画)

3.8

連なる不気味なイメージ。バザー会場での静寂と他者の冷たい視線がいかにもラングって感じがする。暗闇を裂く銃声とマズルフラッシュ、裁ち鋏でのダイヤル回し、雨を降らせた屋上での銃撃戦だったり一々カッコよくて>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.0

とうとう宇宙まで行っててわろた。マイケル・べイとほとんど同時期に磁力装置使ったアクションやってたのか。面白いかは置いといて今後も彼らには、荒唐無稽の極北を目指して撮り続けて欲しいよ。

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.2

修道院という俗世と断絶された環境で培われた厳格な信仰心が、外部の醜悪な暴力性によって一瞬で破壊される様が滑稽。宗教敗北は愉快にカード遊びによって体現される。祈りと土木工事がカットバックされるシーンや「>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ45(2011年製作の映画)

2.9

『逢魔時の怪』夕焼けの方にカメラがズームしていって、強くなる影とのコントラストが他界と繋がっていくようで不気味に映る。

これ以外はあまり記憶に残らず。

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.6

安易なカタルシスを排し、多くを語らない抑制の効いた脚本に感動した。試合後の帰路、「お前が負ければいいと思ってた。」という松山ケンイチの台詞と、その哀しげな背中を見つめる木村文乃の視点に泣かざるを得ない>>続きを読む

アドベンチャーランドへようこそ(2009年製作の映画)

3.7

『スーパーバッド』における警官パート程の飛躍は無いものの、引けを取らない快作。郊外の遊園地っていうロケーションが、ひと夏を刹那的でエモーショナルに撮る上で堪らない。NYへ向かうバスでかかるリプレイスメ>>続きを読む

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.6

前作からこれといったギミックの追加が無く、新味に乏しいのは確かだが、画面の退廃美や流麗な編集で凌駕する部分もあった様に思う。特に冒頭「Day1」が素晴らしい。轟音/静寂の切り替えがうまく機能してたし、>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

3.4

かなり脚本主導で好みなルックでは無いが、結構面白い。壁面に貼り付けられた大量写真などの異常な執着の相似性によって、殺人鬼と表裏一体であるかの様な演出がなされる。中盤で舵を切って以降、菅田将暉に心機一転>>続きを読む

あの頃をもう一度(2021年製作の映画)

3.4

豊かな身体表現と音楽で紡がれる7分間。喪失した若さへの寂寥。魔法の通り雨は過ぎ去ってしまったが、その目に映る光景に気付かされる。「今」この瞬間も尊く素晴らしいものであることを。雨上がりの路面にネオンと>>続きを読む

紙ひこうき(2012年製作の映画)

4.3

風に舞う書類によって生まれるロマンス。それは紙ひこうきへと形を変え、2人を再び電車へと導き接近させる。再会の風と共に髪が靡き光が差し込むエモーション。6分半で訪れる多幸感。

マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.9

感情起伏が顕著な場面でセーヌ川、豪雨、水道水など一貫して水が使われている。真相を知った後、手に取った水を浴びせることはなく、握りしめたコップを割る事をとどまる。この瞬間に主題である「未来が過去を変える>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

2.6

ベッド上に幼児を配した女中の堕胎が辛い。
アデル・エネルのほうれい線が気になって仕方なかった。全体的に好みじゃない。

ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー(1981年製作の映画)

3.7

家族を求め、友と死別し、復讐を誓う…正しく男の映画。車体に反射するネオンがどエロい。電圧を測定して警報突破からのガス切断による金庫破りのプロフェッショナル具合に痺れる。

悦楽交差点(2015年製作の映画)

3.6

ありえないシチュエーションと照明が相まった、添い寝する古川いおりの無機質な佇まいと、そこを起点とした鮮やかな視点反転。そしてラストのカラックスみたいな横移動の清々しさ。観賞後に主演2人の和かなオフショ>>続きを読む

人体模型の夜(1996年製作の映画)

3.3

咀嚼音・吐息までも盗聴、親父の義手で自慰したり隣人が性的倒錯なヤバい映画。股下から夢精した盗聴魔を捉えたショットとかキモ過ぎて震える。

盲獣(1969年製作の映画)

3.5

プロローグから異世界に突入する。これぞ江戸川乱歩な触覚的フェティシズムの極地。ダリの絵に出てきそうな怪奇すぎる美術とそれを活かしたチェイスに圧倒された。船越英ニの振る舞いが面白かったけど、ストックホル>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

3.3

刹那的に生きる女に翻弄される男が滑稽で面白い。ナルシシズム溢れるクソキモい独白の連続なのに、いざ終わってこの胸に残る寂寥感はなんだろうか。全編自然光ですげー心地好い画調。

愛の昼下がり(1972年製作の映画)

3.0

集音マイクが意図的とは思えん映り込みしてたけど、よくあれ許したな…。

レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙/刑事グラハム 凍りついた欲望(1986年製作の映画)

4.2

シリアルキラーものの傑作で暫定マイケル・マンのベスト。純粋にサスペンスとして面白いが、なにより高湿度な画面に漂う色気が尋常じゃない。濡れた路面、雨、霧…これぞ80年代なシンセサウンドの冷たいスコアも相>>続きを読む

マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)

3.4

暴動後、ラマー・ジョンソンのパートでは画面に煙が充満し、この世とは思えない異様な空間に足を踏み入れる。流血した友人と投下される火炎瓶のオーバーラップが印象深い。

浮草(1959年製作の映画)

4.3

軒下での口喧嘩素晴らしや。あの差し色的赤の発色の良さよ。京マチ子の煙草を吸う一連の所作が美しかったな。最後の火種のやりとりなんてあまりに情緒的。

緑の光線(1986年製作の映画)

3.4

ここまで鼻につく主人公は久々。まあこのシニカルさは大好物なんですけど。ラスト日没にしては明るすぎない?

ファーザー(2020年製作の映画)

3.4

なんて恐ろしい映画。内側から崩れゆく自我のボーダーライン。喪失していく記憶を体現する配役転換、ジャンプカット、室内ショットの反復が上手く機能していたように思える。"音"に呼び寄せられ扉を開けた先に待つ>>続きを読む

友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.7

色彩設計が緻密。色が反転するラスト粋〜。ああいうハッピーエンドに弱い。主人公宅のミニマリスト的な白一色の内装と周囲に佇む巨大な建築物なんかも良かった。

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

3.4

ルビッチ印の扉開閉が物語を活気付ける。銃声が響いて緞帳が上がるとこカッコ良すぎ。お手本のような"すれ違い"で素直に面白かった。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.2

圧巻の横移動に野外ドラムがカッコいい。亭主の死肉を「後でお代わりするわ」で笑った。確かに美味そうだが。

爛(ただれ)(1962年製作の映画)

4.0

ドロッドロで最高や!役者の身体性を生かした演出が際立つ。前妻と同じ運命を辿るであろうことを予感せざるを得ないあの様相。ラストカットがキマってる。

ボイス -深淵からの囁き-(2020年製作の映画)

3.6

高水準な恐怖演出の連打。実体なきものが光源、ビニールカーテン、サーモカメラ等を駆使してフレーム内に映り込み続ける。後半は『インシディアス』的に霊体のフットワークが軽くなり加速的に面白くなる。暗示的な大>>続きを読む