久々に鑑賞。若松映画の中では珍しく艶っぽいセックスシーンを見ることができる。
すっかり忘れていたのか見逃していたのか、冒頭に様々な時系列のシーンを一続きに捉えた長回しショットが置かれているのがちょっと>>続きを読む
たとえば深酒した夜、前後不覚になって眠ると昨日の自分と今の自分の連続性が疑わしくなることがありますね。ところで泡盛とさんぴん宜しく、コメディ要素とシリアス要素を6対4にしないといけない決まりが昨今の>>続きを読む
映画の半分くらいのところでアクシデントのように不倫した男女は死んでしまって、今度は不倫されていた男女の不貞の物語になっていく……と思いきや、シームレスに時間が飛んで過去と現在がつぎはぎになって、いま>>続きを読む
写真のような映画だと思って見ていたらフィルムが燃えてしまった。
玩具箱をひっくり返したような、とはこんな作品にこそふさわしい形容詞だと思う。ちゃんと見ようとすれば悪夢だが、眺めるように体験するなら恐ろしき子供たちの遊びに混ぜてもらえる。
冒頭のレスリー・チャンがあまりにも格好良すぎるのだが、さすがにそれだけで2時間の尺は持つまい。ぶつ切りにされる男女のつがいの束の間の逢瀬も痺れるところがないわけではないのだけれど。
愛とは何か、などという思弁的な問いはクソだと跳ね返してひたすら行為を重ねるテルちゃんが良い。これが私の愛だという振る舞いが、最初は鬱陶しがられながらも段々と二人の関係にうまく(側から見たらおかしくても>>続きを読む
手記、手紙、日記といった個人的な文章を読み上げる声の、そうすることによって浮かび上がるファミリーヒストリーへの素朴な信頼を感じるトーンがすこし鬱陶しい。あたかもドキュメンタリー映画が我が一家の真実を>>続きを読む
鏡に入る、その演出が美しい。切ない熱情がここにあると思わせるのは俳優たちの魅力のせいだろうか。ラジオの声を拾って詩をつくるという演出のあたりに、いわゆる電波系的な創造の契機を見る。どこかに向こう側に通>>続きを読む
ジャック・ニコルソンのとんでもないのに説得力ある表情の演技がもっとも印象に残る。逆に言うとそれ以外は特筆すべき点があるわけでもなく、要素としては無駄はないけど一つ一つが少し冗長に感じる。ボスと部下のあ>>続きを読む
評価のしにくい謎のドラマ。電話でしか通じることのできない人間関係と言葉を奪われた人間関係と……。
遠くに響く汽笛と大気を裂く風の音がさみしい。静かに世界が去ってゆくからだ。そうして、のっぺりと平板化させられたフィルムの歪んだ世界の内部に母子が閉塞する。今際になって生まれた頃の思い出を訥々と話す母の>>続きを読む
縦横無尽に動きまわるカメラが捉えながら突き抜けてゆく水面、湖底、太陽光などの浸透性の平面と、のっぺりとしたポートレートの不動性の平面とが交代してつくるリズミカルな映像。凄まじい量の音響。ただし、内容に>>続きを読む
わずか1時間程度の尺で説得的に物語を構築できるのは、もちろんフライシャー監督の禁欲的なプロット、カット、セリフの量によるところもあるけれど、ウィリアム・タルマンの冷徹な悪役顔も大いに貢献していると思う>>続きを読む
フルからミディアム・ロングあたりの中立的なショットサイズに、匿名の人間が正対して収められている。そうして意味を漂白することで、翻って、ただ人間が存在していることの不気味さを静かに示しているのだと思う。>>続きを読む
さらっと面白いコメディ、短い尺で人間のドラマを見せるのはすごい。大島渚の演出の腕もあるだろうけど脚本も良いのだろう。
20210416 久々の鑑賞。
20211204 今年2度目の鑑賞。声に集中して観ると、また新しい発見があると思う。資料映像と、写真と、ソクーロフ自身が撮ったと思われる映像の組み合わせが巧い。自然で>>続きを読む
モノローグと言うべきか、多数の引用とともに繰り出される言葉の音に圧倒される。声も含めた音楽による演出にも圧倒される。全く関係ない連想だというのを承知で放言すると最近リリースされたTohji, Loot>>続きを読む
今だったら平たい顔という表現がポリティカルに正しいと思われるだろうか……などと思い巡らしながら見ていた。せっかくテンポの良いコメディ展開をシリアスに繋げないと気が済まないのが邦画コメディの悪いところ。>>続きを読む
大変に抑制された細やかな演出が東京の、主として女性を取り巻く心理的そして社会的環境を描き、そうして情動的な機微のリズムにだんだんと引きずりこまれていく。
「階層」というのが本作のテーマの一つだが、>>続きを読む
火を囲んでマリファナ片手に談笑したり時おりやけに真剣な面持ちになったりする若くて自由なバイク乗りのヒッピーが格好良い。それだけと言えばそれだけだが、それだけで画になる俳優を配置しているところが本作の魅>>続きを読む
なんであれ長回しすればいいというわけではないと言うのは平面的なショットの演出がうまく主題と絡んでいないと思ったからだけど、ペマ・ツェテンは『轢き殺された羊』を見たときもそう思ったし、他のチベット映画を>>続きを読む
たぶん初見。屋上に云々のくだりは流石に強引すぎるのでは、と思わなくもない。ドラパン合体シーンに往年のロボットアニメへのオマージュが見えるようで、いろんな技を繰り出すのが特に良い。
デン!デデン!という効果音に心の底から恐怖していたあの頃を思い出すなど。この短編サイズでドラえもんズそれぞれの個性を上手く表現してるなーと感心するのは色々と見てしまった大人の私です。