昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

舞台恐怖症(1950年製作の映画)

3.8

マレーネ・ディートリヒ49歳…全然シワないし若い頃と変わってなくて、不老不死的な意味で妖女だった😇

女性が主人公で、恋愛はするけど、友達から入るところがこの年代にしては異端かなと。2人の男友達の間で
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毒薬と老嬢(1944年製作の映画)

3.9

めちゃくちゃ笑える。モラル的にどうなのとも思うけど、テディを連れてく医者が精神病院じゃなくて療養所だ、と言うところとか一応配慮してるのか?という感じもある。これ、現代でも舞台化してるみたいだけどどうや>>続きを読む

チャイナタウン(1974年製作の映画)

3.4

フェイ・ダナウェイのラストシーンの死に様は完全「俺たちに明日はない」を踏襲している。フェイ・ダナウェイが美しいけどそんなに面白いとは思えなかった、脚本も個人と歴史の物語が交わってるという構図はいいけど>>続きを読む

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

3.8

視線のクローズアップのみで名前を呼ぶくらいしか物言わぬ梶芽衣子の生き様はかっこいいとしてもう少し復讐劇の尺が長ければ、、と思う。中盤まで女の裸と拷問を見るための映画でしかなくてつらみ。70年代東映だか>>続きを読む

赤い殺意(1964年製作の映画)

3.9

家庭に入ったら女が女でなくなるのが家父長制よなあ。画面外からボソボソ聞こえてくる老婆の声は方言キツすぎて何を言ってるのか分からないが、家父長制の縛りか、または自殺したおばあさんの呪いか?そんななかで失>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.9

見知ってたポスタービジュアルと物語内容が結構違くてワロ ミア主人公じゃないんかい😂これ多分ヴィンセントが何度か手にしてた安雑誌の表紙風のビジュアルってことだよね😂

話は音に聞くほど複雑でもなくて、そ
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狂った野獣(1976年製作の映画)

3.8

何台車壊してるんだというレベルのカーチェイス。沢山笑わせてもらった!ハイジャック内の混乱を投影したかのようなぐるぐる回る手持ちカメラ。様々な境遇の乗客の事情がテンポよく回想シーンとして提示される。主役>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

3.9

森雅之のフェロモンが終始出っぱなしで、これではクズと分かっていても高峰秀子が離れられないのはしょうがないといった感じ。でも一番かわいそうなのは元々の奥さん(ワンシーンでしか姿を見せないのも可哀想)。岡>>続きを読む

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.5

間延びしていて面白くない😇

ヴィスコンティ曰く最初のネオレアリズモ映画とのこと。確かにこの不倫は女性の貧困から生まれてしまったものだしまあ?地中海性気候の白日と屋内の暗さのコントラストが家に抑圧され
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序の舞(1984年製作の映画)

3.8

座位分娩の産み紐をひく運動と、焔の髪の線を引く運動の連関、この演出に序の舞の全てが表れている。名取裕子にとって子供を産むことと絵を本分とすることは全くアイデンティティを確立するうえで重なっている。それ>>続きを読む

タブロイド紙が映したドリアン・グレイ(1984年製作の映画)

3.8

オッティンガーは何度も何度も寝落ちしてしまう泣
肖像画は出てこないけど、タブロイド紙で作り上げられたドリアン・グレイ像が肖像ってことなのかな。劇中のオペラシーンで出てくる枠とか、もっといえばスクリーン
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ねじ式(1998年製作の映画)

3.7

ほぼほぼロマンポルノだなぁ、眼科医の頭につける反射鏡?に映ったツベの歪んだ像とか窓の向こうに戦艦が映ってるとか、ねじ式パートになってからの主観的な映像世界はよかった。
赤が全編通して象徴的に使われてい
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

3時間弱あるが足りないくらい😭すごい大河だよこれは、、歴史を背負わされた男の一生、見終わったあとWikipediaの関連項目読み漁っちゃったよ(いつもの事だが)

ベルトリッチ初見だけど、皇帝時代のス
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

4.0

インダストリアルなサウンドにインダストリアルなビジュアル!白黒18mmだったから良かったが、カラー35mmだったら食べてたご飯吐いたかも💦
早送りのフィルムをストップモーションにすることで、再現するこ
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テオレマ(1968年製作の映画)

4.0

これは素敵なオムファタール、、女だけでなく男だけも翻弄してしまう、、突然の出会いと別れが自然すぎてびっくり。家族の破滅パートが半分くらい続くのが意外だったかも。意外と美青年の翻弄パートは短い。

それ
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.7

鮮やかなファッションとどぎついメイク、汚い言葉の洪水で掻き回されるのが気持ちいい。酔った女の主観を投影したような一貫性のない世界も面白い。

鏡に映った自分の顔に酒を投げかける、空港で窓ガラス越しに水
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.5

んーそれほどでも、、
最後の最後まで妊婦のヒステリーなのか、悪魔崇拝なのかよく分からなかったのは見事だった。肉切り包丁で乳母車の動きを止めるところなんかなかなかローズマリー自身も狂っている。そのうえ修
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フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

3.6

映像の一貫性のなさのパワーがすごすぎて疲れた。イメージの継ぎ接ぎで夢みたいな映画だった。5つの世界をオルランドが狂言方として巡っている設定って言われなきゃ分からないよ😅原作も調べてみたら面白そうで読ん>>続きを読む

讃歌(1972年製作の映画)

3.8

自分の中の春琴抄のイメージに近いうえ、厠や性行為シーンなど小説では描かなかったところに焦点が当てられてるところが憎い。他方でちゃんと性行為を描いているはずなのに、春琴が白塗りで全然美人じゃないため(ご>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

-

冒頭の赤と青の光でおっと思ったが、話が普通過ぎてつまらない上、繰り返されるクラシックで睡魔が襲ってくる。オデュッセイアの神話を解していればまた違ったかもしれない。フリッツラングいいおじいちゃんですね👴>>続きを読む

長恨(1926年製作の映画)

3.8

この人はアウトローのヒーローが零落していくのを見せたいんだろう。移動大好きって、カメラの運動のことじゃなくて、ポジションの移動を言ってたのかもしれないと思った。

それくらいカメラ位置が変わる。本編の
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天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

3.9

ナミの「来る?こっちに」がすごすぎた。村木はナミを救いたいと思って、足を洗うことを要求するけど、それもまたナミをレイプした男たちと同じく男のエゴだったというわけで、、村木は俺も社会のなかで差別される側>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.7

ウェス・アンダーソン初見
雪山の中のホテルで起こる逃走劇ということでシャイニングを想起させる。一点透視図法的な構図も似ている。あれは明らかにパノプティコンを意識した構図だったがこちらも監獄に収容されて
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忠次旅日記 御用篇(1927年製作の映画)

4.0

伏見直江の切れ長の目の流し目がすごすぎてビビる。流し目の視線の先の対象と、伏見の関係性を効果的に捉えた演出もすごい👏特に裏切り者をあぶりだすシーン。高速で男衆の顔面が次々と現れるその最後に伏見の視線が>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

3.9

こちらはヒロインが武器を手にし、それに憧れるという点でちょっと進歩したかも。とはいえ、武器を自分のものにすることが出来ないから花火で代用するなどはまだまだと言った感じ。
クライマックスの銃撃戦が銃撃の
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.0

ラストの菊池、印象反転して持ってかれる。後半あんま出てこないなと思ったらなんなんだこいつ怖すぎだろ

やっぱ北野武映画を見ると笑いと暴力は近しいと感じる。どちらも意外性による衝撃が重要なのだろう。ビー
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.8

花束みたいなの話題が延々と続くのは、花束を風刺してるだけじゃなくて、同じく固有名詞ばかりの本作を自己批評してる側面があると思った。あと、ズーム画面やスマホの画面など、スクリーンをどうするかを今回割と考>>続きを読む

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

3.6

お金持ちで権威もあるのに、いつも邪魔が入ってしまって、性欲、睡眠欲、食欲の三大欲求でさえ、密かにしか楽しめない。贅沢で満たされてるように見えて、実は虚無でしかないブルジョワジーを皮肉るラストは、一方で>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

3.9

台詞が技巧的すぎて考えながらじゃないと意味がわからないのに、どんどん畳み掛けてくる&分量が多すぎるために理解ができなかった。でもそれも登場人物たちの思考の目まぐるしさや絶望の振れ幅の大きさなんかに繋が>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

3.9

ここまで最後まで何も分からないままの女性ってなかなか日本映画では見なかった気がする。それに対して主人公がそんなことはどうでもいいとなるのもありそうでないような。ただ別に男の運命を意図的に翻弄してる訳で>>続きを読む

性談・牡丹燈籠(1972年製作の映画)

3.9

木材のスローモーションで主人公が彼岸へと足を踏み入れてしまってることを表してるのすごすぎる、今まで見たスローモーションのなかで1番効果的な演出だったと思う。
他には露子と米子の死がそれぞれ1ショットで
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

3.7

ラストシーンのカタルシスすき。学芸会に2人が登場して改めて、彼女たちが年端のいかない少女だったということを思い出す。大人たちは拍手喝采で、誰も水を持ってこず、危険を感じたら逃げるのみ、、永遠になるため>>続きを読む

伯林-大都会交響楽(1927年製作の映画)

3.5

形態類似ショット、次第に速まるショット間隔によって、物語性がなくても映像世界に参入しやすくなっていたと思う。一応ノンフィクション設定だが、おばあさんが階段をもたもた昇るシーンなど、演出ではないかと思わ>>続きを読む

ラブホテル(1985年製作の映画)

3.9

ラストが嘘みたいに美しくて圧巻…
桜吹雪に子供たちとこれまでの物語と全く関係ないモチーフに名美が埋もれてゆく。あまりにも嘘すぎて、その演出によって名美がどうなるのか全く分からない感じがいい。すれ違った
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