昼行灯さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ブレードランナー(1982年製作の映画)

3.7

そんなに物語に深みがあるとは思わなかったけど、美術がよかった。メトロポリスをCGで再解釈したような感じで(実際オマージュショットがちらほらある)、レイチェルも大きな目がマリアに似ていた。

あと、社会
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ママと娼婦(1973年製作の映画)

3.9

喫茶店か家での会話劇だけで4時間!することといえば酒煙草キスでものすごく閉鎖的で怠惰な関係性と空間が物語を占拠している。シーンを繋ぐために度々使われるディゾルブはゆっくりとしたまばたきのようで、気だる>>続きを読む

愛染かつら 前後篇(1938年製作の映画)

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検閲で2人の馴れ初めとかはあまり詳しく描かれてない様子。その他にもシーンがぶつ切りのところがあったりする。
大人気メロドラマになった秘訣は、案外取り巻きの看護婦たちにあったのではないかと思う。君の名は
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.0

長かったけど、もう終わり?ってなるほど面白かった…黒人表象と主要男キャラの雑魚っぷりには全く感じいらなかったが、、ヴィヴィアンリー顔面良すぎる、、

前半移動カメラでめくるめく貴族社会の生活を優雅に追
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どん底(1936年製作の映画)

3.6

「どん底にやられたんだ」という台詞が印象的なものの、彼らの生活にはあまりどん底感がなく。。。レストランでの流れるような移動カメラと、ギャバンと伯爵が仲良くなったことを示す窓辺の形態類似ショットは美しか>>続きを読む

君の名は 第一部(1953年製作の映画)

3.7

オールスターすぎて顔面偏差値がカンストしているため、やたらクローズアップが多い。岸惠子の演技も、嬉しい時は上を向き、悲しい時は下を向くというように顔面に集中している。能面やん

岸惠子が悲しい顔を見せ
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妻は告白する(1961年製作の映画)

3.9

裁判が終わってから不幸が始まる恐ろしさ。判決前夜、何も知らない時が花だった。判決前後の落差があまりにも手のひら返しだし、職場に立って自分を凝視してる若尾文子も恐ろしすぎる…幽霊図から出てきたような若尾>>続きを読む

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

3.5

そう面白くもない、冗長で眠くなる。非日常だけがヒロインを惹き付けてたのに、おじが本気になったから終わっちゃった。

何もなく、迷宮のようなアパートのロケーションと窓からのぼやっとした光による非日常感は
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.7

オープニングがチェンソーマンOPでオマージュされてるわね。でもテロップで人物紹介するところは仁義なき戦いのオマージュでもあると思ってて、つまりオマージュ合戦を傍観するのは楽しいね

物語の時系列は前後
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.9

大谷直子の喪服姿でツィゴイネルワイゼンを思い出すンゴ

冒頭でそれぞれの欺瞞を提示した後、転機が訪れ、妹と兄の対立が描かれた後に立場が逆転するという過程がとても明快かつ鮮やかに描かれている。蛇イチゴが
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キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

3.8

キートンの正直者で損してるとこ愛せる
クラシカルなイケメンなのに運動神経よすぎてビビる、これがジャッキーチェンへと受け継がれていくのか。あとトラッキングショットから、カメラマンもそれなりに体を張ってい
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

現在を生きることしかできないのを繰り返すというのが、静止画の連続で表されていたということ?ドゥルーズが言っていた諸現在の同時性の理解に貢献しそうな作品だな…オーバーラップでの繋ぎが過去と未来が繋がる感>>続きを読む

疑惑(1982年製作の映画)

4.0

1人で強かに生きていく女たちの共闘最高~
ワインのシーンはセックスの隠喩だねさすがに🤫テルマアンドルイーズのラストのキスのような、百合でもシスターフッドでもない、絆としての馴れ合いみたいな。80年代に
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黒いオルフェ(1959年製作の映画)

3.5

カーニバルの狂騒と忍び寄る死の影の対比が美しい。人いきれから外れると、すぐに静寂が待っている。あと赤の照明
冥界との接点を祈祷所に持ってくとか、恋愛関係のひどさとかちょっとオリエンタリズムじゃないとは
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.9

抑制された台詞と演技に、突然のズームイン、始まるドラマ。これはギャグなのか、、?というノリで始まるギャグシーンにウケた。軽快な色彩とロックで映像に軽みがついて、淡々としてるけど堅苦しさはない。

殺す
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ニノチカ(1939年製作の映画)

3.8

冷徹な女が恋でデレるというよくあるストーリーだけど、デレ後もちゃんと仕事してて、かつ男の方も共産主義を学ぼうとしだすところは当時のジェンダー観として進んでるなと思う。初代うるさい口はキスで黙らせる映画>>続きを読む

ハラキリ(1919年製作の映画)

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着付け酷すぎて面白いね!ハラキリゲイシャと日本的要素を盛り込もう盛り込もうとする余り、中国茶など中国文化も巻き込んでしまうし、彼らはそれらの違いもさほど理解していない。そうしたオリエンタリズム的画面の>>続きを読む

雪之丞変化 第一篇(1935年製作の映画)

4.0

女賊伏見直江姉御🫶おきゃんな口調がかわいい、ヴァンプものまだまだ全然見てなくて分からないけど、こんなに行動する女性キャラいた??って感じ。たしかにチラリズムとしての身体の露出はあったけども、現代の感覚>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.8

ハア、わたしもムカつく男は銃で殺したいよ
男が根本的に悪いとはいえテルマの足の引っ張り具合にイラつきもしたけど、物語のなかでくらいこのくらいスカッとするくらいが満足。テルマの急な覚醒具合は不自然な感じ
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怪談お岩の亡霊(1961年製作の映画)

3.6

つくづく四谷怪談はお岩復讐モードに入るまではつまらんなあ

お岩が自分の顔が醜くなったと知る長回しの狂いようはやばかった。でも髪梳きとか亡霊現前シーンとかはそうでもなくて、怪奇というより怨恨を描いた
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有馬猫(1937年製作の映画)

3.9

猫じゃらしや行灯の油なめなど、歌舞伎からの演技はない。むしろ行灯シーンでは澄子の背後から撮影されていて、人間感ある。猫表象としては、猫の鳴き声が被せてあるのと、手を丸く握ること、そして動きが俊敏になっ>>続きを読む

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)

3.9

2021年?とかに横尾忠則展に行って、気に入った写真があったのだけど、それがこの映画のスチールだったと分かり満足。
ドレッシーなメンズスタイルをこなす風来坊的な横尾忠則がよすぎる。

冒頭とラスト、あ
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.8

最後なんか映像で示唆してくれたらよかった、高橋一生の策略はほんと「おみごと」なんだけど途中でブツ切りになった感がある。
元々テレビドラマだったからとかあるのかな
スパイの妻とか言うけど、夫妻の周囲の人
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

3.8

ムーラン・ルージュのピンクの壁みたいに全体的にピンク寄りの画面がかわいい。それと対比されるジャン・ギャバン宅の水色。フランス行くならムーラン・ルージュ行きたい。何気エディット・ピアフ参戦。

ラストの
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夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

4.0

冒頭セピアの色味からだいぶ黄色みが消えている。1番色彩に気を使った映画だから、4Kでより華やかな画面になったのではないか。

ダンディVSファム・ファタールで論じてみたい。仮装する男と女の対立。書かれ
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陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

4.0

映画館で観ると子供たちの声や鐘の音の反響音が明瞭に聞こえて怖い。だし、劇中劇の効果を十二分に味わうには、やはり舞台となるスクリーンと舞台袖から聞かせるスピーカーが必要だろうと思った。
雅叙園の螺鈿や乱
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ナイアガラ(1953年製作の映画)

3.5

俳優の顔が似てて愛人と夫の区別がつかず、ストーリーの意味が分からなかった😂愛人の死体も見せられてないし…愛人どこ行った?みたいな😅

マリリン・モンローのスタイルが良すぎてウケる。神経衰弱マリリンのベ
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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

4.0

4Kになってご飯の中身がよく見えるようになっていた。あとハイライトと影が細かくなった。彩度も上がる。
映画館で見ると音の響きがすごくて、確かに怪奇映画だわとなった。クライマックスの大谷直子の畳み掛けに
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青い春(2001年製作の映画)

3.7

松田龍平、美少年すぎてウケますな
学ランが黒くてちょうどミッシェルの雰囲気もあるのでした。
スローモーションと、そこから始まるミッシェルの音楽の気持ちよさ。
開花や一晩中のファストモーションも映像にリ
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飾窓の女(1944年製作の映画)

3.9

スカーレットストリートと同じ感じか~と思いつつ見てたけど、終盤の2度のどんでん返しがスリリングだった!もちろん殺しのシーンの素早い切り返しショットも緊迫感あった!
確かに物語としてできすぎてる感はある
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.6

うーん、切り返しショットが多く冗長で、階段という活用すべきモチーフがうまく活かしきれてない感じ。階段はやはり小津だな(何様)。

屋根裏部屋の3階がシェルターのような機能を果たすことで、2階の男の欲望
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竹取物語(1987年製作の映画)

3.5

竹取夫婦のコントじみた会話が面白いんだけど、三船は役にハマって無さすぎて三船と分からなかった。みんな化粧というか眉毛が変でヤバい。ワダエミの衣装はとても美しく、シーンが変わるたびと言っていいほど変わる>>続きを読む

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.8

体育館や教室から差し込む光って本当にこんな感じだった。誰もこんなことを望んでいないのにどうしてこんなことになってしまうんだろう、何の解決にもならないのにどうして抑圧のはけ口を自分の鏡像と言って差し支え>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

3.9

画面が構成的でもありつつ、色彩美にも飛んでいて西洋のウォン・カーウァイ(作家としての受容的にも)ぽいなと思う一方で、ファム・ファタールの描きぶりとしては古典的な感じもある(題名がヘカテと神話に依拠して>>続きを読む