Osamuさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

Osamu

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スプリット(2017年製作の映画)

3.8

シャマランに裏切られた。良い方と悪い方の両面で。

この数日間で観た2000年頃の三作は、挫折や絶望からの脱出の物語だと思った。一人ないし二人の人間の心の物語だった。

一方、この映画は抑圧からの脱出
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サイン(2002年製作の映画)

3.8

勝手に期待していたのとは違ったけど、シャマランのおもしろさが何となく分かった気がした。

宇宙人襲来と元牧師の愛の物語。

宇宙人襲来モノのフォーマットに乗せているけど、フォーマットは多分何でもよいの
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シックス・センス(1999年製作の映画)

3.8

おもしろかったけど、昨日観た『アンブレイカブル』のような驚きは無かった。

期待していたのはもっとヘンな驚きなんだよね。暫く戸惑っちゃうような。これはストンと腑に落ちる驚き。

これはこれでおもしろい
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

4.2

なにこれ、めちゃくちゃおもしろい。

列車脱線大事故で1人生き残った男が、自分が何者かを見つけようとする話。

話の中心がどこにあるのか分からないまま話が進む感じ。これかと思っても、また別のところに向
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パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

3.8

分からなさを楽しんだ。

亡くなった双子の兄からのサインを待つ女の話。

死後の世界からのサインってどういうふうに来るのか分からない。死後の世界があるかどうかも分からないし。分からなさが彼女を苦しめる
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ポエトリーエンジェル(2017年製作の映画)

3.7

断続的に発生する心地よい失笑に大満足。

稼業の梅作りをイヤイヤ手伝う小説家志望ニート青年と、周囲を拒絶する女子高校生ボクサーの「詩のボクシング」にまつわる物語。

「詩のボクシング」って…。

詩の
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.7

かなしい。

ローマの中年小悪党が偶然得た超人パワーで悪事を働くが、アニメ『鋼鉄ジーグ』マニアのイカれた娘との交流の中で「正義の味方」に目覚めていく話。

昔懐かしい『鋼鉄ジーグ』ということで気になり
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.2

これはおもしろい!物語の厚みがすごくて一度観ただけでは拾い切れない。何度も観たくなる。

少年時代、よく一緒に遊んでいた3人が、25年の時を経てある殺人事件の容疑者、担当刑事、被害者父として再開する話
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団地(2015年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃおもしろい。
2016年に見逃した傑作を発見。

日本社会の縮図のような団地の話。

ゴミを分別せずに平気で捨てるくせに、捨てたゴミ袋を他人が開けて分別し直すことに腹を立てる。

団地の人
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.2

おもしろい。美しい。泣きそう。
約2時間、ワクワクしながら観た。

世界12ヶ所に同時に降り立った謎の地球外飛行物体。地球にやって来た目的は何か…。

『インディペンデンス・デイ』では世界が一つになっ
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標的の島 風かたか(2017年製作の映画)

-

切ない。

沖縄での自衛隊や米軍の施設建設に反対する人々を映すドキュメンタリー。

同じ監督の『戦場ぬ止み』を観た時も同じことを感じたけれど、反対する人々と機動隊・警察官との闘いの画になってしまってい
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.2

泣いた。

街に居られなくなって出ていった男が、兄危篤の知らせに帰郷し、遺された甥と過ごす数週間の物語。

静かに描かれた心の物語だ。

主人公に感情移入させずに物語を引っ張っていく。時系列を行ったり
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ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

3.8

話は大したことない。意味不明とも言える。撮り方がおもしろい。

暴力団に誘拐されたいじめっ子を、いじめられていた3人が仕返しをするために探しに行く話。

『セーラー服と機関銃』の3年後の相米慎二監督作
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the place named(2012年製作の映画)

-

東日本大震災の後、感じたことを映像で表現した作品。

ここから自分が居なくなるとは、どういうことか。

あそこからあの人が居なくなるとは、どういうことか。

目の前のこの風景が消えてしまうとは、どうい
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魚影の群れ(1983年製作の映画)

4.0

ずっしりと来るおもしろさ。相米慎二監督の1983年の作品。

大間のマグロ漁師(緒形拳)、その娘トキコ(夏目雅子)とトキコの恋人シュンスケ(佐藤浩市)の愛憎物語。

天真爛漫な娘を演じる夏目雅子さんが
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追憶(2017年製作の映画)

3.5

好きなタイプではなかった。高倉健さんを撮ってきた降旗監督・木村キャメラマンのじいさんコンビに若い俳優たちが挑戦した映画として観るとおもしろいのかも。

誰にも言ってはならない秘密を抱え、もう二度と会わ
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肉体の門(1964年製作の映画)

4.0

鈴木清順はやっぱりセットがおもしろい。

終戦直後を体を張って生きる女たちの物語。

セットのハリボテ感が堂々としていて、それはそういうものだと納得せざるを得ない。現実世界とは違う異空間だと感じさせさ
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『知事抹殺』の真実(2016年製作の映画)

3.5

申し訳ないけど、おもしろくなかった。期待していた内容と違っていただけで、見方が間違っていたのだろうか。

2006年に収賄疑惑で辞任した元福島県知事のドキュメンタリー。

原発に物申す知事が邪魔になっ
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まるでいつもの夜みたいに 高田渡 東京ラストライブ(2017年製作の映画)

-

まるでいつものライブのようだった。

伝説のフォークシンガー高田渡のライブドキュメンタリーその3。

亡くなった北海道ツアーに出られる前、最後の東京でのライブ。小さな店にギュウ詰めでカメラも動けず横か
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ロケーション(1984年製作の映画)

4.1

これは何なんだ!観終わった後の充実感がすごい。

ピンク映画の撮影現場の物語。

低予算、早撮りの制約に加え、主演女優が急に降板という苦境の中で、行き当たりばったり、こじ付け、ド根性で映画を作り上げて
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タカダワタル的ゼロ(2008年製作の映画)

4.0

しあわせな気持ちになる映画だった。

伝説のフォークシンガー高田渡のライブドキュメンタリーその2。

高田渡さんは聴いている人を平和でしあわせな気持ちにさせる。ゲストでライブに出演した泉谷しげるの表情
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タカダワタル的(2003年製作の映画)

4.0

新しい人を発見し、好きになった。

伝説のフォークシンガー高田渡のライブドキュメンタリー。

高田渡さんのことは全く知らなかったのだけど、現在上映中の『まるでいつもの夜みたいに』を観る前にこれを観てお
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草原の河(2015年製作の映画)

4.1

じんわりと来るヤツだった。こういうの好きだ。

羊を放牧するチベットの家族の物語。

父、母そして幼い娘が草原に生きる日常を映しつつ、祖父を含めたそれぞれの心の揺れをそっと置きに来る。行く宛も定まらな
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PARKS パークス(2016年製作の映画)

4.1

ハマった。ハッピー。

オープンリールテープに途中まで録音された数十年前のラブソングの続きを作る物語。

時を超えて想いを受取り、時を超えて完成させようとする。そういう設定だけでワクワクする。

完成
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ひとみちゃん(2016年製作の映画)

3.8

短編を初めておもしろいと思った。

しばらくぶりにお姉さんに会いに行く話。

それやったらヤバイでしょってことを留守中のお姉さん家でやってしまう。それは愛なのか憎しみなのか。

語られない余白が多くて
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まんが島(2016年製作の映画)

3.6

ちょっと分からなかった。

売れない漫画家5人が無人島で漫画を描いて、出来上がるとのろしを上げて船を呼び出版社に見せに行く話。正直、もうこの時点でわけが分からない。

物語を楽しむのではなく、感性で楽
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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.8

何これ?何?なに?を楽しんだ。

イラン政府に映画製作を禁止されたジャファール・パナヒ監督がタクシー運転手になって、乗せた客との会話を固定カメラで撮影。

これは映画じゃないから撮ってもいいよね〜って
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.1

おもしろかった。楽しんだ。

『トレインスポッティング』の20年後、相変わらずもがいているアイツらの話。

前作同様つまらない話なんだけどおもしろい。

アイツら、友情とは違う別のものでつながっている
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.5

この手の映画はグイグイと引き込まれないとおもしろくないと思うんだけどダメだった。

人間の脳を義体と呼ばれる人工の体へ装着した初めての成功例であり、サイバー犯罪と戦う公安九課の少佐である女の物語。
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

-

約4時間と長い上に、完結していない映画だった。おもしろい。

描きたかったものを途中で断念して隠遁生活をしていた老画家が、新たなモデルの出現をきっかけにもう一度描く話。芸術と愛について描かれている。
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.8

つまらない話だけど、おもしろい映画だった。

ヘロイン中毒のレントンがヘロインをやめようとしたり、やめられなかったりする物語。

クソまみれには声を出して笑った。いい大人になっても相変わらずクソの話は
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作家、本当のJ.T.リロイ(2016年製作の映画)

3.5

アヤシイ映画だった。

書いた小説が売れたけれど、「人前に出られる見てくれじゃない」と別人に自分を演じさせた作家のドキュメンタリー(?)。

代役を立てることの何が悪いんだ?イメージ戦略だとすれば全く
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.2

エンドロールでじんわり来た。ああ、ダルデンヌだ。

診療時間終了後の呼び鈴に応じなかった若き女性医師の後悔の物語。

玄関からの呼び鈴や電話の呼び鈴が繰り返し登場する。呼ぶ側と呼ばれる側。その間にある
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.8

おもしろい。

人間とは?生命とは?

電脳と人間が共存する世界を描きながらそれらを問いかける。

人間が持つ記憶と、電脳が収集するネット上の情報との間に性質上の違いはあるのか。記憶(経験)の一部をS
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.8

ヤバいやつだった。

殺し屋ランキングno.3のちょっと変な男の物語。

決してコメディではない。でも、笑ってしまう。悪ふざけが過ぎる、としか思えないんだけど、ふざけているわけではないと思う。

つま
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サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)

4.1

何がどうなるのか。物語の行方を追いかけるのを楽しんだ。再びタノヴィッチにやられた。

サラエヴォ事件から100年後の日に、サラエヴォのホテルで繰り広げられる複数の対立の話。

サラエヴォ事件の暗殺者は
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