Osamuさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

Osamu

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AMY SAID エイミーセッド(2016年製作の映画)

4.3

ゾクゾクした。

昔、学生の頃、一緒に映画を撮っていた仲間が久しぶりに集まった飲み屋での会話劇。20年前に自殺した彼らのマドンナの命日に。

あの頃のことや、あれからのことを話すんだけど、そういうこと
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

4.2

おもしろい。もうメチャクチャ。

無人島からの脱出劇。相棒は死体。死体が持つワンダフルな力を使って生還へと向かう。

死体から出るオナラで水上スキーって、くだらな過ぎるでしょ。そういうくだらないの大好
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ドリーム(2016年製作の映画)

3.7

イヤなことがあった時に観るとスカッとするかも。そういう気分じゃなかったので物足りない感じがした。

1960代初め、NASAで活躍した3人の黒人女性の話。

人種差別がまだ公然とされ、男女差別も社会に
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

とてもおもしろかったし、感じるところも多かった。だけど、ちょっと引っ掛かりを感じた。

なぜ人間は後悔するのだろう。
時間を逆戻りさせることが出来ないからか。

なぜ人間は時が過ぎ去った後にしか自分を
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オーバーゲームズ(2015年製作の映画)

-

映画で観るには難し過ぎる内容だった。

戦後ドイツ国民からナチズムを解毒するための再教育に、テレビ番組が一役買っているのではないかという仮説を検証するドキュメンタリー。

検証するためにいろんな材料を
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おクジラさま ふたつの正義の物語(2017年製作の映画)

3.0

僕には何も響かなかった。見方を間違えているのかも知れないけれど、ネガティヴなことを書きます。ごめんなさい。

映画『The Cove』で糾弾されたイルカ漁の町、太地町を映すドキュメンタリー。

朝の満
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ひかりのたび(2017年製作の映画)

4.2

もしかしたら傑作なのではないか。それを見極める力量が無いのが悔しい。

田舎町の土地ブローカーの父と高校3年生の娘の物語。

土地を買収するために裏で悪どい事もやっているらしい。それを町の住人たちは良
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物置のピアノ(2012年製作の映画)

3.6

話がまとまっていない感じがしたけど、狙ってやっているところとそうじゃないところがあるのかな。

2012年、福島の桃農家の物語。高校3年生のピアノ少女が進路を迷う。

物置に追いやられたピアノ。それを
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笑う故郷(2016年製作の映画)

4.2

おもしろかった。微妙な空気感がたまらない。

ノーベル賞作家が40年振りに故郷の田舎町に帰る話。

40年振りの故郷なんて知らない土地も同然のはずだし、我らの町を出て行った成功者に対する反感や妬みも投
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

3.8

ちょっと物足りない感じもしたけど、好きだね。

クラスメイトに変人呼ばわりされている14歳が、不良くんと盗んだ車で旅をする話。

夏休みの映画だ。

好きな子の誕生日会に呼ばれない絶望や、悪い友達に巻
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追想(1975年製作の映画)

4.0

愛と憎しみの螺旋階段。複雑な感情を体験した。

家族を理不尽に奪われた男の、愛の追憶と復讐の物語。

復讐の合間に男の追想が挟み込まれる。その繰り返しの螺旋運動により感情のボルテージが上がり、「この男
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静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(2016年製作の映画)

3.8

おもしろさでゾクゾクしそうだったけれど、詩を理解できなくて少し退屈した。

孤高の詩人エミリー・ディキンスンの物語。

神に救いを求めることもなく、男優位の社会に抗い、辛口の本音をストレートにぶちまけ
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.0

おもしろかった。

地球侵略の先遣隊3人とそのガイド役に選ばれた地球人2人の物語。

侵略される側と侵略する側の両方の世界を見ているガイド役の2人の対比で語られる。

その1人、長澤まさみにヤラれた。
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ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

3.9

Stoogesのこと知らなくてもおもしろかったけど、知ってたら(聴いてたら)もっとおもしろかったと思う。

伝説のバンドStoogesを映すドキュメンタリー。

イギー、サイコー。
おもしろい人だね。
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キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

3.8

観終わった後、妙に感傷的になってしまった。

高校生男子3人の一夏の家出の話。

あの頃は不自由だと思っていたけれど、後から思い返せば幸せだったと思う。そんな時代の1ページの物語。

少年少女たちには
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米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー(2017年製作の映画)

3.7

直線的で歴史の教科書を読んでいるようだと退屈していたら、沖縄の基地問題の原点が見えて来た。

戦後、占領下の沖縄で米軍政府と闘い、沖縄返還後、衆議院議員として日本政府と闘った男カメジローのドキュメンタ
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

3.8

傑作テレビドラマをアニメでリメイクするというチャレンジは大成功とは言えないけれど、それなりにおもしろかったと思う。

少なくとも2回目か3回目くらいのリピートまでは結構良かった。新たな世界に昂ぶったり
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禅と骨(2016年製作の映画)

3.9

変人好きとしてはタマラナイ映画だった。

米国人の父と日本人の母を持つ変人ヘンリー・ミトワのドキュメンタリー。

粋人か?変人か?と映画のチラシには書かれているけれど明らかに変人。欲の強い人。自分に素
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ひいくんのあるく町(2017年製作の映画)

3.9

優しすぎて涙が出た。

山梨の田舎町を歩き廻るひいくんの話。47分間のドキュメンタリー。

商店街のシャッターが閉まる、ちょっと寂しい町。「ひいくん」こと、秀彦さんは町のいろんな所に現れて町の人と話を
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ジュリエッタ(2016年製作の映画)

4.1

ファンキーな映画だと勘違いして観たら、すごく悲しいヤツだった。おもしろかった。

娘に捨てられた母ジュリエッタの回想の物語。

自身の罪の意識と他者の罪への疑心。どちらも悲しい。

この映画は場所にも
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約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯(2012年製作の映画)

-

悔しい気持ちでいっぱいになった。

名張毒ぶどう酒殺人事件に関する長年の取材に基づく再現ドラマを軸にしたドキュメンタリー。

名張毒ぶどう酒事件とは、1961年に起きた、村の公民館で行われた宴会に出さ
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.7

それなりにおもしろいが、釈然としないものが残った。観た後、それを整理するのがおもしろかった。

認知症のお爺ちゃんが、70年前アウシュビッツで家族を殺された恨みを晴らす旅の物語。

認知症は恐い。大事
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

4.2

すっごい映画だ。

第二次世界大戦、ロシア戦線のドイツ軍小隊の撤退と敗走の物語。

何がどうなると、こうなるんだ?

もう、わけが分からない。頭に来るけど誰に一番腹を立てているのか分からない。怒りや悲
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エル ELLE(2016年製作の映画)

4.0

議論を巻き起こすと言うか、この映画についてあれこれ言い合いたくなる、という意味でおもしろい。

過去に大きな傷を負った女社長の真っ直ぐに歪んだ世界の話。

もっと歪んだ世界を想像していた。唖然としちゃ
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海の彼方(2016年製作の映画)

3.8

おもしろい。

台湾から沖縄・石垣島に移民したおばあちゃんの人生の話。

家族のホームビデオを繋ぎ合わせたような作品。移民の歴史が俯瞰して語られることは少なく極めて私的。

ただ、そんな中から、移民が
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アスファルト(2015年製作の映画)

4.1

おもしろい。

フランスのとある町の団地を舞台にした3組の男女の出会いの物語。

孤独な6人が偶然の出会いにより変わっていく。腐った社会に生きていても捨てたもんじゃないなと思える人間賛歌。

シュール
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関ヶ原(2017年製作の映画)

3.6

日本史の知識があればおもしろいかも。

石田三成の物語。

僕が知っている北政所(豊臣秀吉の正室)はもっと優しい人なんだよなあ。そのイメージは小学生の頃観たNHK大河ドラマ『おんな太閤記』に由来する。
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ピノチェト・ケース(2001年製作の映画)

-

人類が将来に遺すべき資料。

チリ大統領を退いた後のピノチェトの裁判に軸を置きつつ、独裁政権が行った人民への抑圧の記憶を刻むドキュメンタリー。

被害者遺族の悲しみは独特のものがある。長い間、遺体も確
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ハートストーン(2016年製作の映画)

4.0

エンドロールでジワリとくるヤツだった。

アイスランドの田舎町に暮らす思春期少年二人の恋と友情の物語。

動物の死骸を手でつかむ。シーツを小便で濡らす。殴られてぶっ倒れ口に入った砂を噛む。清潔で小綺麗
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.2

おもしろい。

京都の大学生乙女、一夜の物語。

これが一夜の出来事っていうのがいい。タイトルとは裏腹に乙女の夜は長いのだ。

なんなんですかねえ、詭弁踊りって。あの姿勢はじいさんには絶対無理だよね。
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.3

傑作。楽しい。

音楽好きの中学生と音楽好きの子ども人魚の物語。

オープニングクレジットへ向かうダンスで鳥肌。この映画ではダンスが特別扱いされている。とても楽しい表現。

キャラクターデザイン、サイ
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やくたたず(2010年製作の映画)

3.9

同じ三宅唱監督の『Playback』でも感じたけれど、味わい深い映画だった。単純にモノクロだからそう感じた訳ではないと思う、たぶん。

高校生男子3人の、働いているんだか遊んでいるんだか分からないアル
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イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

4.0

観た後いろいろ考えるのがおもしろい。

11人(たぶん)の11分間の物語。

この11人はおそらく我々自身。11分間は日常なのか、非日常なのか。

黒い点、迷い込んだ鳥、遡上する水が意味するものは何か
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打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.3

傑作。

小学生の夏の一日。僕には、私には、まだ分からないことがたくさんある。

花火は横から見ると丸いのか平べったいのか。そんな疑問と、ひとを好きになるとその人の名前をノートいっぱいに書きたくなるの
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エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

4.0

後から来た。

大学生活プロローグ3日間の話。

オープニングの「マイ・シャローナ」で気持ちが1980年にフィット、これから始まる物語への期待がグングン上がって行く。

でも、くっだらねー話の連続。
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(1960年製作の映画)

4.0

ワクワクして、ハラハラして、ウワっとなった。

刑務所からの脱獄劇。

知恵と工夫で脱獄ルートを切り開いて行く。それが楽しいしおもしろい。けれど看守にバレるのではないかと落ち着かない。

地下の狭い通
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