Osamuさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

Osamu

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娘よ(2014年製作の映画)

4.2

おもしろい。

部族間の争いを収めるために、相手部族の長老に嫁ぐことになってしまった10歳の娘と母の逃亡劇。

映画祭以外でパキスタン映画が日本で上映されるのはこの映画が初めてだと何かで読んだ気がする
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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.8

刑事モノとして観てしまったけれど、黒人差別問題を扱った結構深い作品だった。

最初に容疑者扱いされた北部の黒人刑事が南部の刑事たちを手伝って殺人事件の捜査をする話。

「ニガーに殴られたら撃ってよい。
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.6

この家族はおもしろい。

森で暮らす家族の物語。

子どもたちは学校には通わず、森で体を鍛え、本を読んで学ぶ。強靭な体と体系的な知識を身に付けている。父親が子どもたちの訓練官であり、教師である。母親は
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東京流れ者(1966年製作の映画)

3.6

ヘンテコな映画だった。

ヤクザ業から足を洗った組の会長を守るテツの物語。

セットがヘンテコ。テツの恋人が歌う店は「そこ、どこですか?」っていうセットだし、金融業の吉田の事務所のセットは絶対金融業の
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世界でいちばん美しい村(2016年製作の映画)

3.8

「そう言えば、最近あいつはどうしているんだろう」。そんなふうに、この映画に写っている人たちのことを時々思い出すのではないかと思う。

2015年のネパール大地震で大きな被害を受けた山村の震災後の日常を
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.2

なんだか分からないけど、好き。
タイトルのとおり優しい映画だった。

高校の音楽コンクール「タレンタイム」に関わる高校生と家族の物語。

いろんな民族、いろんな宗教が共存するマレーシア。自身と異なるも
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FAKE(2016年製作の映画)

4.0

今更観た。おもしろかった。

2014年に大きな話題になった佐村河内(さむらこうち)守氏のゴーストライト疑惑。
-新垣氏がゴーストライトしていた
-佐村河内氏は音符さえ読めない
-佐村河内氏の聴覚障が
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ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜(2017年製作の映画)

4.2

おそらくツッコミどころが多々あるし、物足りなさを感じる人も多いと思う。でも僕はハマった。

岡山の高校三年生ココネ(心羽)はファンタジックな夢を見る。現実の世界では大学進学をどうするか、父親が自動車修
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家族の肖像(1974年製作の映画)

4.2

おもしろかった。

老いた教授と、その静かな生活をかき乱す闖入者たちとの話。

ひとの家に無遠慮に入り込んできて、煙草をふかし吸殻を床に投げ捨てる。酒を、食べ物を要求し、飲み、食べ散らかして帰って行く
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

-

難しーーー。ちょっと分かんなかった。

ベトナム戦争の狂気の世界を描いているんだろうけど、ジャングルの奥地に辿り着いた後の話は難解。悔しいけれど、202分をリピートする気には今はなれない。もう疲れた。
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けんかえれじい(1966年製作の映画)

3.8

笑った。

バンカラの喧嘩と恋の物語。
恋の邪念を払うため、喧嘩修行に突き進む。

夜のピアノ演奏、アヒル、アヒルの画面遊びなど苦笑する名シーンが多数。この手の苦笑は大好物。

そして障子のシーンには
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バビロン2 THE OZAWA(2012年製作の映画)

3.7

『花物語バビロン』と同じように、調べた結果を映画にした作品。

アジアを旅すると客引きが寄ってきて必ず「女、麻薬、銃」は要らないか、と聞いてくるそうだ。それって何故なんだ、から始まった作品。

オザワ
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花物語バビロン(1997年製作の映画)

3.6

英語のナレーション、その日本語訳のテキスト、男の独白、別の日本語字幕…。

全部追うのは無理。これには笑った。

で、それが最後まで続くんだから、もう降参。

空族作品のなかでも異色と相澤監督は言って
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FURUSATO2009(2010年製作の映画)

3.6

空族の映画作りの断片が見られておもしろかった。

前リサーチの様子を撮影・編集したドキュメンタリー。

これが『サウダーヂ』に繋がっていくのね。それにしてもリサーチに1年間もかけるってすごい。

かたびら街(2003年製作の映画)

3.8

空族のおもしろさが少し分かった気がする。

元暴走族たちのそれぞれの労働の話。

労働はつらい。
労働しなくても贅沢できるようになりたいものだ。
うまい話を探して当てたと思っていたけど、これも結構きつ
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国道20号線(2007年製作の映画)

3.8

幻覚に吸い込まれそうになった。

国道20号線沿いのチンピラ達の日常の物語。

日常だけど非日常で、どっちがどっちか分からなくなる。幻覚のこちら側なのかあちら側なのか。

情報過多で脳みそが猛烈な消化
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ノー・マンズ・ランド(2001年製作の映画)

4.4

日曜の朝からぐったりした。
戦争映画の大傑作。

前線の塹壕で出くわした敵味方兵士3人をめぐる物語。

「銃を持っているは俺だ。
だから俺の言うことをきけ。」

片方だけが銃を持つと、持っている方の力
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汚れたミルク/あるセールスマンの告発(2014年製作の映画)

4.0

なかなか、なかなかだった。そう来るか、とうなった。表現するのが難しいけど、おもしろい作りの映画だった。

パキスタンの粉ミルクの営業マンが勤めていた多国籍企業の悪を告発して闘う物語。実話がベース。
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ナオトひとりっきり Alone in Fukushima(2014年製作の映画)

4.0

東日本大震災の後、福島第一原子力発電所から12㎞の富岡町にひとり残り、置き去りにされた動物たちの世話をし続けるナオト(松村直登)さんを映すドキュメンタリー。

震災関連のドキュメンタリーはいろいろ観て
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.0

おもしろい。

トランスジェンダーの娼婦シンディが、恋人の浮気相手を捕まえ修羅場に突進する物語。

修羅場に向かってネガティブなパワーが集まっていくドライブ感が堪らなかった。

シンディが恋人の浮気相
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近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

4.4

これはおもしろい。大傑作。
1981年の岡本喜八作品。風刺喜劇。基本バカバカしいんだけど、その中にいろんなメッセージを差し込んでいる。

日本の片隅のボロ屋を領土とする独立国家・邪馬壹国(ヤマタイコク
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百日告別(2015年製作の映画)

3.9

おもしろい話ではないけれど、観て良かった。

同じ自動車事故で、妊娠中の妻を失った男と、婚約者を失った女が前を向くまでの物語。

初七日(7日目)、五七日(35日目)、四十九日(49日目)そして百ケ日
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

4.2

最悪の物語だったけれど、最高のファンタジーだった。

殺人の冤罪で死刑を宣告された男とその娘、刑務所の人びとの物語。コミカルだけど悲しい話。

「そんなことあるかよ」と突っぱねながらも受け容れられるの
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ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

4.0

おもしろい体験だった。

マッサージ院に勤める目の見えない人びとの、ひとを求める物語。

ぬるっと、どろっとした生温かい半透明の液体の中にいるような感触を味わった。

映画の中の登場人物は観客を意識し
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壁あつき部屋(1956年製作の映画)

3.8

おもしろいって感じではないけど、好きかな。

BC級戦犯として巣鴨プリズンに囚われた人たちの物語。

実在の人物たちの手記を基に小林正樹監督が映画化。脚本は安部公房。

上官の命令で民間人や俘虜を殺し
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

珍しく事前に原作を読んだら観る前にいろいろ考えてしまい、この映画自体を楽しめなかった。

どこまで書いたらネタバレなのか分からなくなったので念のため「ネタバレ」で。

ポルトガル人宣教師と隠れキリシタ
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VHSテープを巻き戻せ!(2013年製作の映画)

3.8

笑った。

VHSの歴史と愛好家を映すドキュメンタリー。

VHSの出現により映画が家で観られるようになり、レンタルというシステムが発明されると、マーケットが拡大、映画がたくさん作られるようになった、
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アダムズ・アップル(2005年製作の映画)

4.0

おもしろい。
この監督、好きかも。

刑務所を出たばかりのアダムとその身元引受人の神父イヴァンの物語。

一筋縄ではいかない悪党アダムが教会を引っ掻き回そうとするが、隣人愛で寄り添うイヴァンにより変わ
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ミリキタニの猫(2006年製作の映画)

4.2

絶望的に悲しい感情がこみ上げてきた。

日系二世の米国人アーティスト、ミリキタニを映すドキュメンタリー。

ミリキタニはニューヨークの高齢ホームレスで、誇り高き「グレート・マスター・アーティスト」(自
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サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ(2012年製作の映画)

3.7

興味深い。

フィルムの良さ/悪さ、デジタルの良さ/悪さを語るドキュメンタリー。

先日、『ゴンドラ』のコメントで「フィルム上映で観たかった」と書いたばかりだが、実のところ本当の良さなど分かっていない
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ゴンドラ(1987年製作の映画)

3.8

美しい。
約30年振りのリバイバル上映。

都会の片隅で不機嫌にうつむいている少女が、高層ビルの窓掃除の青年を相棒に再生していく物語。

キャスティングがおもしろい。

まず、主演の少女役。ぶっきら棒
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天安門、恋人たち(2006年製作の映画)

3.8

恐ろしかった。
孤独を観る映画。

孤独が故に愛を求めるが、愛が孤独を深くする。

ひたすら孤独だ。

遠くのものを想いながら、此処に在るものに寄り添う。それは、此処に在るものへの裏切りか。

愛はい
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本能寺ホテル(2017年製作の映画)

3.3

嫌いじゃないけど、メジャーテレビ局が作った映画ですねって感じ。

本能寺の変の前日にタイムリープする繭子(綾瀬はるか)の成長の物語。

織田信長の時代にタイムリープする話はかなり使い古されたネタだけれ
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最後の誘惑(1988年製作の映画)

3.8

おもしろい。

スコセッシが『沈黙』を製作するきっかけにもなった作品ということを聞いて観てみた。

聖書の中の話を映像で観るという体験がまずおもしろかった。キリストの言葉や行いを弟子たちが記録したとい
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すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)

3.5

このドキュメンタリー自体はおもしろいとは思わなかったが、気付いていなかったことに気付かせてくれることに意義があると思う。

この目線でテレビのニュース番組を見ると見え方が変わる。

国家権力は嘘をつき
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.8

のめり込みはしないけど、余白が大きく観た後でいろいろと想像する映画。

これも公開当時観た記憶があるけれど内容は全く覚えていなかった。観ていたとしても意味が分からなかったと思う。今回もよく分からなかっ
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