外は雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

私が愛した大統領(2012年製作の映画)

2.9

ルーズベルト大統領とその従兄弟のデイジー。開戦前夜、英国王室が米国に協力を求めて訪米する。「英国王のスピーチ」の前日譚。ルーズベルト役のビル・マーレイがここでもとにかくチャーミングで、ジョージ6世との>>続きを読む

バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

2.8

この一作目は確か劇場で観たんですけど、その時はミラ・ジョボヴィッチがこの役をこんなに長くやるとは思わなかった。一作目は面白かったです。

今作で完結。とりあえず、わたしもこれで見終わった〜。それぞれお
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

他者の夢の集積の混沌の中で縦横無尽に駆けていく。夢と現実の両者からの侵食と二重性。体の中にずぶりと手を入れられて、蛹の中にいたのに顕にさせられるその表層をずるりと剥ぎ取るエロス。気狂いじみているけど、>>続きを読む

エスケーピング・マッドハウス(2019年製作の映画)

3.0

ニューヨークの小島に隔絶された女子精神病棟。実話ベースの物語なんだそうで。自分の名前しかわからない女性が収容されている。クリスティーナ・リッチと実話っていうのがなければ割とありがちな映画ではあるかな。>>続きを読む

ウイスキーと2人の花嫁(2016年製作の映画)

3.0

舞台は第二次世界大戦下のスコットランドのトディー島。ウイスキーの配給が止まってしまい失望する人々。戦下とはいえ終始のんびりとした感じで、その重要なミッションものどか〜。「ティしかないなんて!」という嘆>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.4

ロバート・レッドフォードの映画人としての紳士のその人生を楽しむカッコよさ。オープニングのシークエンスを観るだけでつい背筋がシャンとした。シシー・スペイセクの永遠のチャーミングにきゅーん。

デヴィッド
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人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

3.0

1978年イタリアでバザリア法で精神病院が廃止された。患者たちと労組の男。患者たちの個性を見つけながら彼らの自立の道を見つけていく。

実話に基づく映画という事で評価は高いみたい。しばらく前に観たけど
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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

4.2

あ、完全版観るの初めてかも。いや、面白いですよね。ゾンビ映画の全部が詰まってる。ショッピングモールで生ける屍ゾンビ達がウロウロしてるのにチープでクッソのんびりしたショッピングマーケットミュージックがか>>続きを読む

夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者(2021年製作の映画)

3.0

このシリーズはニャンコ先生超絶ラブリーだし、ちょっと物悲しかったり、優しかったり、一遍一遍がそれぞれとても好きだけど、この映画は映画というより、やはりいつものTVシリーズの2話そのもので。ちょっと映画>>続きを読む

オンディーヌ 海辺の恋人(2009年製作の映画)

3.5

ニール・ジョーダン監督。クリストファー・ドイル撮影。アイルランドの漁師町。重い曇り空。人気のない海辺の小さな花々の咲く母の家。水の精霊オンディーヌ。昔話が語られるように海から男の元に現れた謎めいた美し>>続きを読む

夜の来訪者(2015年製作の映画)

3.8

プリーストリー原作。BBCドラマ。「しあわせの絵の具」のアシュリング・ウォルシュ監督。ライバル会社同士の子供たちの婚約パーティー。そこに現れる来訪者によって詳らかになるその傲慢。スリリングな展開にする>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.6

デヴィッド・フィンチャー監督。「市民ケーン」の脚本家ハーマン・J・マンキウィッツの物語。1930年代ハリウッドに組合組織ができる前、脚本家が映画のクレジットに乗らない時代。何か、オーソン・ウェルズも完>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.2

ザナドゥ城。掌からこぼれ落ちるスノードームとRosebudという言葉。新聞王だった彼の末期に遺した言葉の秘密を追う。奥へ奥へと彼の心のその空洞への連なりを見せるそのカメラワーク。絢爛豪華に周囲に集積さ>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.0

人々の様々な「嘆き」を、いつものように開いたドアからそっと見るように、ふと立ち止まった街角で、天使のような穏やかだけど何も介入することもない、そんな視線で世界のひとひらを観るその世界。愛しいです。>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.9

ようやく観ました。テレビシリーズを追っかけていたんですが、このコロナ禍の中でこんなに一大ブームになるとは正直思ってもみなかった。こういう時に映画館でのヒット作が生まれ出る事がまず素晴らしいですよね。で>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

3.7

旧東ドイツにあったトラック会社が巨大スーパーマーケットになった場所。倉庫のような簡素なその場所は何か荘厳な彼方の地のような雰囲気もあってそこに「美しく青きドナウ」が流れる。静かな夜のスーパーマーケット>>続きを読む

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.6

ネグレクトの母親に置いてきぼりにされ、叔父の元に身を寄せるトモ。叔父の側にはリンコさんがいてトモにとって初めての愛してくれるお母さんのような姉のような存在となる。トモのどうしようもない子供としての理屈>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

3.0

オックスフォード英語辞典を編纂したジェームズ・マレー博士と膨大な言葉の引用を送った精神を病んだ殺人者の男の物語。膨大で常に変化していく言葉を時代を超えて集積していく事を大海の海に擬える。メル・ギブソン>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.7

今回も魔法動物は超かわいいんですけど。おっきい猫のズーウーが甘えてくるところがめっちゃかわいい。ジェイコブとクイニーにはもうバカップルぶりを炸裂させて欲しかったのに、ああ、なんでなんでなの。今回ティナ>>続きを読む

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)

4.2

久しぶりに再見。どんな人であってもその罪の元に平等であるべきだと思う。その罪は属性や環境で変わる必要などないはずだ。なぜなら被害者にはそんな事関係がないのだから。鈴木京香さんのボソボソと俯いて話す語り>>続きを読む

名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦下、ドイツに併合されたオーストリア。ナチスドイツに忠誠を誓い兵役を拒否して処刑された実在の農夫。男は妻と娘と山間の美しい谷間に暮らす。刈り取った草の青い匂いがしそうな美しい光景。その美し>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.5

複製を重ねたものが実像を超えて変容し得体の知れないものとなり優雅に帽子を振りながら霧の中に消えて行くように。自らをコスモポリタンという商社の社長の男とその妻。妻の美しく無邪気で一途な愛情。そして世界主>>続きを読む

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラ監督。ビル・マーレイの人懐っこいのにその癖寂しいそんな姿を観に。NYの街をドカーンドカーン!って大きな音のする真っ赤なクラシックなオープンカーで尾行!自分が日々に忙殺されて、忘れかけ>>続きを読む

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.7

本当はずっとわかっていたはずなのに、唐突に、ついに、目の前にやってきてしまった自分の真実の気持ちが、誰もいない湖で方向を見失わせる。誰しもきっと通ってきた、初恋の本当に不器用などうしようもなさ、だよね>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.3

とても久しぶりに観た。西口彰事件を題材にした殺人犯の逃走を描いた作品。殺人犯で詐欺師の男に緒形拳。重ねる残忍な罪に対する一切の頓着のなさや大胆不敵な嘘の数々。

旅館を営む実家と逃亡先の旅館。その二つ
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鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)

3.8

マキノ雅弘監督。時代劇オペレッタ可愛い。片岡千恵蔵が若い娘さんにモテモテ!市川春代さんの娘役がうーん、もう!とか焼きもち焼いちゃっていじましくてもーとてもかわいいw 志村喬お父さんもお茶碗のとぼけた歌>>続きを読む

クロノス(1992年製作の映画)

3.2

ギレルモ・デル・トロ監督の初期作品。骨董店を営むおじいちゃんと孤独で寡黙な孫娘。天使の朽ちた像から見つけた16世紀の錬金術師が遺した昆虫のような機械。それを狙う使いの者にロン・パールマン。老人が血の欲>>続きを読む

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)

3.8

久々に鑑賞だったけど、画質はあまりよくなってはいなくて、残念だった〜。フレッド・アステアが落ち目のスター。アステアに「ファウスト」やらせようとするなんて!もうバカバカバカ!夜の公園のダンスシーンはもう>>続きを読む

相撲取りブルーノ(2000年製作の映画)

1.8

なんですかねー。ドイツの映画らしいんだけど。えー、面白くもないし、ドラマみたいだし、唐突だし、日本の変な勘違い演出も面白さがゆるすぎてー。ブルーノさん武蔵丸に似てますね。ANAがスポンサーなのかな?大>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

IMAXフルサイズの映画館の圧倒的な楽しさを今くれた事に感謝してしまうね。時間の動きの正負が混在するその異様なその世界の混乱を愉しみつつ、物語自体にも時間軸にも?を沢山抱えながら、とにかくデカイそのス>>続きを読む

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

3.6

1995年ユーゴスラビア紛争の停戦合意がされた直後のどこか。多分ボスニア。村の井戸に投げ込まれた死体をどうにか引き上げようとするNGOの面々。ロープ一つとして手に入らず東奔西走する彼ら。国連軍は例の如>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.4

「イエスタデイ」ダニー・ボイル監督。ザ・ビートルズが存在しない世界はどんな世界だろうか?世界から電気が消失して、世界が少し変わるその時の音楽がストロベリーフィールズ・フォーエバーの始まりのふわふわした>>続きを読む

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.6

バカンスで訪れたフランスで忽然といなくなった恋人を探し続ける男。その彼をじっと観る男。序盤のトンネルのシーンが怖いって。というかお前絶対許さん!この映画ともすればさしてスリリングでもなく退屈になってし>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

3.5

塚本晋也監督。とても短い映画。物語も簡素。これが幕末の剣士らの物語のオムニバス作品の一編ならな、と思った。壁越しに言葉を交わすシーンがエロティック。木の節の穴から出された指。この男は欲望を持ちながらも>>続きを読む

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.6

死者に人生のうちでひとつだけ思い出を選んでそれを映像化して送り出す仕事をしている人達。死者達はそれぞれの人生からひとつきりの思い出を選ぶ事に、迷う。ひとつ選ぶ事で自分の生きてきた時間を振り返る。担当者>>続きを読む

ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

3.4

ポルトガルの町シントラの美しい風景と、イザベル・ユペールの振り返ったその顔を観るための映画で、コロナでどこにも行けなかった夏の終わり、ああどっか行きたいなぁって思ってしまう映画だった。

母さん、あの
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