外は雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)

3.0

バングラデシュから政治亡命してきた父子。ファヒムは小さなチェスの名手。ジェラール・ドパルデューがちょっと怖いチェスの先生。ドン!

フランスに入国した後のファヒムとお父さんの関係がすれ違っていって、子
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ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

スティーブン・ソダーバーグ監督。オーシャンズのスマートさに対してなんともゆるーい突飛な現金強奪計画。チャニング・テイタムとアダム・ドライバーのそれぞれイラクで負傷した兄弟。ダニエル・クレイグのこんな変>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.8

妻に先立たれ、仕事もクビになった偏屈な男は死ぬ事にした。この映画、奥さんとの恋がとても素敵で、毎日奥さんのお墓を愛おしく撫でるその手が。死のうと思い立った時からの住人たちとの関わり合いが素敵で。ついホ>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

3.9

まるで会話のない食事。奇妙に丁寧で姿勢のいいその姿。汚れのない白いシャツで現れた男。真新しいツナギ。家族の中に入り込んでくる。オルガンの辿々しい音。赤がねじ込んでくるように家族の中に侵食する。筒井真理>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.9

自身の経験のシーンをミニチュアにして制作している作家である母親。家族の暮らす家とミニチュアを混在させるような、その誰かが外側から観ているカメラワークが見事だった。どこか画面全体を小さなオモチャを愛おし>>続きを読む

理由(2004年製作の映画)

3.5

大林信彦監督。宮部みゆき原作。マンションの家族に見えた他人の殺人事件。関係者がインタビューを受けているように、こちら側に語るように。膨大な出演者。都市生活者たちの見えない繋がり。‪入子の構造。視線をカ>>続きを読む

セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅(2013年製作の映画)

3.5

大規模な山火事後ずっと続く道を補修していく二人のまるで違う男。焼けてしまった家屋で自分が生きてきた痕跡を探す老婦人との出会い。上手くいかなかった週末、心が離れてしまった妻。真実の愛は幽霊みたいなもの。>>続きを読む

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

3.5

これはなぁ、明らかにモデルがオウム地下鉄サリン事件で。加害者らの山中での集団生活の一端、一種ロマンティックなその描き方に対して訝しく思わざるを得なかった。脚本を役者が自分の演じる部分しか知らせないとい>>続きを読む

サイレン FORBIDDEN SIREN(2006年製作の映画)

2.2

ゲームの映画化。確かゲームは難易度が高いわ、恐いわでわたし全然無理だった記憶。堤監督は6:4のテレビのサイズでは好きな部分もあったんだけど。小細工が中途半端に感じて怖くもないしあの胡散臭さの面白さもあ>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

4.3

デビュー作からこの絵が作れてしまう凄み。寄る辺なく窓の外をいつも一人見つめる女の横顔。溜池の淵を遊びながらかけて行く子ら。自転車の練習をする家族の声。誰かの葬列。捉える視線は引けるだけ引いた視線で。>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.4

「IT/イットTHE END」アンディ・ムスキエティ監督。彼らが大人になって再集結。んー、あのプクプクナイーヴかわいい詩少年があんなお髭マッチョイケメンになるとかちょっと反則じゃないですか!ペニーワイ>>続きを読む

うず潮(1975年製作の映画)

3.7

美の化身カトリーヌ・ドヌーヴが大暴れw ありとあらゆるものを壊す!破壊神!ドヌーヴw そんなドヌーヴにイヴ・モンタン右往左往もうかわいい!ベネズエラの孤島で婚約者から逃げる女と文明社会から逃げた男のド>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

3.7

ベル・アンド・セバスチャンのスチュアート・マードックが監督したベルセバによるベルセバ映画。で、めっちゃかわいい。エミリー・ブラウニングかわいい。声も好きかわいい。ポップだけどセンチメンタルでノスタルジ>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

3.7

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が1999年なのかぁ。ヴィム・ヴェンダースの前作が素晴らしくて。そこから年月を経て多くのメンバーがアディオス!になってしまったのが悲しい。人生の最後に待っていた奇跡>>続きを読む

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.7

シャーリーズ・セロン姐さんのこれまた凄い役作り。子育てに疲弊してるママに、というかパパ観よう!この監督は音楽のセンスがとても好きだし、手触りもなんか押し付けがましくないところが好きだなぁ。今作は、ああ>>続きを読む

あやしい彼女(2016年製作の映画)

2.2

うーん。多部未華子ちゃんは可愛いけど、あのファッションセンスにケチでひねくれ者で二言目には「あんたのために」のおばあちゃんが突如若くなっても絶対にああはならないよなぁ。こういう荒唐無稽やたら感動させよ>>続きを読む

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)

3.9

終末を迎えた世界。一人きりで図書館の本の整理をし、町のあちこちの遺体をひと処に埋葬する男。一人きりになる前の方が彼は孤独だった、そんな男。

男が行っている埋葬にまつわる儀式、というよりアーカイブして
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MAMA(2013年製作の映画)

3.4

子供を育てる幽霊のママ。子供たちがかわいい。で、ちょっと切ない。スプリットスクリーンのように、普段の廊下と、奇妙に下の子をあやす部屋を同時に見せている場面が面白い。ん、なぜサクランボ?

ハビエル・ボ
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.7

マンマシンインターフェースの違った世界を観るとてもユニークな映画。何者かに襲われ、全身麻痺になった男。AIのチップを入れる事で人間を超えた運動機能を持つ。自分の中に埋められたAIとの奇妙なバディ関係。>>続きを読む

シリアスマン(2009年製作の映画)

3.3

ユダヤ人コミュニティの家族。大学で物理教授をしている彼に離婚をはじめ微妙な厄災が降りかかる。そこに相談役として登場するラビ達。ユダヤの悪霊ディブクの寓話。雪だるま式に次々起こる厄災、次々紹介されるラビ>>続きを読む

ロビン・フッド(2010年製作の映画)

3.5

前も観たんですけどなんかすっかり忘れててもう一度観ちゃった。十字軍の英雄獅子心王リチャード1世の死、欠地王ジョンの悪政や策略に、マグナ・カルタ。こっからでしょー!ってところで終わるのと、どう考えても「>>続きを読む

ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.4

子役の息子に養われる父親。つらいだけの日々ではなかった、けれど。シャイア・ラブーフが自身の父親を演じることで内なるその怒りと折り合いをつける。バイクの背に乗せてあの頃の自分と父を迎えに行く。

夏の終
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アンセイン ~狂気の真実~(2018年製作の映画)

3.2

スティーブン・ソダーバーグがiPhone7で撮ったサスペンススリラー映画。全体的に被写体に近づいていて背後は少し歪む広角でデジタルな絵がドキュメント風に見える。ストーカー被害に悩まされる女性の言動は、>>続きを読む

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)

3.5

第一次・第二次世界大戦の違った世界線の異世界転生モノ。見た目は幼女、実は冷徹合理主義者のオッサンというターニャ・デグレチャフ少佐の上手いことやってるはずなのに「どうしてこうなった!」を聞くのがえげつな>>続きを読む

劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢(2018年製作の映画)

2.8

ダンまちの劇場版。アルテミスの物語。ベルくんいつも大変だなぁ。ちょっとダンまちは切ないよねぇ。ヘスティアかわいいんだけどもっとアホな話でいいのですが神さま。

天使の入江(1963年製作の映画)

4.0

ミシェル・ルグランの目眩くゴージャスなピアノ。そしてギャンブル狂いの破滅を内在したブロンドのジャンヌ・モロー。ニースの海岸線の彼女を捉え高速で去っていくはっとするようなオープニング。カジノのルーレット>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

3.9

中島哲也監督。TLを賑わしてたガチ祭祀が気になりすぎて早速、観ちゃった。とりあえず松さんがカコイイのですが。妻夫木くんその笑顔がキモいw 中島監督らしい喧騒と静寂が層で同居するショットが奇妙な冷徹さを>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.8

岩井俊二原作のアニメ映画化。オリジナルにあった女の子と男の子の、この年齢の成長の差、精神も体も。それをほぼほぼ無くしてしまっている事で微妙なそのちぐはぐした、まだ受け入れられないような、その追いつかな>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.5

やぁ、最近仕事どうしてる?って聞かれるのがツライ、サブカル男子がかわい子ちゃん白ウサギを探してハリウッドの都市伝説をめぐる悪夢のご近所ツアー。

昔読んだウィルソン・ブライアン・キイの「メディア・セッ
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卒業白書(1983年製作の映画)

2.5

トム・クルーズの若い頃の主演作。タイトルからいくとダスティン・ホフマンの「卒業」を思わせますが全然別物。80年代っぽいダサさが漂った映画で、正直言って気恥ずかしいです。でも、青春時代の男の子の欲望や悩>>続きを読む

ザ・リトル・ストレンジャー(2018年製作の映画)

3.4

第二次大戦後に没落した貴族の邸宅。子供時代に訪れたその場所。埃かぶった伽藍堂な場所を歩くその後ろ姿の恐ろしい美しさ。鏡の中の秘められた欲望。

ロンのお兄やんドーナル・グリーソンの立ち姿が美しいです。
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

4.0

トスカーナ地方。昔ながらの養蜂を営む家族。父と同じくらいの仕事の担い手である長女の視点で家族の一夏が描かれる。家族の元にやってくる口笛の上手な男の子。彼女の思春期の憧れや夢や失敗が恥ずかしそうに煌きな>>続きを読む

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

3.4

公共の図書館に会館と共に集まってくる人々。シェルター不足で寒波の夜を図書館で過ごそうと占拠するホームレスの人たち。メディアや政治家の無理解と利用。歌われる「I Can See Clearly Now」>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.5

アリーチェ・ロルヴァケル監督。なんて不思議な物語だ。そして奇跡的に美しい。世界と隔絶された人が暮らす村。ラザロは人々に献身的に尽くし働いている。ラザロを兄弟と呼んだ彼と狼を呼ぶと、彼方から応える声。街>>続きを読む

グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

3.9

カトリック教会の聖職者による児童への性的虐待の長きに渡る犯罪と隠蔽の体質への告発。3人の被害者の視点から描く。地域に深く根差した信仰と教会への信頼。事実を知った上でも動こうとしないその内の体質。そして>>続きを読む

劇場版総集編 オーバーロード 漆黒の英雄(2017年製作の映画)

2.8

総集編なのでアニメシリーズ以上のものはないかな。異世界転生モノだけどアンデッドの骸骨の魔法使いが主人公。「課金アイテムだよ」に笑ってしまう。アニメシリーズ面白いです。続編楽しみ。