ノノさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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大地のうた(1955年製作の映画)

4.3

貧乏な一家に生まれた少年オプーが体験する大きな悲しみ。殆ど外に住んでいるような簡素な家、いつもお腹を空かせた兄妹。おばあちゃんと姉の二つの死が物語の大きな動きであるが、登場人物たちは淡々としている。西>>続きを読む

赤い影(1973年製作の映画)

3.9

終始不穏さが滲み出ていてゾクゾクする。娘の水死の後の不安定な夫婦が予言をする盲目の老姉妹の言葉に翻弄される。娘の事故の記憶からくる水の不吉さ、どこを歩いても川がある水の都ヴェネチアの街並みが不安を加速>>続きを読む

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

4.0

初めてのホセ・ルイス・ゲリン作品。
主人公の男が6年前にバーで話したシルビアという女性を忘れられずに街で似た女性を見かけて追いかける。やってることは完全にストーカーでかなり気持ち悪いが、街の風景があま
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光陰的故事(1982年製作の映画)

3.6

4人の監督による4つのオムニバス作品。前半2作は少し寂しくてノスタルジック、後半2作はコメディのようなタッチ。エドワード・ヤン目当てで見たけど1作目も好きだった。両親にあまり可愛がってもらえない男の子>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

4.0

異様な緊張感と生々しさ、ネオレアリズモの代表作。45年にこんな作品を生み出せてるのがまずすごい。酒に酔った将校が「人間の心までは支配できない、やってることは人殺しだ」と言うシーンの嫌な空気。みんな気づ>>続きを読む

天然コケッコー(2007年製作の映画)

3.7

中学生同士のキスを見るだけなのに夏帆と岡田将生の相性が良すぎてキャーキャー言ってしまった。のんびりした田舎の時間の流れは羨ましいけど、小さいコミュニティはどこまでも人付き合いがだるい。最初の線路のシー>>続きを読む

異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

3.7

ムルソーの他者に対する興味の薄さや反応の遅延が非情な人間であると見做されてしまうのが辛い。殺しとは別の出来事で人格を決められ裁かれる。愛や神に関心がなく全てが無意味であるという考え、どこまでも自分を貫>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.7

2人の恋路よりも異種エレメント同士の子供がどのエレメントになるのかが気になってしまった。最新のCG技術はほんとにやばい。脇から生える花を抜いて渡す子が個人的に超お気に入り。

禁断の惑星(1956年製作の映画)

3.6

人間の潜在意識が1番コントロールが効かなくて怖いということを教えてくれる。今見ると装飾がチープに見えるけど、結構デザインに力が入っていてかっこいい。特撮合成も56年の技術とは思えないレベル。IQ増幅装>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.9

ずっと見ないとなーと思って見てなかったスターウォーズ。素晴らしい宇宙西部劇だった。ライトセーバー誰か買ってくれ。レイア姫の変な髪型が気になりすぎて話が入ってこなかった。

スタスキー&ハッチ(2004年製作の映画)

3.7

ばかばかしくて本当に好き。ラスト、グラントリノの鍵を渡すときのカメオ出演アツすぎる。70年代の警官が着てる革ジャンかわいすぎ〜真似したい。

生き残るヤツ(1971年製作の映画)

4.0

激ハマりだったな。薬物から抜け出せない主人公JJが恋人や警察、薬の売人の間で翻弄される。ストーリー的には普通のヤク中クライム映画だけど、ショットがいちいち面白い。洗濯機の中に入れられて回されるシーン、>>続きを読む

ホース・マネー(2014年製作の映画)

3.8

ペドロ・コスタの静かさに慣れたつもりだったけど全然だめだった。かなりスローな作品で何度か寝落ちしてしまった。
ショットの力はとんでもない。構図や照明が被写体の身体を際立たせる。黒人の肌が光に照らされて
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マルタ(1974年製作の映画)

3.9

父親に甘やかされた育ったマルタが父親の死をきっかけに結婚した男が最悪のモラハラだった。ゲロ吐き中のプロポーズから夫の自己中ぶりが炸裂している。働くこと、好きな音楽を聴くこと、猫を飼うこと…全てに口出し>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見終わったらぼけーとなってしまった。
最初は安藤さくら演じる母親の視点からとにかく不穏な一連の流れを見せ、全てが見事に回収されていき本当に良くできてるな〜と思った。
性的マイノリティとかクィアの人に寄
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世界の始まりへの旅(1997年製作の映画)

3.7

車から映されるポルトガルの景色。故郷に訪れ、自らのルーツやアイデンティティを見つめ直す。ポルトガルの田舎道が美しく、少し寂しくノスタルジックに撮られる。犬が車を追っかけてくるのが可愛い。
マストロヤン
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Nora Helmer(原題)(1974年製作の映画)

3.6

1879年にヘンリック・イプセンによって書かれた戯曲をファスビンダーが映画化。当時の価値観としてはすごく挑戦的な内容の物語。屋敷の中で繰り広げられるドラマ、女性には1人でお金を借りる権利すらない時代に>>続きを読む

台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.3

早く結婚をして落ち着きたい女とまだフラフラしていたくて落ち着きたくない男。こうやって消滅していくカップルが世の中には沢山いそうだ。男は過去の栄光や思い出が忘れられなくて、それはエドワード・ヤンから見た>>続きを読む

地下室のメロディー(1963年製作の映画)

3.7

ほぼフランシスが大変なだけで笑っちゃう。
ストーリーが特別面白いわけではないけど、軽快な音楽がまじで最高に合ってる。侵入のときになんかもう一捻り欲しい感じ。
杜撰な計画、間抜けなオチ。プールに大量の札
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救いの接吻(1989年製作の映画)

3.8

フィリップ・ガレルの一家が出演。フィリップの映画に自分を出演させて欲しい、一緒に映りたいと懇願する妻。すでにこの映画でメタ的に実現してしまっているのがすごい。愛があるのかないのか、言い合いばかりの緊張>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

モーションキャプチャーのシーン気持ち良すぎる!!!
どこまでが映画内の現実でどこからが演じているのか、境界がないまま進んでいく。理解などできない。はじめに映されるマレーの連続写真。オスカーが「演じる仕
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.8

ドニ・ラヴァンの仏頂面大好き〜
アレックスはミレーユにのめり込んでるけど、彼女はまだ未練が残る。男女が出会ってしまっただけの映画。シンプルで良いタイトル。街の地図に"はじめて"を書き込んでいくアレック
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ラースと、その彼女(2007年製作の映画)

3.8

人形を紹介した時の兄夫婦の顔に笑ってしまう。テディベアに蘇生をしてるシーンもシュールすぎる。人間以外に恋をする人は一定数いる。東京歩いてたら車椅子に人形のせてる人と3回くらいすれ違ったことがある。
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.9

『ストーカー』のゾーンと惑星がほぼ同じということか。人の潜在意識に潜む望みを具現化する。惑星ソラリスはその惑星を覆う海が知性を持った有機体で、それがステーション内に客を送り込んでくる。ケルヴィンは自殺>>続きを読む

楽日(2003年製作の映画)

4.7

大きくて閑散とした映画館、そこにいる男たちはハッテン場として利用してる。映画を観るふりしながら少しずつ目当てに近づいては離れる。
スクリーンの裏側、映写室、トイレ、通路…閉館の日を迎えた映画館は暗くて
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カナリア(2004年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ良い。カルト教団が解散し児相に預けられたが逃亡した少年と偶然出会った少女のロードムービー。
警察から逃げながらフラフラと歩く2人のショットがどれも最高に美しい。強気なゆきの関西弁も良かった
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迷子(2003年製作の映画)

3.8

いきなりおばあちゃんの公衆トイレヤンキー座りから始まるの笑ってしまった。トイレから出たら3歳の孫が消えていて、とにかく探しまくるおばあちゃん。公園を走り回り、街中を走り回り、力尽きる。また、一方ではネ>>続きを読む

ときめきに死す(1984年製作の映画)

4.5

宗教ヤクザみたいな謎の組織から送られてきた男と、何も聞かされずその男を世話する男。また組織から送られてきた女の3人の奇妙な共同生活。ストイックに訓練に励むが、性格は幼稚で重々しい雰囲気を漂わせる工藤と>>続きを読む

私の夜はあなたの昼より美しい(1989年製作の映画)

3.6

音の繋がりでしか言葉を発することができない失語症の男と、人の過去と未来を見通す超能力を持つ女の出会い。オープニングかっこよくていい感じと思ってたら中盤何言ってんだかよく分かんなくなって、終盤鬼集中して>>続きを読む

シューティング・フィッシュ(1997年製作の映画)

3.5

可愛らしいイギリスのコメディ映画。もっとバカっぽい感じを想像してた。ジャケがかわいい〜
バキュームくんがんばったT^T

気のいい女たち(1960年製作の映画)

4.0

ベルナデッド・ラフォンの眼差しよ、、
カフェで食事してこのあと動物園行こ〜ってノリでキャッキャしてる女たち可愛すぎる。こうなりたい!!!
とにかく出てくる男が全員気持ち悪い。プールでジャクリーヌを沈め
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.9

あみ子みたいな男の子小学生のとき1人いたな。やっぱりみんなに嫌われてた。人の気持ちが汲み取れなかったり、自分の意思を曲げられなかったり…映画で見ると可哀想に感じるけど、実際近くで過ごしていたら私もお父>>続きを読む

ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.6

最後に感動的なラストがあろうとも、どの世界線も生きるの辛くて無理。世界線の切り替え方が凝っていて素敵。

(1989年製作の映画)

5.0

平手打ちで始まる映画。思春期の鬱屈した精神。クソみたいな生活の中にある弟と恋人との幸せな瞬間。暗く重々しい雰囲気の中で突然流れるthe theのthis is the dayに笑顔になってしまった。

夜の第三部分(1972年製作の映画)

3.9

シラミに血を吸わせるバイトってなんだよ泣
エンドロールのシラミはキモいのに何故か美しく見える。
チフスワクチンを作るために自らの血をシラミに吸わせて、そのシラミをちぎる作業を淡々とする日常、独創的でシ
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地下水道(1956年製作の映画)

3.9

ワルシャワ蜂起の悲劇。ガスと汚水まみれの地下水道を進む兵士たち、暗く出口のない空間で戸惑い、精神が崩壊していく。地下にいても地獄、外に出ても敵がいて地獄、八方塞がりの状況に見ているこっちも苦しくなって>>続きを読む