あさのさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

あさの

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ある女優の不在(2018年製作の映画)

3.5

深読みかもだけど、あの1本道のところに本質的なメタファを感じた。そんな簡単に外の世界と行き来できないよとでも言わんばかりに。
そして何より、村での伝統の力、恐るべし。

オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)

3.8

この差別の根幹にあるのは、男の「女はこんな汚い言葉が飛び交う場に来てはいけない」という勝手な理想によるものだと思うと、言葉を失う。あの見張り役がトイレから会場へ行くシーン、すごい。どうやって撮ったのか>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.2

大事な家族を守るため、一緒に過ごす大事な時間が削られていくとうパラドックス。ただカレーを家族みんなで食べてるだけなのに、それが特別に思えてしまう社会、やっぱり狂ってる。
大人は子どもの限界ボーダーを見
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ダンサー そして私たちは踊った(2019年製作の映画)

3.5

好きなシーン2つ。最後あたりの兄との会話のシーンとあのダンスシーン。

若き男同士の恋愛物語で終わらず、"伝統"を守ることの意味を考えさせる社会派な作品。当たり前すぎるけど、大事なのは形じゃなく、精神
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ザ・レポート(2019年製作の映画)

4.0

超極上の政治スリラー。どうしてエリート集団が暴走してしまうか、についてのダンの解説があまりに的確でつらい。それでも、人権ありきの国益を唱えて、それを実現可能しようとする政治家や国民がいるアメリカはやっ>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.8

きっかけは何であれ、自分たちだけではなく先祖のケジメまでつけようとする内容だなんて思ってもみなかった。都合が悪い歴史、自分が直接関与してなくても、そして魔法が使えなくても、できることは何かはあるかもし>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.0

その場はいいけど、その後悔の念はずっと背負っていくんだろうな。しかも長生きすればするほど、雪だるま式になってどんどんでっかくなって。挙句の果てに、ラッセルの最後あたりのあの一言。そりゃないぜって思うよ>>続きを読む

アルファ、殺しの権利(2018年製作の映画)

3.8

麻薬撲滅と意気込むが、ここまで隅から隅まで市民の生活に浸透していて、解決することが夢物語に思えてしまう。だって、そのお金で学校で勉強する子やミルクを飲んでいる子がいるんだから。そしてまさかの…だし。ま>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.8

”ジョン”が誰であろうと、大事なのはその意志。サラ・コナー、かっこいいどころじゃない!てか、カールおじさんかよ(笑)

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.5

中川監督は相変わらず、思っていることをなかなかうまく言えない人物を描くのが上手。でも今回はちょっと短すぎると感じた。いまいち澪が何を考えてるかわからなかった気もする。それはたぶん主人公が二人いたからだ>>続きを読む

カミング・ホーム・アゲイン(2019年製作の映画)

3.5

母の思い出の味に隠された母の苦労の日々。なんとかギリギリ気づいた主人公、でも遅すぎた。

完全な候補者(2019年製作の映画)

3.8

露骨にではないが、巧妙に男尊女卑の思想が社会全体に組み込まれてるのがわかる。染み込んでいるといったほうが良いのか。鍵を握るあのおじいさんの言葉、やっぱり個と個の交わりから変わっていくんだろうなあ。

ふゆの獣(2010年製作の映画)

3.8

いろんな考えや価値観をもった人間同士が本性をさらしぶつけ合う作品。部分的にわかるところもあるが、誰一人にも共感できない、けど傍観者としては面白い。

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.0

監督が伝えたいことが、いろいろと綿密に映画の中に組み込まれている。衝突、葛藤、選択…社会レベルで起きるんだから、家族の中でも、そして己の中でも起きて当然のこと。

観客が考えるスペースもたくさんあるの
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慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.0

その人と交わる瞬間は“現在”だけかもしれない。それでも、自分がそうであるように、その人にも同じように過去があり、未来がある。

“現在”以外のものに触れようとするとどうしても警戒心が強くなり、でもそこ
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逆光の頃(2017年製作の映画)

3.8

人生のうち、一回くらい何か勝てないものに歯向かってもいい。
逆行したっていい。

でもなんだこの刹那的な撮り方。好みです。

i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

4.0

望月さんをみて、時には周りを振り回しちゃうけど、でも芯があり、愛される、こういう人いるなあ~と思った。
カリスマとはこういう人のことかもしれない。

この映画で望月さんは主役なんだけど、彼女を支えてい
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

4.5

いい意味で言葉が全く役に立たないと感じる映画だった。傷つくことが何よりも怖いから、本当のことを言葉にできない。それを隠すために、本音でもないことを言ってしまう。その傾向がひょっとしたら、近頃ますます強>>続きを読む

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

4.0

癒やしをもとめポップコーンをお供に見たところ、後半、手が止まっていて、気づいたら涙とともにエンディングだった。アイディアさえあれば人の心はいくらでも震わせられる。

見えざる人生(2019年製作の映画)

3.5

家族にもだけど、時代に翻弄された人たちだった。「今の時代だったら…」と思ってしまうが、その儚さも作品の魅力なんだろうな。でもちょっと長く感じた。

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.0

とてもよく出来た作品。集団の悪しきところが鮮明に描かれている。人間と猿の違いを作り出すのは何か?規律を重んじ、権力闘争があり、守れないものには罰を与える…こうしてつめていくとほとんど変わらない気がする>>続きを読む

ファヴェーラの娘(2019年製作の映画)

3.8

主人公タチの話というよりは、あくまである娘がファヴェーラというエリアで生まれ育っていくことは、どういうことかを教えてくれる作品。ファヴェーラに飾り言葉をつけるとしたら、「未だ変わらない」かな。

国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.5

問題の根を末端まで突き止めて行ったら、責任ある人物がいいニュースしか聞きたがらないってとこにあるんじゃないかと思った。そしてそれって、いつの時代でもどこの国でもあったはず。たぶんそういうところはみんな>>続きを読む

夕陽のあと(2019年製作の映画)

3.5

(結果的にだけど)足を使ってまでも相手の立場をなんとか理解しようとするところ、すっごくよかった。ブリにあんな意味を込めていたとは、、、。

ひとよ(2019年製作の映画)

3.3

本人よりも周りの人生が振り回されるように見えるのは、やっぱりその人に覚悟があるかどうかの違いじゃないのかな。張本人なのにも関わらず、どっか傍観者的な感じ、田中裕子さんがはまってた。

ドリーミング村上春樹(2017年製作の映画)

3.8

少しでも"ムラカミ"の意に忠実に訳そうと、単語一言にも主人公はめちゃこだわる。それは彼の作品が読者任せの空白やスペースが多いからこそ余計にそうなんだろうな。実際に、世界中のムラカミファンと話たら、案外>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.8

どんなものも時代によってどう評されるのかが変わってしまう。一言で言ってしまえば、トレンドということか。何だかむなしい。
ゴッホの目、ゴッホと話す人の目、今を生きる観客としての私たちの目、三つの視点が混
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.5

原作のとがった箇所をうまく磨いて、それぞれ丸みを持たせた印象。
主役の2人はまり役。音楽がさらに物語をドラマチックにしている。

最初の晩餐(2019年製作の映画)

3.8

家族とご飯のコンビは最強だね。何がどんな味だったかよりも何を誰とどんな時に食べたかがずっと深く想い出に刻まれる。

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.5

「負けず嫌い」という二人の共通点が原因なのか、一度ズレてしまった歯車がどんどんと動かなくなっていく様はやぱり悲しい。待ってましたとばかりにビジネスチャンスに目を輝かせる弁護士二人も、当の本人たちからし>>続きを読む

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.8

まるで音楽が心情を語っているかのようだった。映像の入れ替えも効果的で、状況説明はそこまでセリフにせずにあくまで見る者の想像力まかせ。奇妙だけど、見るたびに感想が変わりそうな映画。