atsukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.5

時がキム・ヨンホを変えてしまったけど、ペパーミント・キャンディーの味だけは変わらないで欲しい。販売中止なんて論外だからね。

メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

2.0

スプーン一杯のお砂糖があれば良かったのに、わざわざスポンジを焼いて、生クリームを泡立てて、苺を乗せて、ショートケーキを作っちゃった感じ。そうしたいのは分かるけど、そうじゃないと言いたい。こんなリターン>>続きを読む

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

5.0

コーヒーにスプーン一杯のお砂糖を入れてみたりするけど、程よい甘さが癇に障るだけ。それはメリー・ポピンズに出会っていないから。

デイアンドナイト(2019年製作の映画)

4.0

描いた緑色の空を否定された奈々が「見たことないだけ」と反論するけど、そのグリーンフラッシュがいつ見えるのかと言えば、昼と夜の間。つまり、善と悪の間。だから彼女の絵描きとしての未来だけが希望、だと思いた>>続きを読む

がっこうぐらし!(2018年製作の映画)

3.0

「アイドルじゃあるまいし、ドン引きです」って言うけど、アイドルじゃんね。だから凡庸な籠城生活もアイドルということを考えれば、どうしても有限的なアイドル生活を皮肉ってるように見えたり、見えなかったり。ラ>>続きを読む

夜明け(2019年製作の映画)

4.0

孤独な魂が寄り添って、家族になろとした。だからカメラと共に人間関係がふらふらと揺れている。しかし、そうなろうとするほど丸鋸のように回転して、人間関係は切断されていく。余談。タラ・ジェイン・オニールの『>>続きを読む

淑女と髭(1931年製作の映画)

4.0

「おゝ髯よ!!髯も岡嶋が学校を出ると共に社会へでなければならなかった」と。「髯を剃る/刈る」という行為から始まるボーイ・ミーツ・ガールとイニシエーション。ステレオタイプ云々も。『ローマの休日』に於ける>>続きを読む

東京の合唱(コーラス)(1931年製作の映画)

4.0

「熊が逃げ出したって僕等の人生には何の関わりもないぢゃありませんか」と言うけど、義のために他人の人生へ加担していくのが主人公。生活は転落するけど、人脈は広がる。それが複数人でしかできない合唱へと繋がる>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.5

わたしとあなたとぼくらとあのひと。愛にたどり着くまでのエモーション。限定版のクライマックスではなく、どこまでも誕生の物語。最初のスーパーマンは飛べなかったけど、万感の想いが世界を駆け巡っていた。

落第はしたけれど(1930年製作の映画)

3.0

落第とは、学生を続けるということ。カンニングに精を出している経済学部が大人になるのはまだ早い。

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

4.0

ビアンカ「I will go to war. Don't let you down. Won't let you down.」

朗かに歩め(1930年製作の映画)

3.5

アメリカ映画に傾倒してるからモボ・モガでハイカラ趣味。窓ガラス清掃ってのが良いね。まさにヤクザから堅気へとひらけて曇りなく晴れやか。

その夜の妻(1930年製作の映画)

4.5

患部を冷やす氷嚢、外れた受話器、ぶら下がったブランコ(ゆりかご)という宙吊りのモチーフ。つまり、サスペンス。大病になった子供が峠を越えるか、超えないか。強盗をした夫が捕まるか、捕まらないか。妻と刑事は>>続きを読む

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

4.0

貴社の言葉を考えれば、やりたい事とやれる事を割り切って、やるべき事を見つけなければならない。プライドもあるけど、敷かれたレールの上を走る電車の推進力は途轍もないはず。

突貫小僧(1929年製作の映画)

3.0

突貫だから攫われるどころか、追いかけてしまう。

和製喧嘩友達(1929年製作の映画)

3.5

誕生を匂わせるタマゴの落下と門出を祝うトラックの並走。ひとりの女性を救い出す物語として美しいけど、欠落のせいで「喧嘩は神聖だ!やるだけやらせろ」の部分がどうしても少ないから諦めがいいように見えてしまう>>続きを読む

学生ロマンス 若き日(1929年製作の映画)

3.5

反時計回りだった世界劇場が、時計回りに変わる。ぐるぐるぐるぐると。「SMACK FRONT ONLY」だからナンパは上手くいきそうもない。テストのカンニングもそう。ただそれも”若き日”ゆえなのか。そし>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

5.0

「東京にね、私、会いたい人がいるんだ。誰かっていうと…その人はね、お風呂で寝る人なんだよ」ってね。ソファでもなく、床でもなく、バスルームなんだよね。しかも、鍵をかけるのね。甘美なやるせなさ。まさに「ま>>続きを読む

アストラル・アブノーマル鈴木さん(2018年製作の映画)

3.5

どうしようもない奴らってのは変わらないけど、特別になった妹と特別になれなかった姉という双子/家族喧嘩だからこれまでより厭な感じ。ただ大野大輔監督の光るワードセンスが影を潜めてたのかな。そりゃ松本穂香に>>続きを読む

アウェイ・フロム・ハー 君を想う(2006年製作の映画)

4.0

アルツハイマーの妻が記憶を忘れるたびに、元来浮気性の夫が記憶を思い出す。闘病ものでありながら、わたしとあなたの離れる/離れないという関係性によって『クマが山を越えて』の通り、容易な感動が生まれない。そ>>続きを読む

ハルチカ(2017年製作の映画)

3.5

チカが廃部寸前の吹奏楽部を復活させる。吹奏楽部が挫折しそうなチカを復活させる。ラストは高山一実 個人PV『進路指導』に於ける「聴こえる…」の、その先のヴィジョンとして美しいファンタジーだった。

あの女はやめとけ(2012年製作の映画)

4.0

誰が、なぜ「あの女はやめとけ」と言うのか?それが=ドタバタ騒動の原因になってる。つまり、温泉旅行はすべて計画されたものではないのかと思ってしまう。そうして、逃げられた男と不倫相手、犬と婚約者、絶望と絶>>続きを読む

MOOSIC PRODUCTS!/nico(2012年製作の映画)

4.5

今泉力哉監督のモチーフ全部盛りという感じ。恋愛観は『パンとバスと2度目のハツコイ』へ。生死観は『退屈な日々にさようならを』へ。もちろんムーラボだから『tarpaulin』『早春の発熱』に繋がるような音>>続きを読む

囚われの美女(1983年製作の映画)

4.0

ルネ・マグリットの絵が動いたと思ったら、その画の中で更にエドゥアール・マネの絵が動き出すという楽しさ。パラフィクション的に登場人物が参加しているのも羨ましい。表面はあらゆる深さをかわす。あるいは底なし>>続きを読む

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.5

「横滑り/glissement」はバタイユ、あるいはロザリンド・E・クラウスからだと思うんだけど、まさに漸進的な快楽によって物語が横滑りしてる。刑事の「やれやれ。また最初からかよ」みたいな台詞が全てを>>続きを読む

ハード・コア(2018年製作の映画)

4.0

‪「自信がないからハードボイルドで誤魔化してるだけだろ」という言葉に痺れる。結局のところ、テロリストだってそういうことでしょ?右近も曲がったことが大嫌い。渋谷ハロウィンで盛り上がったパリピに鉄拳制裁を>>続きを読む

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

4.0

司祭の「試練の厳しさに理性や平常心を失いがちだが、信仰心は残っていると感じる」という言葉を聞くと、結局のところ、宗教は恩寵のようなものを受けることが目的じゃなくて、受けられると信じる過程のことを言うの>>続きを読む

白夜(1971年製作の映画)

5.0

お互いの素性を語り合う男女。ジャックはテープレコーダーに妄想を吹き込み、マルトは手紙に想いを書き込む。ジジェクの言葉を借りれば、男は自分の幻想の枠組みにぴったり合う女を、女は男の幻想の枠組みにぴったり>>続きを読む

ドイツ零年(1948年製作の映画)

4.5

どうしてエドムンドは『Ombra mai fù』を聴いて、目を閉じたのか。「もろもろの観念と人間生活の根底にある道徳観と信仰が崩れ去ったとき、イデオロギーの偏向は犯罪と狂気を創り出す。それは子供の純粋>>続きを読む

何食わぬ顔(2003年製作の映画)

4.5

私はあなたではないから何食わぬ顔で話し始める。あなたは私ではないから何食わぬ顔で聞き流せない。そうして私とあなたはすれ違う。なぜ話してしまったのか。なぜ聞けなかったのか。しかし、どちらも大したことでは>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

4.5

「顔も見たくない」と言えるのは、顔を見ていたから。見たことない顔を見たくないとは思わない。見たくない顔を見ないために、見たい顔や見たことない顔を見ようとする。それは逆説的に、なぜ見たくない顔なのかを知>>続きを読む

戦火のかなた(1946年製作の映画)

3.0

戦火が隔てたもの。イタリアのかなたがオムニバス形式で繋がっていくが、パイサを呼ぶ声は聞こえそうもない。ただ日本公開の際に、検査によって5分の1もカットされながら「すさまじいの一語につきる」と評価された>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

4.5

イングリッド・バーグマンを狂乱させ、不倫に走らせたという事件がネオリアリズモの衝撃を物語ってると思う。フェリーニの脚本も良くて、「死ぬのは難しくない。生きるのが難しい」というようなシリアスさがありなが>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

5.0

ミシェル・レリスが「演じられた演劇」に対する「生きられた演劇」という概念について、エチオピア人の”ザール”という憑依儀礼を挙げているんだけど、その現象は誰かの立ち会いのもとでしか起こらないらしい。だか>>続きを読む

記憶の香り(2006年製作の映画)

2.0

カサヴェテスの『ハズバンズ』が濱口竜介監督の支柱にはあるらしいから、『PASSION』の猫とか、『不気味なものの肌に触れる』の彼女とか、『親密さ』では戦争、『ハッピーアワー』では失踪、『寝ても覚めても>>続きを読む

遊撃(2006年製作の映画)

3.0

愛の遊撃。つまり、海での告白は「攻撃すべき敵を前もって定めず、機に臨んで適宜に攻撃すること」なんだろうけど、それ以前に、ハワード・ホークスの『脱出』のようなタバコに火を付けるという行為が、私とあなたの>>続きを読む