atsukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

4.2

ノスフェラトゥ!血も凍る名前。伯爵の古城、そこは病に罹る場所。吸血に於いて、血そのものは見えずとも鮮血を連想させ、この"軋む"ような世界感覚から、言葉を借りれば「レッドワイン、カンパリ、またはトマトジ>>続きを読む

デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

5.0

暗く深い闇と光の中の"純潔"と"悪夢"、愛娘を『快楽の園』と共に置くように、彼の"アート・スピリット"とは、混沌でありながら紛れもなく「幸福」であるのだ。あゝ、退廃にこそ救済があるのか!夢なんかよりも>>続きを読む

ダークタワー(2017年製作の映画)

3.4

渋い声のイドリス・エルバと甘い声のマシュー・マコノヒーの漫才。「いい終末(週末)を」とか言っちゃうんだから。それに巻き込まれた少年のファンタジー!父親を失った者同士のバディものから、擬似親子の形まで。>>続きを読む

美味しい美女/グルメな歯医者(2017年製作の映画)

3.0

"絶望の愛の天使"に導かれて、ダークでポップなカニバリストとベジタリアンのラブロマンス。パートナーを噛んで、美味しいと言えるのか!喰ってしまいたいくらい愛したい。

ノー・ドロウニング(2016年製作の映画)

4.2

ガムを噛む。息を止める。そして、願いが叶う。



続きをお楽しみならー
硬貨を入れてください。



ユートピアで溺死なんてしない。硬貨から月という円形のイメージの連続とそれによる"破壊"が美しい。
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デトロイト(2017年製作の映画)

4.4

ビグロー産のレベルが違う臨場感で魅せるのは、差別からなるこの理不尽な暴力。具合が悪くなるほど酔ってしまった。しかも、吐きどころがない。「Why don't you like me?」という問いにさえ、>>続きを読む

白い少女(1958年製作の映画)

5.0

少年の初恋が、張り巡らされて、すれ違う地下鉄に集約されている。エスカレーターがポエミーな幻想世界へと誘い、またゆっくりと現実へと引き戻す。電車が近づいて、離れて行くあの視点。それだけで、この恋模様が遣>>続きを読む

パリ廃兵院(1951年製作の映画)

-

武器や鎧の並ぶ軍事博物館。雄々しさと共に、元は廃兵院としての姿が見える瞬間では傷痍軍人、はたや戦争そのものの痛ましい記憶まで思い起こさせる。

ジョルジュ・フランジュの"現実の強度"たるや!

獣の血(1949年製作の映画)

5.0

この呼吸するように生きている街が、どれほどの"命を頂いている"のか?いやはや頂かなければ、愛を育む接吻然り、生命の営みも行えないではないか!獣肉処理場に流れる血へ敬意と感謝を払いながら生きて行く。>>続きを読む

ラザール(2016年製作の映画)

4.4

美女と童貞。ゴールドとセックス。
出会い系に於ける諜報と策略。出会ってはいけなかった。出会わなければ良かった。花束を持つ少女とBlow off steam.

サマードレス(1996年製作の映画)

4.0

1つのサマードレスと2つのセックスが、ある男のセクシュアリティを肯定させる。自転車が海まで繋げるが、海から出る船には乗らない。そして自転車が、また家まで繋げる。行きて帰りし青春物語。

死と父と息子(2017年製作の映画)

3.6

天使になりたい死神。
レールに敷かれた人生からファンタジックに飛び立つ。しかし、そう生きる事がどこか恐ろしい。

馬芸(1895年製作の映画)

-

馬に乗れないという不条理。
しかし、それは芸であり、喜劇!

水をかけられた散水夫(1895年製作の映画)

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【大爆笑】散水夫に水をかけてみたらまさかの結果に!?

ラ・シオタ駅への列車の到着(1895年製作の映画)

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カメラは静止しているのに、被写体のアクションだけでこんなにも優々たる動きを表現出来るのか。まさしく"映画の時代"がやって来る事を、列車の到着で魅せるとは!3D映画。

キュア ~禁断の隔離病棟~(2016年製作の映画)

5.0

病的な"社会階級"への執着から健やかなる天国を目指して行う瞑想的治療。人生なんてミスリードだらけ。水に溺れるか、鰻に喰われるか。拷問のような日々から"御話"の中へと逃げてゆく超現実的ラブロマンス。I'>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

5.0

マーマレード的ユートピア。イギリスの在るべき姿がパディントンという紳士に集約されている。はたや理想郷とは反する様に、ドタバタで魅せる破壊の美学たるや!つまり、家族を再構築する為に、剥製女師との闘いは必>>続きを読む

ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

3.4

カルト邪教とクトゥルフに導かれて、"死"を無限に続く虚無空間として捉えた「Void」世界を見るコズミック・ホラー。人間が宇宙の秩序の一部になって行く感覚、これは愛だ!失ったなら創れば良い。Bye an>>続きを読む

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生(2017年製作の映画)

4.4

視力を失っても、夢は見失わない。舞台となる"ホテル"という場所に、世界の、人々の理想が集約されているからこそ、サリヤの精神を通して、そこに訪れた者のぼやけた明日を輝かせる。見えないという恐怖や見え始め>>続きを読む

68キル(2017年製作の映画)

4.2

利他主義で気弱な男が、どうしてトチ狂ってしまったのか?

全ては"貧困"にある。「6万8000ドル程度で…」と言うのならば、その人は余程潤っているのだろう。額に構わず、人は金の為なら狂える。正気なんて
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狩人の夜(1955年製作の映画)

5.0

"LOVE"と"HATE"をめぐる説教のように、単純でありながら不純一な"時空間"が、映画狂の為に、映画を介して、日常を混沌なるメルヘンへと誘う。その「夜」に踏み込めば、「狩人」として、"救い"と"解>>続きを読む

バッド・ママのクリスマス(2017年製作の映画)

2.8

聖夜にママのママがやって来る。

前作のエンドロールで魅せた"リアル"を、わざわざフィクションとしてやり直す必要があったのか?そこでグランマを加えた事によって、各々の描写にムラがあるし、結果としてハン
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トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

5.0

世界の一部となって行き、運命の歯車に背中を押されながら大海原へと向かう。そして、彼らは決して止まらない。たとえ"死"という存在に直面しようとも。それらが全て「長回し」というリアリティに集約されるのだか>>続きを読む

ブライト(2017年製作の映画)

4.1

人間と亜人が共存し、善悪の境界がない無法地帯をロスのストリートに詰め込んだ事で、まさしく話を聞かない「発狂する時代」を痛烈に、愛おしく描いた。人間が魔法の杖を、悪魔が銃火器を、血みどろで埃まみれの場所>>続きを読む

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.9

世界が、人間からあらゆる"豊かさ"を奪った時、心まで裸になった家族が固い絆で結ばれ始める。それは現代に於ける偽物だらけの繋がりを全て否定するかの様である。

これはブルジョワに対して、同じ事をして見せ
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美しい星(2017年製作の映画)

3.6

この星で美しいと思えるものがあるのか?

「覚醒」という過程を経て、その美しさを知った時、それが人類という繋がりに於いて、異なるものだとしても胸を張って誇れるか?信じられるか?それを肯定した後のラスト
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

5.0

暗闇に埋もれた過去の恐怖や痛みを、美しき愉快な夢で照らし出し、人生への救済と再構築を起こす。この迸るエネルギーを浴びながら、ホドロフスキーの、また観客の現実(リアリティ)が踊り出す。

アルファベット(1968年製作の映画)

4.5

『イレイザーヘッド』の原型。妻の姪が悪夢に魘されながら、「ABC…」と口遊んでいたところから着想を得たと言う。噴き出す「血」のイメージからも、これは妻視点であると取れるだろう。題の『アルファベット』が>>続きを読む

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

4.6

処女作『大人は判ってくれない』から一変、厄介な兄貴と華麗な美女たちや2人組のギャングに翻弄されながら、主人公が人生の追憶と共に辛酸を舐めさせ続けられるフィルム・ノワール。

パルプ的な犯罪小説を下敷き
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詩人の血(1930年製作の映画)

5.0

生きた人間を使ったアニメーション映画は「フェニクソロジー(不死鳥術)」というジャン・コクトーの詩人の定義を下し、永遠の生を手にする作品となる。

芸術愛好家で名門貴族の子爵夫妻から100万フラン(約1
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ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

5.0

全ての夢を無くし、眠る事もできない。
全ての涙は枯れ、泣く事すらできない。

雷が轟き、稲妻が走り、夜が恐怖に満ちようと、だが、そんな事どうとでもなれ。冬が来て、木枯らしが吹き、お前が年を取ろうとも、
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反撥(1964年製作の映画)

5.0

今ある日常に於いて、何気ない嫌悪や不安が広がり、彼女を蝕んでいく。肥大化したそれらは、妄想を空想へ、空想を幻想へ、そして幻想を現実へと凱旋させる。亀裂が走る地面を見て、自分の存在の不確定さに怯えるほど>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.5

ノーランやザックの神話性から暗い絶望感までをも一蹴する様に、温かみに溢れるDCEU最新作。

しかし、愛娘の自殺という悲しい事件が起こり、ザック・スナイダーが降板。後任として敵手MCUを手がけてきたジ
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.1

偽物で溢れ、孤独に目を瞑る現代で、スタジオライカはストップモーションアニメという形ある物語で救いを与える。三味線が轟き、折り紙が息吹き、深い愛が導く旅の果てで見つけた永遠なる心の在りどころ。懐かしさと>>続きを読む