シーンを重ねるごとに陰が増していくオーソン・ウェルズのこってりした顔圧。モノクロームの凄まじいコントラスト。歪んだカメラワークや悪夢的な画面構成。シェイクスピアの原作を切り刻んでスピーディに突き進むス>>続きを読む
本編に関しては、これはもう本当に完璧な作品なので、今さらここに書くことも大して思い浮かばない。問答無用の★5である。壮大な物語のいわゆる「導入部」を描いたアニメにおいて、果たして本作を超えるものが存在>>続きを読む
まさか劇場でラドンを目にする日が来ようとは......。それだけで既に感動ものだが、今回の4Kリマスター版はとにかくテクニカラーの発色が素晴らしい。大空の青、草原の緑、消防車の赤、ヘルメットの黄色。何>>続きを読む
ただただ歪な映画。復讐譚でありながらまるで体温が感じられない。日常的な業務をこなすかのように、淡々とメカニカルな殺戮を繰り返す藤岡弘。彼はとにかく人を殺す。ターゲットとなる人物はもちろん、復讐に協力し>>続きを読む
はい面白い。クソ面白い。情の欠片もない暴力の連続。純度100%のバイオレンス映画。冒頭、出所シーンの密度の高い画作りから既に引き込まれる。夜の街明かりを浴びて、青白く浮かび上がるクリストファー・ウォー>>続きを読む
ミニマムでおもしろい! ソダーバーグ最近何してるんだろって思ってたけど近年はスマホで映画を作ってるらしい。本作も画の質感やカメラワークを見る限り多分そう。話自体は『裏窓』×『カンバセーション…盗聴…』>>続きを読む
フリッツ・ラングがシニカルに描く中年の哀愁。同じフレーズを繰り返すレコード、ノイズのせいで聴こえなくなるラジオ、そしてエプロン姿で包丁を握るエドワード・G・ロビンソン!という不穏な演出の連発が良い。
ニューヨークのハーレムを舞台に、刑事/ギャング/マフィアが三つ巴の激しい抗争を繰り広げる様をドキュメンタリー・タッチで描いた一作。当時のNY暗黒街の混沌とした空気感、黒人/白人の複雑な対立構造が、フィ>>続きを読む
ザッツ平成初期!って感じで好き。パソコンの起動音、ダイヤルアップ接続の音、キーボードを叩く音がただただ心地良い。余計なナレーションを一切挟まず、画面に文字がふわっと浮かび上がるだけのチャットシーンも斬>>続きを読む
めっちゃ教養を求められるタイプの難解なイミフ映画かと思ったらそうでもなくて、わりとそのまんまの話だった。リンチ映画っぽい登場人物の心象風景を具現化した悪夢迷宮が続くのかと思えば、最後の最後でクローネン>>続きを読む
試合シーン、呼吸さえ忘れた。
頭の中で思い描いていたあの瞬間が、あの躍動が、見事に映像となって画面の中で生き生きと描かれていた。賛否の別れたCGアニメの部分に関しても、カクつくシーンや不自然な体の動き>>続きを読む
ビッグ・ヒート! タイトルもシンプルなら内容もシンプル。愛する妻をギャングに殺された一匹のはみ出し刑事が、問答無用で復讐に挑む正統派フィルム・ノワール。主人公と妻の間に紡がれる「愛」がやたらとクローズ>>続きを読む
奥さんの幽霊(普通に生きてる)登場→ベラ・ルゴシ覚醒→ノリノリで絞殺→警察登場→関係ない奴が捕まる→ふりだしにもどる......コントのような反復が同じようなアングルで延々と続くので頭がぐるぐるこんが>>続きを読む
暴動の始まりを告げる警察署大襲撃→アテナ団地への移動をワンカット撮影(メイキング見る限り疑似?)でやっちゃってるオープニングにはぶったまげたし、タイトルの入り方や黙示録的ムードも完全にキマっていてすげ>>続きを読む
平泉成「俺は変態なんだ」
満月の夜に男を狙う快楽殺人鬼の女と、ブドウ農園を経営するオッサン刑事が織りなすラブロマンス(?)。相変わらず平常から狂いまくっている桂千穂脚本。殺人シーンになると必ず現れる>>続きを読む
なるほど確かにおおよそ無駄という無駄が見当たらない映画である。台詞回しは最低限だし、カット割りにも無駄が無く、カメラワークと照明が弛緩する瞬間は微塵も無い。劇伴に関しても、bgmは一切使わず列車内の音>>続きを読む
原題の『D.O.A.』ってDead or Aliveの略だと勝手に思ってたけど、正解はDead on Arrival(到着時死亡)だった......という己のアホさ加減はどうでも良いとして、とにかく本>>続きを読む
筒井真理子が犬になってバウバウ吠えたり押入れの中で池松壮亮とイタしたりしてて、なんかこう、すごかった。それに対する市川実日子のいつもジャージのダル着で亡霊のような存在感を放ってる感じも良かった。
あ>>続きを読む
フリッツ・ラングによる名作『M』を、不穏な映画を撮らせたら右に出る者はいない天才:ジョセフ・ロージーがリメイク。さぞや不気味な作品に仕上がっているのだろうと期待していたのだが、これが意外と無難な出来で>>続きを読む
どこまでも無邪気で純粋に生きてきた子供たちが、はじめて死と現実に対峙する物語。死者は蘇らないし、この世は優しい人間ばかりではないし、人は好きな人と必ず一緒になれるわけではない。そんな当然のこと、しかし>>続きを読む
ムキムキマッチョ三人組が犯した最悪最低な誘拐事件をマイケル・ベイがブラックユーモア全開で映画化。冒頭から「俺は強い!俺はビッグだ!」と言いながら汗だくで腹筋するマーク・ウォールバーグが出てきて吹いてし>>続きを読む
ストーリーだけ見ればまるで中年おっさんのヒドいエロ妄想(ロマンポルノってこんな話ばっかり)なのだが、やたらと画がキメキメなのでそこは素直に良かった。空き地にポツーンと佇むコインランドリー、コンクリート>>続きを読む
そんなに期待していなかったこともあって、結構おもしろかった。導入部から演出と作画力がぶっ飛んでて物語にグッと引き込まれたし、タイトル・インも鳥肌が立つほどのカッコ良さ。戸締まりをしながら旅を続けるとい>>続きを読む
悪人絶対ブッ殺すマンなダークヒーロー・パニッシャーがバイオレンス盛り盛りで大活躍! ギャングだろうがマフィアだろうが街の平和を乱すゴミクズはとことん皆殺し! 最高すぎるだろオイ......。ジジイの華>>続きを読む
清々しいほどに悪い人間しか出てこないんだけど、それは生き抜くため、己の目的を成就するために獲得したものだから何だか憎めない。若尾文子の「わるいおんな」っぷりも素晴らしいが、伊藤雄之助率いるあくどい一家>>続きを読む
美女ばかりを狙う犯行といい、ミスリード狙いの怪しい登場人物たちといい、ほとんどがジャーロやスラッシャー映画の文法。隙間から覗く殺人鬼の目なんかは、『暗闇にベルが鳴る』がそっくりそのままパクってると思う>>続きを読む
『デジャヴ』
心霊映像ものでいつも感心してしまうのは、こんなにも禍々しいロケ地を毎回毎回どっから見つけ出してくるのか、ということ。この話のラストに登場する夜の吊り橋も本当に不気味。そして橋の上に置かれ>>続きを読む
完全にFPSホラゲー絶叫プレイをやっちゃってる前半と、ガッチマン並みにサクサク進めていく強くてニューゲームな後半。「きさらぎ駅」という二昔くらい前の古ーい題材を現代風に再構築しようとした工夫は確かに買>>続きを読む
元祖・バディもの刑事ドラマの一作。まだ青臭い新人刑事の三船敏郎と、叩き上げベテラン刑事の志村喬が、盗まれた一丁の拳銃を求めて街の中を歩き回る。靴底をすり減らしながら、ひたすら地道に。三船が復員兵を装っ>>続きを読む
Never surrender!
フリッツ・ラングのナチスドイツに対する長年の怨み憎しみが大炸裂した反ナチプロパガンダノワールの傑作。徹頭徹尾ナチスを極悪集団として描き、彼らの独裁に苦しむチェコ市民の>>続きを読む