おてつさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

おてつ

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バッド・テイスト(1987年製作の映画)

3.0

長閑な街の全住人が謎めいたエイリアンに抹殺される。彼らの目的は人間の試食。そして、人肉を全銀河系にチェーン展開するファースト・フード店で大々的に販売を試みていたが…。常人には到底理解し難い荒唐無稽な世>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

終電を逃し、邂逅を果たした大学生2人。“恋の始まりは終わりの始まり”。徹頭徹尾、微笑ましい会話劇、ワードセンス冴え渡る心の声、そして切り取る場面すべてが軽快でうまみに溢れる中で、人生の甘みだけでない苦>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.4

 身寄りなき男を拾った義理人情溢れる組長との父子の契り。しかし、異質を撥ねる世間の潮流に淘汰されゆく“家族”の繋がりと一人間としての権利。古き良き時代と新しく得たものの心地よさ、褪せる輝き、それでも忘>>続きを読む

トレマーズ(1990年製作の映画)

3.5

シンプルな事を大仰にやる感じ堪んなく良い。あと、棒高跳びの場面、頭悪くて好き

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.0

TVの名探偵トトに憧れる少年。出生時、裕福な隣家の子と取り違えられたと信じていた。父と姉の死。その火付け役である隣人への恨みと妬み。少年は大人になり姉の俤がある女性と出会い、互いに愛し愛され、それでも>>続きを読む

トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.8

妊娠の際、図らずも平手打ちで怒る父を殺し、恋人にも裏切られた16歳の少女と手榴弾を持つ奇妙な男との邂逅。毒親、DV、出産して結婚するか中絶か…。2人は互いに強い共感を抱きながらも何かが足枷となり足並み>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.0

午後ローで久々の鑑賞。
毎回、マギーの家族にイライラする。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.0

徐々に躁鬱に陥る妻とそんな彼女を愛しながらも抑圧的な態度を取る夫。日常に孕む狂気。見せかけだけの“愛してる”という言葉。その波長合わぬ虚飾と偽りの時間が共依存的に2人を狂わせるが、それでも見えてくる愛>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.0

超近代的な家で余りに合理化された生活に居心地悪さを感じる息子は母の兄であるユロ伯父に親しみを持ち接する。伯父の自由奔放さというのは、ある面で現代的思考に縛られた我々に大事な何かを示す。エスプリ溢れるジ>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

5.0

多民族国家マレーシアが舞台。人種、宗教、言語の違いが醸し出す根深い対立。その偏見と憎悪に満ちた世界を優しく包み込む無垢な眼差しから見た、軽やかに壁を越える人間の恋する心の美しさ。そして魂を直に揺さぶっ>>続きを読む

細い目(2004年製作の映画)

4.5

金城武が大好きなマレー人の少女と海賊版の香港映画VCDを売る中華系の少年の邂逅。一目惚れからの“恋する惑星”でのアプローチ。相手の長所も短所も全て受け入れるのに5分もかからない。それが初恋-周囲の目を>>続きを読む

告発(1995年製作の映画)

4.8

アルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ実際の事件を軸に若き弁護士と囚人の友情を描く。更生を期す場所である筈が俄かに信じ難い虐待と倫理に悖る体制により受刑者を狂気たらしめるという圧倒的皮肉。国の陋習、横暴>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

4.0

心の穴を埋めるべくアイドルに全精力を傾倒する青年。一癖も二癖もある最高の仲間と共にくだらなくも愛おしい時間を通して見えてくる“今この瞬間が一番楽しい”ということ。青春を送るのに年齢なぞ関係ないし、人生>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.0

1989年12月6日、モントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件を元にした傑作。モノクロームによる閉塞感。反フェミニストの男と無差別に殺害される女学生たち。事件当時の日常が突如奪われゆく悪寒と、事件後>>続きを読む

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

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 ウォークアバウト真最中のアボリジニの男と白人姉弟の邂逅。喧噪雑踏に包まれる都会と雄大な自然の対比は然る事乍ら文化も言葉も異なる者同士が厚い友情を育むこと、そして全ての人が一様に恋をするという摂理、そ>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.2

 前科を持つ男が神父を偽り、人々に教えを説くという鮮烈なものだが、実話に基づいている。犯罪者が聖職を全うする禁忌。全編を通して浮き足立つヒリヒリとした緊張を孕みながら人としての善と悪を劇的かつ大胆に描>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

5.0

 独善的な愛と利益の為にWWⅡ後も戦争終結を告知されず地下に隔離され、ナチスは忌敵だと教示される人々。喜劇と悲劇。映画と現実、嘘と誠といった虚実が綯交ぜに映し出され、観客は狂騒と惨劇の渦に巻き込まれる>>続きを読む

息もできない(2008年製作の映画)

5.0

【オールタイムベスト級の超絶傑作】
 愛を知らない男と愛を夢見る女子高生の邂逅。抑えきれない憤懣の鬱積。人々を傷付けることでしか生きられない苦しみ。そんな激しい怒りの爆発の渦中で温かみと優しさ、そして
>>続きを読む

うつせみ(2004年製作の映画)

4.4

 留守宅に侵入して生活する青年と夫の暴力により埋めようのない喪失を抱える女の邂逅。それから二人は行動を共にするようになるが…。台詞を徹底的に排し、表情や仕草のみで肉体と精神の交感が雄弁に物語られる。そ>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.2

自殺願望のある男が自殺幇助をしてくれる人を求めてテヘランの町を彷徨う。若い兵士、神学生の青年。そして、自殺に対して否定的な態度や思いを募る人々とは違い、生きることの尊厳を提示する老人との邂逅。人生は苦>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.1

アッバス・キアロスタミの“ジグザグ道三部作”の三作目であり、「そして人生はつづく」で新婚役を演じた男に焦点を当てた作品。虚構と現実。好きな女の子の背中を遮二無二に追いかけ、プロポーズの返答を待つ男の一>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.0

アッバス・キアロスタミの“ジグザグ道三部作”の二作目。90年イラン地震後、監督と息子は「友だちのうちはどこ?」の出演者の安否確認のため現地を訪れる。崩れた建物の瓦礫の山、大地震で家族を亡くした人々。そ>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.2

 間違って持ち帰った宿題のノートを返す為に場所も分からない友達の家を探す話。子供と大人の間に生ずる考え方の乖離や未知の場所への小さな冒険等、誰しもが経験するであろう物語に昔の自分を重ねながら追懐した。>>続きを読む

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.0

庵野秀明監督にとって初めての本格的な実写映画。12万円のトパーズの指輪に魅せられ援助交際を繰り返す女子高生。監督のフェチ全開のカメラアングル、河瀬直美による人間の本質を突く語りと共に投影される若気の至>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.6

アイドルグループを脱退し、女優へと転身を図った霧越未麻。本来の姿とは別の他者の想像により作られた偶像〈アイドル〉、虚偽の姿。夢と現実、劇中劇の攪拌。そして、徐々にその境界が曖昧になり己の存在意義が分か>>続きを読む

バイオレンス・レイク(2008年製作の映画)

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 週末に美しい湖“エデン・レイク”を訪れたカップルと傍若無人に振る舞う気狂いな子供達。些細な揉事をきっかけに倫理度外視、悪夢さながらの逃走劇が始まる。“殺されたくなければ殺せ”という極限の心理状態と常>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

4.0

敬虔なクリスチャンの兄弟は神の啓示を受け、マフィアのボスや殺し屋などの悪人に対し、天誅を下す処刑人として立ち上がる。スタイリッシュなガンアクション、際立ったキャラ立ち。そして、反抗現場においてウィレム>>続きを読む

ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.0

 気に入った物は是が非でも物にし、女の胸の谷間を見て発情する物欲も性欲も異常で様々な人間の体を転々と寄生する異星人を捕らえるべくFBI捜査官とロス市警の男が共闘する。異星人に侵食されていく張り詰めた緊>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

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 生まれつき足が不自由な兄・良夫は自閉症の妹・真理子に売春をさせて生計を立てる。清貧とは無縁の極限状態。妹の体を売る男の無力さと罪の意識。今まで知る由も無かった妹の喜びと慟哭。果てしない闇を踠きながら>>続きを読む

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

5.0

 京劇で女形を演じる男の苦節十年。現実と舞台の虚実の縺れと性別の超越。兄同然に慕う相手役への思いが愛へ変わる。義姉へ向ける羨望と憎悪、師弟関係の瓦解、そして文化大革命による京劇の弾圧など、決して平坦で>>続きを読む

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

4.8

 揺り籠から墓場まで豪華客船の中で波瀾万丈の半生を過ごしたピアニストの物語。天賦の才と無限の発想力で弾かれる魅惑の音色と力強いメッセージ性に心奪われる。人生は有限であり、無限ではない。だからこそ生きる>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.5

 不朽の名作『市民ケーン』の脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツを描いた作品。機知と風刺に富んだマンクの記憶の糸を辿りながら、『市民ケーン』の完成過程と舞台裏を映し出す。デヴィッド・フィンチャー監督の>>続きを読む