おてつさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

おてつ

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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.3

MCU×カンフー、アクション映画の新境地。秘められた力と分断された父子の謎。愛の所在、家族のありようを描くドラマと、息を呑む超絶カンフーアクションの白眉。どんな凡人でも世界を救うヒーローになれる、すば>>続きを読む

ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.8

ゴダールが描く不条理な社会と退廃美。路上に放棄された死体と破壊された車の数々。温和な品性や公正な節度なぞ皆無で、差別と暴力が延々と蔓延る世界への謀反。抑圧に対し、戦い続ける自由。自分には到底理解し難い>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

4.1

なんという神映画!
アツすぎるキャラクターたちと超絶作画、どデカいスケールにスピーディーで飽きさせない展開、そして神懸り的音楽のマッチ度!何もかも最高だったんだが!
これは流行るのも超納得。当時観なか
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ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

3.5

ロボトミー手術やショック療法が精神病者に強行される時代に自然療法の在り方を説いた女性・ニーゼの苦闘を描いた作品。
“わたしの武器は筆” 芸術で科学と暴力に塗れた権力に打ち勝つ。描くことで、解放される無
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.0

摩訶不思議な出会いを果たすセリーヌとジェリー。2人は魔法のキャンディを食べ、記憶の断片を辿る夢の世界へ。悪戯娘たちの奔放なドタバタ喜劇と夢幻に包まれた円環の物語。言葉では表せない高揚感に浸る。

期間
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Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ほほーん。末期の癌患う妻を看取る夫と、いかなる状況でも側にいて助ける親友。バケットリストとか、子どもへ送る手紙など含むを終活などなど、いろんな要素が既視感あるものだったけど、“友”に焦点を当てている点>>続きを読む

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.3

血塗られた過去の記憶…連綿と続く理不尽な暴力への断絶。ラストの胸騒ぎが凄い。主人公が二重人格という設定だからこそ、性的倒錯のシーンに奇妙な胸糞悪さがまとまりつく。そして、ヴィゴ・モーテンセンやっぱいい>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.0

イングマール・ベルイマンの「神の不在3部作」の1作目。精神分裂患う娘とその夫、そして彼女の病状を題材に書く作家の父。愛の揺らぎと心の歪み。人間の影なる部分を描きながら、信仰と現実の虚脱の狭間で見出され>>続きを読む

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

4.6

好きすぎて悶絶。警察、法律、御国なんて糞喰らえ!“愛される暴走族”なんて戯言だろ!己の誇りと信念に従い、多勢に無勢ながらも決死の覚悟を持って戦闘に挑む勇猛さ!うなぎ昇りに湧いてくるキャラへの愛!ブレー>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

“ジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドの共演作なんだっけ?”と言い続ける統合失調症のおじさん怖っ。その作品知らなかったから、上映中ずっと気になっちゃった。映画自体は、ぼちぼち楽しめた。1日で約50>>続きを読む

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.3

原発建設をめぐる陰謀により夫を殺された海女。愛の喪失、信頼と裏切り、茫漠たる怨嗟。あらゆる負の感情に支配され、成仏し切れぬ夫を思い、海女は復讐の鬼と化す。利権にまみれ、腐敗した権力への天誅。終盤の汚い>>続きを読む

逆噴射家族(1984年製作の映画)

4.2

“狂ってる”、という一言では済まされない狂気すら超えた情熱的な感情に燃えた。いや震えた。これこそ、生きてる実感というかなんというか…ものすごくエネルギッシュな映画だった。大好き〜。ATG映画これからた>>続きを読む

ディーバ(1981年製作の映画)

3.5

歌の女神“ディーバ”のカセットテープが巻き起こす珍騒動。レコードを出さないことで有名な黒人歌手の歌声を盗み撮りした郵便配達員の青年が、警察も絡む売春組織の闇に呑まれていく。ロマンス、ドラマ、スリラーな>>続きを読む

海の沈黙(1947年製作の映画)

4.5

「ナチス・ドイツによる暴虐の数々が
人々の記憶の中にとどまる限り
本作が独仏間の問題を解決することはない」
独仏間の軋轢を背景に置く。文化的融和を試み、独り語りする独軍将校と、毅然として沈黙を貫く仏人
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子宮に沈める(2013年製作の映画)

3.0

夫に一方的な別れを告げられ、母親は孤独に苛まれる。壮絶なネグレクトと娘のサバイブ劇。育児放棄を受ける娘を演じた子役の演技が凄まじく、胸を抉られる。罪なき子どもたちの尊い命が親の身勝手さで失われて良いの>>続きを読む

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.4

“もし会おうと思えば、どこでだって会うことができる”
関係に綻びが生じたゲイカップル。その縺れを解くためにイグアスの滝へ向かうが、またもや喧嘩別れに…
離れては万有引力の如く引き寄せられる二人。満ち足
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.0

原作未見。今年一番、気持ちの持っていき方がわからない映画。うーん…原作を見ていないから分からないが、青木柚を筆頭に役者の憑依的ともいえる演技は良かった。そして、テンション爆アゲの中田青渚はもー最高。舞>>続きを読む

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.1

映画を好きにさせてくれた恩師との契り。それは、偏愛全開な二本立てを組む名画座を立て直すこと。映画の深みを倍増させる暗闇の異空間。観客と一体となって、感情を共有し、無限の可能性を観せてくれる映画館の尊さ>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.2

平凡な青年は切り落とされた人間の片耳の真相解明を試みるが、犯罪と暴力、そして陵辱と愛が渦巻く悪夢に襲われる。恋における純潔と堕落の凄絶な対比、牧歌的な表面と人間の愚かさを呈する裏側の交差。美と恐怖が絶>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.1

ゲームの背景キャラに自我が芽生え、定められた運命を変えていく。なんという底抜けの明るさをまとった映画であろうか。日の目を浴びない仮想空間のキャラの一歩踏み出す勇気により、現実世界に住む人びとの行動まで>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.5

ホドロフスキーの自伝的作品『リアリティのダンス』の続編であり、監督の人生のルーツが見えてくるような映画。今作は、過去との決別と自己の確立がテーマだと考えられる。他者の束縛からの解放。“あらゆる道は、己>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.9

想像を遥かに超える途轍もない大傑作。
万引きを犯した少女の不慮の死により乱れる秩序。善と悪をカテゴライズせず、登場人物が持つ正義や信条が狂気のままに衝突するため、常に息苦しい。そのカオスの先へ…混沌た
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.5

正直、内容に関してはほとんど覚えてない。しかし、そんなのどうでも良くなるほどにカーアクションが突き抜けており、ドーパミン出まくりだった。磁石や無重力、ターザンロープ、どれもこれも規格外なんてもんじゃな>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.7

マーベル作品では見られないような危険を孕んだDC映画の最高傑作。愉快、痛快、人の命が軽々しく散る殺戮ゴア、魅惑の黒いジョーク、奇跡的に噛み合わない会話の波長、そしてキャラの下品で不謹慎極みたる態度、こ>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.5

盲目の老人は1人の少女を大切に育てていたが、悪事を謀る黒い影が襲いかかる。守るべき対象ができ、外道な老人は人間的で超絶過保護な父親の装いに一変。前作のテイストとは異なる新たな顔を見せてくれ、非常に楽し>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.5

再鑑賞。めちゃくちゃ怖い〜
娘を失った感情がねじ曲がった形で表れてる。「神の不在を受け入れれば、人は何でもできる」とか言って…あの有名なシーンはやはりドン引き。続編でも歪な愛がテーマになってきそう。楽
>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.3

コメディに振り切ったゾンビ映画大好き、もちろん友情とか恋愛とかさまざまな要素詰まってるけど笑っちゃう。なんといっても主人公のダメダメさが最高に魅力的。大人になっても学生時代のダメダメな友人とルームシェ>>続きを読む

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

3.0

意外な作品だった。
ネタバレ厳禁要素あり。
上映終了後、全国のミニシアターをつないで舞台挨拶。感慨深い。井浦新さんを間近で見れたの嬉しい

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.3

デヴィッド・リンチ監督処女作。異形の赤子が招く悲劇。耳を劈くようなノイズ、人間の二面性を呈す悪夢さながらの前衛表現、そしてモノクロ映像が為す不安感が常に消えない。一度観たら脳裏に焼き付くリンチの独創的>>続きを読む

ザ・レイド(2011年製作の映画)

4.4

闇社会を牛耳る麻薬王を捕らえるべく、犯罪者が巣ぐう牙城に潜入し、強制捜査を行う。無数の敵に囲まれ、下手したら即死の緊張感が一瞬たりとも緩まない。その空気感のなかで交じり合う超高速近接アクション“シラッ>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

血中アルコール濃度を一定に保つと勇気が漲り、人生が前向きになる。“酒は百薬の長”が嘘か誠かを確かめる実験的映画。酒を飲むことで人生がうまくいく…今作はそんな単純さに留まらない更なる境地を見せてくれる。>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.1

空想彼氏とリアル彼氏〜
松岡茉優演じるヨシカが作り上げる空気感。あのむず痒い感じがたまらなく良い。