回想シーンでご飯3杯いけるさんの映画レビュー・感想・評価 - 70ページ目

回想シーンでご飯3杯いける

回想シーンでご飯3杯いける

サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

3.9

「ドレミの歌」が有名な映画だけど、大自然の中の明るいイメージだけで認知されて、反戦のメッセージを含んだ作品だという事は、殆ど知られていないと思う。

基本的には主人公と子供達の可愛らしいやりとりだけで
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.6

観ていて本当につらい描写が続く前半。レッドとの友情を描いた中盤(これがラストへの伏線として重要になる)。

そこからアクション/サスペンス描写に満ちた脱走シーン。そして開放。

この長い時間の流れの中
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ペーパーバード 幸せは翼にのって(2010年製作の映画)

4.0

スペインの内戦で妻子を失った喜劇役者と、戦争孤児の少年。2人の出会いから、本当の親子のような絆が生まれていく様を描いた映画。2人の微妙な変化を映し出す脚本、そして少年の演技が素晴らしい。

物語は喜劇
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ソウル・サーファー(2011年製作の映画)

3.9

プロ・サーファーを目指す女の子が鮫に片腕を食いちぎられて、そこからの復活、活躍を描いた実話物。

あらすじだけを聞くと、とてもヘビーな内容に思えるけど、映画の主体は、あくまで海とサーフィンの躍動感。音
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.8

近年のロバート・デ・ニーロの老け役路線は、彼のキャリアの中で最も魅力的かもしれない。

終盤でモヒカンになって「こんなチャラい会社やってらんねー」と銃を乱射する映画ではない。デ・ニーロの今を満喫できる
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ボクは坊さん。(2015年製作の映画)

3.4

「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていたお坊さんのエッセイが原作。

この手の題材は極端にコミカルになるかシリアスになるかのどちらかが多いけど、本作はただただ丁寧に主人公の日常と成長を描いていて、それが
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X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

3.9

X-MENシリーズの鍵を握る裏番長、ミスティークの苦悩にスポットを当てた作品。

タイムスリップ(というよりバタフライエフェクトのあれに近い、脳味噌の中身だけが移動するパターン)の要素を取り入れて、シ
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Dearダニー 君へのうた(2015年製作の映画)

3.5

あのアル・パチーノも流行の実話物に出るようになったか、、、という複雑な心境。

ジョン・レノン関係のエピソードなので、ジョンの曲とアルの演技が絡み合う映画としては貴重。でも、彼の演技力を考えれば、実話
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.7

ガイ・リッチーによるナポレオン・ソロの映画化。リッチー監督作品はイケメンをどこか間抜けに描写する所があって、今回もその例に漏れず。世界観がお洒落で見ていて楽しい。

峰藤子的キャラのギャビーが可愛い。
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.5

実際に起きたカトリック司祭による性的虐待事件と、それを追う新聞記者を描いた映画で、キリスト教圏で上映された意義は大きく様々な賞を受賞している。映画としての演出が少ないのは題材的に致し方ないか。

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

4.4

現代を生きる兄妹が、テレビの再放送枠で放映されているクラシックな白黒ホーム・ドラマの世界に取り込まれてしまう設定が面白いコメディ映画。

暴力もセックスもないホームドラマ「プレザントヴィル」の世界に、
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.2

「ヘドウィグ&アングリー・インチ」と並んで、僕が大好きなロック映画がコレ。この2本が優れている点は、それまでのロックを題材にした映画のお約束だったドラッグ描写が一切無い事。

ロック・ミュージシャンの
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.9

親の虐待から児童を守る施設を舞台にした映画。

とても難しい題材だけど、重くなりすぎず、丁寧な脚本と演出でメッセージを紡ぎ出していく構成はお見事。それを考えると、妊娠(未婚)、車の破壊で発散、というあ
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駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)

3.9

タイトルや出演者から連想されるコメディ要素は殆ど無し。至って真面目で骨太で、そして丁寧に作られた時代物です。

男と女が全く平等じゃなかった時代。それでも必死に生きる女性。見応え十分。大泉洋の魅力が炸
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ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)

3.5

いかにも今っぽいやり手の弁護士が、実の父親である判事に掛かった殺人罪を弁護するという、設定だけでもかなり面白そうな映画。

法廷モノの要素と「ビッグフィッシュ」的な父子の葛藤を描いて、見応え十分なんだ
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恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

3.7

台湾を舞台にしたホームドラマ。

まず、父親が作る冒頭の台湾料理に圧倒される。しかし、夕食のシーンが多いこの映画で、それらの料理が美味しく食べられている描写は殆ど無い。

素晴らしい家族、だけどすれ違
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バケモノの子(2015年製作の映画)

3.9

細田守監督作品はどれも概ね好きだし、今回は最高傑作だと思う。

メッセージ性と娯楽性の見事な融合。ただ、既に顔が割れまくっている有名俳優を声優として大量に起用するのは何故なのか?とどめはエンディング曲
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怪しい彼女(2014年製作の映画)

3.9

日本版に比べて、いかにも韓国らしいストレートな明るさが魅力。このオリジナルの時点でプロットとしては完璧で、シンデレラや浦島太郎レベル(笑)の定番として語り継がれても良いと思う。主演は「サニー」にも出て>>続きを読む

あやしい彼女(2016年製作の映画)

4.5

ドタバタの皮を被った、でも実は泣けるコメディの王道。

ぶっちゃけ、そんなに期待せずに映画館に行ったんだけど、それが良かったのか、多部ちゃんのハツラツとした演技やテンポの良い展開でぐいぐい引き込まれた
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海街diary(2015年製作の映画)

4.1

午前中の鎌倉の街を映す冒頭の映像だけで、もうこの映画に身を任せようと降参してしまう。是枝裕和監督の映像と光への拘りはいつも感心させられる。

3人姉妹の家に来た腹違いの妹。言葉遣いの微妙な変化にもドラ
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アリスのままで(2014年製作の映画)

3.9

若年性アルツハイマーを題材にした映画。

主演のジュリアン・ムーアを筆頭に、献身的に介護する家族を演じる俳優達の演技が素晴らしい。

台詞のひとつひとつ、仕草のひとつひとつに意味があるので全く目が離せ
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その日のまえに(2008年製作の映画)

1.8

重松清の原作が良かったので映画版も観てみたんだけど、主演のナンチャンを筆頭に、キャスティングと演技に?マーク連発。

原作でビートルズだった音楽ネタが宮沢賢治に変わっていたり、同じシーンのリピートが多
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X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年製作の映画)

3.6

X-MENシリーズ初期3部作の完結編。

相変わらず複雑な三すくみ構造のバトル。かなり頭を使わないとストーリーはおろか戦闘シーンでさえ理解不能になりそうなんだけど、まあ、ぶっちゃけ矛盾点も多々あるシリ
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X-MEN2(2003年製作の映画)

3.5

X-MENシリーズの2作目。

ナイトクローラー、ジェイソン等、新キャラクターが多数登場。前作では対立していたプロフェッサーXとマグニートーは、今回は協力体制をとり、敵対する人間と戦う事になる等、格段
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X-メン(2000年製作の映画)

3.6

マシュー・ボーンが監督した「ファースト・ジェネレーション」が面白かったので、X-MENシリーズを公開順で見直す事にした。

何故かこの1作目だけがカタカナ表記の「X-メン」。映像面では最近の作品に見劣
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X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

4.3

「キックアス」「キングスマン」が超面白かったので、マシューボーン監督繋がりで本作をチョイス。実はこの時点で「X-MEN」は1作目を軽く見た程度の知識。

この「ファースト・ジェネレーション」は、ミュー
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

3.9

東西分断時代の東ドイツに置かれていた監視社会を描いた作品。

とは言っても国家レベルの社会ドラマではなく、登場人物を、劇作家と女優、その生活を監視する国家保安省局員の3人に絞り込んでいるのが良い。特に
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きみはいい子(2014年製作の映画)

4.0

幼児虐待、ネグレクト、学級崩壊、発達障害といった難しい題材を扱いながら、グロテスクな表現や説明的な台詞を控えて、俳優の表情や息づかいで感情を紡いでいく手法が取られている。

その丁寧な作り故、感動も一
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.2

発達障がいを持つ少年とシングルマザーの関係を濃密に描いた作品。

縦横比1:1の窮屈な画面から伝わるのは、世間には理解されない2人だけの狭い世界での苦悩。大袈裟な演出や名台詞は無いけど、それ故に現実的
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アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー(2014年製作の映画)

3.6

ピーコやドン小西のような日本のお洒落リーダーが基本的に「~らしさ」を基準にコーディネイトを語るのに対して、アイリスは「好きなものを着れば良い」を一貫していて、まるで180度違う。肩肘張らずにお洒落を学>>続きを読む

TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)

3.2

原作未読。全編ラップによるミュージカル映画。

キワモノ系の俳優さんに混じって、現場で活動するラッパーが堂々と喋り動きまくるだけでも、これはかなり凄い事。東京の夜の街をディフォルメしたセットも格好良い
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.8

休業からの復職を望む女性と、職場の同僚との対話をミニマムに描いた、ある種の密室劇。

台詞のひとつひとつ、表情のひとつひとつにドラマがある。いつも思う事だけど、教訓は予め並べられたものでなく、このよう
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WISH I WAS HERE/僕らのいる場所(2014年製作の映画)

2.9

親子三世代の人間関係を描く映画としては。十分良い作品だと思うけど、売れない俳優、ヒーローへの憧れといったトリッキーな設定に頼っているというか、別に必要なかったんじゃないの?という気もして、少なくとも僕>>続きを読む

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)

3.4

いまどき珍しい、アクションやサイコ要素が殆ど無い正統派サスペンス。登場人物3人の微妙な三角関係を、俳優陣が見事に演じていて、それだけでも見応えあり。

ただ、映画ならではのドキドキワクワクは殆どなかっ
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オデッセイ(2015年製作の映画)

3.8

宇宙遭難物をリドリー・スコットが手掛けるという事でゼログラビティやインターステラーを更に辛口にしたような作風をイメージしていたんだけど、実際は少年漫画みたいなノリのポジティヴなサバイバル物だった。火星>>続きを読む

グッド・ライ いちばん優しい嘘(2014年製作の映画)

4.1

スーダンの内戦で親を失った少年、少女達の、新天地アメリカでの苦労を描いた映画。重いテーマながらも、残虐描写を抑えるクレバーな手法が取られていて素晴らしい。

少年、少女を演じていたのが誰かを知るエンド
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