Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 49ページ目

ジャックポット(1974年製作の映画)

-

アルトマン的な細部と時間が濃縮されたギャンブル映画の傑作。賭けと賭けの間の時間をこそ積み重ねていく。度々出てくる周囲のエキストラの名演にも支えられている画面の豊かさ。勿論ほろ苦いラストも頭に残る。

リチャード・リンクレイター 職業:映画監督(2016年製作の映画)

-

そういえば『スラッカー』まだ見てないなぁ。どこかでやってくれないかなぁとひたすら思う映画だった。「映画、映画、ペプシ、映画」のところ笑える。リンクレイター自身が仲間と未来の自分が何をやっているかビデオ>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

-

めっちゃ久々に見直してた。やっぱり個人的にノーランベストはこれかな。ノーラン作品に通づる、愛する女を失った男が暴走するノワールであり、他人を巻き込んだ壮大なカウンセリング映画でもあり。あのラストのオー>>続きを読む

ホース・ガール(2020年製作の映画)

3.9

アリソン・ブリーの半自伝的作品とのこと。かなり歪ではありつつ、かなり魅力的な映画だった。不意に差し込まれるショット、シーンのことを考えるが、彼女の心情表現を、視覚的に示す演出が非常に良くできてたと思う>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

-

こういう普通にいい話をちゃんとした撮影とレベルの高い演出で撮ってる映画最近ない気がする。本当に誠実でいい映画。

ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)

4.1

Netflixの音楽ものはかなり出来がいい印象だが、本作も例に漏れずの素晴らしさだった。ポップスターの残酷性も映し出しつつ、1人の少女が自分を確立していく物語としてグッときた。

メイド・イン・L.A.(1989年製作の映画)

-

マイケル・マンのテレビ作品で、『ヒート』の元ネタ。話やシーンはほぼほぼ『ヒート』で踏襲。車体に反射するLAの夜の街が本当に美しい。

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

-

めちゃくちゃ素晴らしい。演出以前にセリフ劇として、前半の部屋の中での2人の会話があるからこそ、終盤雨に打たれながら不器用なやりとりに感動する。長回しも圧巻で、特にインタビュー依頼のシーンの、小川あんの>>続きを読む

リル・ウェイン ザ・カーター(2009年製作の映画)

-

ドキュメンタリーとしてはかなり内容が薄い。リル・ウェインという人を捉えた記録映像という感じ。それにしても薄味だな。

タイガーテール -ある家族の記憶-(2020年製作の映画)

3.4

多分尺が30分だったら傑作だったんだろうな。アラン・ヤンっぽい語り口と題材。過去の記憶の回想はフィルム撮影。構図にエドワード・ヤンを連想させ、しっかり台湾映画の匂いも。全体的には後ろ向きな後悔と苦さを>>続きを読む

ハハハ(2010年製作の映画)

-

ちょっと長いがロングショットがめちゃいい。まああとはホン・サンス自身の投影という意味以外で、主人公が映画監督である意味がそんなにない。

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

-

地獄みたいな映画上映後の質疑応答や、教授の人物造形、ドキュメントチックに振れるカメラなど面白いが、正直後半からかなりイマイチになる。

次の朝は他人(2011年製作の映画)

-

上映時間79分、路上の昼間、飲み屋の夜、雪の夜明けを繰り返し。まるでループに入っているような感覚を覚える。色あせたモノクロで映える雪をはじめとする、画面から伝わってくる寒さが素晴らしい。

恋愛小説家(1997年製作の映画)

-

劇中、ヘレン・ハントの顔にカメラがズームしていく(ヘレン・ハントの心情にカメラが寄り添う)場面が2回ほどあって、それがあざとい表現ながら感動的。かなり好きな作品。

エデン、その後(1970年製作の映画)

-

アートに対しての執拗なほどの心酔。アートだけが性欲や衝動を超えられるという。カラー作品の色味はゴダール、絵作りはファスビンダーを連想。

囚われの美女(1983年製作の映画)

-

酒、セックス、殺人。美女に振り回されまくるロブ=グリエ流爆笑必至妄執的ノワール。

ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)

-

ロブ=グリエの中でもかなりコミカル寄りなテイストの作品に見えた。映画=夢想(悪夢)。メタフィクションな『アイズ・ワイド・シャット』。

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

-

何もできなくなっても生き続けなければいけない苦しみ。ロデオのその後と、その先まで達観して見せる傑作。撮影が群を抜く美しさ。

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

-

もはやホラー的な女2人もの。悪夢的なモンタージュ。ギスギスした感情のぶつかり合いを収めさせたら右に出るものはいないベルイマン。

デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー(2017年製作の映画)

-

S・クレイグ・ザラーによる静観なバイオレンス。ヴィンス・ボーンはガス・ヴァン・サント版の『サイコ』での演技が嘘みたいな名演。前作『トマホーク』でも思ったが、ひたすらに乾いた暴力の世界はコーマック・マッ>>続きを読む

神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

-

これを見るとサフディ兄弟の演出力が『アンカットダイヤモンド』に向けて成熟していった感じを再確認できる。映画としてはそこまで上手くないけど、序盤のオープニングクレジットの長回しや、終盤のバスの一連、万引>>続きを読む

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

-

この時期のトニスコ×トム・クルーズの青春映画だったら、『トップガン』よりも本作派。だけどやっぱり後年の作品に比べると、編集とかだいぶ落ち着いてるな。ストップモーションエンディングがエモーショナル。

サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

今更見てみたがかなり面白い。序盤の強盗襲撃のシークエンスで、マット・デイモンを初めて劇中登場させ、彼の顔が最初に画面に収まる場面は十分な溜めと引っ張りで魅せる。顔が映らないマット・デイモンが、子供と階>>続きを読む

今日、キミに会えたら(2011年製作の映画)

-

ラストもう少ししっかり締めれてれば完璧だった。けど恋愛ドラマの秀作。序盤の最初のモンタージュが始まる前の、2人がくっつくまでの一連のムードと演出が本当に素晴らしい。原題は『like crazy』で、離>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ2(1987年製作の映画)

-

トニー・スコット感を感じるのは大筋よりも、何度も差し込まれるビバリーヒルズの夕日だったり、後半の競馬のレースと強盗団襲撃のエキサイティングなカットバックだったりする。

花に嵐(2015年製作の映画)

-

凄いなこれ。白石晃士、フェリーニ、スラッシャー、自主映画、アダルトビデオ。様々なところからのインプットの凝縮。終盤の抽象化の舞台はやはり海なんだな。『聖なるもの』も見たい。

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

-

宇野維正、田中宗一郎『2010's』を読み終わり、HBO版『ウォッチメン』を見終わったタイミングで再見すると、いろいろ考えさせられる。少なくともMCUでは5本の指に入る面白さ。ポリティカルサスペンスと>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

-

ほぼ黒沢清。明確なほどの触れる/触れられるのアクションの重要性。どこまでも不穏で曇りがかっている。濱口竜介流の青春劇であり、スリラー。

イギリスから来た男(1999年製作の映画)

-

スタイリッシュなソダーバーグ演出が、ちゃんとスタイリッシュ方面で極まっている傑作。地味ながらも、ピーター・フォンダのキャスティングとか完璧。幻想と現実の境が定かではない美しさがある。

ロジャー・ラビット(1988年製作の映画)

-

ディズニーデラックスに入っていたので、幼少期の頃ぶりに見てみた。やはり紛うことなきLAノワール。毒っ気の強さとアイロニーの鋭さは今見ても健在。ショービジネス内幕ものでもあり、探偵ノワールでもあるという>>続きを読む

逃走迷路(1942年製作の映画)

-

何かを見る、覗くことがサスペンスを映画的に盛り上げる。ラストの自由の女神が、『北北西に進路をとれ』のラシュモア山に繋がる。ヒッチコックのロマンティック性も爆発している。ダンスをしながら交わされる2人の>>続きを読む

三人の狙撃者(1954年製作の映画)

-

めちゃめちゃ面白い。律儀な伏線回収が気持ちよく良い意味で手堅い作り。戦争の影がちらつく登場人物の背景や、小道具づかいの妙も勿論だが、密室劇に終始しないところこそがエキサイティングだと思う。

間違えられた男(1956年製作の映画)

-

実話を基にしたヒッチコック作品。女優の目の演技の素晴らしさ。

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

-

最早ジャンルとしてはSF学園コメディになってる。面白いけど、個人的には一作目だけで十分かな。