Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 51ページ目

コンテイジョン(2011年製作の映画)

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劇場公開以来数年ぶりに見てた。確か初めて劇場で見た字幕映画だった。改めてソダーバーグ、演出と編集の鬼だな。傑作。マット・デイモンの受けの演技の素晴らしさ。

ニノチカ(1939年製作の映画)

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素晴らしかった。この間の『ロングショット』とかをはじめとする、現代のラブコメやロマンス映画も元を辿ればこの作品に行き着くんだろうなという感じがあった。

僕たちは天使じゃない(1988年製作の映画)

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いかれたコメディすぎて苦笑いするしかなかった。いたずら電話の下らなさ。

ショック集団(1963年製作の映画)

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えげつない悪夢的傑作。唐突にカラーで映る鎌倉の大仏。

静かな雨(2020年製作の映画)

3.5

スタンダードサイズの画面で切り取られた撮影のルックは相変わらず質が高いし、主演の2人がめちゃくちゃに良くて、中川龍太郎作品のテーマであろう「失ってしまったものの記憶」の話を、今回は「記憶を失う」話とし>>続きを読む

ファンシー(2019年製作の映画)

2.0

時間が空いたので見てみた。映画としては何から何まで全然ダメだったが、永瀬正敏だけは魅力的だった。日本で彼を主演にまともなハードボイルドをだれか一本撮って欲しい。

ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.9

ウィル・フェレルとアダム・マッケイの『アザーガイス』コンビが制作に入っている通り、リーマンショックを背景に、アメリカ金融業界の闇をかなり前面に描き出しつつ、ストリッパーたちの栄光と破滅の犯罪劇が『グッ>>続きを読む

レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙/刑事グラハム 凍りついた欲望(1986年製作の映画)

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マイケル・マン作品にとって、LAの街と同じくらい、ビーチ、海辺(『ザ・クラッカー』『インサイダー』などに見られる)も大切な場所なのではないかと思わずにはいられない、対をなす見事なオープニングショットと>>続きを読む

トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合(2006年製作の映画)

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MCUの立役者ルッソ兄弟のコメディ映画。オーウェン・ウィルソンの愛すべきいいやつ馬鹿野郎っぷり。同フレームに収まっている人物の距離感を示す配置やライティングが緻密。全体的には結構雑でも面白かった。

バッドボーイズ フォー・ライフ(2020年製作の映画)

3.8

マイケル・ベイ的な軽薄さや不謹慎さは薄れていて、思ったよりもシリアスな展開に、ちょっと寂しくもなったが、しかしやっぱり面白かった。オープニングのカーチェイスが繰り広げられている衝撃の理由とオチに爆笑し>>続きを読む

ホワイトハンター ブラックハート(1990年製作の映画)

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最高だ。雄大なアフリカで晒される人間のエゴ。クライマックスのカメラの狂い方と、切れ味鋭いラスト。

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.6

本当に最高だし、サフディ兄弟の現時点の最高傑作な気がする。ストーリーテリングの魅力は今までで一番。2012年が舞台で、ブレイク以前のザ・ウィークエンド。ドライな暴力と、シニカルな笑い、そして欲深いキャ>>続きを読む

AI崩壊(2020年製作の映画)

3.7

この手のメジャーの国内映画の中では、さすが入江悠といった感じで、力が入っていると思う。所々で、小規模、チープに見せないような工夫が散見される。入江悠のトニー・スコット、或いはスピルバーグ好きもかなり感>>続きを読む

テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

3.8

ぶっちゃけテンポはかなり悪く鈍重だとは思うのだが、『8 1/2』や『映画より愛を込めて アメリカの夜』を思わせる映画の映画として、これ以上ないほどのメタに染まり、夢で生きるものを肯定しようとするギリア>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.1

ライアン・ジョンソン新作。死ぬほど面白いミステリーコメディ。話の意外性よりも、視点の転換による推進力。リズミカルな編集が見事。細かいカットつなぎの中で、ワンショット内で収める役者の動き、表情の切り取り>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

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団地の一室のみで進行される話ながら超面白い。こんな話よく思いつくな。

バッド・ラップ(2016年製作の映画)

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物足りない部分はありつつ、面白い視点から掘り下げたドキュメンタリーだと思う。人種、バトルのステータス、総合芸術としてのヒップホップなど。

エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)

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すこぶる面白い傑作。『トゥルーロマンス』ルートの一石二鳥クライマックスが痛快。ジーン・ハックマンのハードボイルドな渋さ。

テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)

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喰らった。結論は全然違うけど実質『寝ても覚めても』。いや、『寝ても覚めても』が今作だったのか。行き着く結論はさらにその先まで踏み込んでいく。冒頭の料理シーンの色気と空虚な表情だけ切り取ってもヒロインに>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

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ちょっと長い気もしたが、後半の怒涛の転落っぷりと登場人物たちの感情の晒し方が見事。夜の銀座の映し方や、高峰秀子が骨壷に入れた手紙の件の機能のさせ方も好き。あと、役者の動かし方は相変わらず流石で、常に画>>続きを読む

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

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初川島雄三。素晴らしい喜劇。登場人物たちがよく笑うのも明るくて良い。今の街の風景を写したタイトルシークエンスの前説など、余計なこと抜きにしてそこで全部説明しちゃうのも好き。

サムワン・グレート ~輝く人に~(2019年製作の映画)

3.8

完全に音楽と、ラキース・スタインフィールド、ブリタニー・スノウ目当てで鑑賞。内容は割と普通だが、大学時代の衣装やヘアスタイルと、今の変化、音楽の使い方とクラブ描写など、しっかりと地に足がついた演出がさ>>続きを読む

バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

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新作に備え再見。1も面白いが、やはり2が究極。ショット、アクションアイデアの豊富さ。際どいブラックなギャグも悪趣味に極まっている。

バッドボーイズ(1995年製作の映画)

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新作に備え再見。ベイ的なバイオレンス、下品なギャグ、爆発、キラーショットの連続。

ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン(1973年製作の映画)

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ニコラス・レイによる究極のワークショップ映画。あまりに複雑でもはやカオスなのだが、妙に印象に残るセリフ、シークエンス。様々な映像を同時に、サイズを気にせずコラージュしていく中で、全画面になるところの会>>続きを読む

下女(1960年製作の映画)

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やっと見れた。目眩がするほどの面白さ。ポン・ジュノというより、パク・チャヌク感はすごく感じた。死の舞台装置としての階段。

太平洋航空作戦(1951年製作の映画)

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ニコラス・レイ×ジョン・ウェインのカラー作品。航空戦闘のシークエンスの異様なカット繋ぎ。父権的なウェインのキャラと、その下の子供のような新兵たちの構図は、ハワード・ホークスの一連の映画のよう。圧倒的に>>続きを読む

果てしなき蒼空(1952年製作の映画)

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名作。映ってるもの全てがいいが、個人的には特にディミトリ・ティオムキンの音楽が好き。アメリカ史を壮大に優しく包み込むようなメロディ。

花と雨(2019年製作の映画)

3.3

一部の評判が良かったので鑑賞したが、正直映画としてのクオリティとしては全然だと思う。撮影のあまりに人工的な質感は、例えばバリー・ジェンキンス的な美的感覚が宿る画とは並べられない貧相さだと思うし、単純に>>続きを読む

ポゼッション(1981年製作の映画)

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あまりにエネルギッシュで最高だった。役者のオーバーアクトをねちっこく捉えるカメラ。映画内のリアリティライン、世界が崩れていく感覚。

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

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本当に素晴らしい。有名な冒頭のワンカットは撮影もさることながら、セット、美術こそが作り込まれていて工夫に満ちている。前半の機械的な暴力は、直接的に描くのではなく、殺すやつ、殺されるやつの匿名性を持って>>続きを読む

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

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正直主題にある「他の人物になりたい」感覚がちょっとよくわからなく、「なりたい人」と「憧れ、又は好きな人」は違う気がするんだけどという面倒くさいことを思ってしまったが。映画全体はハーモニー・コリン映画に>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

様々な構図の反復の映画。少年の目線にある親の足元、ノックする壁、ハグ。作風的にはウェス・アンダーソン以降の紛れも無い現代映画で、よくできているのは確かだが、正直ヒトラーのイマジナリーフレンド設定をしっ>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

ぶっちゃけ近作ほどの驚きはないんだけど、それでもイーストウッドの卓越した大胆な演出には、脱帽させられる。とにかくすごいのはリチャードとワトソンが出会う80年代から、事件の日までを捉えた、冒頭30分ほど>>続きを読む