Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 48ページ目

ザ・ブック・オブ・ヘンリー(2017年製作の映画)

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ジュブナイル版『裏窓』みたいな話かと予想する前半を見事に裏切り、中盤で全く違う話が展開し、さらに後半でまた驚くべき方向に向かっていき、さらに驚くべきことに全く関係ないところで話が着地する。歪という以外>>続きを読む

スケート・キッチン(2018年製作の映画)

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去年の見逃し。プロを目指すでもなく、ただ毎日仲間と集まりスケボーを滑らせる。毎日外に出て誰かと会い、何かをする素晴らしさ。編集とか、若者映画としての作り方はHBOの『ユーフォリア』とかを連想。SNSの>>続きを読む

ピクニック(1936年製作の映画)

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短い尺の中編だが、中編だからこそ傑作であり、そのタイトさと時間の感覚に痺れる。ナンパの成り行き、純真な少女、船漕ぎ、数年後。「月曜日のように悲しい日曜日が去った。その数年後の日曜日。」このテロップだけ>>続きを読む

ゲームの規則(1939年製作の映画)

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恥ずかしながら初ルノワール。パーティー映画の原型としてめちゃ面白いが、ラストは意外にも格差に切り込み、苦くオチていく。『皆殺しの天使』の超絶コメディ版的な。それにしても構図がめちゃくちゃ立体的で、群像>>続きを読む

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)

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シリーズではこれが一番好きかな。見る/見られるの逆転。ただ、やっぱこのシリーズ画面が醒めすぎてて苦手だ。

コップランド(1997年製作の映画)

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いやぁ本当に傑作。スタローン映画としてもトップクラスに好き。夜の艶かしさ、ボロボロのレイ・リオッタ、車のミラー越しの視線の交差、全てが素晴らしい。ラストのちょっとした演出のうまさこそマンゴールドの映画>>続きを読む

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)

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あんま面白くない。全てが説明的。岸田今日子と杉浦直樹は本当にすごい。

キャロル(2015年製作の映画)

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久々に。恋愛関係の悲劇的な側面にもしっかり向き合いつつ、人と人の目が合う瞬間の問答無用の美しさを切り取った究極の恋愛映画。視線の交差はどこまでも耽美的で映画的。紛うことなく完璧。

ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

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この間Netflix『タイラーレイク』などを見た影響でシリーズ見直し。やっぱりどこまでも2000年代アクション感であり、特に後半はノワール的な色も強いスパイアクションといった印象。ラストの爽やかさは嫌>>続きを読む

ポランスキーの 欲望の館(1972年製作の映画)

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ポランスキー全開の変態趣味と狂ったビジュアルの数々だが、正直あまり面白くない。

アロハ(2015年製作の映画)

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これアメリカでの評判がそんなよくなくて日本公開されなかったんだよな。けど自分は結構面白かった。こういった風刺軍事コメディって最近あんまり作られないし、それがラブロマンスに奉仕するのも痛快。ブラッドリー>>続きを読む

理想の男になる方法(2018年製作の映画)

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あんま正直面白くないかなぁ。演出は勿論なんだけど、話としても全然踏み込みが浅い感が。そもそもタイムトラベルの設定も展開に奉仕するためだけの都合いい設定に見えちゃって。アダム・デヴァインはめちゃ良い。

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)

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石井隆脚本×池田敏春監督だと勿論『死霊の罠』コンビなわけだけど、今作は、凶暴に降る雨のタイミングや夜のリッチ感、儚い結末含め、石井隆色が強かった。やはりこの尺で物語を語れる所以は語りの効率の良さだろう>>続きを読む

ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)

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テーマはやっぱりポール・シュレイダー的ではありつつ、演出面でやりたい放題やってて、結構面白かったんだけど、後半がちょっと拍子抜けだったかも。デフォーのファーストシーンも、ニコラス・ケイジの語りもそこま>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.5

良い映画だと思う。が、映画というよりも小説を読んでいる気分になってしまった。完全にセリフの映画。ラストの演出はすごく好き。ここだけ少し映画になる。

ナイト&デイ(2010年製作の映画)

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久々に鑑賞。巻き込まれ系サスペンス、ハリウッドアクション、ロマンティックコメディと全てが詰まった純アメリカ映画なマンゴールド究極の傑作。馬鹿馬鹿しいながらも、ラストは彼らが辿り着いた「いつか」にどうし>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

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フェリーニの群像劇。街のエモーション豊かな冠婚葬祭、性への目覚め、家族不和。フェリーニのノスタルジックな記憶と街の旅。

失墜(2020年製作の映画)

3.7

ジャンルものとしてしっかり面白かったし、プロではないサバイバル素人の集まり故に、想定外の事態から地獄絵図と化していく様は、ブラックコメディ的なニュアンスも入っていて、滑稽に見えつつ恐ろしい。最後までし>>続きを読む

ポエティック・ジャスティス/愛するということ(1993年製作の映画)

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めっちゃ久々に。ジャネット・ジャクソンとトゥ・パック。映画としてはあまり評価されてない印象もあるけど、自分は映画としても好きだよ。冗長に見える中盤のロードムービーも、しっかりとした撮影と演出が支えてい>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.9

最近の音楽伝記ものの中でもかなり良かった。やはり型どおりの伝記ものではなく、ジュディ・ガーランドのメンタルヘルス的な部分をかなり鬱屈とした後期を通して描き出す。オープニングのシークエンスで、こうなるこ>>続きを読む

37セカンズ(2019年製作の映画)

3.7

とてもポジティブな精神に溢れていて、こういう映画でありがちなウェットになりすぎたり、重くなりすぎる方向に進んでいないのが新しいというか、誠実だと思った。撮影とかコンテもしっかりしてるし、アニメーション>>続きを読む

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

4.3

劇場で見逃し、配信にて。シンプルな西部劇的プロットの中に、歴史の複雑さ、暴力性をこれでもかと入れ込む脚本がお見事。スタンダードサイズのルックといい、前作『ババドッグ』とはかなり違ったテイストになっては>>続きを読む

海外特派員(1940年製作の映画)

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巻き込まれ系サスペンスに美女との出会い。ヒッチコック十八番の感じだが、やはり見せ場はクライマックスの墜落シークエンスか。

狩りの時間(2020年製作の映画)

3.5

アイデアは面白いし前半1時間くらいはめちゃめちゃ面白いんだけど、後半からかなりテンポが停滞してくる。撮影がかなりいい出来ではある。暴力的な世界での青春映画という意味でも好き。

アフターショック(2012年製作の映画)

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何故か今まで見てなかったんだけどめちゃくちゃ面白い。なんなら面白さだけでいうんだったら『ホステル』よりも面白いんじゃないか。ディザスター&無法地帯と化す街の描写はかなり怖い。善意の行動もそうではない行>>続きを読む

40歳からの家族ケーカク(2012年製作の映画)

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唯一見ていなかったジャド・アパトー監督作品。とても良かった。倦怠夫婦コメディとして、アパトー自身のパーソナルな経験から綴られる、切実でヒリヒリするエピソードの数々。相変わらず2時間越えではあるが、その>>続きを読む

ビースティ・ボーイズ・ストーリー(2020年製作の映画)

4.2

アダム・ヤウクが亡くなって8年という歳月に、しまっておいた悪ガキたちのエピソードと、感情が溢れ出す、ファニーで切ないトークライブ。ビーズティーボーイズの軌跡を噛み砕きながら辿りつつ、ラストはかなりエモ>>続きを読む

タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.8

予想以上に血生臭いアクション映画で面白かった。『ザ・レイド』以降のアクション、『シティオブゴッド』のような現実、『トゥモローワールド』のような長回し。子供が容赦なく死ぬなど、ドライな残酷性もかなり際立>>続きを読む

ワイルド・ギャンブル(2015年製作の映画)

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話の構造、原題("California Spilit"と"Misissipi Grind")からも、明らかにアルトマンの『ジャックポット』の現代版作品なのはわかるが、本編はほぼリメイクと言っても良いほ>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

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初見。あんまり得意なタイプの映画じゃないけど、良い映画だとは思う。オドレイ・トトゥが良い。

大統領の陰謀(1976年製作の映画)

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初めて見た。地味だがハッとするとハードボイルドな質感を出している撮影とライティングが良い。しかし出来としては正直『ペンタゴンペーパーズ』の方が面白くないか。

ウォリアーズ(1979年製作の映画)

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ウォルター・ヒル的には『ストリートオブファイヤー』に似た、ストリートギャングの寓話というか、不良ファンタジーというか。映画として素晴らしい出来かと言われたら、『ストリートオブファイヤー』と同じく、首を>>続きを読む

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

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部屋やレストランのテーブルなど、「空間」を作り上げた途端に止まらない、喋り、人の出入り。映画史上最速のテンポで会話と物語が展開されていき、それに追いつこうとする編集も見事。世界一速く、世界一面白いロマ>>続きを読む

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

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奥行きのある画面構図、クローズアップ血飛沫、刀に反射する太陽光。全てが完璧すぎるほどに美しく映画的。超傑作。