veさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

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の・ようなもの(1981年製作の映画)

5.0

明るく軽やかに描く青春映画の傑作。人物たちは一様にとぼけた台詞を言い、笑いあう。出てくるキャラクター誰もが愛おしい。
朗らかな物語を断絶するように挿入される幻想的なカットも面白い。
緩やかに物語を進め
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.0

冒頭から女の愛の言葉で始まり、ラストも女が愛人への思いの深さを語る場面で終わる。サスペンス部分はあまりに呆気なく終わってしまうし、愛する人への感情の揺れを表現する場面が多い。
男を信用したいが不安にな
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.0

現行のスパイ映画に中指を立て、英国の誇りを示すかのようなアイテムが溢れる。それに加えて、特権階級に立ち向かう一般市民が主人公となればもう最高、この上なし!ブチあがりまくり。監督の抜群のセンスが発揮され>>続きを読む

黄金の七人(1965年製作の映画)

4.0

抜群のポップセンスと程良いB級感。印象的な音楽をバックに計画犯罪を遂行する緊張感と、とぼけたキャラが生み出す笑いが楽しめる。ストーリーも軽くてとっても良い。大金をめぐる仲間割れがあっても、「また次やろ>>続きを読む

フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

3.5

SFはわりとどうでも良くて、「愛こそすべて!」という口に出すのも恥ずかしいようなことがテーマ。それが最高に良いのです。宇宙、異星人、未来といった設定は丹念に作り込まれているわけではなく、男女の愛を生み>>続きを読む

アイアンマン(2008年製作の映画)

3.5

いやぁ面白い。アメコミ作品をちゃんと観るのは初めてだったのだけれど、充分に楽しめました。
富豪・天才・プレイボーイという大衆の手の届かない設定でありながら、良くも悪くも軽薄で子供のような主人公はとても
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ひかりのまち(1999年製作の映画)

4.5

生きていくうえで避けられない負の感情を、全て良しとするでもなく、無視するわけでもなく、新たに生まれるちょっとした光で包み込む。この絶妙な加減。
周りからは波風の立たない生活に見えても、少しずつ積み重な
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.5

統制された社会に対抗する手段として詩を用いるロマンチックさがラストシーンで大爆発。さんざん小難しい話をして、当時の街並みそのままに奇妙なSF空間を作り上げておきながら、こんなピュアな終わり方するなんて>>続きを読む

木屋町DARUMA(2015年製作の映画)

3.5

予告編を観たときはその強烈な設定と描写にかなり心を弱らされたのですが、縁あって観ることに。冒頭は話題通りかなりキツかったのですが、全編通して観ればヤクザモノど真ん中といった感じで楽しめました。実際、回>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

4.5

全ての映画に愛を。映画製作への思いが全編を通して伝わってくる。それぞれが全く違う事情を抱えながら、一つの芸術の完成に向かうことの素晴らしさ。バカバカしい事情もあるけれど、そのすべてが愛すべきこと。
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プランケット&マクレーン(1999年製作の映画)

3.5

DVDのジャケットがかなりイカしてたので思わず手に取ったのですが、驚くほどに普通。ヴィジュアルから期待するほどにハジけた展開もなく印象的なシーンも少ない。時代設定に反したポップさを求めていたのだけれど>>続きを読む

ピープルvsジョージ・ルーカス(2010年製作の映画)

3.5

一般大衆に広く認知されているメジャー作品である一方で、このドキュメンタリーに出てくるような愛ゆえの憎悪を監督に向けるほどのファンを持つカルト映画ことスターウォーズ。彼らが子供時代に受けた衝撃は強く残り>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.0

倫理観など全く持ち合わせていない男のクレイジームービー。彼は世の中に溢れる凄惨な事件の様子をカメラに収め、少しずつ成功を重ねる。彼にとって惨劇は植物に与えられる水と同じ。何でも吸収して成長してしまう。>>続きを読む

男性・女性(1966年製作の映画)

5.0

男は常に理想を追いかけ、女は現実にしか興味がない。男(ジャン=ピエール・レオ!)は政治運動に走り、聴く音楽といえばクラシック。対して女(最高にキュートなシャンタル・ゴヤ!)はビートルズを聴き、政治には>>続きを読む

フォロー・ミー(1972年製作の映画)

4.5

男女関係のありがちな悩みを題材としながらも、とってもファンタスティック!男が女の浮気を疑う場面から始まるのですが、話が進んでいくうちに、この男女がもう1度結ばれることをただただ願うようになる。

堅物
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

3.5

「ノスタルジーに惑わされるな」という台詞が強く残る。故郷に残してきた過去に思い馳せるのが作品のテーマであるはずなのに、この台詞を登場人物に言わせるのがとても良い。過去の思い出はすべて「まぼろし」であり>>続きを読む

東京流れ者(1966年製作の映画)

5.0

セット、決められた衣装、何度も歌いながら現れる主人公。どれも現実にはありえないのに、それが徹底されているために圧倒的な説得力がある。
特に目を奪われる衣装の色使い。それぞれのパーソナルカラーに意味があ
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.5

幻想的な描写と役に取り憑かれたような演技が魅せる、松田優作の自己陶酔の世界。それでいて単なる独りよがりではない、強烈な印象を残すシーンの数々。「俺の気持ちが分かるか?!」という叫びはまさに迫真の演技で>>続きを読む

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

4.1

ついこの前イーストウッドに惚れこんだばかりなのにこの作品は彼以上に脇役2人の魅力に惹かれてしまった。それほどにキャラクターの立ち具合が見事。マカロニ・ウエスタンのルールに沿った振る舞いからそれぞれの性>>続きを読む

コントロール(2007年製作の映画)

4.0

「灰色で惨め」な思いをする彼とステージで喝采を浴びる彼。両者の隙間を埋められない苦悩が、孤独感をどんどんと加速させていく。実際の彼もそうであったように、まさに命を削って音楽を生み出していた。
彼の歌う
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未来は今(1994年製作の映画)

4.5

何と喜びに溢れた映画だろう!コーエン兄弟らしからぬ心温まる物語は観る者に救いを与えてくれる。
何もかも馬鹿馬鹿しいほどに大げさな作り。セットも音楽もキャラクターも。しかしだからこそ、どこまでも純粋なこ
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ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-(2009年製作の映画)

3.5

完成されたロックバンドの姿。楽器を演奏する様がここまでキマっている人達っているのだろうか。
ライブ映像でありながら彼らの軌跡も辿る作りで、デビュー間もないラフなファッションの若者だった頃から、黒のスー
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仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)

4.0

シリーズ完結。世間からの批判をやり過ごすために反社会組織は形を大きく変えるようになり、時代に迎合していく。主要人物たちも年を重ねてだいぶ大人しくなった様子(それでも1作目からわずか1年しか経っていない>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

4.5

描かれているのは男女の出会い。物足りないなんてことは全く無い。それだけで充分なのです。たとえ落ち込んでいても次には素晴らしい出会いが訪れるのだから!
2つの物語に出てくる男はとってもセンチメンタルで最
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EDEN/エデン(2014年製作の映画)

4.5

「栄光と挫折」という普遍的なテーマでありながら、驚くほどに穏やかな展開と描写。そこが良い。人物にあまり感情移入することなく常に一歩引いたところから眺めることができるため、大きな悲惨さを感じないで済む。>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

5.0

傑作。重厚な映像でありながら観る者にさまざまな感情を抱かせ、それでいて掴み所がない。本当に不思議な作品なのだけど、その魔力に取り憑かれてしまう。
「誰かに依存することなく人は生きていけるのか?」という
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

3.5

なんてかっこいいんだ、イーストウッド。佇まいもさることながら、特に注目したいのがその目。大きな動きはなく、常に細めたまま。しかしその一点を凝視する様があまりに魅力的なのです。圧があるというより、もの悲>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

5.0

60年代ロンドンを舞台にした人間への冷笑。どこを切り取っても画になる街並みを主人公は下らんと吐き捨てる。退廃的で次々と興味の対象が変わる彼。物語のなかで彼はある事件を目撃し、その探索に熱中するが誰も認>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

4.0

恥ずかしながらシリーズ初鑑賞(本当に恥ずかしい)。幼い頃に感じていたであろうエンタテインメントに対するワクワク感満載の作品でした。ただ恐竜が存在するだけでなく、感情移入できる少年、憧れるヒーロー、目に>>続きを読む

シンプルメン(1992年製作の映画)

4.0

多くを語らないだけでなく、映像の連続性がほとんどない。終始穏やかで緩い空気が流れるのだけれど、それをあの有名なダンスシーンが突如ぶち壊す。踊る人物たちの奇妙な関係性も含めやはり最高でした。しかしこのシ>>続きを読む

サブマリン(2010年製作の映画)

4.5

好きです。愛おしい!美しいセットに衣装。素晴らしい音楽(アレックス・ターナー!)。ナイーブな登場人物たち。皮肉を込めた笑い。どこか寂しさを感じさせるストーリー。どれをとっても最高なのです。

映像とし
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ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.0

ガツンという衝撃はないものの、ハートのこもった良作でした。粗暴だが実は心優しいオッサンと素直な少年という組み合わせはやっぱり鉄板。色んなレビューでも言われてるとおり「グラン・トリノ」に近いものがあるけ>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.5

ウェス・アンダーソン作品に出てくるのはやっぱり変な奴ばっかりだ。みんな一芸に秀でていてもどことなく抜けてるし、浮世離れしている。そんな魅力的なキャラクターがいるなか、主人公ロイヤルはとにかくクソみたい>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.0

終始暖かい空気が漂う。主人公の老人をはじめ、登場人物すべてが穏やかで優しい。しかし、その優しさの奥には辛く悲しい記憶がある。彼らの会話からその断片が垣間見えるのだけれど、こんなにも自分は穏やかに生きら>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.5

これは男性2人の友情を描いた作品だと思いたい。激情的な女性の突飛な行動ばかりに目を向けると、3人の関係を全く理解できなくなるからだ。実際、鑑賞中は女性の強烈な言動に驚いてそこばかり注目してしまったのだ>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

何だかつまらない日常に嫌気が差していた自分には強烈な作品でした。テーマの大きさがもちろんそうさせるのだけれど、ジュリー演じる主人公に原爆を作る目的が全くないのが印象的。「退屈な時間はまっぴらだ!」とい>>続きを読む