veさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

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ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.0

ガツンという衝撃はないものの、ハートのこもった良作でした。粗暴だが実は心優しいオッサンと素直な少年という組み合わせはやっぱり鉄板。色んなレビューでも言われてるとおり「グラン・トリノ」に近いものがあるけ>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.5

ウェス・アンダーソン作品に出てくるのはやっぱり変な奴ばっかりだ。みんな一芸に秀でていてもどことなく抜けてるし、浮世離れしている。そんな魅力的なキャラクターがいるなか、主人公ロイヤルはとにかくクソみたい>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.0

終始暖かい空気が漂う。主人公の老人をはじめ、登場人物すべてが穏やかで優しい。しかし、その優しさの奥には辛く悲しい記憶がある。彼らの会話からその断片が垣間見えるのだけれど、こんなにも自分は穏やかに生きら>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.5

これは男性2人の友情を描いた作品だと思いたい。激情的な女性の突飛な行動ばかりに目を向けると、3人の関係を全く理解できなくなるからだ。実際、鑑賞中は女性の強烈な言動に驚いてそこばかり注目してしまったのだ>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

何だかつまらない日常に嫌気が差していた自分には強烈な作品でした。テーマの大きさがもちろんそうさせるのだけれど、ジュリー演じる主人公に原爆を作る目的が全くないのが印象的。「退屈な時間はまっぴらだ!」とい>>続きを読む

HANA-BI(1997年製作の映画)

4.5

二本立て鑑賞の二本目。以前観たときはストーリーの良さを感じても、挿入される絵画のカットやゆったりとした流れにどこかのめりこむことができなかったのだけど、今回は最初から最後までグッときてしまった。あのラ>>続きを読む

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

4.0

目黒シネマで二本立て鑑賞。オープニングタイトルがめちゃめちゃかっこよくて、コメディ全開という前情報を聞いていたから面喰らいましたが、始まってみれば何と軽快なエンターテインメント。最初から最後までビート>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

5.0

めちゃめちゃ面白れ〜。50年前の作品をこんなに楽しめるのだからこれから一生退屈なんてしないだろうな。人生少しは明るくなりそうです。
意図的に観客を惑わす構造、観客を引き付ける(が直接には物語に関係しな
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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

4.5

自意識を拗らせた若者たちの楽しくも儚い物語。とてもとてもまっすぐな「ボーイミーツガール(もしくはガールミーツボーイ)」。感情移入する人物によっては鑑賞後に絶望と諦めを感じざるを得ないのだけれど、それで>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.5

最高に刺激的。音楽から得られる高揚感もさることながら、人生観についての扇動に強い衝撃を受ける。
「自分の可能性を否定して逃げ道を作る人生は楽しいか?」ということをこの作品は問う。人間は常に競争に勝ち続
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.0

記憶とは曖昧なもの。「事実をそのままに」覚えておくことはできないし、都合の悪いことは忘れたい。人間誰しも自らの記憶を無意識のうちに美化している。
今まで観たデヴィッド・リンチの作品もそうだったけど、今
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

兵士たちは気付けば戦場に立っている。奇襲を受けて「まだ心の準備ができてない!」と彼らは叫ぶのだけど、まさに戦争とはそんな感じなのだなと思う。冗談を言い笑い合っていたすぐ後に死の危険に晒される。戦地で自>>続きを読む

逃げ去る恋(1978年製作の映画)

4.5

アントワーヌ・ドワネルシリーズを観終えてしまった。過去作の人物や場面がいくつも出てくる今作は、これまでの彼の人生を共に振り返ることができる幸せな作品。
最後なのにアントワーヌは相変わらずふらふらと生活
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.0

和洋混淆でありながらどこか異世界を感じさせるヴィジュアル。そしてその世界でぶつかり合う破滅的な男たち。ありがちなストーリーが映像と人物の魅力により別格なものへと昇華されている。
様々な要素のなかでも特
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.0

「今年の夏の間には観るぞ!」と決めていた作品。あまりに夏(休み)を感じられすぎて毎年の定番になりそう。

素のたけしが描くひと夏の思い出。暴力的で冷徹なキャラばかりの作品を作るのも彼だけど、この優しさ
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家庭(1970年製作の映画)

4.0

事件のニオイがするオープニングの音楽がウソのような「ギャグ」満載の喜劇(テーマは重いはずなのに)。
もともとシリーズの主人公であるドワネルのダメなうえにとぼけた様子がコミカルに描かれていたけど、今作は
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スーパー!(2010年製作の映画)

4.0

この作品が伝えるのはどこまでもダメな男が持つ狂気。大切なモノを失うと途端に壊れ始め、神に全てを委ねるようになる。そんな彼を憎めないのは「正義」があるから。過剰にマジメな彼のことを分かってしまう自分がい>>続きを読む

夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

5.0

社会に適応できない若者は失敗を重ねるが最後には永久の(はずの)幸せを掴む。この最高にユルい世界にいつまでも浸っていたい。アントワーヌの何と羨ましいことか。周りにとやかく言われてもどこまでも呑気に人生を>>続きを読む

アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

3.5

思わず感傷的になってしまう。代わり映えのない日常を送る、少し変な若者の悲しい恋。しかしなんだか微笑ましいのだ。

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.0

華やかな世界の裏側と愛憎。よくあるテーマなのに圧倒的なアート性で魅了される。脳をグニャリとさせるような人物とアイテムの数々。それらの幻想的なシーンにより僕たちは夢の世界に入り込む。いつまでもこの世界に>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

4.0

全編スラップスティックコメディ調だが、単なるドタバタではなく凝った編集と奇妙な登場人物のおかげでとても不思議な印象。
後半大人たちが何の台詞もなくただただ暴れまわるのだけれど、それは生命の燃焼や自由の
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映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~(2015年製作の映画)

4.0

小さい頃のショーン達を映すオープニングが最高に可愛いくてここだけですでに泣けてしまう。
テレビ版は牧場主とビッツァー、ショーンたちの間に明確な主従関係があり、その関係から生まれるドタバタがメイン。でも
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愛・アマチュア(1994年製作の映画)

4.5

不思議な映画。登場人物も設定も物語も。なされる会話も不思議なものばかりで笑ってしまう。誰の思いも噛み合わない。でもそれら全てが心地よい。ダラ〜っとした流れに身を任せてしまう。淡々としながらもしっかりと>>続きを読む

ソレダケ that’s it(2015年製作の映画)

4.0

「熱量」という言葉は苦手なのだけど本当に痺れるほどアツい。楽曲が物語をどんどんと引っ張り、爆音に合わせて人物が躍動する。疾走する冒頭はMVを観ているかのよう。
爆音ノイズに混じり美しいメロディを聴かせ
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

上映開始から終わりまで圧倒され息つく暇がない!拳を握り椅子に仰け反り叫びたくなるアッパー系ドラッグムービー。
爆音上映かつ最前列という環境も手伝って荒廃した砂漠の国の恐怖に打ちのめされる。本当に怖い・
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.0

東西ドイツ統一を市民の日常の変化から学べる作品。他にもこのテーマを扱う作品はたくさんあるけど、この作品には重苦しさがない。
背景も分かりやすく当時の国民の思いを感じることができる。サッカーが当時まだ残
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

4.0

「グルーヴィ!」の一言に尽きる。劇中出てくる謎は重要ではない。何か大きなモノに取り込まれているのにその実態を掴むことができない、この頭がグンニャリとする感じがまさしくグルーヴィ。
全編を通して伝わるの
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はなればなれに(1964年製作の映画)

5.0

渋谷ではじまったヌーヴェルバーグ特集にて。想像以上に娯楽作。軽快な音楽に乗せて繰り広げられる恋愛と犯罪。自由を謳歌する若者のシーンばかりで最高!1分間の沈黙の後ダンスを踊ったり、ルーブルを疾走したり。>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.5

知らないどこかの風景がただ映し出される快感。大荷物を抱えて都会を歩くエヴァの姿は美しい。
それまでの展開から飛躍する奇妙なラストに驚くけど、他者との関係にもがき苦しみ傷つくのではなくて、気が向いたら仲
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マッドマックス/サンダードーム(1985年製作の映画)

3.5

さらに強く打ち出されたディストピア感。衆人環視の闘技場サンダードームはまさにその代名詞。
この3作目は神話の要素も大きくなっている。荒廃した社会で人々は神話に希望を見出した。そしてマックスは英雄として
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パイレーツ・ロック(2009年製作の映画)

4.0

セックス・煙草・酒(・ドラッグ)=ロックンロール!そこから生まれるダメ男たちの悲哀・友情!キャストも含め内容詰め込みまくりで楽しめました。

大衆音楽はラジオでの放送を制限されていた。市民はこっそりと
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

4.0

一気にヒーロー然としたマックス。前作終盤からの狂気と絶望そのままに悪と立ち向かう。アクション、爆破も数倍パワーアップ!また魅力的なキャラクターも盛りだくさん。ゲイっぽい赤モヒカンと金髪。美しい顔立ちで>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.5

下劣非道な悪に家族と友人を奪われたマックス。苦難の末に仕返しをする爽快感!ですが復讐はあまりにあっけなく終わる。その後に残る狂気と絶望に満ちたマックスの顔が印象的。

メタルヘッド(2010年製作の映画)

3.0

いつも暗い顔をした少年。帰ると家の空気も悪い。そんな家に突然無法者が転がり込む。この男の過激な言動が徐々に少年や周囲の心を変えていき・・・というのがストーリーなのだけれど正直まったくノレなかった。
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.5

壮大なおとぎ話。1920年代に憧れていたら本当にその時代に迷い込んだ!どこまでも美しいパリの街。偉大なる芸術家。魅力ありすぎな女性。もう何から何まで最高!
主人公はウディ・アレンそのものらしい。知識を
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.5

衝撃。キャストの演技と音楽のテンションが高く、ずっとクライマックスが続くかのよう。だが1つの展開が盛り上がってきたところですぐに別の場面へ。延々とこれが繰り返されて息つく暇もない。そしてさんざん濃密な>>続きを読む