Jumblesoulさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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ガラスの中の少女(1960年製作の映画)

3.5

吉永小百合の初主演作であり、浜田光夫との初共演作。
後の爽やかカップルが、こんな暗くて重いドラマで登場というのも興味深い。ちなみに本業は推理作家の有馬頼義の原作は読了済だが、殆ど印象に残っていない。
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ゴールデン・ボーイ(1939年製作の映画)

3.5

バイオリンの名演奏家だが、生活と成功のためにボクシングのチャンプを目指す青年の苦悩を描いたもの。
役柄と同じ20歳前後で、これがデビュー作となる名優ウィリアム・ホールデンが若者らしいフレッシュな演技を
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牛泥棒(1943年製作の映画)

4.0

ユーモラスな邦題からコメディ風味かと思ったら、娯楽性無しのガチな西部劇シリアスドラマだった。
町民による私刑が黙認されていた時代の悲劇を描いたもので、これがエンタメ西部劇だったら「やっちまった~」でハ
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裏切り者(2000年製作の映画)

4.0

実話をベースにした社会派サスペンス。地味な邦題のせいか存在さえ知らなかった作品だがなかなかの傑作で、チョイスしたBS松竹東急のセンスの良さに脱帽。特に派手なシーンは無くても、最後まで一気に楽しめた。>>続きを読む

オールウェイズ(1989年製作の映画)

1.0

『天国から来たチャンピオン』の飛行士版みたいなファミリー映画。
現在世界で最も有名なヘボ監督の作品なので期待していなかったが、これほどつまらない凡作とは思わなかった。ジェリー・ベルソンなる人の脚本も酷
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吐きだめの悪魔(1986年製作の映画)

3.0

酒屋の地下に隠されていた怪しい酒を飲んだホームレス達がドロドロに溶けていく、というそれだけのグチョグチョ系C級ホラー。随所にお下劣な笑いも仕込んでいて、それなりに面白かった。
無理やりっぽいが、ベトナ
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花芯(2016年製作の映画)

2.5

原作は瀬戸内寂聴が晴美名義の頃の初期代表作。
最初からそれほど興味のない男と結婚したので、別の男と不倫したというシンプルな話。80年代に「にっかつ」で作っていた文芸ポルノみたいな作品だった。
元朝ドラ
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星のない男(1955年製作の映画)

2.5

ガンマンというよりは、カウボーイが主人公のエンタメ西部劇。主演はカーク・ダグラス。
腕の立つ流れ者だが、有刺鉄線が苦手という変わったキャラ。結局それが原因でまた流れ者に逆もどりという結末。
インディア
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武器よさらば(1957年製作の映画)

1.5

タイトルからガチな反戦ものかと思ったら、ベタベタの恋愛悲劇だった。ヒロインと同じ出産の経験をした方は別として、全く響いてこない内容。
サザエさんと同じ髪型のジェニファー・ジョーンズというまるで魅力を感
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らせん階段(1946年製作の映画)

3.0

サスペンスの傑作『幻の女』や『殺人者』のロバート・シオドマク監督作品。
前半途中からラストまでは豪邸の中の室内劇という構成。ヒロインが障害者のため喋れない、タイトルになっている螺旋階段等が伏線となり結
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バーニング(1981年製作の映画)

2.0

ホラーの王道サマーキャンプもの。この手のものはジェイソン・シリーズでやり尽くされたので、さすがに新鮮味が薄い。
特殊メイクでトム・サヴィーニが参加しているが、いかにも作り物っぽいチープなモンスターで残
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はだかの女王(1934年製作の映画)

3.5

役者というよりは、当時のフランスの有名な歌姫でありダンサーだったジョセフィン・ベーカー主演のフレンチ・ミュージカル。ジョセフィンがソロで歌うシーンは、物凄い声域に圧倒される。
面白いのはハリウッドの王
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蝉しぐれ(2005年製作の映画)

3.0

原作は藤沢周平の架空の藩である海坂藩ものの代表作。
主人公の少年時代になる前編が素晴らしい。文四郎役の石田卓也と、おふく役の佐津川愛美のフレッシュな好演は見事。特に、おふくが故郷を離れて江戸に向かう時
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アルフィー(1966年製作の映画)

3.0

007シリーズ三作も有名だが、『フレンズ』そしてホロコーストものの大傑作『暁の七人』のルイス・ギルバート監督作品。
プレイボーイというよりは、女たらしの男の無意味な生き様をマイケル・ケインが演じる。正
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アンネの日記(1959年製作の映画)

3.0

実話を多少脚色した、隠れ家でのフランク一家の生活を舞台化したものの映画化作品。なので、生還した父親の話だけというエピローグはあるものの、ホロコースト以前やその後の姉妹揃って病死する収容所編等は一切描か>>続きを読む

秋津温泉(1962年製作の映画)

2.5

死にかけたクズ男を助けて惚れてしまったばかりに、最後まで苦しみ続ける温泉旅館の若女将を描いたメロドラマ。
ヒロイン岡田茉莉子が、長門裕之演じる自分勝手でテキトーな男のどこが好きなのかさっばり分からない
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地の果てを行く(1935年製作の映画)

4.0

名匠ジュリアン・デュヴィヴィエ監督とジャン・ギャバンの名コンビによる傑作である。
外人部隊の壮絶な憤死の物語に、サスペンス風味を加えた脚本は正に匠の技。肝心な殺人や戦闘場面を出さずに、観る者の想像にま
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キネマの天地(1986年製作の映画)

2.5

邦画の開明期を舞台に、女優田中絹代の新人時代をモデルにした大作。
まず主役の有森也実がミスキャスト。80年代のカフェバーに入り浸っていそうな女子大生にしか見えない有森を、後の大女優役にしたのは大きな間
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配達されない三通の手紙(1979年製作の映画)

3.5

監督が野村芳太郎なので、凡作『砂の器』のように原作無視路線かと思ったら珍しくほぼ忠実に描いたため、重厚なサスペンス傑作となった。
その原作は、アガサ・クリスティと並ぶミステリーの巨匠エラリィ・クィーン
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折れた矢(1950年製作の映画)

3.5

珍しく娯楽西部劇全盛期に作られた社会派西部劇の隠れた傑作。
物語の主軸が白人はなく、アパッチ族寄りになっているのがインディアン贔屓としては好感がもてる。酋長コチーズ役のジェフ・チャンドラーが精悍な顔つ
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喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

2.0

今は存在しない有人灯台管理人の話。国家公務員のため、全国規模の僻地の転勤族というハードな職業だったらしい。
仕事といえば映画での佐田啓二は照明機材を磨くだけで、もっと重要な業務があったような気がしない
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細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)

3.0

フェチ文学の大家である谷崎潤一郎が書いた純文学の三度目の映画化作品。
原作は大人しい美貌の三女(本作では吉永小百合)が下痢が止まらなくなるという前代未聞のラストだったが、映画ではもちろんカットされてい
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ホット・ロック(1971年製作の映画)

3.0

ロバート・レッドフォード&ジョージ・シーガル共演の泥棒コメディ。昭和のテレビ洋画劇場の定番だったもので懐かしい。
さすがに最後の催眠術は現実にはありえないが、それほど奇抜な演出もなく手堅くまとめたのは
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八日目の蝉(2011年製作の映画)

2.5

公開時に劇場で観て以来の再鑑賞。
中盤のエンジェルホーム編までは、実に優れたサスペンス。だが後半は小豆島の観光映画になり、凡作になるという残念な作品。
NHKのドラマ版でも描かれた、原作で最も泣けるエ
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バーレスク(2010年製作の映画)

2.0

超豪華なショーパブを舞台にした半ミュージカル。
いわゆる成り上がりもので、この手の作品は主人公がトップに立つまでは面白いが、そこまでというパターンは変わらず。
主人公と同居する男との恋愛関係や店の借金
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一日だけの淑女(1933年製作の映画)

4.5

まるで御伽話のような物語ではあるが、クスリと笑わせて最後に少しホロリとさせられる展開は正に映画の醍醐味であり、フランク・キャプラ監督の偉大な魔法でもある。
主役のデーブ役ウォーレンウィリアムの名演が素
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トゥームレイダーファースト・ミッション(2018年製作の映画)

2.5

強い女性ヒーローものの、先駆けみたいなシリーズのビギニング編。なので、ララ・クロフトもそれほど強くないのが逆に面白い。
とはいうものの、全体はハリウッド冒険アクションの標準的な内容で盛り上がりに欠ける
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.0

NHK BSで先行公開された、重く切ない和製ドラマ。
いかにもお役所仕事といった入管の難民受け入れ問題等をテーマにしたもので、これから続々と来るはずのウクライナ難民と、ドラマのクルド難民との扱いに差別
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お気にめすまま(1992年製作の映画)

2.0

キャストにジャック・ニコルソン、エレン・バーキン、ハリー・ディーン・スタントン、音楽はジョルジュ・ドルリューと顔ぶれは良いのに、この話じゃねぇ。コメディなのに笑えるところも無いし。
せっかく犬を参加さ
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殺人者(1946年製作の映画)

3.5

ヘミングウェイの短編小説を映画化したもので、60年代にドン・シーゲル監督がリー・マーヴィン主演でリメイクしたもの。
殺人者というよりは強盗団の話で、ボスの奥方の企みにより裏切りや騙し合いになるという話
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令嬢ジュリー(1951年製作の映画)

3.0

1951年のカンヌ映画祭バルムドール受賞作品。自立主義の女性である母親に翻弄される、不幸な貴族令嬢の話。
戯曲の映画という事で、キャストやスタッフの多くがスウェーデンの王室演劇場出身。役名の無い馬丁役
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地獄の天使(1930年製作の映画)

3.5

ハワード・ヒューズという素人監督が作った割には、なかなか良くできた戦争映画。戦争そのものよりも、兄弟愛をテーマにしたところがいい。
監督が一番力を入れた後半の空中戦は長すぎて逆に迫力が削がれてしまった
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サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

5.0

女優が映画で全身全霊を込めて演技をしていた頃の傑作で、熊井啓監督の最高作である。
高橋洋子の若さが弾ける熱演、栗原小巻の芯のある美しさ、そして田中絹代の圧倒的な存在感と、三人のプロの役者魂が画面から溢
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劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族(2021年製作の映画)

2.5

NHK BSでお馴染みの癒やし番組の劇場版。
飼い猫ではなく、人間の住居に住み着いた野良猫達の北海道とミャンマー編。愛嬌があるとはいえ、猫の映像を100分近く見続けるのは、さすがに忍耐が必要である。
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大地の子守歌(1976年製作の映画)

3.5

増村保造監督の70年代の作品。
山に住む老婆に育てられた孤児の不幸な少女の話で、野生の獣のような彼女が成長していく様が凄絶。
売春宿に売られ半盲になり最後はお遍路さんになるのだが、後半のエピソードが多
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ポンペイ(2014年製作の映画)

3.0

これまで数回映画化されているポンペイ最後の日もの。
バイオハザード・シリーズの監督のせいか、テンポも良くて面白かった。主役が剣闘士なので、前半はどうしても『グラディエイター』風になってしまうのは仕方な
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