たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

ボーイ(2010年製作の映画)

3.7

Amazonプライム見放題終了間近のタイカ・ワイティティ監督の第二作目の長編映画です。
『ジョジョ・ラビット』の原典とも言える内容で、母を亡くした少年の物語を不思議な世界観で描き出します。
主人公の父
>>続きを読む

イーグル vs シャーク(2007年製作の映画)

3.5

Amazonプライム見放題終了間近のタイカ・ワイティティ監督の長編デビュー作です。
デビュー作には、監督の全てが込められていると言いますが、不思議な魅力のあるキャラクターによる、奇妙なラブストーリーは
>>続きを読む

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

2.0

版権が切れた人気キャラクターが今後続々増えていくことになると思いますが、そうなるとこういう映画も増えるんだろうな、というホラー映画です。
くまのプーさんと大人になったクリストファー・ロビンの物語は、デ
>>続きを読む

遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.5

名匠タヴィアーニ兄弟監督、兄ヴィットリオさんに捧げられた弟パオロさん初の単独監督作品です。
ノーベル文学賞を受賞したピランデッロを題材に死を巡る静謐な映画です。
モノクロでモノローグを多様し、静かな世
>>続きを読む

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

3.4

密室殺人と不倫劇を2つの筋にして描き出すサスペンスです。
雪が降ってくる山荘を舞台に容疑者と弁護士がセッションをしていく構成を取っています。
回想シーンも多様されますが、本作は『切腹』の構成を取ること
>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

3.7

谷崎潤一郎の原作を増村保造監督と若尾文子さんの名コンビで映画化した文芸作です。
それ以上に岸田今日子さんの受けの演技が凄まじく、大映映画の質の高さを実感させられる作品でもあります。
原作は有名なので、
>>続きを読む

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.8

世界映画界のトップランナーの一人になっている脚本家で監督のセリーヌ・シアマ監督デビュー作です。
監督作品はまだ多くはないですが、このデビュー作から独自のストーリーテリングとテーマを見つけています。
>>続きを読む

レストレス〜中天〜(2006年製作の映画)

3.1

韓国ファンタジーアクション時代劇で、チョン・ウソンさんが主演です。
中国の武侠映画のようなワイヤーアクションと色彩豊かな映像が魅力的な一本です。
死んで49日いる中天を舞台に展開される物語はファンタジ
>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

2.5

NETFLIX ORIGINAL の映画の中でも特に人気の高いタイラー・レイクの第二作です。
お馴染みの超絶長回しも今回さらにスケールアップ。
アクションの技巧は史上最高レベルかと思うほど、とんでもな
>>続きを読む

モクソリ(2018年製作の映画)

2.5

Amazonプライム見放題終了間近の韓国ホラー映画です。
遊園地の呪いを描きますが、高校生グループを主人公に青春ホラー映画として仕上がっています。
韓国ホラーといえば『コンジアム』があり、本作も低予算
>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

アニメーション表現の限界を超えた前作をさらに超えてくる、とてつもないスパイダーバースの続編です。
『ザ・フラッシュ』もそうでしたが、マルチバースはなんでも出来るからこそ、失敗しがちな中、根源的なテーマ
>>続きを読む

探偵マーロウ(2022年製作の映画)

3.0

リーアム・ニーソンさん100本目の出演作は、フィリップ・マーロウ。
まだまだ新しい挑戦を続けてくれる、素晴らしい役者さんです。
4度目のタッグとなるニール・ジョーダン監督、『ディパーテッド』でオスカー
>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.1

圧倒的な前評判の高さ、期待のザ・フラッシュ、ついに公開です。
コロナ前には撮影は完了しており、様々なトラブルで延期延期、一体どれだけ寝かして、その間に何かが変わったのか、今後調べてみたいです…。
『マ
>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.0

村の次は島、ということで、土着性とメタバースで描かれる清水崇監督の新作です。
全編既視感の連続で、何に似ているか?と考えると、3Dで現実と映画の、境界線を壊した清水崇監督の『戦慄迷宮』と『ラビット・ホ
>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

2.5

誕生日には映画館へ行こう、『トゥルー・ロマンス』病な私、今年は、韓国映画の傑作サスペンスのリメイクを鑑賞です。
ノワールで勝負しても、オリジナルには絶対に敵わない…そんな中、一体どういうアプローチで再
>>続きを読む

SUGA: Road to D-DAY(2023年製作の映画)

3.5

BTSのSUGAのソロ活動を追った音楽ドキュメンタリーです。
オープニングで燃え尽き症候群的な状態になっているSUGAが多くの人たちと話したり、音楽を作る活力を取り戻していきます。
その中の一人が坂本
>>続きを読む

サメストーカー(2020年製作の映画)

2.5

パッと見たタイトルで、何故か心が踊りつつ、訳のわからない作品がAmazonプライムに登場です。
サメがストーカーなのか?
サメのストーカーなのか?
サメを利用したストーカーでした。
サメに女性を襲わせ
>>続きを読む

ザ・ラスト・ウェーブ(1977年製作の映画)

3.6

ピーター・ウィアー監督のオーストラリア時代に撮った摩訶不思議なオカルト映画です。
『ピクニックatハンギング・ロック』の次に手がけた作品であり、ある意味であの世界観の延長線上にあるのかもしれません。
>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.3

ブラムハウスの新作というだけでも期待大なのに、ジェイソン・ブラムさんとジェームズ・ワン監督のコラボというビッグなホラーです。
おそらく、本作をきっかけとして二人のコラボは広がるでしょうし、ブラムハウス
>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.0

ディズニーアニメーション実写化、続いていますが、今回の監督は適任ではないかと思います。
ミュージカル出身で、『パイレーツ・オブ・カリビアン』も撮っているロブ・マーシャル監督。
この作品をこの人が撮るの
>>続きを読む

我輩はカモである(1933年製作の映画)

4.3

マルクス兄弟の代表作で、喜劇映画史上の大傑作です。
反戦映画としても名高い作品で、今観ても風刺が効いているテーマと物語です。
ある国の首相になったばかりの男、その国を狙う隣国、そしてスパイ二人組を軸に
>>続きを読む

ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦(2021年製作の映画)

1.5

アサイラムの恒例超大作にそっくりの映画を作る企画です。
パッケージを見れば、何の作品かは一目瞭然なので、先に進めますが、怪獣の戦いよりも人間の屁理屈議論が映画の大半です。
ラスト10分ぐらいで本題に入
>>続きを読む

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

2.5

異世界系Jホラー映画です。
都市伝説を題材に、ある意味で2部構成で描かれる訳ですが、『カメラを止めるな!
』の影響をチラホラ感じさせます。
人間なんて信用できない、ということの方がテーマとしての比重は
>>続きを読む

スウィンダラーズ(2017年製作の映画)

3.6

詐欺師が詐欺師を騙す、痛快映画です。
『スティング』など、映画史上にはたくさんの傑作がある詐欺師映画ですが、これほどレビューが難しいジャンルもないです。
ほとんどがネタバレ厳禁だから。
そのためレビュ
>>続きを読む

ブラック・デーモン 絶体絶命(2023年製作の映画)

2.7

久々の快晴、日曜日の朝、サメ映画…。
2023年製作の最新サメ映画が早くも劇場公開です。
メキシコの油田を舞台に、伝説の巨大ザメのブラックデーモンと時限爆弾という2つの危機に立ち向かいます。
このブラ
>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

サラ・ポーリー監督が10年ぶりに撮った新作で、アカデミー脚色賞を受賞したディスカッションドラマです。
もともと女優さんだったのですが、映画にも出ない、監督としての新作もない、心配していましたが、見事な
>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

3.5

世界で最も多作な監督の一人になってきたフランソワ・オゾン監督の新作は、ファスビンダー監督のオマージュです。
今年、2本めの日本公開作で、最新作はフランスで公開中とのことで、多作かつ多様な映画を撮り続け
>>続きを読む

テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.2

全米でとんでもないことになっているらしい、おどろおどろしいほどの宣伝で、アートザ・クラウンが帰ってきました。
ここまでリアクションの大きなホラーも久しぶりです。
スラッシャーといえば、観やすい90分フ
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.6

今年もカンヌ国際映画祭で話題となり脚本賞を受賞した是枝裕和監督の新作です。
個人的には是枝監督の作品は、凄いハマるものと、どうしようもなく無理と思ってしまう好みとしては両極端に振ります。
本作はデビュ
>>続きを読む

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

4.2

世界三大映画祭を制覇しているのに日本では非常に観づらいアメリカ映画界の巨匠ロバート・アルトマン監督。
その長編第三作が劇場公開!奇跡的です…。
興行的に大失敗しながら、次作『MASH』でカンヌ国際映画
>>続きを読む

クローゼット(2020年製作の映画)

3.3

韓国幽霊屋敷ものホラー映画です。
妻を亡くして、娘と二人暮らしする家が幽霊屋敷だった、というよくあるパターンですが、世界観はなかなか興味深いです。
ある周波数をあわせるとあの世に繋がるという設定が超常
>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.0

Amazonプライム見放題終了間近の韓国映画の名作です。
光州事件を世界に報道する事を記者と記者を光州に連れていくタクシー運転手の視点で描いた作品です。
韓国映画らしい構成で、最初は喜劇タッチで、それ
>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.4

クリードシリーズ第三作で、過去からの逆襲が描かれます。
2以降で、ロッキーなしで、一体何が出来るのか、と思ってましたが、なるほど、まだクリードには描ききれていないドラマがありました。
これまでのクリー
>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.5

魔女ユニバース第二作で、まさに世界観が拡張されていきます。
オープニングからクライマックスまで前作を遥かに超える超能力バトルが展開します。
前作はそこがネタバレになっていたのと、別のレベルでサスペンス
>>続きを読む

THE KILLER/暗殺者(2022年製作の映画)

3.0

暗殺者の世直しもので、よくある物語を激しいアクションで描きます。
もりもりに盛り込んでしまうことが多い韓国映画ですが、本作は95分、良い意味でスピード感とある種の軽さのある映画です。
ドライさと時にみ
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

アカデミー主演男優賞にノミネートするなど、映画賞で台風の目となった、父と娘のドラマです。
初監督らしい瑞々しい映像は、監督自身の体験が反映され、父と娘の短い旅行を今ビデオカメラの映像で振り返っていきま
>>続きを読む