たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

エッフェル塔~創造者の愛~(2021年製作の映画)

3.2

一生に一度は行きたい街、パリ。
その象徴でもあるエッフェル塔の誕生秘話を実話をもとにして自由に創作した作品です。
三丁目の夕日的な物語を想像すると全然違いますが、建築家の葛藤や創作のもととなる起源やニ
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ガメラ対大悪獣ギロン(1969年製作の映画)

2.4

昭和ガメラシリーズ第五作は子供映画として面白いですが、完全なスラッシャー映画です。
今回ガメラが戦うのは、ギロン。
大悪獣ギロン。
大怪獣ではなく、大、悪、獣…インパクトが違います。
大きい悪の獣なの
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

アカデミー賞最多ノミネート、という結果はきっと製作している時は誰も想像出来なかったのではないでしょうか。
マルチバース世界を描き出す、ノンジャンルなアクションコメディです。
マルチバースは、可能性につ
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ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年製作の映画)

2.4

昭和ガメラシリーズ第四作は子供向けに舵を切ります。
そのことは特に問題ないのですが…。
宇宙からの侵略怪獣との戦いが繰り広げられ、クライマックスは『キラーカブトガニ』のもとのなったのでは?と思ったりも
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.5

映像と音楽の融合がうまくいった瞬間ほど、映画の面白さを実感出来る時はありません。
世界一のジャズプレイヤーになるという目標をかかげた主人公と彼の影響を受けて行く人々を描き出します。
原作は未読なので、
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.1

世界で最も尊敬するダルデンヌ兄妹監督のティーチイン付きプレミア上映に行って参りました。
世界的な映画監督も来日が出来るようになってきたのは、良いことですが、今回もとてつもない映画を作っています。
新聞
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ぼく モグラ キツネ 馬(2022年製作の映画)

3.7

アカデミー賞短編アニメーション映画にノミネート中の作品です。
タイトルの通り、僕を主人公にして、雪の中でモグラとキツネと馬に出会う物語です。
童話のような物語で、雪景色とそれぞれのキャラクターの孤独が
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エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆(2022年製作の映画)

3.6

アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画にノミネート中のインドの象の映画です。
とにかく映像が綺麗。
森の中で生きることの過酷さとふれあいによる癒し。
短編で観やすいですが、長編にしても観てみたくなる題材
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マーサ・ミッチェル -誰も信じなかった告発-(2022年製作の映画)

3.5

アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にノミネート中のウォーターゲート事件の告発の裏話です。
司法長官の妻マーサ・ミッチェルがその人で、マスコミも虜にする発言者だったのが、ニクソン大統領の疑惑を言うよ
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さまよう魂たち(1996年製作の映画)

3.3

ピーター・ジャクソン監督のハリウッドデビュー作で、ロバート・ゼメキス監督が製作したホラーコメディです。
この作品の後が『ロード・オブ・ザ・リング』です…。
幽霊と除霊師の戦いが描かれますが、過去のおぞ
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毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

3.4

ジョニー・トー監督の『毒戦』を韓国がリメイクした作品です。
オリジナルよりも視覚的にも派手な狂気の世界が描かれます。
麻薬による精神への影響はより強烈な描写になっており、恐ろしい韓国ノワール映画に進化
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モ’・ベター・ブルース(1990年製作の映画)

3.6

多くの傑作映画を作っていくスパイク・リー監督と主演デンゼル・ワシントンさんの初コンビ作品です。
ジャズトランペッターを主人公に、ジャズと友情と恋を描きます。
ミュージシャンの映画は基本的に破滅型の映画
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大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス(1967年製作の映画)

3.4

昭和ガメラシリーズ最高傑作とも評価されるシリーズ第三作です。
ガメラのライバル怪獣として代表的なギャオスが登場します。
平成ガメラの原型にでもある構成、設定、ドラマが展開します。
注目するポイントは、
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湯道(2023年製作の映画)

2.5

お風呂の映画、出来ました…からの若本規夫さんナレーションの予告編で、これは、おバカ映画が来た、と観に行きました。
観てびっくり、真面目な映画です。
もちろん群像劇で喜劇タッチなのですが、お風呂で感じる
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大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年製作の映画)

2.8

昭和ガメラの第二作ですが、異色の作品です。
子供が出て来ない、90分前後の昭和ガメラで唯一100分上映時間、ガメラよりも敵のバルゴンが出て来る…。
これらは負の要素のようにみえてしまいます…。
ガメラ
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.5

911アメリカ同時多発テロ事件の被害者遺族支援のために働いた弁護士たちを描く、実話をもとにした作品です。
これもまた倫理や価値観を揺さぶられる作品で、決して簡単な事ではないのが、映画を観ているうちにわ
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大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)

3.3

今年NETFLIXで新作が製作される事が発表されたガメラシリーズ。
大映映画を観ているところなので、ガメラシリーズも復習鑑賞です。
シリーズ第一作は、『ゴジラ』などと同じように敵の怪獣は出て来ず、人類
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

ビレアウグスト監督やミヒャエルハネケ監督など、世界有数の映画監督しかやったことのない2作品連続カンヌ国際映画祭パルムドールを若くしてやってのけた、価値観転倒のブラックコメディです。
『フレンチアルプス
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.3

サム・メンデス監督の新作は、1980年代の映画館を舞台にした作品です。
描かれるテーマが多様で、心の病、人種差別に、移民排斥、現代ほとんど変わらない深刻な状況です。
映画館を舞台にしてはいますが、『ニ
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.5

ジョージ・ミラー監督久々の新作は古典を現代に蘇らせたファンタジーです。
神話や伝承、物語についてを掘り下げていきます。
科学が進むと、わからないことが減っていき、物語の価値そのものが変わるかもしれない
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大魔神逆襲(1966年製作の映画)

2.9

大映特撮時代劇、大魔神シリーズの第三作で、今のところ最後の大魔神映画です。
確かにこれ以上、何が出来るのか、ちょっとわからない作品です。
信仰心をテーマとした内容は、子供達の冒険という題材にもなり、新
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シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.1

池井戸潤さんの小説の映画化です。
代表作でもあり、テレビドラマ化もされている有名な作品ですが、脚本に原作者も協力しています。
松竹最後の職人監督の一人でもある本木克英監督作品なので、プログラムピクチャ
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.4

池波正太郎生誕100年記念の一つで、藤枝梅安二部作の第一部です。
久々に本格派の時代劇である意味、『レジェンド&バタフライ』と対になっている印象です。
梅安の過去を初めて知りましたが、ギリシア悲劇のよ
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大魔神怒る(1966年製作の映画)

3.2

大映特撮時代劇『大魔神』シリーズ第二作です。
三隅研次監督が時代劇の面白さと怪獣映画の面白さをミックスさせ、他の特撮映画にはない独特な魅力あふれる作品に仕上げています。
本作のテーマは前作よりもさらに
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ICE ふたりのプログラム(2018年製作の映画)

3.2

フィギュアスケートを題材にしたロシア映画です。
NETFLIXオリジナルの『刑事グロム』の監督の映画でやたら古い映画を公開している印象ですが、アート系映画の多いロシア映画としては異色の娯楽映画です。
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後宮の秘密(2012年製作の映画)

3.1

『王の涙』を観たので、他の朝鮮王朝時代劇を、という事で、真逆の残酷時代劇です。
主演は『パラサイト』の奥様役で有名なチョ・ヨジョンさん。
『背徳の王宮』など時々現れる朝鮮王朝の宮廷内でのエログロを描き
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王の涙 イ・サンの決断(2014年製作の映画)

3.4

朝鮮王朝の中でも明君と言われるイ・サンの暗殺事件の顛末を描いた作品です。
暗殺事件が起きる20時間前から物語はスタートし、『七人の侍』的な大雨でのクライマックスになだれこんでいきます。
『24』のよう
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

3.9

ジャック・リヴェット監督の代表作で、3時間を超える大作です。
『不思議の国のアリス』をモチーフに、現実と幻想が入り乱れるファンタジーで、女性二人を主人公に繰り広げられます。
現実と幻想の境界も非常に曖
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濡れ髪喧嘩旅(1960年製作の映画)

3.0

明朗時代劇、濡れ髪シリーズ第四作は、喧嘩に強い旅鴉と女に弱い侍の珍道中です。
遠山金八郎という金さんと似た名前の主人公に旅鴉が金のために協力していくことから展開していく物語です。
シリーズ第四作で、マ
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.7

今年ベスト確定クラスの傑作サスペンス映画です。
パク・チャヌク監督の最高傑作更新とも呼べる破格の映画です。
ヒッチコック監督亡き後、最もヒッチコック的な方向性に舵をきって、最も近づいた作品で、見事に成
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

『君の名前で僕を呼んで』の主演監督のコンビによる叙情系純愛ホラー映画です。
題材が題材だけに、万人受けは厳しいですが、普通の社会では生きられない人々の極限状況をニューシネマ的に描き出すのは共感が高い物
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.8

待ちに待った、やっと公開、ポール・ヴァーホーヴェン監督の新作です。
今回も過激描写が盛りだくさんですが、彼の映画で過激なだけの映画は一本もありません。
本作もペストが広がっていく世界の中で、圧倒的な男
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

マーベル・シネマティック・ユニバースもフェイズ5に突入、アントマンシリーズ第三作で征服者カーンの登場が描かれます。
正直そこがピークな印象があります…。
序章に徹してしまったと言いますか、スコット一家
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浮かれ三度笠(1959年製作の映画)

3.4

勧善懲悪、明朗時代劇の濡れ髪シリーズ第三作です。
第二作のコンビが好評という事で、姉妹編とも言われています。
今度はお姫様が巻物を持って町に出るてしまい、追う若侍は旅鴉と出会い、という筋です。
人の上
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濡れ髪三度笠(1959年製作の映画)

3.4

濡れ髪シリーズ第二作は、前作と直接繋がりはないですが、身分を隠して、という物語が共通しています。
今回は若君が旅鴉との珍道中を繰り広げます。
本作は当時デビューしたばかりの本郷功次郎さんが主役で雷蔵さ
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濡れ髪剣法(1958年製作の映画)

3.6

『眠狂四郎』シリーズ全作鑑賞出来たので、雷蔵映画の人気シリーズを遡って『濡れ髪』シリーズの第一作です。
『眠狂四郎』にしても『大菩薩峠』にしても剣三部作にしても、ダークな雷蔵映画が続きましたが、市川雷
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