たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.6

リチャード・リンクレイター監督とケイト・ブランシェットさんの新作ですが、日本公開まで4年、やっと鑑賞できました。
メンタルヘルスの問題を、時にユーモアを持って優しく描き出します。
人間の複雑さを独特の
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.7

ジョン・ウィックチャプター4です。
上映時間169分、一体何をどうしたらアクション映画でここまで長くなるのか?
アクションシーンを増やせば良い、というほど、本作はアクション映画史上前人未到の領域に入っ
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.5

『あなたを抱きしめる日まで』の脚本と監督コンビの新作は、驚きの実話を描きた作品です。
シェイクスピアの『リチャード三世』を知り、本物のリチャード三世の遺骨を発見した主婦の物語です。
考古学やシェイクス
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.6

尋常ではない高評価を獲得しているミュータント・タートルズの新作アニメーションです。
観て納得、ヴィジュアルのインパクトが素晴らしく、物語も風刺をきかせながら、普遍的な青春映画になっています。
ミュータ
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

3.8

ピエール・エテックス監督の長編第3作です。
4話からなるオムニバス作品で、今回も自由とその結果他人に与える影響が面白おかしく描かれます。
不眠症なのに、ホラー小説を読んで眠れなくなったり、映画館での迷
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ブラック・シー(2014年製作の映画)

3.3

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近のジュード・ロウさん主演の潜水艦映画です。
潜水艦映画にハズレなし、とはよくいったもので、本作はイギリスの労働者階級を描く作品でもあります。
途中、物語があっ
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.3

伝説のアニメーション、公開25周年で4Kリマスターで劇場公開です。
今観ても新しい、先見性は圧巻で、今敏監督のデビュー作でもあるのですが、衝撃です。
90分を切る上映時間のテンポの早さも、描かれるテー
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絶好調(1965年製作の映画)

3.7

ピエール・エテックス監督の『健康でさえあれば』からの独立した短編映画です。
これもまた皮肉が効いた作品で、1人での自由なキャンプでの失敗から、整備されたキャンプ場に行くと…という物語です。
前半の『破
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.0

ピエール・エテックス監督の短編第二作でアカデミー最優秀実写短編賞を受賞した作品です。
結婚記念日に早く家に帰りたい男が、さまざまな策を講じますが、周りは大迷惑、自分はどんどん家から遠くなる、という物語
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破局(1961年製作の映画)

3.9

ピエール・エテックス監督の短編デビュー作です。
タイトル通り、破局を迎える男の悲哀を爆笑と共に描き出します。
あまりにもついていない時、人間以外も敵に思えてくる事もあるかもしれませんが、そんな時はこの
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ラヴ・ハッピー(1949年製作の映画)

3.5

マルクス兄弟最後の主演作で、ハーポを主演にしたドタバタミステリーです。
ここまでくると、実験性は洗練されてくる一方で、これまでのオマージュのようにもなっています。
また女性の使い方は、今だとアウトにな
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けだもの組合(1930年製作の映画)

3.4

マルクス兄弟主演映画第二作です。
彼らの舞台劇を映画化したもので、晩餐会でのドタバタ喜劇です。
ただその後の映画らしい映像実験のようなものが少なめで、舞台劇の映画以上にはなっていませんでした。
習作と
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狎鴎亭(アックジョン)スターダム(2022年製作の映画)

3.4

マブリーとチョンギョンホさんの共演による美容整形ビジネスを描く作品です。
ギョンホさんは『賢い医師生活』で医者役だったこともあり、私の中では医師のイメージにぴったりですし、マブリーの怪しすぎるファッシ
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コンフィデンシャル/共助(2017年製作の映画)

3.5

続編も楽しみな南北朝鮮の刑事たちによるアクションコメディです。
『シュリ』の頃と比べると、南北問題を描く作品も大きく変わりました。
本作のような、ある事件をめぐって、北と南の刑事が極秘の共同捜査をする
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.0

ケネス・ブラナー監督主演によるポアロシリーズ最新作です。
気がつくと3作目、原作が膨大にあるとはいえ、ハイペースで出来上がっています。
ミステリージャンルが苦手でも本シリーズを観てしまうのは、演技派の
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

ゲームの映画化が増えてきていますが、ひねった事で成功している作品です。
レーシングゲーム『グランツーリスモ』のトップゲーマーを本物のレーサーにしようとして、成功したプロジェクトを描きます。
プレステ2
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.1

岡田麿里監督の新作で、MAPPA製作というなかなか魅力的な座組のアニメーションです。
ひねりひねった設定と独特のセリフまわしに、世界観のクセは強めです。
最近の、特にアニメーションは、物語の理屈や整合
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ミスター・コンドーム(1997年製作の映画)

3.3

韓国映画が爆発的に世界の注目すべき映画大国になったのは、1999年の『シュリ』からで、それ以前の作品は一部の文芸映画以外はなかなか観ることも難しいです。
韓流20年を超え、今も活躍する俳優さんの若い時
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ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)

3.5

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国政治ドラマです。
ソウル市長選で三選を目指す市長をチェ・ミンシクさんが演じる作品です。
ミンシクさんだと、汚職と暴力ととなっていそうなイメージがあります
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コロニアの子供たち(2021年製作の映画)

3.4

『オオカミの家』でも取り上げられたコロニア・ディグニダを描いた作品です。
本作は実写の劇映画のため、抽象的ではなく、かなり具体的に描かれます。
入ったばかりの少年を主人公に、少しずつ内部の恐ろしさがわ
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劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

2.9

5年ぶりの『シティーハンター』劇場版の最新作です。
ずいぶん空いてしまいましたが、キャッチコピーでも出ている通り、最終章のスタート作品でもありました。
前作以上のお祭り騒ぎ感が凄まじく、キャッツ・アイ
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

3.0

ブラム・ストーカー原作の『ドラキュラ』の中でも最も恐ろしいと評される作品の登場です。
撮影がイーストウッド組のトム・スターン撮影監督。
夜の闇と霧の深い、観えづらい映像美が本作でも追求されて、古き良き
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禁じられた遊び(2023年製作の映画)

1.5

前作で壮絶にやらかした中田秀夫監督の新作ホラーです。
中田秀夫監督は『リング』シリーズで映画とはここまで恐ろしく出来るものなのか、と教えてくれて、私のその後の人生を狂わせた恩人のような監督なので、新作
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KKKをぶっ飛ばせ!(2020年製作の映画)

3.3

21世紀に蘇ったブラックスプロイテーション映画とも呼びたくなる映画です。
1971年テネシー州で起こったKKK惨殺事件を映画化したものですが、本作はイギリス映画で、宣伝によると、過激すぎてアメリカでは
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.6

韓国の名優が揃う政治ドラマです。
軍事独裁政権下の韓国を舞台に、大統領を目指す男と側近の男の葛藤が描かれます。
目的は同じで、最初は協力して選挙にも勝っていくのですが、根本的なところが違う、というドラ
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サンタクロースの眼は青い 4Kデジタルリマスター版(1966年製作の映画)

3.5

ジャン・ユスターシュ監督特集から、初期作品の二本立てです。
初期の中編で、本作の成功がその後に繋がっている印象です。
モラトリアムな不良の若者たちの生態が描かれます。
本作もいい加減な若者たちですが、
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わるい仲間 4Kデジタルリマスター版(1963年製作の映画)

3.4

ジャン・ユスターシュ監督特集から、初期作品の二本立てです。
ヌーヴェルヴァーグの一本で、ナンパ師のコンビのドタバタです。
他のヌーヴェルヴァーグの監督に比べて、非常にいい加減な作風がリアルだとしたら、
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

最近の日本映画の中では、必見の題材でもある作品です。
関東大震災直後に発生した、噂とデマによって引き起こされた虐殺事件を描きます。
本作はそこに至るまで非常に丁寧に、3つの視点で描かれます。
のちの加
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復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.5

名優イ・ソンミンさん主演でアトム・エゴヤン監督の『手紙は憶えている』の韓国版リメイクです。
オリジナルがクリストファー・プラマーさんだったので、イ・ソンミンさんが特殊メイクで出てきます。
内容的にはも
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PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)

3.5

絶好調なインド映画、今年の興行収入第1位作品が早くも公開です。
『RRR』の大ヒットのおかげで、過去作の公開や、新作はより早い公開が行われて、ありがたい限りです。
本作はインド映画が得意とするスパイア
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

2.5

山田洋次監督最新作です。
最近よく組んでいる吉永小百合さんが主演で、山田洋次監督作品初出演の大泉洋さんが新風を入れてくれます。
親子3代の葛藤が描かれるわけですが、恋愛に年齢は関係ない、というテーマで
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

とてつもなく豪華になっていくウェス・アンダーソン監督の最新作です。
一体どう集めたらこうなるのか?ハリウッド映画よりよっぽど豪華なキャストは、この映画作家への期待と感じることが出来ます。
本作は、ウェ
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.2

二度目の『ホーンテッドマンション』は、非常にたくさんの物語を盛り込んだウェルメイドな作品に仕上がっています。
ちゃんとホラーを撮れる監督を起用して、怖いシーンと人間ドラマがミックスされていました。
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世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)

5.0

エドガーアランポーの原作小説をヨーロッパの巨匠が映画化した幻想怪奇譚です。
10周年を迎えたホラー秘宝で4Kリマスター版が公開、本作がスクリーンで観られる時が来るとは…。
個人的には思い入れもある作品
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.5

キングレコード死ぬまでにこれを観ろから、モンスターゴア映画を鑑賞です。
これは楽しい、振り切ったユーモアとヴァイオレンスのバランスが最高です。
モンスターもたくさん出てくるのも楽しさの一因ですが、それ
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魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)

3.8

ユニバーサルの古典モンスターシリーズからドラキュラを鑑賞です。
ブラムストーカー原作のドラキュラの映画化は非公式版である『吸血鬼ノスフェラトゥ』がホラー映画史上の古典的最高傑作にもなっています。
本作
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