風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

風ノ助

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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

赤線地帯とは戦後公認で売春が行われていた地域のこと
家族を支えるため、生きていくために体を売る女たちの群像劇

かなり重いテーマだけど湿っぽい情なんか絡めず淡々とした目線で描いている
上手く男から金を
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山の焚火(1985年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人里離れたスイスの山中で他人と関わらず自給自足で暮らす一家
姉弟は学校にも行かず暮らしを助けて働いている
耳が不自由な弟は思春期を迎え苛立つエネルギーをどこへ向けていいのかわからず父親は彼を持て余して
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春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

4.0

歳を取り生活に疲れた男性が老人ホームへ行き幼馴染の女性と再開する
彼女はこのままホームで平穏に過ごすのではなく遠く離れた故郷に帰りたい、残りの人生を納得させたいという強い気持ちを持っていた

どう死に
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.0

西部劇だけどわかりやすい勧善懲悪の話ではなかった

主人公マニーは以前は女子供も平気で殺した極悪な強盗だったが今は足を洗って堅実に暮らしている
あるきっかけで、家族を養うお金のためにまた人殺しをしよう
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.5

登場人物全員が悪事に手を染めてるのに全員(一人除く)罪悪感ゼロで主張強めの怒涛の会話劇を繰り広げる
ジャケから想像するような色っぽい話ではありませんでした
やってることと相反して母親の上品な口調が怖い
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絞殺魔(1968年製作の映画)

4.0

実際の連続殺人事件を扱った話
前半は容疑者不在で警察による進まない捜査の様子を淡々と、後半は一転して犯行、逮捕、取り調べまでを描いていている

度々分割画面になるのは何の効果を狙ってなのかよくわからな
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ヴェラの祈り(2007年製作の映画)

3.5

前半は映像の美しさばかりに気を取られて何の映画なのかよくわからなかった
ラスト30分で一気に真実が語られるのでミステリーっぽくもあるけど驚きよりも昏い重さばかりがのし掛かる

妻の告白は言葉足らずで明
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.0

アマゾン上流の未開の街イキトスにオペラハウスを建てたい!その凄まじいほどの情熱を持つ男フィツカラルドを顔面迫力大のクラウス・キンスキーが演じる
調べたらイキトスは現在も陸路はなく飛行機が船でしか入れな
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はなしかわって(2011年製作の映画)

4.0

とにかくNYを歩き廻る
NY愛に溢れた映画

建設中のビル、信号、地下鉄の入り口
ブルックリン橋、セントラルパーク、チャイナタウン
なんでもない風景が活き活きと魅力的に映し出されている、NYに行きたく
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エレニの旅(2004年製作の映画)

5.0

1919年、ロシア革命により逆難民として祖国に戻ったギリシャ人たちが海岸に現れて見えない誰かと会話するところから始まるとても惹き込まれるファーストカット

大戦後に起きた内戦が終結するまでのギリシャに
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エル・トポ(1970年製作の映画)

3.5

自分は神だと言っていたエル・トポは女によって堕落させられる
女は悪魔の象徴?荒野の誘惑のエピソードっぽくするために設定を砂漠にしたのかな
撃ち抜かれる聖痕のような銃痕、砂漠に青い空、作りものっぽい紅い
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.5

人型ロボットやクローンが一般家庭に普及している世界 
人によって違うだろうけど『her』の世界を思い出した

中国の思想や文化情報に特化している家庭用ロボットのヤンは白人とアフリカ系の夫婦の中国系養女
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

老画家はかつて「美しき諍い女」というテーマの絵を妻をモデルにして描いていたが描き上げることができずにいた
ある日知人の紹介でやってきた若い女性マリアンヌを見て再び絵に挑もうと決心し彼女にモデルを頼む
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

4.5

イタリアの人里離れた湖畔沿いの村で昔ながらの養蜂を営み近代化に逆らった生活を送る一家のひと夏の出来事を描く

両親に愛され仕事も家のことも頼りにされている長女のジェルソミーナは家の経済状況や両親の関係
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父、帰る(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

12年間不在だった父親が突然帰ってくる
兄弟は顔も覚えてなかった父と小旅行に行くことになり戸惑いながらも嬉しい気持ちになる

父親の12年間の失踪理由、威圧的な言動、何故島へ行くのか、何もかもわからな
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

5.0

婚約したジャネットとブラッドは嵐の夜道に迷い怪しげなお城へ入り込んでしまう
城の中ではボンテージファッションに身を包んだフランクンフルター博士が人造人間を完成させたお披露目パーティが開かれていた

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ハミルトン(2020年製作の映画)

5.0

ブロードウェイミュージカルを映像化した作品
『インザハイツ』『モアナと伝説の海』の楽曲を手がけたリン・マニュエル・ミランダが脚本、作詞作曲、主演を務めている

孤児で貧しいハミルトンが優れた知能と強い
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ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

3.5

ディズニーが『メリーポピンズ』を映画化するまでの制作裏話

『メリーポピンズ』は作者であるトラヴァース夫人がアルコール依存症に苦しんだ父親と子どもだった自分を自ら作ったフィクションで救う物語
とても大
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.5

オシャレなオープニングタイトル絵画のパロ船の見せ方エロい靴脱がせ鏡の使い方などなど、完成度の高いタチとはまた違う味わいの仕掛けがいっぱいで楽しかった

前半はサイレント演出でセリフはないけど生活音に合
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.5

大学を中退し短期の仕事を繋いで生活している34歳のブリジット
毎日それなりに頑張って生きてる彼女を否定してくる人たちもいて自分でもイヤになる時がある

年下の男性と知り合い妊娠、中絶を経験し同時期に同
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アスファルト(2015年製作の映画)

3.5

フランス郊外の団地に住む3組6人の出会いと交流を描く
郊外だとフランスも日本も風景があまり変わらなく見える

母子家庭の少年が隣に越してきた女優に興味を持つ
プライドの高い女優が少年とのやりとりで過去
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ガンモ(1997年製作の映画)

3.5

ベーコンが壁に張りついてるお風呂で不味そうなパスタを食べるシーンが見たくて鑑賞、思ってたのとちょっと違った

20年以上も前にハリケーンで町が壊滅し未だ復興してないナッシュビルの最貧困地域で暮らす人た
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

5.0

明日、世界は滅びるかもしれないと思っている17歳のオードリー
刑期を終えて町に戻って来た大人の男性ジョシュに恋をして彼のレンチをバッグにしまう
レンチを抱いて眠るオードリーを想像するとたまらなく可愛い
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

3.5

父親の自殺の巻き添えを食ってオーストラリアの原野に投げ出された白人の姉弟
幼い弟を失望させないように現実を隠そうとするけど彼女だってまだ子どもだ

わりと早めにアボリジニの成人儀礼“ウォークアバウト”
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無垢の瞳(2022年製作の映画)

4.0

アリーチェ・ロルヴァケルが描く大戦中のイタリアのカトリック孤児院でクリスマスを迎える日のお話

クリスマスイブの日、子どもたちはシスターの目を盗んで戦況を伝えるラジオを流行りの音楽に変えてみんなで歌い
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フォロー・ミー(1972年製作の映画)

4.0

アメリカから来たヒッピーファッションが似合ってるキュートな女性ベリンダ
彼女に恋して結婚した会計士のチャールズ
チャールズに雇われた白づくめファッションの探偵クリストフォル

二人の男がベリンダの魅力
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

80年代初頭、小作制度が廃止されたことを知らされずに領主から搾取され続けていた小さな村の実際の事件を取り入れて作られた話
寓話のように不思議なことが起こるけど村での生活や都会で生きていく人々の映像は瑞
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.0

危機管理能力の低い若者たちが殺人鬼に追い詰められ惨殺されていく
グロ描写も直接的な表現もないけどしっかりと怖い

殺人実行担当のレザーフェイスは家族の生命維持のために兄の言うことを聞いてせっせと人間を
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トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)

4.5

オープニング、男の子たちが石畳の街を駆けているシーンを観ただけで胸がいっぱいになってしまう
子どもたちがとにかくかわいい

親に虐待されてるヘヴィな環境の子もいるけど女の子をナンパしたりちょっと度が過
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.0

LAの片隅でクリスマスだからって浮かれることもなく懸命に生きている娼婦たちや移民のタクシー運転手とその家族たちのなんてことはない一日を描いている

娼婦のシンディはトランスジェンダーでもあり世間から見
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スモーク(1995年製作の映画)

4.0

煙草屋のオーギーは毎日同じ場所で同じ時間に写真を撮り続けていて今では4000枚を超える
常連客のポールはその中の一枚から過去は確かに存在していたと気付かされ嗚咽する
二人の距離感がいい感じ

少年、オ
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

親の愛を得られなかった子どもに居場所を与えてくれるのはヤクザくらいしかいなかったのかな
三上がどこから間違えたのかを考えてたらそんなふうに思った

三上はすぐにカッとなってしまうけど情に厚く正義感も強
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

4.5

アカルイミライってカタカナにすると軽くて不安な感じがする

無為に生きてきた青年雄二は唯一心を許していた守からクラゲを譲り受け真水に慣らしていたが床下に逃してしまう

守が亡くなり取り憑かれたようにク
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祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.0

建物の中を並行移動するカメラで捉えた長回しのファーストロングカットが絵巻を見ているようですごく引き込まれました
こういうのが見たくて!

芸妓姉妹の姉梅吉は義理人情を重んじていて家業に失敗した一文無し
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.5

これは触感覚を想像して刺激されるエロス溢れるアダルトIVでした

チャイナドレスに手を這わせたりチマキを握る手が扇状的でモザイクかけなくていいのかと思うほどエロかったです
チャンの禁欲さにかえって変態
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.0

この映画を、忘れられた人々を世に出したいという思いが込められたブニュエル監督メキシコ時代の作品

メキシコのスラム街で不良少年たちのリーダー、ハイボが感化院から脱走し戻ってきた
ハイボは目の前にあるも
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