Kさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

3.8

なんだ、ただのカルト・ムービーか。

オープニングの音、カット、カメラワーク、テンポ、余白、「また同じ朝飯か」と妻をビンタする、これだけで傑作だと分かる。

「逃げた水牛を追いかける」というシンプルな
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不安な体(2021年製作の映画)

1.2

表現したいことは分かるけれど、少し物足りなかった。

それは時間ではなくて、こちらの感覚に何も影響しなかったからだと思う。観ている側も痛くなったり、苦しくなったり、共鳴したかった。

海底47m(2017年製作の映画)

1.0

夢オチからのハッピーエンド。ホラーにしても、パニックにしても、B級にしても、もっと理不尽でいいのに。

バックドラフト(1991年製作の映画)

1.0

全然わからなかった。ストーリーは理解できるけれど、動機や振る舞いが謎だった。

脚本ありきという感じで楽しめなかった。

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.5

説教映画の教科書。

年寄りが若者に説教するのは、往々にしてくだらなくなる。将来を考えろ、努力しろ、苦労しろ、働け、年上を敬え、感謝を忘れるな、愛国心を持て、他人に与えろ、家族を大切にしろ、落ち込んで
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

1.3

映像と音は良いものの、映画としてのクオリティがあったかは疑問に思う。

詩人とは別の写真家の写真を挿入した詩集と似ている。補助的な役割はあっても、詩そのものを美しくはしない。

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

1.0

無類のコメディ好きに刺さってる。

映画に気軽さも、愉快さも、笑いも求めてないから、それらを追求してるものは苦手だ。

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.5

夢は、現実からの逃避である。

睡眠中の夢でも、将来の夢でも、現実を不幸に思ってるから見るのかもしれない。

ここじゃないどこかには、理想の世界が存在するはず。自然に溢れて、適度に便利で、動物たちも穏
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ディオールと私(2014年製作の映画)

4.0

ラフ・シモンズとオートクチュール。

ラフのストイックさと、それによってちょっとモデリストに嫌われてるのが良かった。

「挨拶したくない、写真も撮りたくない」と駄々をこねていたのに、ショーの成功を確信
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

1.0

説明的で退屈だった。

ワンシチュエーションの緊張感もなかったし、宇宙の寂しさも感じなかったし、予想通りの展開とオチだった。

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)

3.2

勘違いでの殺し合い。ここまで面白くできるのは、哲学的前提があるからだ。

ゲーテの『若きウェルテルの悩み』の「世の中のいざこざは、誤解や怠慢から起こってる」の通り。

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

1.0

序盤の「わたしは誰なの?」で、もう入ってこなくなった。

雰囲気はそこまで嫌いじゃなかったから、そんなありきたりなこと言わないで欲しい。

ブラック・スネーク・モーン(2006年製作の映画)

3.1

なんで最後まで観れたのかわからない。

ただ、サミュエル・L・ジャクソンとクリスティナ・リッチの演技とビジュアルが優れていたからだと思う。

東京の闇(1982年製作の映画)

1.0

表現したいことと東京(日本)の調査が、足りてない。

エリザのために(2016年製作の映画)

3.5

善悪とはグラデーションであり、状況によって位置が変わることを捉えている。

善人と悪人の二元論で語ってしまいがちだけれど、人間はもっと曖昧な生き物だと思う。

誰かのために川に飛び込むこともあれば、雨
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.4

誰にも寄り添うことなく、淡々と物事を映していく。

平等性が担保された中で見えるのは、あらゆる”欺瞞”だ。信じてるものによって態度が変わる。真実が嘘になり、嘘が真実になる。

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998年製作の映画)

3.4

オープニングが良い。ポケモンが惜しみなく出てくるし、それでいながらシリアスな雰囲気を出すことに成功している。

20分間、ピカチュウもサトシも出てこないけれど、世界観にぐっと引き込まれる。

存在意義
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愛を複製する女(2010年製作の映画)

1.1

愛する人のコピーが欲しいのは分かるから、設定は悪くないと思う。

その前提を検証して欲しかったのに、どこにも共感も発見もなくて、ただくだらない展開の連続だった。

スローターハウス5(1972年製作の映画)

1.0

ストーリーは、わりに最初の方で展開が読めてしまって楽しめなかった。

撮り方も、色味、カメラワーク、演技が好きじゃなかった。

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

1.0

続編の必要性を感じない。

大切なものは大切にしておいて欲しい。無駄なものを無駄なままにしておいて欲しい。

トレイン・スポッティングを嫌いになった。

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

1.0

キリスト教的、説教映画。

自分がいない世界を見せられて生きたいと願うのは、想像力が無いように思う。主人公も、作家も。

クローネンバーグの ファイヤーボール(1978年製作の映画)

1.0

クローネンバーグは大好きなんだけど、本作はアメリカ的で大嫌いだった。

コズモポリス(2012年製作の映画)

2.1

ロバート・パティンソン、カメラワーク、フレーミング、画質が嫌いだった。「こういうのオシャレでしょ」という表現は認めない。

会話劇とその会話内容は好きだったけれど。

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.9

静かな描き方で、まるでマフィアの世界が私たちの隣にあるように感じさせる。

わざとらしく暴力シーンを多くしたり、怒号を飛ばし合ったり、誰かを脅したり、金の匂いをプンプンさせたりしない。

だからこそ、
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.2

理想の世界を作ろうとも、そこに人間が存在する限り、性と暴力が付随してしまう。

人間に備わる先天的なものと、社会によって作られた後天的なものがあり、それを同時に混ぜて描いてるのが面白い。

強盗を撃ち
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エム・バタフライ(1993年製作の映画)

2.3

ロマンチックだとは思うけれど、クローネンバーグらしさを感じることは出来なかった。

もっとグロテスクに人間の内面を映して欲しかった。ラストはそれっぽくて好きだった。

裸のランチ(1991年製作の映画)

4.1

ジャン=ポール・サルトルとフランツ・カフカとトマス・ピンチョンを混ぜた、私小説のような映画だった。

個人的な体験、あるいは主観的事実を純粋な映像で表現したような感じで、ストーリーは理解できてないかも
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ザ・フライ(1986年製作の映画)

3.5

ラブロマンスをクローネンバーグが撮ると、当然のように悲劇的で、期待したように視覚的な気持ち悪さがある。

相手が変わることにどこまで耐えれるか。ほとんどの人は他人が変わることを望まない。それをビジュア
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

2.3

スティーヴン・キングの作品は、テーマもあまり共感できないし、ストーリーもテクニックを披露してるみたいで好きじゃない。

だから本作も面白くなかったけれど、クローネンバーグのおかげで最後まで観ることがで
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.9

主人公はテレビに取り憑かれて抜け出せなくなってる、という単純な見方をすると観やすいし、面白くなる。

受動的なものを能動的に取得していく過程で、非現実なのものを現実だと錯覚し、暴力的に破壊的に盲信的に
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.3

サイコキネシスバトル。

派手な格闘も高度な心理戦もないんだけど、演出と演技で観てられる。特にラストは、顔芸バトルの様相を呈していて見応えがあった。

テーマやストーリーよりも、作家性が大切なんだと分
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ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

4.0

精神が物理的に具現化する、というのは非常に面白い。この作品がクローネンバーグの私怨であることも含めて。

どこに向かっているのか分からないのも、恐怖と興味を維持し続けられる。

人間機械(2016年製作の映画)

1.5

こういう環境の存在を知らない人がいるなら、まだまだ必要な作品である。

ただ、労働問題というより、根本的な原因である貧困問題について多くもっと言及するべきだと思う。

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

1.4

冷静な抗議では反応されなかったために、過激な行動で注目を集めることには賛成だ。逆効果と言われても、どうしたら効果的なのかは教えてくれないから。

ACT UP-Parisの過激性は良かったけれど、映画
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.1

前半は彼女の殺人を描き、後半は父親のダンスを描く。まったく新しい体験だ。

24種類の感情を体験する。ひとつも説明できないのだけれど、各シーンで自分でもよく分からない感情が込み上げてきて、どういう感情
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