なんだ、ただのカルト・ムービーか。
オープニングの音、カット、カメラワーク、テンポ、余白、「また同じ朝飯か」と妻をビンタする、これだけで傑作だと分かる。
「逃げた水牛を追いかける」というシンプルな>>続きを読む
表現したいことは分かるけれど、少し物足りなかった。
それは時間ではなくて、こちらの感覚に何も影響しなかったからだと思う。観ている側も痛くなったり、苦しくなったり、共鳴したかった。
夢オチからのハッピーエンド。ホラーにしても、パニックにしても、B級にしても、もっと理不尽でいいのに。
全然わからなかった。ストーリーは理解できるけれど、動機や振る舞いが謎だった。
脚本ありきという感じで楽しめなかった。
説教映画の教科書。
年寄りが若者に説教するのは、往々にしてくだらなくなる。将来を考えろ、努力しろ、苦労しろ、働け、年上を敬え、感謝を忘れるな、愛国心を持て、他人に与えろ、家族を大切にしろ、落ち込んで>>続きを読む
映像と音は良いものの、映画としてのクオリティがあったかは疑問に思う。
詩人とは別の写真家の写真を挿入した詩集と似ている。補助的な役割はあっても、詩そのものを美しくはしない。
無類のコメディ好きに刺さってる。
映画に気軽さも、愉快さも、笑いも求めてないから、それらを追求してるものは苦手だ。
夢は、現実からの逃避である。
睡眠中の夢でも、将来の夢でも、現実を不幸に思ってるから見るのかもしれない。
ここじゃないどこかには、理想の世界が存在するはず。自然に溢れて、適度に便利で、動物たちも穏>>続きを読む
ラフ・シモンズとオートクチュール。
ラフのストイックさと、それによってちょっとモデリストに嫌われてるのが良かった。
「挨拶したくない、写真も撮りたくない」と駄々をこねていたのに、ショーの成功を確信>>続きを読む
説明的で退屈だった。
ワンシチュエーションの緊張感もなかったし、宇宙の寂しさも感じなかったし、予想通りの展開とオチだった。
勘違いでの殺し合い。ここまで面白くできるのは、哲学的前提があるからだ。
ゲーテの『若きウェルテルの悩み』の「世の中のいざこざは、誤解や怠慢から起こってる」の通り。
序盤の「わたしは誰なの?」で、もう入ってこなくなった。
雰囲気はそこまで嫌いじゃなかったから、そんなありきたりなこと言わないで欲しい。
なんで最後まで観れたのかわからない。
ただ、サミュエル・L・ジャクソンとクリスティナ・リッチの演技とビジュアルが優れていたからだと思う。
善悪とはグラデーションであり、状況によって位置が変わることを捉えている。
善人と悪人の二元論で語ってしまいがちだけれど、人間はもっと曖昧な生き物だと思う。
誰かのために川に飛び込むこともあれば、雨>>続きを読む
誰にも寄り添うことなく、淡々と物事を映していく。
平等性が担保された中で見えるのは、あらゆる”欺瞞”だ。信じてるものによって態度が変わる。真実が嘘になり、嘘が真実になる。
オープニングが良い。ポケモンが惜しみなく出てくるし、それでいながらシリアスな雰囲気を出すことに成功している。
20分間、ピカチュウもサトシも出てこないけれど、世界観にぐっと引き込まれる。
存在意義>>続きを読む
愛する人のコピーが欲しいのは分かるから、設定は悪くないと思う。
その前提を検証して欲しかったのに、どこにも共感も発見もなくて、ただくだらない展開の連続だった。
ストーリーは、わりに最初の方で展開が読めてしまって楽しめなかった。
撮り方も、色味、カメラワーク、演技が好きじゃなかった。
続編の必要性を感じない。
大切なものは大切にしておいて欲しい。無駄なものを無駄なままにしておいて欲しい。
トレイン・スポッティングを嫌いになった。
キリスト教的、説教映画。
自分がいない世界を見せられて生きたいと願うのは、想像力が無いように思う。主人公も、作家も。
クローネンバーグは大好きなんだけど、本作はアメリカ的で大嫌いだった。
ロバート・パティンソン、カメラワーク、フレーミング、画質が嫌いだった。「こういうのオシャレでしょ」という表現は認めない。
会話劇とその会話内容は好きだったけれど。
静かな描き方で、まるでマフィアの世界が私たちの隣にあるように感じさせる。
わざとらしく暴力シーンを多くしたり、怒号を飛ばし合ったり、誰かを脅したり、金の匂いをプンプンさせたりしない。
だからこそ、>>続きを読む
理想の世界を作ろうとも、そこに人間が存在する限り、性と暴力が付随してしまう。
人間に備わる先天的なものと、社会によって作られた後天的なものがあり、それを同時に混ぜて描いてるのが面白い。
強盗を撃ち>>続きを読む
ロマンチックだとは思うけれど、クローネンバーグらしさを感じることは出来なかった。
もっとグロテスクに人間の内面を映して欲しかった。ラストはそれっぽくて好きだった。
ジャン=ポール・サルトルとフランツ・カフカとトマス・ピンチョンを混ぜた、私小説のような映画だった。
個人的な体験、あるいは主観的事実を純粋な映像で表現したような感じで、ストーリーは理解できてないかも>>続きを読む
ラブロマンスをクローネンバーグが撮ると、当然のように悲劇的で、期待したように視覚的な気持ち悪さがある。
相手が変わることにどこまで耐えれるか。ほとんどの人は他人が変わることを望まない。それをビジュア>>続きを読む
スティーヴン・キングの作品は、テーマもあまり共感できないし、ストーリーもテクニックを披露してるみたいで好きじゃない。
だから本作も面白くなかったけれど、クローネンバーグのおかげで最後まで観ることがで>>続きを読む
主人公はテレビに取り憑かれて抜け出せなくなってる、という単純な見方をすると観やすいし、面白くなる。
受動的なものを能動的に取得していく過程で、非現実なのものを現実だと錯覚し、暴力的に破壊的に盲信的に>>続きを読む
サイコキネシスバトル。
派手な格闘も高度な心理戦もないんだけど、演出と演技で観てられる。特にラストは、顔芸バトルの様相を呈していて見応えがあった。
テーマやストーリーよりも、作家性が大切なんだと分>>続きを読む
精神が物理的に具現化する、というのは非常に面白い。この作品がクローネンバーグの私怨であることも含めて。
どこに向かっているのか分からないのも、恐怖と興味を維持し続けられる。
こういう環境の存在を知らない人がいるなら、まだまだ必要な作品である。
ただ、労働問題というより、根本的な原因である貧困問題について多くもっと言及するべきだと思う。
冷静な抗議では反応されなかったために、過激な行動で注目を集めることには賛成だ。逆効果と言われても、どうしたら効果的なのかは教えてくれないから。
ACT UP-Parisの過激性は良かったけれど、映画>>続きを読む
前半は彼女の殺人を描き、後半は父親のダンスを描く。まったく新しい体験だ。
24種類の感情を体験する。ひとつも説明できないのだけれど、各シーンで自分でもよく分からない感情が込み上げてきて、どういう感情>>続きを読む