ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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東京画(1985年製作の映画)

4.3

ちょうど『ラ・ジュテ』を観たばかりだったので、監督のクリス・マルケルが出てきてオッ!ってなったし、そのマルケルが大の猫好きで人にカメラを向けられるのは嫌いで右目だけしか映させてくれないのは笑った。>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.5

レフン、スコセッシ、アリ・アスター、クローネンバーグ、エトガー・ライトらが崇拝する巨匠マイケル・パウエルの傑作サイコホラー。主人公はヌード写真の撮影を副業とする映画監督志望のカメラマン。

ヒッチコッ
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.0

ヒロインのバネッサ役、メリッサ・バレラが歌と踊りに加えルックスもすこぶる良い。

嫌みのないシンプルで気持ちの良い映画。ミュージカルシーンも多く踊りもプロがこぞって絶賛しているくらいなので『ラ・ラ・ラ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

グザヴィエ・ドランが映画監督を志すきっかけとなった傑作『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督新作。『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ等もカンピオンを崇めている一人。

Netflixでこの間
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.5

ハル・ハートリーは最初『シンプルメン』を観た時は、なんだこのゴダールかぶれの雰囲気オシャクソ野郎は!と思ったものの、次にデビュー作『アンビリーバブル・トゥルース』を観てかなり良くて考えを改めるに至り、>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

アラン・レネ『去年、マリエンバート』や『二十四時間の情事』なんかと同列で語れそうな戦争の追憶。

リメイクのテリー・ギリアム『12モンキーズ』の方が“面白い”のはたしかだけれど、こちらは一枚一枚のモノ
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.0

エンタメ振り切り吉田大八。

これはこれで彼の1つの到達点という取り方も出来るのかもしれないが、やはり『桐島~』や『美しい星』のような奇っ怪な作品(商業面も担保しつつ)こそが彼の骨頂だと思ふ。

松岡
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イーストウッド語られざる伝説(2013年製作の映画)

3.5

YouTubeにて現在無料公開中のイーストウッドドキュメンタリー。

『ミリオンダラー・ベイビー』の盛大なネタバレあり。とはいえ色々と観返したくなる良質ドキュメンタリー。特に『ミスティック・リバー』と
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

3.0

『ノマドランド』より断然こちらの方が…みたいな感想をよく見かけたので期待したのだが、特にクロエ・ジャオファンというわけではない私的にはどちらも同じような印象。

一枚絵としてハッとさせられる瞬間や、映
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ティングラー/背すじに潜む恐怖(1959年製作の映画)

4.5

ジョン・ウォーターズ、ジョー・ダンテ、ロブ・ゾンビ…私の愛する映画人たちはみんなこの映画が大好き。

アメリカでも過小評価されているB級映画監督ウィリアム・キャッスル。全編とにかくアナログな手触りが堪
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マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

3.5

レフン監督夫妻版『ブルーバレンタイン』とでもいうべく倦怠夫婦ドキュメンタリーであった。

作品製作でうまくいかないことを妻に当たる“弱い”レフンや、お茶目なゴズリングが垣間見られたのは嬉しいが、まぁ作
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都会のアリス(1973年製作の映画)

4.5

“ジョン・フォード、死す”

ヴィム・ヴェンダース流『不思議の国のアリス』。『ペーパームーン』と同年製作というのも興味深い。

超良い。人によっては良い睡眠導入剤的役割を果たすかもしれないが。

軽く
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ハロウィン(2018年製作の映画)

3.5

言わずもがなのホラークラシック、ジョン・カーペーター監督の『ハロウィン』(1978)の40年後の世界を描いたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督作。

良くも悪くも器用な職人監督が撮った1作という感があ
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鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)

3.5

87歳現役YouTuberでもある、みんな大好き中島貞夫監督。

『狂った野獣』や『暴動島根刑務所』のようなウルトラミラクルハイテンションな傑作を期待すると少々あれ?という感じは私的にある。本作はAT
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情事(1960年製作の映画)

4.0

ちょっといくらなんでも間延びしすぎ感はあるものの、『バーニング 劇場版』への影響(※勿論、村上春樹への影響も)を感じさせる失踪モノとして、どこへ向かっていくのかまるで掴めない展開に同監督の『赤い砂漠』>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.1

イタリア映画にかぶれてみる2本立て、1本目。ベルトルッチ。

『暗殺の森』とほぼ同時期の作品で、邦題も同じ“暗殺の~”ではあるのだが、本作『暗殺のオペラ』は徹頭徹尾張り詰めた傑作『暗殺の森』に比べ、ど
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.3

傑作!名作!という類いのものではないかもしれないが、すべてが“丁度良い”塩梅のずっと浸っていたい心地良い1作。

この感覚は邦画だと沖田修一作品とかに通ずるものがあるかもしれない。ちょっとした会話の積
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アオラレ(2020年製作の映画)

4.3

スピルバーグ『激突』や『ヒッチャー』、ひいてはヒッチコックスリラー的恐怖。

『水を抱く女』『RUN/ラン』と、ここのところ立て続けにヒッチイズム感じる力作・秀作に出会えて幸福。

ラッセル・クロウが
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転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)

2.0

『君の名は。』の元ネタのそのまたリメイク版(←ややこしい)。オリジナル版(1982)未見で鑑賞。

デビュー作『HOUSE ハウス』や、近年の『花筺』や『海辺の映画館~』が大好きで、これらを先に観てし
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.3

まさしく『何がジェーンに起こったか?』『ミザリー』の現代再構築版。

“囲い込まれる”という恐怖。
この毒母、相当に手強い。

監督の前作『search/サーチ』も、ほぼパソコン💻画面上のみで展開する
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アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

3.5

特典インタビューで、思い出深い撮影エピソードは?と聞かれたシアーシャ・ローナンが「私の25歳の誕生日に激しいセックスシーンを演じ、一糸まとわぬ姿で全部をさらけ出したこと!アハハハ🤣」と嬉々として語って>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.3

ベルリン映画祭常連監督クリスティアン・ペッツォルト新作。

この間初めて観た『あの日のように抱きしめて(2014)』もかなり素晴らしかったが、本作もかなり良い。すっかりファンになってしまった。

水の
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

“勇気ある撤退”
 
是枝裕和監督がコメントしていた通り、まさしく“西川美和、新章突入!”といった感じで、とうとう西川さんはポン・ジュノやイ・チャンドンの領域に足を踏み入れつつあるのかもしれない。
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

-

ベストであり、ワースト。

ある種今年一番のホラーであり、コメディであり、実験映画と言えるのかもしれない。多くの人が採点放棄しているのが納得のチェコ🇨🇿産ドキュメンタリー。

二言目にはお前脱げと言っ
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.3

30年以上アマチュアボクサーとして活動している吉田恵輔が、監督・脚本に加え“殺陣指導”までもやってみせた、企画から約8年越しの渾身の1作。

安心安定の吉田恵輔ブランド。改めてやっぱり彼の映画好きだな
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.0

『ハッピー・デス・デイ』も非常に楽しかったですけれど、本作も実に親しみやすくご機嫌な1作でございました。

明日を心配などせず気ままに過ごせる楽園にとどまるか、それともたとえ将来に不安があっても命に限
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カノン(1998年製作の映画)

4.5

ギャスパー・ノエ流
『タクシードライバー』。

とは言っても語り口は後の『アレックス』や『エンター・ザ・ボイド』に比べるとだいぶ落ち着いていて見易く、主演俳優の顔立ちや漂う哀愁とかも含め、どこか少しア
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ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

3.0

ウィリアム・フリードキンが「この作品よりも怖い映画は観たことがない」とコメントしていたが…。

たしかに御大の『エクソシスト』や、ポランスキー『ローズマリーの赤ちゃん』を思わせる系譜の作品で、アリ・ア
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とっととくたばれ(2018年製作の映画)

4.3

ジョン・ウォーターズ監督が昨年の年間ベストンテンに選出していたロシア映画。

“ロシアのタランティーノあるいはパク・チャヌク”などと絶賛され、昨年日本でもロブ・ゾンビ監督『スリー・フロム・ヘル』らと並
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ヘンリー(1986年製作の映画)

4.7

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の“ヨンドゥ”でお馴染み、ジェームズ・ガン監督作品常連俳優マイケル・ルーカーの映画デビュー作にして初主演作。


今やシリアルキラー映画のクラシックと化しているよ
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キカ(1993年製作の映画)

4.5

『オール・アバウト・マイ・マザー』以前の世界的名匠扱いされる前のアルモドバル作品を初鑑賞。

最近の超落ち着いた『ペイン・アンド・グローリー』を観たばかりというのもあってか、より無茶苦茶な映画に感じた
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21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.5

マン師(マイケル・マン)の『コラテラル』の撮影監督と知り、この妙に艶かしい色っぽい夜の街の切り取り方に合点がいった。

“Mr.ブラックパンサー”ことチャドウィック・ボーズマン遺作だけれど、今年初めに
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.3

リドリー・スコット御大83歳お元気で何より、という安堵感にまず包まれる1本(※80歳を超えた今も尚、格闘系ジムに通う超肉体派)。

10年代以降のリドスコ作品では流石に『プロメテウス』『悪の法則』程の
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ズームイン 暴行団地(1980年製作の映画)

4.3

『HOUSE ハウス』や『花筺』等の大林宣彦監督作、『暴(や)る!』や『暴行切り裂きジャック』等の長谷部安春監督作の脚本で知られる桂千穂が脚本を手掛け、“ロマンポルノのクロサワ”こと黒沢直輔が初メガホ>>続きを読む

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

4.0

”もう説明できることはない。それを説明したかった。言うなれば僕は旅人、僕の旅は終わりのない休暇(Permanent Vacation)だ”。

ジム・ジャームッシュの商業デビュー前に、ニューヨーク大学
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オーバー・ザ・ブルー・スカイ(2012年製作の映画)

4.0

公開時にポスターに惹かれてから約7年越しの鑑賞。

映画としては正直もうひと超えという感じは否めなかったものの、『ブルーバレンタイン』×『アリー スター誕生』×『クレイジーハート』×『君が生きた証』な
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