ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

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EDEN/エデン(2014年製作の映画)

4.5

あのオリヴィエ・アサイヤスの元妻で、ELLE誌による“フランスを動かす50人の若者"の一人にもかつて選ばれたミア・ハンセン=ラブ監督作品。

物凄くしっとりダウナー系のDJ版『ウルフ・オブ・ウォールス
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.3

桃李と亮平のデートムービー。
前作にも増して『県警対組織暴力』み。

『アジョシ』のウォン・ビンを思わせる短髪の桃李くん。どんどん良い俳優になってる。いくら髭を生やしてダーティさを全開にしても、両者と
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デリンジャー(1973年製作の映画)

4.5

マイケル・マン監督×ジョニー・デップ主演によるリメイク版『パブリック・エネミーズ』も、それ相応には見応えあるマン氏の意図が汲み取れる作品ではあったが、やはり本作が最高。

“私の観たいアメリカ”が、美
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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

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アキ・カウリスマキ、3.5
ペドロ・コスタ、4.5
ヴィクトル・エリセ、4.0
マノエル・ド・オリヴェイラ、4.0

カウリスマキ編
本当にいつものカウリスマキ映画の断片を見せてもらったという感じで
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悦楽交差点(2015年製作の映画)

4.7

圧巻。『アルプススタンドのはしの方』の城定秀夫監督作。

「見る」「見られる」の視点の転換のなんとスリリングだこと。こんな映画マジで観たことない。歪なようで超純愛映画。

某映画評論家似のストーカー男
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トラック野郎 度胸一番星(1977年製作の映画)

4.0

千葉真一さん追悼鑑賞にして、トラック野郎🚚初体験。

いきなり5作目から挑んだわけだが、評判が一番高かった本作、たしかに1本の作品として型破りで無類に面白い。鈴木則文のハイテンション演出が冴え渡ってい
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屋敷女(2007年製作の映画)

4.7

パスカル・ロジェ『マーターズ』、アレクサンドル・アジャ『ハイテンション』らと並び、三大フレンチホラーの1つに数えられる『屋敷女』。

いや、凄い。大傑作。ただならぬ予感はしていたものの、もうちょっとチ
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永遠の僕たち(2011年製作の映画)

3.5

“ガス・ヴァン・サント監督版『ハロルドとモード』”とも言えるような、葬式巡りが趣味のエディレッド・メイン風草食男子イーノック(ヘンリー・ホッパー)と、『勝手にしやがれ』のジーン・セバーグを思わせるベリ>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.8

うーん、楽しいがなんか惜しい。

最近の『クルエラ』とかにも通ずるんだけれど、大手会社による“悪役集めてみました!”“最恐のヴィラン誕生!”みたいなのがどうも個人的に胡散臭さを感じてノれないことが多い
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組織(1973年製作の映画)

4.5

タランティーノが設立した映画配給会社である“ローリングサンダー・ピクチャーズ”のレーベル名の由来は、本作の監督ジョン・フリンが手掛けた傑作『ローリング・サンダー』から来ていることは有名だが、そのフリン>>続きを読む

隣の影(2017年製作の映画)

4.5

斎藤工氏イチオシの北欧ブラックコメディ。うわ、好物なやつです。

私の大好きな『フレンチアルプスで起きたこと』+ヨルゴス・ランティモス監督作+『クリーピー 偽りの隣人』+『葛城事件』に『ほえる犬は噛ま
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ジャンヌ・ダルク(1900年製作の映画)

4.5

『月世界旅行』(1902)という映画史上の超重要作を手掛けたジョルジュ・メリエスによるジャンヌ・ダルクもの。10分ほどの短編。

カール・TH・ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』という絶対的なジャンヌ・
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すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

4.0

デイミアン・チャゼルは改めて鈴木清順及び初期ゴダール&初期カサヴェテスが好きなのだなと。『ラ・ラ・ランド』への影響もそこかしこに。

とにかくポップでモダンでハイカラ!白黒ながら目に耳に楽しい。ずっと
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.5

『ターミネーター』+『マトリックス』+『ロボコップ』+クローネンバーグ風味。荒唐無稽さもまた味の、オタク心くすぐる1本。

昨年の傑作『透明人間』ほどの“アップグレード”はまだ見せていないものの、低予
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スリー・フロム・ヘル(2019年製作の映画)

4.3

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のタランティーノとはまた一線を画すロブ・ゾンビ流の濃い~味付けのマンソン愛、映画愛。

前作にして大傑作『デビルズ・リジェクト』のような映画としての圧倒
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喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)

4.3

“体の純潔よりも心の純潔”

倍賞美津子の映画初主演作にして、反骨精神溢れる鬼才・森崎東監督の長編デビュー作。実に型破りな喜劇。

渥美清さん演じるプレイボーイの性差別的でコンプラ破りまくりのキャラク
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大盗賊(1961年製作の映画)

3.0

ベルモンドとカルディナーレの絡みは目に幸せとしか言いようがないし、公開しソフト化してくれたことには感謝しかないが、“傑作選”というからにはやはり傑作を見せてよという気持ちの方が勝ってしまった。すみませ>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

4.0

汚物まみれの腐臭漂う地獄の地下水道と、奮闘するブロンド美女デイジーの対比が美しい。

ワイダは『灰とダイヤモンド』も面白いには面白かったが、本作の方がより凄みを感じる。ショットのキマり具合も最近観た『
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ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)

4.0

メル・ギブソンが『復讐捜査線』で演じていたような、復讐の鬼と化した死んだ魚の目の暴力刑事を、あのニコール・キッドマンが老けメイクで怪演。くたびれたニコマンの佇まいがとにかく素晴らしい!

映画としては
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.5

黒沢清監督が指摘していた通りベルトルッチ、鈴木清順、ゴダールが混在しており、そこにカーウァイ要素(※ただネオンカラーの色使いもカーウァイほどポップでお洒落ではない)と、初期北野武や黒沢清及びレフンやザ>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.5

『ブリキの太鼓』+クローネンバーグ+リンチ+ランティモスのような不条理劇。それに加え、ヒロインが疲弊し壊れていくポランスキー『反撥』的な神経症スリラー要素も。

『エクソシスト』にも影響を与えたルネ・
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.3

“お前の中にちゃんと答えはあるだろ”

いや~不覚にも泣かされた。傑作。完成度の高さという一点においては昨年公開作でトップクラスだろう。

イカダの航海シーンなんかはアニメではないが、『ライフ・オブ・
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

4.3

暴力映画好きの方々が傑作と推していて、“PART2好き”としてもいつか観ねばと思っておりようやっと鑑賞。

前作はタイトな尺と限定空間でもって魅せる、息つく暇もない無駄のないソリッドなアクション映画だ
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空に住む(2020年製作の映画)

3.8

“さっきの子、妊娠してた?なんか大きなお腹って不気味だよね”by(岩田剛典)

まさに青山真治版『東京上空いらっしゃいませ』(相米慎二)+『ティファニーで朝食を』(ブレイク・エドワーズ)。

流石は孤
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復讐捜査線(2010年製作の映画)

4.3

メル・ギブソン版『グラン・トリノ』ないし『ラスト・ラン 殺しの一匹狼』。

ジャケと邦題だけ見たらどう見てもスティーヴン・セガール映画風の如何にもなハリウッド映画に見えるが、この映画めっちゃ暗いし救い
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あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)

4.5

新作『水を抱く女』が今年3月に公開されたばかりのベルリン映画祭常連監督クリスティアン・ペツォールト作品初体験。

たしかに地味めで親切な映画とは言い難いが、実に良質な味わい深き1本。第二次世界大戦終戦
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.5

セブン+暗くなるまで待って+Jホラー

評判はちょくちょく聞いていたが、これほどの傑作だとは!

突っ込み所はちょいちょいあるにせよ(それはたぶん元の韓国版のシナリオの問題だとは思うが)、邦画でここま
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人生はローリングストーン(2015年製作の映画)

4.3

A24配給作品ながら2016年当時、日本では劇場未公開DVDスルーにされた作品。

個人的には大好きな1本で、ジェシー・アイゼンバーグ出演作でもかなり上位に入る。

本当に小粒で地味なミニシアター系作
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白昼の通り魔(1966年製作の映画)

4.5

“また生き残っちまった…私ひとり”。

黒沢清、ポン・ジュノらもフェイバリットに選ぶ大島渚の傑作だが、wikiにも項目がないし、filmarksにも写真がない。

カット割りや画面構成が同時代の若松孝
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

テレンス・マリック緒作+『バベル』+『ムーンライト』みたいな手触りで、良い意味で凄く裏切られた。あと最近の作品だと『ライフ・イット・セルフ 未来に続く物語』に通ずるものを無茶苦茶感じた1本。

個人的
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ソワレ(2020年製作の映画)

3.5

小泉今日子、豊原功補らが立ち上げた映画制作会社「新世界合同会社」の初プロデュース作品。

俳優の卵と介護師による“地獄の逃避行”。『そこのみにて光輝く』や『岬の兄妹』然り、この手の地方どん詰まりものは
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スージーの真心(1919年製作の映画)

5.0

先日ギャスパー・ノエの新作『ルクス・エテルナ』を鑑賞していたらカール・Th・ドライヤーに言及されていて、またサイレント映画を観直したいなぁと薄々思っていました。

此の所は新しい作品鑑賞続きでアナログ
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プロフェッショナル(1981年製作の映画)

4.0

昨年劇場公開された
“ベルモンド傑作選”がソフト化され出したので、ジャッキーやトム・クルーズに並ぶとも評される“ベルモンドアクション”を初体験。

脚本に傑作『預言者』や『君と歩く世界』のあのジャック
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.0

ハスミンa.k.a蓮實重彦氏辺りの大先生が本作を観たら、“アルドリッチやフライシャーにまるで言及がなされていない”と激昂するかもしれないが、少なくとも今の人向けの映画テキストとしてはかなり優秀と思う。>>続きを読む

ルクソーJr.(1986年製作の映画)

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『トイ・ストーリー』以後のピクサー作品のオープニングロゴに必ずや登場している電気スタンドのキャラクター「ルクソーJr.」。

ジョン・ラセターがピクサーで初めて監督を務めた作品であり、まさに“トイ・ス
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