ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

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ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.7

無茶苦茶面白い。

『ヒッチャー』『ブロブ』『トレマーズ』『ゼイリブ』なんかと並ぶ80年代B級SFアクションスリラーの傑作だ。突っ込み所やチープさがかえって良い味になっている類いの作品ではあるが、余計
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.5

私自身はどうしても嫌いになれない作品だし、悪い作品ではないと思うのだが、ホモソノリ無理な人や、同監督の『街の上で』が好きな人は本作に不満を募らせる可能性はあるかもしれないとは先に忠告。

松坂桃李、仲
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.3

『岬の兄妹』然り、ふとこうしたキラリと光るインディー系邦画に出会える瞬間は実に幸福だ。

“ヘタウマ”といえば聞こえはあまりよくないかもしれないが、本作や『岬の兄妹』は、“ヘタウマ”な傑作と言えるかも
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.3

“現代のチャップリン”(※というよりはキートンの方に近いと思うし、もっと言うとジャック・タチっぽい)と称される名匠エリア・スレイマンによる10年ぶりの新作。この度、スレイマン映画初体験。

知人が予告
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

-

『ビーチ・バム』『スプリング・ブレイカーズ』といったハーモニー・コリン監督作品から、『アレックス』以降本作までのギャスパー・ノエ監督作品すべての撮影を手掛けるブノワ・デビエ氏。

どの作品もその凄まじ
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.7

クリストファー・ノーランもオールタイムベストテンに入れていた本作。昨年のリバイバル上映を見逃したので、信頼と実績のTSUTAYA発掘良品さまでレンタル鑑賞。

ヒッチコック的スリラー要素の昇華に加え、
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みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)

4.7

『男の顔は履歴書』に続き、加藤泰の松竹第2作目。

“霊歌”というだけに、もう完全にホラー(※実際にレンタルビデオ店では邦画ホラーコーナーに置かれていたりする)。

ほぼ同時期に鈴木清順による同じくモ
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男の顔は履歴書(1966年製作の映画)

4.5

相米慎二も邦画オールタイムベスト10本の1つに挙げていた加藤泰監督による“舐めてた医者が実は殺人マシンでした映画”の傑作。

まず関係ない話からすると“藤岡弘”って“藤岡弘、”に改名したんだなぁ。
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劇場(2020年製作の映画)

4.1

行定監督はキム・ギドク監督の『悪い男』(傑作)をたしかフェイバリットに挙げていたが、本作は又吉直樹による原作(未読)ものとはいえ、至る部分で『悪い男』を彷彿させるものがあった。

冒頭の永田と沙希の出
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.7

ハーモニー・コリンが紡ぎ出すもうひとつの“アメリカン・ユートピア”ないし、“素晴らしき放浪者”。

『アメリカン・ユートピア』と並んで、今年一番“劇場で映画を観る悦び”を味わえた1本。こういうご時世で
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.0

再見。

たけしファンであってもお世辞にも褒められたものではない、明らかな失速感と物足りなさ。シリーズワースト。

2作目から5年のブランクがあったのもあるとは思うが、総じてキャストの年齢はグンと上が
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.3

再見。

S・クレイグ・ザラーはこのPart2のみをお気に入り映画リストに入れていたが、
たしかに派手さやポップさは前作から
後退するも、シリーズ中で最もソリッドで無駄の無いクールな1本。『ソナチネ』
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.1

再見。
シリーズ中、最も派手でポップ。我々観客をとにかく楽しませることに徹しており、そのサービス精神は⭕。

『スリー・ビルボード』の元ネタの歯医者のシーンはスリビル~の何十倍もキツい。中盤の黒人のく
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L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

4.0

北野武御大のオールタイムベストの1つこと、ウィリアム・鬼畜・フリードキン監督による刑事アクション。

久々に今観ると、なんか割りと前半かったるい箇所もあったり、この内容で尺116分は長いかなとか思わな
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.0

よく言われている『グッドフェローズ』的語り口も、『バットマン リターンズ』的ダークテイストも、ただ表層的に“なぞっているだけ”という感が個人的には否めず、熱量が感じられず物足りない。

同監督の前作『
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.3

世界的ロックバンド、トーキング・ヘッズの元ヴォーカリストであるデヴィッド・バーン による伝説のブロードウェイショーの映画化作品。地元の映画館では本日最終日だったので滑り込み鑑賞。

映画をある程度観て
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北国の帝王(1973年製作の映画)

4.7

黒沢清も常々フェイバリットに挙げている1本。

かつて映画の父リュミエール兄弟が、列車を走らせた(アクション)ことが映画の起源であるが、そんな起源を今一度思い起こさずにゃいられなくなる、名匠ロバート・
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東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

4.5

『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』、『お引越し』と数々のアイドル青春映画の傑作を放ってきた相米慎二監督によるこれまた傑作。

全編どこを切り取っても牧瀬里穂が神々しいが(特にハンバーガーを作るシーン
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ペイルライダー(1985年製作の映画)

3.8

『荒野のストレンジャー』から地続きのイーストウッド心霊ホラー西部劇。

“人間ではない存在の2部作"(パク・チャヌク風)。

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

4.5

黒沢清監督本人も撮影中に悪ノリしてしまったというようなことを言っていたが、例えるならば、ゴダール、ベルトルッチ、アンゲロプロス、キアロスタミ、北野武、Jホラーをミックスさせ、それを哀川翔主演の大ヒット>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.5

ポスターで受けた印象の「感動作」でもなく、かといって巷でよく評される「ホラー的」とすらもあまり思わなかった。たしかにポランスキーの神経症スリラー『反撥』っぽさはあるにはありますが。

本当にシンプルに
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軍旗はためく下に(1972年製作の映画)

4.7

“俺は人を食った…だが、世界は別に変わっちゃいない”。

強烈な作品。以前、高橋ヨシキさんが「観ずに死ねるか!傑作絶望シネマ」の3本立て上映企画でセレクトしていた作品で、『仁義なき戦い』の前年に深作欣
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Girl/ガール(2018年製作の映画)

4.0

おチンポ映画としてのインパクトはキム・ギドク『メビウス』には劣るけれど、終盤思わず“あ~”と声を出しそうになった。

そして、娘の部屋にノックせずに入ってくる父親というのは万国共通だなと。主演の方、本
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ピーウィーの大冒険(1985年製作の映画)

4.5

ティム・バートンの長編デビュー作。S・クレイグ・ザラーのお気に入り映画リストに入っている唯一のバートン作品。

もうデビュー作にして完成形とでもいうべく、バートンワールド全快、オタク趣味全快(※ゴジラ
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キラー・インサイド・ミー(2010年製作の映画)

4.3

キューブリックやスティーヴン・キングが惚れ込んだジム・トンプスン(※キューブリックの『現金に体を張れ』の脚本に参加している小説家)による禁断のノワール小説『内なる殺人者』の映画化。

正直、キューブリ
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家族の肖像(1974年製作の映画)

3.0

前作「ルートヴィヒ」の撮影中に病で倒れて以降、車椅子での生活を余儀無くされたヴィスコンティが、移動範囲の限られた室内劇ならばと企画が進められた本作だが、それがよくなかったのか、『夏の嵐』や『ベニスに死>>続きを読む

追想(1975年製作の映画)

4.0

タランティーノや井筒和幸も偏愛するロベール・アンリコ監督による戦争ドラマ。

たしかに文芸映画の皮を被った『イングロリアス・バスターズ』ないし、『ランボー ラスト・ブラッド』ともとれる復讐劇だった。と
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

4.3

高橋ヨシキさんが観ずに死ねるか!傑作絶望シネマの“オールナイト3本立て上映企画”の3本のうちの1つに選んでいた作品。

※残りの2本は深作欣二『軍旗はためく下に』←(名作)とリドリー・スコット『悪の法
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ブレインデッド(1992年製作の映画)

4.7

笑って笑って泣いて笑って大忙し。『スターシップ・トゥルーパーズ』にも並ぶ大傑作。これぞ映画。

口うるさい母親と恋人の間で板挟みになり、翻弄されていた主人公が、母親とのケリをつける成長譚としても他人事
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

3.5

『食人族』好きでこれを観ていないのは如何なものかと思い、ようやく初鑑賞。

言うほどには全然悪くはないけれど、たしかに今現在の数多のPOV手法を取り入れた秀作を見慣れてしまっていると物足りなく感じるの
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Virginia/ヴァージニア(2011年製作の映画)

3.0

キャスト陣も魅力的で、所々目を見張るショットがあるのは間違いないし、一部映画好きが高評価しているのも理解はしているが、それでもやはり全体的にかったるさが勝る。コッポラなのでどうしても嫌いにはなれないが>>続きを読む

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

4.3

S・クレイグ・ザラーお気に入りの三池崇史『新・仁義の墓場』。

深作欣二監督版の渡哲也が体現する主人公・石川にはハチャメチャながらに情や仁義がギリギリのラインで見え隠れしていたが、本作の岸谷五朗演じる
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街の上で(2019年製作の映画)

4.3

本作出演の萩原みのりさんが、今泉作品の魅力・特徴として挙げていた「人間一人一人に愛着が沸くというか、本当にそこに生きている感じがする。どこにでもいそうなんだけれど、でもみんな少しだけ変。何かが1㌢とか>>続きを読む

ラスト・シューティスト(1976年製作の映画)

4.5

“Mr.西部劇”ジョン・ウェイン×ドン・シーゲル監督から、若きロン・ハワードへのアメリカ映画の伝統の継承。

ウェインの西部劇と、現在に至るまでのハワードの活躍を両方見ている身としては堪らなくグっとき
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暴動島根刑務所(1975年製作の映画)

4.5

最高。70s東映プログラムピクチャーの大傑作『狂った野獣』を手掛け、御年86にしてYouTuberデビューも果たしたみんな大好き中島貞夫監督のこれまた大傑作。

『狂った野獣』同様にトニー・スコットも
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.5

久々のベルイマン。『エクソシスト』や『ヘレディタリー/継承』といったホラー名作群にも多大な影響を与えているベルイマン作品は、元々ある種ホラー的であるが、本作は一際人間の暗部を抉り出すエグいホラー的な1>>続きを読む